2023.06.06

ロースかつ&ラムかつ定食@松のや

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 「松のや」が2023年5月31日より店舗限定で販売中の「ロースかつ&ラムかつ定食(980円)」を試食。関東では7店舗でしか販売されないのに、ありがたいことにその中に川口店がしっかり入っていました。8月に全国展開予定とのこと。
 
 なお川口店では以前公式サイトでは存在が確認できない「ガリバタ粒マスタードマヨささみかつ」を大々的に売り出していたことがあり、この店は松のやの実験店的な位置づけになっているのかも。
 
 「ラム肉は生後12カ月未満の子羊肉で、羊肉特有の臭みが無く食べやすい柔らかい肉質で、『松のや史上屈指の“やわらかつ”』」というのが松のやのウリ文句。

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 配膳されて戸惑ったのは、どれがラムかつなのか良く判らなかったこと。網からはみ出している小さいのがラムかつだと思いましたが、違っていたらめっちゃ恥ずかしい(^-^;
 
 ラムってそれこそ札幌や新千歳空港でジンギスカンくらいしか食べる機会がないのですが、思ったほど癖も臭みもありません。その代わり松のやが豪語するほど柔らかくもないというのが正直なところ。悪く言えばこれといった特徴がありません。また「ツンと香るレフォールソース(西洋わさび)と、アンデスの紅塩で2通りの味変を楽しめます」とのことですが、塩だけで楽しめるほどラムかつ本体に旨味が溢れている訳でもありません。
 
 またラムっていつの間にか高級食材になってしまったようで、松のやにしては高いのも難。「ラムかつ定食」だと1080円ともはやかつやの主要顧客層には手が出ないんじゃないかと(苦笑)。

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海鳴@福岡空港 ~ とんこつラーメン

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 福岡空港国内線ターミナルビル3階「ラーメン滑走路」内。予定していた店が往訪日直前に閉店したことに衝撃を受けてこちらへ転進した次第。なお「ラーメン滑走路」は初めて来ましたが、博多駅の「めん街道」と比べるとどの店もたいして混んでないみたいで。


 「魚介とんこつ」「ジェノバ」「辛子明太子」といった変化球がウリの店のようですが、まずは基本の「とんこつラーメン(750円)」を「麺カタ」で注文。

 店内は広くで島式カウンター12席と4人卓×4,2人卓×1。卓上にはおろしニンニク、紅生姜、しろごま、コショウ。

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 若干とろみがかったスープは豚骨臭はほとんどしないのに豚骨の旨みたっぷり!しかもしょっぱくもないので、ついついグイグイのみ進んでしまいました。

 麺は極細ストレートで、「カタ」でも十分な噛み応え。

 チャーシューは薄くてちょっと焦げが入ったようなタイプ。笹切りのネギや刻み玉ねぎが入っている反面、博多ラーメンではポピュラーなキクラゲや海苔はなし。
 
 飛行機の乗る前の慌しい中でさくっと食うには十分な出来です。

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2023.06.05

トンテキ定食@松屋

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 松屋が2023年5月30日より発売中の「トンテキ定食」を「3枚盛(890円)」で試食。1枚盛690円)~4枚盛(990円)と100円刻みで値段を変えて売っているのは、諸物価高騰を反映して単に単価を上げるだけでは客離れを招くとの判断からでしょう。
 
 またこれは新商品ではなく、2005年の初登場で2021年5月以来の復活だそうで。でも個人的には2020年9月に販売された「「味噌漬けトンテキ丼」を試食しただけ。

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 「トンテキ」は「分厚い豚肉に、ウスターソースとローストガーリックの旨味がギュッと詰まった食欲をそそる究極の『トンテキソース』がたっぷりかかった、ごはんが進む安定の松屋テイスト。抜群のパンチ力と、程よい酸味がクセになる逸品です。」というのが松屋のウリ文句。
 
 3枚といっても豚肉は短冊状に刻んだ格好で出てくるので全然3枚に見えません。なお四日市で試食したトンテキは「一応切れ目が入っているものの根元がくっついているグローブ状」で出てきましたが、あれは単に食いづらいだけなので短冊状が正解。豚肉は「分厚い」というほどでもないが薄くもなく「松屋で出てくる焼肉にしては厚い方」といった感じ。
 
 そしてその上にアホほどソースがかかっています。ただでさえガーリック効かせまくりの松屋の味をローストガーリックでさらに強化してしまう松屋のセンスには苦笑を禁じえませんが、非常に難儀だったのはウスターソースから来ると思しき酸味。どこが「程よい」やねん・・・酸味強すぎでしょう、どう考えても・・・「味噌漬けトンテキ丼」同様、味が濃すぎてご飯進みまくり。「ご飯大盛」に合わせるなら「2枚盛」で十分だったと思い返すも時すでに遅し。
 
 松屋の鶏メイン定食はだいたいハズレと思っていましたが、焼肉系もイマイチみたいで・・・

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【観戦記】23年第16節:浦和 0-0 鹿島 ~ 疲労困憊じゃ仕方ないか・・・

 福岡戦から続く連戦また連戦。京都&広島に続いて強度が高い相手との三連戦は殊の外ダメージがデカかったようで、浦和は概して動きは芳しくなく決定機も僅少。ただ鹿島の決定機も少なく、スコアレスドローは妥当でしょう。

《スタメン》

 浦和は5/20のアウェー福岡戦から続く7連戦の5試合目。前節広島戦から中3日でカンテ→興梠、モーベルグ→大久保、岩尾→リンセンとスタメン3名を入れ替え。故障明けの酒井も明本も当然のようにスタメン起用。浦和の今季のメディカル体制は良い意味でどうなっとるんや???

 スコルジャ流では徐々に評価が下がって来たのが見え隠れしていた岩尾はついにベンチスタートに。よって平野はベンチ外のまま。また早川がベンチ入りしたので柴戸がベンチ外に。

 週央に試合がない鹿島は前節鳥栖戦から仲間→佐野とスタメン1名入れ替えのみ。

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《試合展開》

 鹿島の基本フォーメーションはいつもの4-4-2。一方浦和は興梠とリンセンを併用したのでこちらも4-4-2と思いきや、リンセン左SH&関根トップ下の4-2-3-1で試合開始。
 
 過去リンセン左SHって機能した試しがないどころか、本人も嫌がって勝手に持ち場を放棄してしまう場面が多々見られたので、スコルジャがなぜリンセン左SHに拘るのか全く判りません。そして案の定というかなんというか、浦和は前プレが全然ハマらずに11分特にパスワークに定評はないはずの鹿島にパスワークで中盤をズタズタに切り裂かれた挙句、後ろから飛び出してきた佐野にシュートを撃たれてヒヤリ。
 
 このあまりの惨状を見てスコルジャも諦めがついたのか、リンセンを前に上げて関根左SHの4-4-2に転換。しかもリンセンは2トップの右側にいて、スコルジャはリンセンを左サイドに置くことに拘っている風でもなさげ。うーーん、この10分は何だったのか・・・
 
 しかし、この布陣変更も大惨事がボヤになっただけの話。そんなにボール保持に重きを置いている訳ではない鹿島にボールを握られ続け、浦和は自陣で4-4-2の守備ブロックを作って耐える時間帯が長く続きました。しかも、日程が厳しい浦和はコンディション面での差が露骨に出てしまって球際で劣勢。これも浦和が苦戦を余儀なくされた一因でしょう。
 
 さらに伊藤&安居のCHコンビは共に最終ラインに落ちない形でのビルドアップを試みていましたが、これまたなかなか上手く行かず。ビルドアップに失敗して自陣でボールロスト→ショートカウンターを食らう大惨事こそありませんでしたが、浦和は自陣から出るのが精一杯で攻撃はほとんど仕掛けられず。
 
 浦和を自陣に押し込み続ける鹿島。22分右サイドからビトゥカのミドルシュートが枠内を強襲しましたが、今の西川相手ではまずこういうのは入りません。この試合鹿島最大の決定機は24分CKのクリアボールをピトゥカがシュート。これがマリウスに当たってのこぼれ球がどフリーの鈴木に渡るも、鈴木のシュートを西川がビッグセーブ!!
 
 鹿島は「ボールを持たされた」という評価は当たらないと思いますが、持ったところでサイドからのハイクロス攻撃しかなく、そういう手合いはショルツ&マリウスがいる浦和にはまず通用しません。よって鹿島の攻勢は24分の決定機を逃した後は尻すぼみに。
 
 40分くらいからようやく浦和がボールを握れるように。左サイドから関根&明本のコンビで盛んに鹿島のSB・CB間を裏抜けを図り、前半終了間際には明本が角度のないところからシュートを放つもディフレクトしてポスト直撃!!
 
 スコルジャは2トップでも良いところなしだったリンセンを諦めて後半頭から岩尾を投入し、安居トップ下の4-2-3-1へ布陣を再変更。ビルドアップも岩尾が最終ラインに落ちるいつもの型となり、面子もほぼACL決勝メンバーになったためか浦和のビルドアップ自体はぐっと良くなりましたが、今後は自陣に引いて構える鹿島の4-4-2の守備ブロックを崩せず。
 
 スコルジャは66分にカンテとモーベルグを投入。しかもモーベルグが投入されたのはいつもとは逆の左SH!!投入直後に左サイドからモーベルグがクロス→カンテ飛び込む形があり、スコルジャはここに戦況打開の糸口を見出したのでしょうが、CB植田&関川が構える鹿島の防空性能は非常に高くてクロス攻撃は全く決定機にならず。78分荻原と早川の投入でもクロスに頼りがちな浦和の攻撃パターンに変化はなく、依然決定機は作れず。

 鹿島も後半盛んに選手を代えたものの、自陣に押し込まれた挙句に鈴木目がけてロングボールを蹴ったり、ロングボールで裏抜けを狙わせたりと単純かつ単調な攻撃しか出来ず、浦和以上に何の可能性も感じられず、試合は次第に塩分マシマシに。鹿島の選手交代で唯一変化を付けられたのは最後に左SHに投入された俊足の藤井。藤井が左サイドを深く抉って低くて速いクロスを入れ出した時間帯には少し光明が見いだせた気がしましたが、これも決定機には至らず。
 
 浦和がこの試合最大の決定機を掴んだのは90+2分。酒井のボール奪取から始まる一連の攻撃でボックス内から荻原クロス→カンテが左SB安西の前に入ってヘディングシュートを放つもGK早川に阻まれてしまいました。
 
 試合終了間際にはエンタメ性を補うかのような小競り合いがあり、両チームに計4枚ものイエローカードが乱舞する一幕がありましたが、ただそれだけで試合終了。

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《総評》

 終わってみればシュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数、ボール支配率ともほぼ互角。前半は鹿島、後半は浦和ペースの試合だったので、どちらも「勝てた!」という印象を持つかもしれませんが、決定機らしい決定機は共に一回しかないのでスコアレスドローは妥当でしょう。
 
 鹿島のロングボール&ハイクロス多用の攻撃って浦和には一番通用しづらいものなので負ける気はしませんでしたが、勝てるかとなると鹿島の守備はいつの間にか非常に堅固な、クソ面倒なチームに変貌していて、そんな観点からもスコアレスドローは妥当でしょう。鹿島同様、浦和の攻撃もしょぼくてスコアレスドローと言い換えても良いでしょうし(自嘲)。
 
 当事者としては最後まで気が抜けない、緊迫感溢れる、まさに両者がっぷり四つの試合でしたが、如何せん決定機らしい決定機が共にほとんどないのでエンタメ性には乏しく、第三者的、あるいはサッカーを見始めたばかりの方には退屈な試合だったかもしれません。
 
 それはさておき、面白かったのは試合後のスコルジャの会見。「鹿島のハイプレスは他のチームとは少し形が違います。いつもとは違うビルドアップで、そのプレスを破ろうとしました。」「敦樹と海渡のボランチでの組み合わせも見たかったのです。今後、海渡をトップ下だけでなく、ボランチで起用する試合も増えてくると思ったので、それを見たいと思いました」と鹿島戦の前半はテスト的色彩があったことを認めていること。会見では触れられませんでしたが、モーベルグ左SHもテストの一環でしょう。
 
 連戦また連戦。ずっーーーとリカバリー系の練習を続けながら連戦に臨む監督もいる一方、スコルジャは選手のコンディションを重視してちゃんとオフを入れるタイプの様子。鹿島戦の3日前にもきっちりオフを与えていたようで、当然ながら「ゲームへの準備で戦術練習が1回しかできない」状態で鹿島戦に臨む羽目になりました。従ってスコルジャは公式戦そのものを半ば練習に充てて、足りない練習時間を補ったのでしょう。
 
 残念ながらテストの結果は凶。「それがうまくいきませんでした」「期待通りにはいきませんでした」「今日はそれが私のベストアイデアの一つではなかった」とがっかりコメントを連発。誰もが超重要な大一番と考えている鹿島戦でテストをして負けでもしようものならボロクソに言われたことでしょう。
 
 しかし、浦和は負けなかった。負けなかったどころか鹿島に与えた決定機らしい決定機は24分鈴木の一回こっきり。しかも負けないどころか最後はカンテに決定機があって勝ち目すらあるところまで持って行き、最低限のタスク=勝ち点1は確保できました。
 
 要するに一年を通じて最も日程がきついと思われるこの時期に難敵鹿島を倒して早急に上位へ浮上することには重きを置かず、「長いリーグ戦の最後の最後でトップに立ってたらええやん!!」と割り切り、鹿島戦ですら強化過程の一環と捉えたのでしょう。そしてテスト自体はあまり上手く行きませんでしたが、「テストだから結果は度外視」とまでは割り切らず最低限のタスクは果たす。
 
 ああ、これってフルターンオーバーを繰り返しながら最初の4試合全部引き分けでやり過ごし(ホーム清水戦の引き分けだけは誤算と思いますが)、5試合目でついにグループリーグ首位通過の目を出したルヴァン杯に相通じるスコルジャのやり方!ひいては序盤のリーグ戦自体をACL決勝への準備に費やしたスコルジャ流!!
 
 なにせスコルジャ体制になったまだ半年。最終着地点を見据えて仕事を進めるスコルジャ。その過程で上手く行かないこともままあるが、最低勝ち点1を拾いながら前に進む。ホーム鹿島戦はドローで終わってしまいましたが、個人的にはここでのテストがリーグ戦後半に活きてくると信じて前向きに捉えることにします。

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《選手評等》

・お疲れのためか浦和の選手達はおしなべて精彩を欠き、ショルツ&マリウス&西川による「鉄の三角形」が目を惹くばかり。リンセンは小泉が復調したらもう出番はないかも。もっともこの試合は興梠の出来もたいがいだったので、リンセンだけ責めても仕方ないと思ったけど。

・鈴木が好き勝手に中盤に降りて来ずに、前に張りっぱなしなのは意外でした。それ以上に鈴木の試合後コメントがあたかも人間性を取り戻したかのように実に要領を得ていて、傍目からも納得できるものだったのでびっくり!!これもショルツ神の御威光に触れたおかげでしょうなぁ・・・

・この試合の主審はJFAの「審判交流プログラム」によりプレミアリーグから来たアンドリュー マドレイ氏。プレミアリーグから来た割にはちょっとしたフィジカルコンタクトで簡単にファウルを取るのには驚きましたが、それはそれで一貫しているので無問題。24分酒井のクロスがビトゥカのハンド=PKと思われる場面があったものの、VARと交信してOFRまで行かずにノーファウル。最後の小競り合いでなんで4枚もイエローを出すのか少々不可解でしたが、総じて明らかに上手い!!とは思わなかったけど「なんじゃそれ???」と思う場面もなかったので、Jリーグの平均的な残念過ぎる主審よりはマシだったという印象。

・北ゴール裏では赤白黒の大旗が揺れる!揺れる!!旗屋のトスパ様、RBC加入効果が絶大すぎます!! 浦和法人営業から見れば、他社へセールスする際の好事例でしょうし。

・今年の鹿島戦は45,575人の大入り。2018年の46,893人を少し下回る程度(2019年は水曜開催だったので考慮外)で、集客に不利な日曜開催なことを考えれば上々の出来。他所と違って無料招待をほとんどしないにも関わらずこの入りは見事。今年は入る試合とそうでない試合が極端に2極化するのかなぁ?

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-----興梠-----
リンセン---関根--大久保
---安居--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(交代)
HT リンセン→岩尾(岩尾CH、安居トップ下)
66分 関根→モーベルグ
66分 興梠→カンテ
78分 安居→荻原(荻原左SB、明本左SH、早川トップ下、モーベルグ右SH)
78分 大久保→早川

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---鈴木--垣田---
樋口--------名古
---ビトゥカ--佐野---
安西-関川--植田-広瀬
-----早川-----

(交代)
59分 垣田→土居
59分 名古→仲間
73分 樋口→カイキ
73分 広瀬→常本
87分 佐野→藤井(藤井左SH、カイキFWへ)

 

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2023.06.04

【今季振り返り】22-23年第21節:浦和L 4-0 大宮V ~ WEリーグ優勝おめでとう!!

 前節「田代砲」で気合注入されまくった長野相手に気迫負けという非常に残念な負け方をしてしまった浦和。そこから優勝がかかったホームゲームの大一番でどう立て直すかが見ものでしたが、幸いにも大宮は完全に消化試合モード入りしていて歯ごたえも何もありませんでした。立ち上がりからほぼハーフコートゲームと化し、浦和はその間に着々と得点を重ね、ホームゲーム、しかも5000人弱も集まった大観衆の中でWEリーグ優勝を決めました。

 試合はワンサイドゲームすぎてわざわざ振り返るに値しないので、ここでは今季の浦和について雑感をつらねることにします。
 
 とにかく今季の浦和は後ろ目のやりくりに難儀しました。CB長船が依然長期離脱中な上にGK池田が昨年6月の代表合宿で重傷を負って離脱。また昨秋のカップ戦では不動のレギュラーだった左SB佐々木もコンディションを崩したのか、リーグ戦序盤はベンチ外が続きました。しかもCB南がASローマへ移籍したにも関わらず、CBの補強はなしという何とも不可解な状態で浦和は開幕を迎えました。
 
 そこで楠瀬監督はGK福田、CB石川と若手を抜擢しましたが、相方のCB髙橋はなを含めて経験が浅い選手だらけのせいか開幕時はバカ試合の連続。幸いそれを帳消しにして余りある攻撃力、まさに「鋼鉄のザル」状態で勝ち点3を拾いまくりましたが、ぶっちぎりで優勝したチームがそんな超不安定な状態からスタートしたことは記憶に留めて置くべきでしょう。最初から確信をもって優勝に値すると言えるチーム状態ではなかったと。
 
 転機となったのは昨年11月の代表合宿中に髙橋はなまでも負傷して長期離脱を余儀なくされたこと。いよいよCBの駒がいなくったところで楠瀬監督はなんとCBに安藤のコンバートを決断!!当時安藤40歳、石川19歳と年齢的には「ほぼ母子」で最終ラインを守る格好になりましたが、このコンバートが見事にハマって浦和の最終ラインは急激に安定し、以後複数失点を喫したのは皇后杯準々決勝を含めて4試合に留まりました。
 
 安藤は165cmしかないもののWEリーグだと物理的に殴ってくるCFはほとんどいないので、フィジカルが強い安藤のCB起用は本人さえ納得すればそんなに変ではないとは思いましたが、ここまでやってくれるとは!!サッカー脳が高すぎて「経験の無さ」なんて何の問題にもならなかったみたいで。
 
 そしてメンタルが強靭な安藤が最終ラインに加わったのが良かったのか、若い福田や石川も試合中変に慌てるようなことは次第になくなって安定感を増してゆきました。特に石川の一対一の強さ、そして強気にバンバン縦パスを突き刺してゆく様は圧巻で、おまけに第9節アウェー新潟戦では闘莉王を髣髴させる豪快なヘッドが炸裂。もはや石川アレクサンダー闘璃音。良い意味で浦和には長くおらんでしょうなぁ、これは・・・熊谷→南→石川と続くワールドレベルの浦和産CB列伝・・・
 
 さらに言えば今季の浦和の守備が急激に安定した一因として右SB遠藤の成長も見逃せません。昨季の浦和はとにかく中下位チーム相手に取りこぼしが多くて、それが優勝した神戸に大差をつけられた2位に留まった主因でしたら、今季の取りこぼしは前節の長野戦だけ。昨季は中下位チーム相手にボールを一方的に試合してるのに攻めきれずにカウンターを食らって勝ち点を落とす試合が目立ちましたが、今季はそんな場面すらあまり目にしなくなりました。
 
 昨季の浦和は清家を右SBに配したものの、実際は右SBとは名ばかりで、攻撃時やたら高い位置に押し出して「戦術兵器」として活用していましたが、やはりそれには無理があってカウンターを食らう素地になっていたのでしょう。今季は遠藤を右SBに配して清家を右SHに配したことで攻守のバランスがぐっと良くなったものと目されます。
 
 しかも遠藤は守備専ではないどころか、清家との相性が極めて良くて、相手が清家ばかり警戒しているとその後ろからやたら重心の低いドリブルで右サイドを深々と破り、クロスどころか遠目からシュートを撃ってくるクソめんどくさい選手に!!

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 得点力は昨季同様強力なままどころか、1試合未消化な現時点で45点と昨年の得点(40)を既に上回っています。しかも注目すべきなのは清家11、菅澤9、島田8、猶本6と前目の選手がバランスよく点を取っていること。昨年の得点が菅澤一人に集中(14点)しているのと大違いです。
 
 浦和の攻撃の基本形は何だかんだと言っても「戦術兵器清家」による右サイドからの攻撃。右サイドからチャンスメークして、折り返しを決める選手が多彩になったというとなのでしょう。そしてここで大ブレイクしたのが2年目の左SH島田。
 
 昨年は途中出場で何度もチャンスをもらいながらピッチを徘徊するだけで何のインパクトも残せませんでしたが、今季突如覚醒。シュート精度が高いというか若い割には妙に落ち着きがあり、シュートレンジも広く、身体を張ってボールキープどころか相手DFの邪魔をして味方を助ける小技も出来る。本来2トップの一角が適任と思いますが、左SHといってもサイドアタッカー的な仕事は全然求められず、右サイド攻撃に対してファーから突っ込んでくる役回りが多くて事実上シャドーストライカーなのも悪くはないでしょう。


 そしてシーズンを通じて「戦術兵器清家」の発射ボタンを押しまくっていたのが猶本。今季の基本フォーメーションは当初4-4-2との併用でしたが、途中から完全に猶本をトップ下に配した4-2-3-1「猶本全権委任システム」で固定。WEリーグレベルでは完全に頭二つくらい抜けている猶本の存在がとにかく圧倒的で、しかも猶本のコンディションがシーズンを通じて安定していたのが優勝の原動力といって差し支えないくらい。守備面での貢献も高く、「戦術兵器清家」のみならず浦和のプレッシング開始のスイッチまで押していたといっても過言ではないでしょう。
 
 あえて猶本に苦言を呈すればGKとの一対一が案外下手なこと。そこさえ良くなればなでしこ代表でも不動のレギュラーでしょうに。清家も同じ。

 長くなりましたが、今季はとにかくケチのつけようがないほぼ100点満点の出来での優勝でした。GK福田、CB石川を筆頭に途中交代で若手を盛んに起用し、世代交代の芽を撒きながらの優勝は高く評価できます。選手、監督、スタッフの皆さま、ありがとうございました、そしてお疲れさまでした。
 
《個人評》

・MVP 猶本
・新人賞 石川
・特別功労賞 安藤
Yes/Noまくら 遠藤

Urawaladies2306025

-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
24分 猶本
45分 島田
60分 清家
77分 清家

(交代)
66分 遠藤→栗島
66分 水谷→佐々木
82分 島田→角田(角田CH、塩越左SHへ)

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2023.06.03

タイガーベル@川口中青木 ~ チキンカレー

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 川口駅東口のしょぼい商店街「樹モール」から「ふじの市商店街」を北へ抜けた先。住宅街の中にぽつんと立地。「Curry庵 味蕾」の跡地でカレー屋の後にまたカレー屋が出来た格好ですが、両者の関係は不明。開店時はコロナ禍の渦中だったせいか営業は極めて不安定で半ば休業していた様子だったのでしばらく放置していましたが、ようやく営業が安定してきた感じだったので往訪。先客1、後客ゼロ。
 
 卓上のメニューを見て無難そうな「チキンカレー(950円)」を注文。辛さは「普通・中辛・辛口」とあるそうですが「普通」で。大盛無料サービスということで大盛にしてもらいました。
 
 「Curry庵 味蕾」と比べると大幅に値上がりしていて、メニューはおしなべて1000円前後。プレーンなメニューが無くて、デフォルトで大なり小なりどれもトッピング付きみたい。

 店内は厨房に向かってカウンター4席。店奥に4人掛けテーブル2卓、壁沿いに2人掛け1卓。前店のほぼ居抜きみたいで。

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 ご飯大盛だとルーも増えるのか、浅い皿に目一杯盛られた状態で登場。ルーはややとろみがかった程度。「普通」だと全然辛くなくてコクと旨味で持たせる、欧風寄りの味わいです。
 
 「スパイスで漬け込み焼いたチキンをin」というのが店のウリ文句で、やや大きめにカットされた鶏肉がルーの中にゴロゴロ。ちょっと焦げが入ったような渋味がカレーにアクセントを加えています。大盛でも全く飽きずに一気に完食。「カツカレー」など揚げ物トッピング系だと胃にずっしり来そうですが、チキンカレーはそれほどでも。
 
 次は「辛口」で他のメニューにチャレンジしてみます。

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2023.06.02

豚辛ラーメン@餃子の王将

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 「餃子の王将」が6月限定メニューとして販売中の「豚辛ラーメン(638円)」を試食。ラーメン単品では少々寂しいと思って餃子3個とライス小が付いた「Bセット(880円)」を注文。

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 「やわらか豚肉がたっぷり入り、ピリッと旨辛なスープに、まろやかな玉子が絶妙にマッチ!」というのが餃子の王将のウリ文句。

 でも明らかにたっぷり入っているのは豚肉ではなく溶き卵。卵の高騰が長期している中でよくこんなに卵を大量に使う商品を出したものだと感心しました。「たっぷり」と形容するほどではありませんが、豚肉もそこそこ多め。その分それ以外の具がしょぼくて、野菜はキャベツとニラのみでしょうか。
 
 それはともかく「ピリッと旨辛なスープ」の出来がイマイチで、旨味も辛さも物足りず。辛さはやむなく卓上の胡椒と辣油で補強。また見た目で勘違いしがちですが、とろみはほとんどありません。
 
 麺はいつもの頼りない中細緩い縮れ入りで、つるつるした口当たり。量的にも質的にも単体だと物足りないのでBセットにして正解でした。
  
 餃子の王将のラーメンは結構ハズレが多いのですが、これも御多分に漏れなかったようで。

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豆乳仕立ての冷やしトマたまカレーうどん@丸亀製麺

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 丸亀製麺が2023 年4月25日から6月中旬まで期間限定で販売中の「豆乳仕立ての冷やしトマたまカレーうどん・大(980円)」を試食。人気商品「トマたまカレーうどん」の新作という位置づけです。
 
 「ひと口すすると、最初に感じるのはフレッシュなトマトの酸味と玉子の甘み。続いて豆乳クリームのまろやかさが広がり、最後にトマたまカレーならではのガツンとした辛さが駆け抜けていきます。トマたまカレーがベースとなっているため、辛さの決め手カイエンペッパー、ニンニクやごま油といった隠し味も重なり、奥深い味わいです。」というのが丸亀製麺のウリ文句。カレーうどんで「冷やし」を実現しただけでも十分画期的な新商品です。

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 「辛さをおとすことなく、まろやかな味わいに仕上げるため、豆乳クリームを加えました」とのことですが、実際結構スパイスが効いていて、辛くて絶えず舌に刺激が来ます。表面にある魚粉のように見えるのが「辛さの決め手カイエンペッパー」なのかな? 冷やしなのにしっかりカレーうどんとして成り立っていることに感動!!ただ「トマたまカレー」と比べると「冷やし」ゆえか汁気が少ないので、「まぜそば」ならぬ「まぜうどん」みたいな感じに。

 一方「トマたまカレー」では強烈に自己主張したトマトの酸味はぐっと抑えられて、確かにまろやかな味わいに。ゴロゴロ転がっているトマトも割と甘目で、酸味の強い「昭和のトマト」とは全く違いますし。

 
 余ったたれには「ひとくちごはん」を投入してフィニッシュ。前回ララガーデン川口店で「トマたまカレー」を試食した際には店が「ひとくちごはん」を付け忘れるという憂き目にあいましたが、今回はちゃんと出てきました。

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2023.06.01

ビッグワン@佐賀 ~ 野菜ラーメン

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 佐賀駅北口を出て高架沿いに東へ進んですぐ。約3年半ぶりの再訪。佐賀駅は駅どころか周辺にも大きな商業施設がないせいか通勤通学時間帯以外は静かなものですが、近隣で働いている方がワラワラとやって来て先客3、後客12と賑わっていました。

 店内の券売機ボタンを見ると、シンプルなラーメンならなんと590円と激安!!さすがにこれでは具がしょぼかろうと思い、「野菜ラーメン(730円)」を注文しました。前回往訪時よりちょっと値上がりしているとはいえ、全般にかなり安い店です。

 なお佐賀のラーメンは生卵入りをウリにしているところが多いようですが、生卵を入れてスープがぬるくなってしまうのが嫌いですし、そもそもスープを全部飲むわけでもないのに生卵を入れるのもなんかもったいないので生卵は割愛。

 店は案外でかくてコの字型カウンター20席くらい。卓上には胡椒とラー油、おろしニンニク、餃子のタレ。店内には強烈なトンコツ臭が漂っているので要注意。腰の曲がったお婆さんが客の案内に当たっていて、たまたま死角に入って姿が見えないところから声がしたので最初はびっくりしました。

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 ややトロミがかったスープは濃い目の味わいで、しかも店内の臭いから来る期待感を全く裏切ることのない豚骨出汁の美味さが際立つ優れもの。ただ飲み進むには味が濃すぎかなぁ・・・ また前回往訪時はあっさり目という印象だったので、結構ブレがでかい店なのかも。

 麺は細目のストレートタイプで噛み応えしっかり。これまた前回は「心持ち柔らかめ」という感じだったので結構ブレがありそう。量は並程度あるせいか替え玉はやっていないようです。でもいきなり大盛にすると麺がヘタレそう。

 具は細もやしとキャベツ中心にかまぼこ、ちくわ、わずかに豚肉と具沢山で、豚骨ベースのちゃんぽんに見えないこともないのですが、麺が全然ちゃんぽんとは違います。

 「安くてそこそこ美味い」というラーメンの王道を行く文句なしの良店です。

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【観戦記】23年第11節:浦和 2-1 広島 ~ 殴られてやっと目覚める浦和かな

 立ち上がりからやや広島ペースで試合が進み、案の定先制点も奪われてしまいましたが、そこからの反撃が凄まじいのなんの!!見事な逆転勝ちでした。出来れば最初からこれをお願いします(苦笑)

《スタメン》

 ACL決勝の影響で先送りになっていた第11節。共にリーグ戦前節から中3日。しかもその前の週は水曜日にルヴァン杯を消化しているという点でも全く同じスケジュールの両者。
 
 浦和は興梠→カンテ、大久保→モーベルグ、荻原→明本とスタメン3名入れ替え。「酒井は故障が慢性化していて中3日で使うのは厳しい」という話があったはずなのに中3日でスタメンで出てきたのには心底驚きました。また福岡戦で負傷した明本は結局ルヴァン杯を休んだだけでこの試合はとうとうスタメンに復帰。
 
 カンテ&モーベルグがついに揃ってスタメン出場となり、興梠&大久保がベンチスタート。中3日で鹿島戦が控えており、さらに来週は天皇杯&横浜C戦と続く過密日程ゆえ、「ACL決勝メンバー」からちょっとずつ入れ替えを始めたのでしょう。スコルジャもルヴァン杯川崎戦辺りから控え組の底上げに手応えを感じていることでしょうし。

 またリンセン&柴戸がベンチ入りした反面、平野&早川がベンチ外に。ベンチ入りを巡っての競争も激しくなっており、「メディカル的な理由」で福岡戦からベンチ外に小泉は大原には戻ってきているものの、この試合もベンチ外に。

 広島はエゼキエウ→野津田、柏→東とスタメン2名入れ替え。なお広島は満田が福岡戦で大怪我を負って長期離脱中な他、塩谷が故障中の模様。

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《試合展開》

 浦和は4-2-3-1(守備時4-4-2)、広島は3-4-2-1といつもの布陣ながら川村が本職のボランチではなくトップ下に入ったのが目を惹きました。
 
 基本フォーメーションは全く噛み合わず、ギャップが出来やすい両者。浦和はカンテ&モーベルグを揃ってスタメン起用したためか、ハナから前プレを捨てたような格好で試合に入りましたが、序盤は広島の厳しい前プレで浦和は自陣に押し込まれがちに。ビルドアップもままならないためかロングボールを多用して広島の高い最終ライン裏を狙う攻撃が目立ちました。
 
 そしてその形がいきなり実りかかったのが6分。ショルツのロングボール→最前線で伊藤が収めてカンテシュートのシンプルな攻撃を仕掛けましたが、シュートは枠を捉えきれず。続く7分にもロングボール攻撃を仕掛けましたが、ボールを持ったまま左サイド奥深くまで走ったモーベルグのボールロストからカウンターを食らい、モーベルグのいない右サイドのスペースに展開されて東クロス→松本の決定機。

 浦和は広島の前プレが緩んだ20分くらいからようやくボールを持つ時間も増えだしましたが、攻撃の基本はやはりロングボールから。26分には岩尾ロングボールの跳ね返りを拾った関根がシュートを放つも枠を捉えきれず。前半は関根のフィニッシュで終わる場面が目立ち、13分にはCKからの流れ、21分には左サイドからカットインしてシュートを見せ場を作ったものの、ゴールならず。


 試合そのものはやや広島ペースにも関わらず、広島はほとんど決定機を作れず、惜しかったのは31分CKからの流れでベンカリファがフリーでシュートを放った場面だけ。しかもベンカリファはシュートを撃ち損ねて、バウンドしたボールは枠内を襲ったものの西川がリフティングで難を逃れました。
 
 そしてこの決定機を逃して以降の前半は完全に塩試合に。広島は左サイドからのクロス攻撃を多用していましたが、単純にクロスを入れてもショルツ&マリウスが控える浦和守備陣を崩すのは難しいんじゃないかと。

 そこで先に動いたのは広島。後半頭からベンカリファに代えてヴィエイラを投入したのがいきなり奏功。50分モーベルグのボールロストを契機に野津田縦パス→ヴィエイラがフリック一発でショルツを剥がしたのが効いて、ボールを拾った川村がDF4人に囲まれながらもボックス内突入。川村のシュートこそ西川が一旦防いだものの弾くのが精一杯で、森島が詰めて広島先制。

 しかし浦和は失点して初めて目が覚めたかのように大反撃。56分モーベルグクロス→ファーに安居が飛び込んだものの、住吉にブロックされてゴールならず。ただこの場面でGK大迫が安居と交錯して傷んでしまったのが勝負のあやになったかも。もともと大迫のキック精度には定評がないのにこれ以降のキックが壊滅状態に。
 
 ここが勝負どころと見たスコルジャは67分にカンテ→興梠、岩尾→リンセン、モーベルグ→大久保と3枚替え。69分には大久保の縦パスを関根がボックス内で反転、佐々木を交わしてシュートを放つもここは大迫セーブ。71分大久保FKは惜しくもサイドネット。しかし72分右サイドからの攻撃で関根が中央へパス→ボックス内でフリーで受けた伊藤縦パス→最終ライン裏へ抜け出した酒井が角度のないところから大迫の位置を見極めてゴール!!
 
 これ以降はほぼ浦和が一方的に攻め続ける試合展開に。74分リンセンのシュートは意表を突いた感はあったものの、シュートコースが制限されていたのか大迫の正面。
 
 82分には関根に代えて荻原を投入し、久しぶりに左サイドで北関東連合が復活。83分佐々木からのボール奪取に始まるショートカウンターで興梠のシュートはブロックされて枠外へ。88分大久保右サイドからカットイン&シュートという超得意の形を作りながらも最後はまさかの宇宙開発事業団・・・
 
 広島も65分野津田→エゼキエウ、71分茶島→中野、89分森島→柴﨑と選手を代えたものの、浦和とは対照的にその交代はほとんど効果なし。先制点以降の広島のチャンスらしいチャンスは79分左サイドで酒井からボールを奪ってのショートカウンターだけで、そのチャンスも森島や中野のシュートが共にマリウスにブロックされてしまいました。

 やたら長いVARチェックや大迫治療のために8分もあったAT。90+2分に酒井クロス→ファーでリンセンヘッドで折り返し→中に伊藤が詰めてついに浦和逆転。逆転された広島はハイボールをバンバン放り込んできましたが、ショルツ&マリウスが聳え立つところにそんな単純な攻撃を仕掛けても全く意味がなく、そのまま試合終了。

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《総評》

 終わってみればシュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数とも浦和が優位。「世界三大がっかりスタッツ」のゴール期待値も浦和が優位。しかも広島のゴール期待値は先制点を取って以降はほぼ横ばいで、浦和が同点に追いついてからはずっと浦和が優位と珍しく試合内容を実に的確に捉えており、スタッツ的にはどこからどう見ても浦和の勝利は必然ということになりましょう。

 しかしそれは「終わってみれば」の話。先制点を取られるまでのグダグダ感、シオシオ感からすれば、その後怒涛の大反撃が始まるなんて夢にも思いませんでしたし、それだけに反撃が始まって以降の試合は見応え満点。エンタメとしては非常によく出来た「大活劇」でした。
 
 そして試合後のスコルジャのコメントを聞くとあのグダグダ、シオシオだった時間帯も全ては後半の反撃へ向けての布石思えてくるのだから不思議なもの。「広島の大きな武器は切り替え。つないでいて中で失ってしまうと大きな問題になる」→「立ち上がりは少し長いボールを蹴るというのがゲームプラン」→「それならターゲットになるカンテをスタメンにしよう」→「でも試合を通じてそれをやり続ける訳でなく、スペースが空きはじめたらショートパスでつないでいこう」というのがスコルジャの前半のゲームプランだったようです。広島同様、前プレのきつい京都相手に前節自陣でのボールロストが目立ったことの反省もあったかもしれません。
 
 そして広島の前プレを空転させること自体には成功しましたが、全てがスコルジャのゲームプラン通りだった訳ではなく、「スペースが空きはじめたらショートパスでつないでいこう」のプロセスはあまり上手く行きませんでした。これがグダグダ感、シオシオ感の正体なのかもしれません。
 
 しかも後半スコルジャは「ハーフタイムではより前からプレスを掛けにいこうと話した」そうですが、そんな様子はピッチ上には現れず、逆に広島の狙い通りのカウンターを食らって失点。逆転勝ちしたとはいえ「後半の立ち上がりがあそこまで悪い試合ですと、狙い通りとは言えません。全てプラン通りとは言えません。」とスコルジャがぼやくのも道理。
 
 先制点の場面が典型ですが、広島の「最前線の人に当てる→ちょっと下がった選手が拾う」の繰り返しで前進するのがめっちゃ上手い。あれには感心しました。ボールを確実に前に運ぶことについては浦和は広島に遠く及びません。スキッベが「最初の60分、65分までは、自分たちのほうがいいサッカーをできていたと感じています。」と豪語するのも納得。
 
 ただ広島は比較的良かった時間帯ですら1点しか取れないどころか、決定機もそんなに数多く作れた訳でもありません。この辺はゴール期待値(笑)が高い割には点を取れていない典型みたいで。その主因が前目のタレントの質の問題なのかどうか判りませんが。
 
 そして先制点を取られた浦和が続々繰り出してくる攻撃陣の圧力を受け止められずに終盤広島守備陣が大決壊。広島の守備は常に前がかりで前プレがハマっている時は強力ですが、自陣に押し込まれがちになると案外脆いようで。5-4-1の守備ブロックで耐えるしかなかったJFK広島時代とは好対照。ロングボールを多用して広島の前プレを空転させた前半が広島の電池切れをもたらし、浦和はオープンな攻撃合戦に持ち込むことに成功しました。
 
 スコルジャは終盤の大攻勢の主因についてあまり多くを語りたがらないようで「攻撃的な選手と守備的な選手のバランスを変えました。特に、ホームゲームでは相手が疲れてきたところでこのようなオプションを使っています」と言及するに留まりましたが、交代で出てくる選手の質の差が逆転勝ちに繋がったのは間違いありません。
 
 浦和は1試合消化数が少ない状態で暫定4位に浮上。2位横浜Mまで勝ち点3差となりました。ただ次節は中3日で難敵鹿島を浦和の方がコンディション面で不利な状態で迎えるのでまだまだ安心できません。

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《選手評等》

・MOMは文句なしに1ゴール1アシストの伊藤。まさに"BOX to BOX"の権化となって終盤はピッチ上で大暴れ。広島の川村が日本代表に初選出されて注目が集まっていましたが、こちらは先制点に絡んだ場面以外はいないも同然。森保監督の見る目の無さをこんなところで実感するとは(苦笑)。でも伊藤は終盤あれだけ大暴れしたら、鹿島戦はベンチスタートかも・・・

・関根はあれだけ決定機に絡んでいながら一点も入らないのは正直残念過ぎ・・・でも前半から広島のやたら高い最終ライン裏を脅かす仕事は出来ていたので、スコルジャ的には許容範囲内かも。そして大久保宇宙開発事業団の「まいど1号・2号」にも参りました。浦和のしょっぱい2列目は相変わらず。どんぐりの背比べ感はあるものの、得点能力は安居が一番マシというのも実感。

・酒井は飛び込んでぶち抜かれる失態が2回ありましたが、あれはお疲れなのかなぁ。失点場面でショルツがヴィエイラにやられた場面もですが。

・久しぶりにリーグ戦スタメン出場のモーベルグ。残念ながらしょーもないボールロストが多くて収支はマイナス。大久保スタメン→モーベルグ途中投入のほうが効果的かな、現状では。

・リンセンは投入当初こそどう見ても左SHにいたのですが、どんどんポジションが中へ入ってしまい、事実上2トップ化。リンセンが頑なに既得権益を主張するので、仕方なくスコルジャが荻原を投入して明本を左SHに配転したのには笑いました。リンセンは関東軍かよ!!(北関東ではない)でもボックス内でこそ持ち味を出す選手なのは明白で、決勝点をアシスト。

・この試合のDAZN解説は永井。DAZNはあのOBの浦和戦解説が非常に評判が悪いことを知って意図的に避けはじめ、その代わりに坪井や永井を起用しだしたのかな?

・森島のゴール後のVARチェックがやたら長かった原因は現地ではさっぱり判らなかったのですが、オフサイドの可能性をチェックしていたとは。非常に際どいオンサイドだったようですが、オーロラビジョンでは何をチェックしているのか流してくれず。うーん、エンタメとしてどうなの、この辺・・・

先制したのにクローザー不在で逆転負けするってめっちゃ広島カープ・・・

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-----カンテ------
関根---安居--モーベルグ
---岩尾--伊藤---
明本-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
72分 酒井
90+2分 伊藤

(交代)
67分 モーベルグ→大久保
67分 カンテ→興梠
67分 岩尾→リンセン(リンセン左SH、関根トップ下、安居CHへ)
82分 関根→荻原(リンセンFWで4-4-2。明本左SH、荻原左SB)
90+5分 安居→柴戸

Hiroshima2305002

-----ベンカリ-----
--川村----森島--
東-野津田--松本-茶島
-佐々木-荒木--住吉-
-----大迫-----

(得点)

50分 森島

(交代)
HT ベンカリファ →ヴィエイラ
65分 野津田→エゼキエウ(エゼキエウがシャドー、川村CHへ)
71分 茶島→中野
89分 森島→柴﨑

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2023.05.31

深川めし@東京・日本ばし大増(大宮駅・新幹線北乗換口改札内)

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 東京の駅弁って種類こそやたらあるものの、絶対的エースが存在しないというか、「これは何度でも食べたい!!」というものは特にないように思います。

 東京駅なら地方の駅弁を揃えた売り場があるのでそれでもなんら困らないのですが、早朝の大宮駅だと駅ナカの「エキュート」すら開いてないので、選択肢は極めて限られます。そこで選んだのが東京の駅弁では老舗になる「深川めし」。毎度お馴染みの日本ばし大増製。980円と今時の駅弁としてはかなり安く感じます。

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 「江戸甘味噌と生姜であっさり仕上げた『あさりの深川煮』と、香り豊かな『牛蒡の炒り煮』をあさりの旨みを炊き込んだ茶飯に盛り込みました」というのがウリ文句。ゆでわけぎを少々散らして、一面茶色の駅弁に僅かに彩りを添えてします。「あっさり」というのがポイントで、佃煮みたいにやたら味を濃くしてないところが個人的にはめっちゃ嬉しい。

 副食に玉子焼、蒲鉾、蕗煮、そして大根醤油煮。

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2023.05.30

トナリ@東陽町 ~ タンメン

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 東京メトロ東西線東陽町駅から永代通りを西へ500mくらい。東陽町店とありますが、木場駅のほうがわずかに近いかも。先客11、後客ゾロゾロ。10時半の開店時間を30分以上過ぎた時点に往訪しましたが、早い時間帯から店は賑わっていました。とはいえ、客層はオッサンだらけなので回転が良く、辛うじて店外に待ち行列は出来ない程度。
 
 「トナリ」はひと頃各地に多店舗展開していましたが、あっという間に縮小を余儀なくされ、かつて行ったことがある店で今も営業しているのは丸の内店だけ。東陽町店は初めての往訪。
 
 店内の券売機で「タンメン(840円)」を注文。「タンギョウ」「タンカラ」といったセットもので有名な店ですが、ボリューム的にはタンメン単品で十分なことは何度も経験済みで、実際単品で済ませている方も少なくありません。食券を渡すと生姜の要否を聞かれ、もちろん「あり」で。なお頼めばニンニクも出してくれるようです。
 
 メニューは他に「味噌タンメン」「辛激タンメン」「ゲソ揚げタンメン」、そして往訪時には季節限定で「汁なしタンメン」を売り出していました。

 店はL字型カウンター11席と2人卓×4。水セルフ。卓上には餃子のタレ、酢、ラー油、ブラックペッパー、カラアゲスパイス。

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 野菜たっぷりが売り物の店。モヤシやキャベツ主体にニラ、ニンジン、たまねぎ、コーン。そしてごくわずかに豚肉、かまぼこなどを混ぜ炒めた具が盛りだくさん。昔はゲソが入っていたはずですが、今回は見当たらず・・・

 ちゃんぽんに良く似たスープは豚骨&鶏ベースの出汁のコク、旨みがたっぷり。生姜が予めトッピングされていますが、野菜が多いためか、それほど自己主張せず。また飲み進むにはちょっと塩分が高そうですが、麺を野菜と絡めながら食べ進む分には野菜の水分が助けとなってしょっぱさは全く気にならず。

 麺は平打ちっぽい中太麺でコシもしっかり。もちもちっとした食感が特徴で量もやや多め。

 相変わらず無難と言えば無難な一杯で、そこそこ美味くてお腹一杯になるという意味では良い店です。でも多店舗展開が大失敗に終わったのは、具沢山の白湯系スープの麺類という側面で競合する「リンガーハット」にコスパで太刀打ちできなかったからだろうなぁ・・・

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2023.05.29

【DAZN観戦記】23年第15節:京都 0-2 浦和 ~ いつの間にこんなに勝負強いチームになったんや!!

 手数こそ京都が優勢で浦和の決定機は僅少でしたが、それでもセットプレーからの流れで2ゴールを奪っての完封勝ち。いやはや浦和がこんなに勝負強いチームになってしまうとは!!

《スタメン》

 共にルヴァン杯から中2日。浦和はルヴァン杯でフルターンオーバーしたので、元のリーグ戦のメンバーに戻すだけと思いきや、何と酒井がスタメンに復帰。「酒井は故障が慢性化していて中3日で使うのは厳しい」という話があり、しかもルヴァン杯に後半途中投入されたばかりだったので、この試合でのスタメン起用には心底驚きました。
 
 福岡戦で負傷交代を余儀なくされた明本もベンチ入り。ルヴァン杯前の会見で「そこまで重傷ではないと思われますが、復帰のタイミングも早過ぎてはいけませんので、見極めながら行っていきたいと思っています」と話していたのは何だったのか・・・代わって馬渡がベンチ外になったのはルヴァン杯でのやられっぷりが監督の心証を害したのかも。逆にルヴァン杯の出来を評価されたのか、モーベルグもベンチ入り。
 
 京都は驚いたことにパトリック・木村・川﨑・麻田を除く7名がルヴァン杯からの中2日での連闘。京都はここまで4-1-2-3のアンカー以下がほぼスタメン固定な反面、前目が試行錯誤中という印象でしたが、リーグ戦4連敗と結果が出ていないので、直近のルヴァン杯でG大阪相手に勝ったメンバーを軸に切り替えたのかも。

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《試合展開》

 京都は例によってキジェ流のハイテンション・ハイライン・ハイプレスの「3ハイ」で試合に入り、5分自陣アーク付近で後ろ向きの岩尾が川﨑に絡まれてボールを失う大ピンチがありましたが、川﨑がシュートモーションに入るのを手間取っているうちにマリウスが戻って来てシュートブロック!!さらに12分カウンターから右SB福田クロス→パトリックがオーバーヘッドシュートを放つも威力が無くて西川楽々キャッチ。
 
 ビルドアップに苦労していた浦和も20分くらいから徐々に反撃開始。20分右サイドから大久保クロス→安居ヘッドはバーの上。31分カウンターで大久保クロスのこぼれ球を安居が拾うもシュートはブロックされて枠外へ。さらに41分岩尾スルーパス→安居シュートも枠外。不思議なことに浦和のチャンスになったところでフィニッシュに絡むのは全部安居で、興梠はどこにいったのやら?
 
 スコルジャは後半頭から大久保に代えてモーベルグを投入。大久保の出来も悪くはなかったので、今後中3日&中3日で広島戦・鹿島戦が控えていることを考えてのプレー時間調整的な交代とその場では思ったのですが、試合後の会見によると「右サイドの強化」という戦術的な意図があった模様。そしてルヴァン杯でのモーベルグの出来を相当評価していることも明かされました。
 
 そしてゲームが動いたのは52分、川﨑の不用意なファウルで得たFKから。モーベルグFKは壁を直撃するも、そのこぼれ球を拾ったモーベルグが縦に仕掛けて右足でふんわりクロス→ファーでどフリーの興梠がシュート。これがカバーに入った福田の体に当ってコースが変わったのも幸いして浦和が先制。ややラッキーな側面もありましたが、ボックス内でボールを拾ったモーベルグを京都守備陣全員が見入ってしまって興梠がどフリーなのには腹から笑いました。
 
 しかしその直後の54分にはこの試合最大のピンチ。浦和右サイド深い位置でパトリックがショルツを薙ぎ倒すもなぜかファウルは取られず、パトリックがクロス→豊川ヘッドがバーを直撃。その跳ね返りを再度豊川ヘッドも今度は西川がワンハンドで枠外へ押し出して難を逃れました。
 
 59分には浦和は興梠→カンテ、荻原→明本、岩尾→平野と代え、京都も豊川→山田、木村→木下と選手交代。京都がボールを持つ時間が長くなったものの、もともとボール保持を得意とするチームではないせいかこれといった決定機は作れず。64分谷内田のシュートがモーベルグの残り脚でブロックされたのが惜しかった程度。頼みのパトリックもマリウス&ショルツ相手ではどうにもならず。とはいえ、浦和も浦和でしっかりボールが握れず、カウンターも仕掛けられずに試合はグダグダに。
 
 事故でもなければそのまま浦和逃げ切り勝ちの様相が濃かった試合展開でしたが、浦和がダメを押したのが90+3分。右サイドでFKから。モーベルグが意表を突いて中央の伊藤へ横パス→伊藤がどフリーで低いミドルシュート。ディフレクトしたせいかGK太田は弾くのが精一杯でしたが、正面に弾いてしまったのが運の尽き。真っ先に反応したカンテが待望の追加点を上げて勝負あり。

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《総評》

 スコルジャが試合後「非常に強いプレスをかけられて、我々もかなり苦しみました。ビルドアップを用意してきましたが、そのプレッシャーの下で、あまり実行することができませんでした。ですので、切り替えのところくらいしかチャンスがなかった試合でした。」と語った通り、面白い試合でも良い試合でもありませんでした。
 
 しかし勝ったのは浦和。浦和の決定機らしい決定機なんて2回しかなかったと思いますが、それを共に決めての完封勝ち。しかも共にセットプレーからの流れで。
 
 シュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数とも京都が優勢。そして何の慰めにもならないことで悪名高いゴール期待値は1.77vs1.05と大差がついたようですが、傍目からすれば京都の決定機らしい決定機って54分の豊川ヘッドだけかと。しかもそれが決まっていればVARでパトリックのショルツへのファウルが取られて取り消しになっていた可能性が高かったでしょう。
 
 浦和って両CBを中心に守備が堅いので、決定機を作ったように見えて寸前のところでブロックされてしまう、あるいは西川が楽に取れる範囲内にシュートコースを狭められて撃たされてしまうケースが非常に多く、シュート数、さらには枠内シュート数の割には案外相手に決定機はありません。
 
 攻撃陣、特に2列目の得点力がしょぼすぎて、ACL決勝が典型例のように「守り勝ち」がメインシナリオになっているのが今の浦和で」、この試合も御多分に漏れず。スコルジャは「それで良し」としている訳ではないでしょうが、ACL必勝を最優先にチーム作りをしていたせいか、結果的にそんな色彩が濃くなっている傾向は否めません。
 
 しかし、ここに来てカンテがついにチームにフィットし始めてポコポコ点を取りだし、さらにACL決勝では出場枠に入れず、小破もあって不遇をかこっていたモーベルグも覚醒の兆しを見せて、ようやくしょぼい、しょぼすぎる攻撃陣に厚みが増してきたのは明るい材料。
 
 そしてルヴァン杯で非常にいいパフォーマンス、いいプレーを見せてくれた選手が何人もいて、スコルジャが試合後「今後はスタメンにもう少し変更を加えていってもいいのではないかと思っています」と語ったように、これまでリーグ戦ではほぼ固定していたスタメンを少しずつ入れ替える目途が立ったのは過密日程を闘う上でこれまた明るい材料でしょう。

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《選手評等》

・ルヴァン杯に続いてリーグ戦でもゴールを決めたカンテ。こぼれ玉にいち早く反応してDFを抑え込んでる上に、GKの動きを見て空いてるところに撃ってるんだから凄いわ!!この落ち着きが大久保に欲しい!!

・モーベルグはひとしきり捏ねた後に右足でふんわりクロスが新しい芸風になってきたのかなあ。カットインからの左足一発ではJ1だと「一発屋」どまりだから、新芸風に期待。

・ゲームメーカー的な仕事は全く求められないトップ下って実に面白い。そんな仕事に適性を見出される安居。良い監督に巡り会ってホンマ良かった。

・日本代表に選出された京都のアンカー川﨑。DAZNでもしきりに取り上げられていましたが、どう見ても強度マシマシとラフプレーをはき違えている典型的なキジェ専用機と思ったけどなあ。この程度なら間違いなくすぐに伸び悩むでしょう。しかし、川崎といい森下といい、単なるラフプレーヤーが代表に選ばれるってなんなんやろ?

・木下は後半途中から出てきたものの、最後までいないも同然で全く存在感なし。京都では徐々に出番が減りつつあるようで、やっぱJ1.5かな?

・この試合非常に難儀だったのが御厨主審。浦和のイエローカード3枚はいずれも妥当ですが、京都の悪質なファウルはなぜかスルー。特にパトリックが繰り出す肘打ちにイエローを出さないのが謎でした。御厨主審は無位無官なので麿にイエローなんて無理なんやろうなあ(意味不明)

・亀岡までアホほどやって来た赤者。昨年の開幕戦はまだいろいろ制限があったから、亀岡は今回が初めての赤者が多かったのかな??個人的には小さい吹田、駅に近い吹田スタジアムという印象を持っていますが・・・

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-----興梠-----
関根---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
52分 興梠
90+3分 カンテ

(交代)
HT 大久保→モーベルグ
59分 興梠→カンテ
59分 荻原→明本
59分 岩尾→平野
89分 関根→早川

木村---パトリック--豊川
--平戸---谷内田--
-----川﨑-----
麻田-イヨハ---アピア-福田
-----太田-----

(交代)
59分 豊川→山田
59分 木村→木下
74分 麻田→井上
78分 福田→荒木
78分 川﨑→金子

※写真は試合とは全く関係ありません。

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2023.05.28

【短感】22-23年第20節:長野L 2-1 浦和L ~ いくらなんでもこの負け方はないわ・・・

 残り3試合で2位神戸との勝ち点差は7。この試合に勝てば他会場の結果とは関係なく浦和の優勝が決まる大一番。車でも比新幹線でも割と来やすいためか、ゴール裏にもビジター寄りメインスタンドにもアホほど赤者がやってきました。

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 長野の前プレは非常に厳しくて順位差を全く感じさせない五分五分の形で試合に入りましたが、11分猶本がプレス網を掻い潜って右サイドからカットイン→中でどフリーの島田が決め、浦和が最初の決定機で先制しました。
 
 これで楽勝かと思いきや、長野の動きは依然鋭くて球際も厳しく、浦和はボールを保持しているもののなんだかごわごわボールを回している状態。また左SB水谷が攻撃時にかなり絞ったポジションを取りがちなところを逆用されて、浦和左サイドのスペースを長野に執拗に突かれた感も。22分には浦和左サイドを完全に崩されて決定機を与えてしまいましたが、幸いにもシュートはGK正面。26分にはバイタルエリアでの対応が軽すぎてシュートがクロスバーを直撃!!

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 後半も浦和やや劣勢で推移し、反撃らしい反撃と言えば65分猶本スルーパス→左サイドで菅澤折り返しがわずかに清家に合わなかったのが惜しかったくらい。
 
 とは言え、長野も飛ばしに飛ばしていたので足が止まるであろう終盤まで耐えられれば浦和は十分逃げ切れると思っていたのですが、68分やはりというかなんというか浦和左サイド深い位置から中へ折り返したところを大久保がズドン!
 
 ボックス外かなり距離のある位置からのシュートで、威力も強いとは言い難かったのですが、微妙にディフレクトしたのか、GKのブラインドだったのか、GK福田も反応しきれず。長野は浦和守備陣を崩しきらずとも無理目のシュートを撃ちまくっていたのが奏功したとも言えましょう。楠瀬監督は非常に残念なボールの失い方をした遠藤を見切って長嶋を用意していましたが、その前に失点してしまいました。

 まさかの同点に追いつかれた浦和は突如尻に火が付いたかのように動き始めましたが、これといった決定機は掴めず。清家を前に上げて2トップに、さらに島田に代えて植村を投入してはみたものの、さしたる効果なし。プレースキッカーが終盤猶本から塩越に代わりましたが、後半猶本が相手と交錯して傷んだ影響かも。そのせいかどうか、89分猶本は栗島と交代。
 
 さらに悪いことに長野が終盤バテると思っていたら同点に追いついてそのまま勢いづいてしまったのか、先に足が止まったのは浦和のほう。しかも90分浦和右サイド深い位置での長嶋の対応が酷すぎて上田にあっさり抜け出され、最後は鈴木が決めて長野が逆転勝ち。

 総じて浦和の動きの悪さが目についた非常に残念な試合でした。特に浦女ユースゆずほ世代のアカンところ=「上手いだけでひ弱い」という難点が大一番で露呈しちゃったような・・・もっともユイカーもハナエスタも全然ダメでしたし、猶本が途中で傷んだのも痛かったかと。でも「全員前泊の温泉で夜中まで枕投げでもしてたんじゃないのか???」というくらい動きが良くなかったなぁ・・・


 一方、長野は浦和相手に非常に統制が取れた「強度マシマシだが汚くはないサッカー」で完勝したにも関わらず、田代監督は今季一杯で退任なんだとか。傍目には理解しかねる監督人事ですが、「お気持ち全開」な浦女黎明期っぽいサッカーを見せていただきありがとうございました。

Acnagano2305021
 
-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
11分 島田
68分 大久保(長野)
90分 鈴木(長野)

(交代)
68分 遠藤→長嶋
84分 島田→植村
89分 猶本→栗島

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2023.05.27

糸庄@富山・西中野電停 ~ もつ煮込みうどん

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 富山市民に絶大な人気を誇る「糸庄」を往訪。富山駅から真南へ3km強。最寄り駅は富山地鉄の市内電車・西中野電停。夕方の開店17時を10分ほど過ぎた頃に到着しましたが、なんと20人くらいの先客が!! 開店前から並んでいたんでしょうなぁ・・・
 
 店内の券売機で「これがおすすめ」とある「もつ煮込みうどん(1000円)」を注文。

 これと「カレーもつ煮込みうどん」が人気メニューの様子。メニューは全部鍋系・煮込み系と思いきや、冷やしうどん、そしてなぜか冷やしそうめんも用意。

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 外観通り結構な大箱で、店の中央にコの字型カウンターが15席。その回りに4人卓×4、小上がりに4人卓×2。カウンターからはずらっと並んだ鍋が煮えたぎっている様が良く見えます。ただオッチャン一人で鍋を仕切っているので結構待たされます。卓上には一味があるだけ。

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 店の案内では「部位ごとに丁寧に下処理を施し、こだわりのタレでじっくり煮込んだ豚もつ」とありますが、もつの臭みが結構きつくてこれははっきりと好みが分かれそう。
 
 「4種類の魚介と北海道産昆布。試行錯誤の末にたどり着いた秘伝の出汁」をベースとするスープは味噌仕立てですがドロドロどころか、意外なくらいサラサラ。デフォルトでピリ辛ですが、やはりたっぷりのもつには一味を投入したくなります。

 うどんは「氷見うどん」を使用とのこと。煮込んでも流石にぐだぐだ、デロデロにはならず、柔らかめの口当たりながら弾力性はそれなりに保っていました。ちょっと焦げがあるのはご愛嬌。でも煮込みうどんだとやっぱり個人的には名古屋の山本屋みたいな噛み応えが強い麺の方が圧倒的に好み。

 もつだけでも相当な量が入っているのに、なぜか海老の天ぷらが入っているのが不思議。他に笹ぎりネギ、えのき、富山名物の赤巻きかまぼこ。

 富山らしいローカル色は薄いので観光客向けではありませんが、地元で絶大な人気を誇るのは納得。

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2023.05.26

よしだや@川口宮町 ~ ランチ

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 ララガーテン川口前の三差路を南東へ少し入ったところに立地。先客1、後客6。
 
 メニューをぱっと見て、明らかに格安の「ランチ(700円)」を注文。往訪時のランチは「野菜炒め・ライス・小鉢・冷したぬきメン」という構成でしたが、メニューにある「野菜炒め定食」は780円なのでどう考えてもめっちゃ格安です。
 
 外観は町中華ですが、メニューを見る限り中華らしい一品料理の類はほとんどなく、その代わりに麺類や定食類が充実しており、ちょっと中華色強めの大衆食堂といった感じでしょうか。

 店内は4人卓×3、2人卓×1、小上がりに4人卓×2。店内禁煙なのは嬉しいところ。客層は近在と思しき高齢者だらけでしたが、ランチタイムでも出前をガンガン受けているようで、後客は出来上がりに少々時間かかると言われていました。

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 「冷したぬきメン」が謎でしたが、一応町中華なのでさすがに冷やしたぬけ蕎麦ではなく、「具が非常にしょぼい冷し中華」でした。麺は冷水でしっかり締められていて強めの噛み応えでまずまずでしたが、まだ桜が少々残っている時期から冷し中華が出てくるとは(苦笑)。
 
 野菜炒めは写真では判り辛いのですが、豚肉もそこそこ入っていて「肉野菜炒め」と称しても不思議はないくらい。日高屋に慣れると幾分あっさり目というか脂控えめに感じましたが、この辺は客層に合わせているのかも。またレギュラーメニューの「野菜炒め定食」よりは野菜炒めもライスも少々少な目で、「冷したぬきメン」を合わせて量的バランスを取っているのかもしれません。
 
 このお値段で食い過ぎ感が出ない程度の満腹感が得られる、いかにも地元民に愛されそうな良い店です。

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2023.05.25

【観戦記】23年ル杯GS第5節:浦和 2-1 川崎 ~ 逆転勝ちで自力首位通過の目が復活!!

 選手交代の威力の差は顕著で、オープンな展開になった終盤に手数で勝る浦和が押し切ったような逆転勝ち。ただ浦和が良かったというより川崎が弱くなったという印象が強い試合でした。

《スタメン》

 共にリーグ戦から中3日。浦和は予想通り福岡戦からスタメン全員入れ替え。試合前の記者会見で「故障明けでコンディションが上がって来た」との話があったモーベルグが久しぶりにスタメン出場した他、福岡戦で途中投入ながら名指して褒められていた平野や馬渡もスタメン出場。一方福岡戦で壊滅的な出来だったシャルクはベンチ外とスコルジャの選手起用には非常に納得がゆきます。
 
 「酒井は故障が慢性化していて中3日で使うのは厳しい」という話があったので、週末のリーグ戦に備えてこの試合は回避するものと予想していたのですが、なんといきなりベンチ入り。高橋も故障明けで久しぶりにベンチ入り。
 
 川崎はリーグ戦からCB車屋&山村を除く9名入れ替え。脇坂やシミッチは前節横浜FC戦で出場停止でしたが、総じて相変わらず怪我人が多くて誰がレギュラーで誰が控え組なのか判りにくくなっています。

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《試合展開》

 浦和の布陣自体はいつもの4-2-3-1でしたが、驚いたのは早川が左SHではなくトップ下に起用されたこと。左SHにはリンセンが回りました。リンセントップ下では前プレの強度が確保できないので早川を回したのかもしれませんが、やはりというかなんというか序盤は前プレは効かず、中盤はゆるゆるで浦和の守備は全く体をなさないまま川崎の攻撃を受けてしまいました。
 
 2分にはGKチョン・ソンリョンからのロングフィード一発で川崎の3トップが最後尾に2人だけ残っていた岩波&犬飼に襲い掛かるって、どうなっとるんや、これは・・・ そしてその直後3分にはシミッチが右サイドから斜めのパス→ボックス内で受けた瀬川があっさり馬渡を交わしていきなりゴール。馬渡の対応もお粗末でしたが、シミッチへもノープレッシャーで馬渡だけ責めても仕方ないかと。
 
 ただ浦和にとって幸いだったのは川崎が序盤に一気に畳みかけるような攻撃を仕掛けて来ず、どちらかと言えば浦和にボールを持たせるような試合運びを選択したこと。浦和は川崎の前プレに苦しんでビルドアップに苦労し、序盤は高い位置にいるモーベルグへ運んでそこからの仕掛けで局面打開を図る場面が目立ちましたが、モーベルグは得意な芸風を完全に見切られているのか全くの不発。左SHに回ったリンセンは不慣れなポジションでやる気もないのかほとんど消えている状態。前半浦和の反撃が曲がりなりにも形になったのは22分平野縦パス→最前線でモーベルグが収めて落としたところにカンテがミドルシュートだけ。
 
 浦和の前半は全く良くありませんでしたが、浦和にボールを持たせているように見える川崎も先制後前プレが効いて良い形でボールを奪えている訳ではなく、単なる無駄走りに終始した感もあり、双方ぐだぐだ感の募る状態で前半終了。
 
 後半も最初に決定機を掴んだのは川崎。50分浦和が押し込まれて波状攻撃を受け、早川のクリアが小さくて小塚に拾われたの契機に小塚浮き球で縦パス→ボックス内で小林シュート。しかし枠を捉えきれず。

 浦和の反撃が実ったのは51分。カウンターから早川→モーベルグ→カンテと素早くボールを運び、カンテがターン一発で右SB大南を交わしてアーク付近から豪快な一発!!カンテはこれが浦和加入後の初ゴール。
 
 この同点ゴールを機に試合は一気に浦和ペースに。54分FKからの流れで、相手が跳ね返したボールを拾ったリンセンがボレーシュートを放つもGK正面。56分平野のクロスがボックス内のリンセンに通るもこれまたシュートはGK正面。58分モーベルグのクロスがボックス内のカンテに通り、カンテが反転シュートを放つもわずかに枠の外。
 
 浦和の大攻勢を見てスコルジャは「こりゃ、いけるで!!!」と思ったのかどうか、60分には故障明けの酒井を早々と投入。さらに69分には大久保、安居、伊藤を入れて一気に勝負に打って出ました。川崎も同じ時間帯に4選手を入れ替えましたが、選手交代が有効だったのは明らかに浦和。終盤オープンな展開になる中で浦和が手数で次第に勝る格好に。
 
 71分彩艶の酒井へのロングフィード一発で川崎の前プレを空回りに終わらせて浦和にカウンターの絶好機。酒井→大久保のクロスはわずかにボックス内へ飛び込んだ酒井に合わず。
 
 82分カンテのポスト→右サイドから伊藤クロスがボックス内のリンセンに通るもシュートは枠を捉えきれず。85分にはCKのこぼれ球を拾った安居がミドルシュートを放つもGKソンリョンが辛うじてセーブ。
 
 川崎もノーチャンスではなく、87分左サイドからのクロスを途中投入の家長ヘッド。しかしここは彩艶がセーブ。
 
 そして89分へろへろになったカンテが半ば足がもつれたような恰好になりながらも右サイドでどフリーの酒井へ展開。酒井のクロスにたいしてカンテが曲がりなりにも飛び込んだのが効いてシミッチの視界を遮ったのか、ボックス内で棒立ちのシミッチの足に当たったボールがゴールマウスに転がっていきました。
 
 ATは4分もありましたが、特段紛れもなくそのまま試合終了。

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《総評》

 ルヴァン杯グループステージ4試合を消化して全部引き分け止まりの浦和。今季のレギュレーションは「5グループ中各グループ1位と各グループ2位の成績上位3チームのみが決勝トーナメントへ進む」というものですが、浦和のいるB組は完全な団子状態なので2強2弱の組と比べると2位の勝ち点が少なくて、2位ではグループステージ突破は怪しい状態。よって浦和は残り2試合を連勝して首位通過を狙うしかありません。
 
 とはいえ、浦和はACL決勝を終えた後の超過密日程下でもあり、ルヴァン杯は大胆にターンオーバーして控え組主体で闘わざるを得ないのも致し方ないところ。
 
 控え組の底上げを図りながら結果も出すという極めて難しいタスクをスコルジャは背負った格好になりましたが、結果は見事川崎を撃破。そして一気にグループステージ首位に躍り出て、次の最終節アウェー清水戦に勝てば自力で1位通過が決まることになりました。
 
 結果はもちろんのこと、「控え組の底上げ」という点でも収穫が多かった試合だったと思います。立ち上がりいきなりの失点に象徴されるように総じて守備はかなり怪しくて、札幌みたいに壮絶などつき合いを志向するチーム相手だったら派手なスコアながらも大敗した可能性はあったかと思いますが、組織的なものには目を瞑り、レギュラー組に混ぜて使う際の個々人の特徴なり、今のコンディションなりを見極める点では非常に有意義な試合だったかと。
  
 見方を変えれば、なんで川崎は先制後浦和にボールを持たせるような試合運びをしたのかなぁ。試合後の鬼木監督のコメントを読むと意図的に持たせていた訳でもなさそうで、「自信を持ってボールを動かす」ようなことがすっかり出来なくなったようでもあり、川崎も弱くなったという印象が強く残った試合でした。

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《選手評等》

・MOMは同点ゴールを決め、決勝点にも絡んだカンテで文句なし。カンテは「ボールが収まる上に周りも見えている」といった既に解明済のスペックに加えて、ついに本来期待されていた点取り屋としての能力を垣間見せてくれました。カンテが最後足がもつれてるのに酒井に展開してる辺りは、「こけているのに懐が深くてボールを失わない」カンテ芸と根っこが一緒!!ただカンテを1トップで使うと全体に裏抜けの意識が無くなる気がしました。なんでだろうなあ、これ?

・モーベルグは得意の左足を完全に封じられてしまいましたが、コンディションが上がっているのは確かでこの出来なら大久保の負担軽減にはなりそう。どちらも途中投入でも活きるタイプですし。

・リンセンはボックス内で仕事するタイプという点ではユンカーと同じで、サブでも文句言わない代わりにあんまり点は入らない感じかなぁ。CFやSHはどう見ても無理で2トップの片割れしか使い道なさげ。実際後半はそんなポジションに入って決定機に絡みまくっていましたが、一点も取れず。でも正しい使い方が判ったのが収穫でしょう。

・宿題も終わって、いきなりトップ下に抜擢された早川。最初はガツガツ当たってくる相手に潰されがちでしたが、だんだん慣れてきて牛若丸状態になっていました。前プレ要員としてはまずまずの出来。この出来なら「メディカル的な理由で」福岡戦はベンチ外になった小泉に代わってリーグ戦でもコンスタントにベンチ入りは出来そう。小泉は「ストーブさん」になってる場合やないで・・・

・彩艶は西川を見慣れるとやっぱハイボールへの対応は相変わらずチト怖いけれども、前プレしてくる相手に対してロングフィード一発で浮いている味方選手に付けて交わすのはめっちゃ上手い!!71分の決定機が決まっていたら彩艶が絶賛されていたでしょうに。あれは惜しかった。

・しょっちゅう最終ラインに降りてくる岩尾を見慣れると、全然降りてこない柴戸&平野は結構新鮮でした。後ろが重くなりがちなのが浦和の得点力不足の一因なら、岩尾と平野の序列はいつ逆転しても不思議はないのかも。柴戸と伊藤はだいぶ差がありそうでしたが。

・犬飼は攻守ともに結構怪しくて、試合勘のなさ丸出しと思ったけどなぁ。大畑も山田にぶち抜かれているようではまだまだ。馬渡は最初の失点への対応を見たらやっぱスタメンとしては明本の次の3番手になるわなぁ。基本ビハインド時の特攻要員。よってリーグ戦で最終ラインは岩波だけがコンスタントにベンチ入りしているのも道理。

・ルヴァン杯&平日&シーチケ対象外&埼スタ工事やACL決勝の影響で5~6月はホームゲームがやたら多いと悪条件が重なったせいでしょうが、この試合の観客数は12,366人と寂しいものに。でももはや「頭がおかしい方(褒めてます)」しか来てないので、人数の割にはやたら盛り上がる点でACLのグループステージにスタジアムの雰囲気が似ていました。そして客が入らないのは浦和だけではないどころか、一万人を超えているのは浦和だけだったみたいで・・・

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-----カンテ------
リンセン---早川--モーベルグ
---柴戸--平野---
大畑-犬飼--岩波-馬渡
-----彩艶-----

(得点)
51分 カンテ
89分 オウンゴール(シミッチ)

(交代)
60分 馬渡→酒井
69分 モーベルグ→安居(4-4-2気味になり、リンセンFW、安居左SHへ)
69分 平野→伊藤
69分 早川→大久保(大久保右SHへ)
80分 柴戸→髙橋(髙橋左SH、安居CHへ)

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瀬川---小林---山田
--小塚----脇坂--
-----シミッチ-----
佐々木-車屋-山村-大南
-----ソンリョン-----

(得点)
3分 瀬川 

(交代)
58分 瀬川→遠野
73分 小塚→橘田
73分 脇坂→瀬古
73分 小林→宮代
79分 山田→家長

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2023.05.24

美濃屋 広小路店@高岡・広小路電停 ~ 氷見うどん

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 ローカル色溢れるうどんの一つに「氷見うどん」というものがあるのを知って試食に出かけました。といっても、富山の港町氷見まで出かけるのはチト面倒なので、高岡の「美濃屋 広小路店」で妥協。万葉線広小路電停のすぐ近くに立地。
 
 外観からはちょっと想像しづらいのですが、この店は「丸亀製麺」や「はなまるうどん」とよく似た「セルフ店」で、うどんを注文して天ぷらなどを取って、最後にお会計というシステム。ただ表に看板が出ていた「うどん定食(850円)」を注文したところ、少々手間がかかるせいか、座っている席まで配膳してくれました。

Minoya002  

 「うどん定食」はうどんにミニカレーライス、漬物、惣菜、そして「今日の一品」(この日はミニハンバーグ)がついてくるのでめっちゃコスパが良さそうと思ったのですが、配膳されたものを見ると肝心のうどんがハーフサイズ・・・後で看板をよく見ると確かに「小鉢うどん」って明記してありました(>_<)
 
 かやくに刻みネギ、生姜はともかく、ちょっとだけですが「とろろ昆布」が付いてくる辺りはいかにも富山。

 氷見うどんの製法は基本手延べながら、手打ちの要素も取り入れているようですが、試食してみたところ口当たりはかなり柔らかめ。でもびょーーんといった弾力性はあるという風変わりな麺でした。でも噛み応えがしっかりした讃岐うどんが大好きなものとしては、コシが全然ないうどんよりはかなりマシだが、好みのタイプとは言い難いかなあ・・・出汁は文句なしの旨さでしたが、結果的にハーフサイズで十分でした。

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2023.05.23

盛田軒@宮原 ~ 淡麗煮干し醤油

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 高崎線宮原駅東口から徒歩5分弱。駅周辺に散在する飲食店とはちょっと離れたところに立地。先客1、後客4。言わずと知れたJリーガーながらも屈指のラーメン通として知られた現浦和レッズハートフルコーチ盛田氏の店です。残念ながら往訪時盛田氏はハートフル活動に出かけていて不在でした。
 
 店内の券売機ボタンを見て無難そうな「淡麗煮干し醤油(800円)」を注文。ランチサービスなし。チャーシューは「炙りorレア」が選べるので「炙り」で。

 メニューは他に濃厚中華、塩そば、鶏白湯、塩かけそば。但し往訪時「鶏白湯」には×印が点灯していました。

 店内は縦長L字型カウンター9席と4人卓×2。卓上には一味とホールブラックペッパー。

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 配膳されるや否や煮干しの香りがふわっと立ち上がりますが、煮干しの効かせ具合はやり過ぎ感が出ない程度、万人受けする範囲内に留めてます。クリアなルックス通り、あっさりすっきりした味わい。かえしも抑え気味で終盤ちょっとうるさく感じる程度。「淡麗」の語感通りのスープです。

 麺は中細ストレートタイプ。つるつるした口当たりですが、水気の少なそうな麺で、しかもやや硬めの仕上がり。噛み応えがしっかりしていて悪くはないのですが、スープとの相性を考えればもうちょっと茹ででも良いかと。

 チャーシューは炙りの入った煮豚ながら、肉の旨味をしっかり保ったなかなかの出来。他に細切りメンマ、刻み紫タマネギ、なると、かいわれ。

 変にマニア受けを狙わず、値段を抑えながらもそこそこのクォリティーを保った万人受けしそうな一杯を出す良い店です。なお盛田氏が浦和ではなく、わざわざ大宮のフラッグが目立つ宮原に店を出したのはこれといった競合店がないという経営判断からかな?

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2023.05.22

かつやの海苔弁@かつや

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 「かつや」が2023年5月10日から50万食限定で発売中の「かつやの海苔弁(869円)」を試食。「デミチーズハンバーグカツカレー」が6万食限定だったのに対し、今回のは50万食限定と実質的に「限定」になっているのかどうか・・・

 「ちくわの磯部揚げや鶏のから揚げなど海苔弁を代表するおかずに加え、赤ウインナーやかつやオリジナルのポテトサラダin厚ぎりハムカツなど、5種の具材を盛りつけボリューム満点な大人も子どもも楽しめる一品です。」というのがかつやのウリ文句。

 海苔弁と言えば、おかかをまぶしたご飯の上一面に海苔を敷き詰め、おかずは必要最小限に留めたもの。コンビニ弁当であれ、ほか弁であれ、最もお金に困っている方が手を出すチープ極まりないお弁当というのが通り相場。

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 かつやの海苔弁も「おかかをまぶしたご飯の上に海苔を敷く」という海苔弁的要素は一応あるものの、海苔の面積は「一面」には程遠く、それ以上に揚げ物がこれでもかこれでもかと乗せられていて海苔に主役感が全くありません。お値段も最もお金に困っている方が手を出すのは難しいそうなレベルになってしまい、なんでこれを「海苔弁」と名付けたのか全くの謎。どちらかと言えば「揚げ物オールスターズ」だと思いますが・・・
 
 またかつやは大量かつ多彩な揚げ物をどうやって食べることを想定しているのかなぁ?海老フライはタルタルソースで食べるのは間違いありませんが、他の揚げ物とタルタルソースの相性はかなり疑問。でもその割にタルタルソースの量は多め。ちくわやウインナー、そしてハムはもともと塩気がありますし、鶏のから揚げも下味が付いているのでそのまま食べましたが・・・
 
 お弁当として屋外で、特に行楽地などで食べる分には悪くないかもしれませんが、わざわざ店で食べるようなものではないと思い返すも時すでに遅し。

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【短感】22-23年第19節:浦和L 3-0 千葉L ~ 圧倒的ではないか、わが軍は!!

 前節アウェーで2位神戸を破って、残り4試合で勝ち点差が7に再拡大。WEリーグ優勝がいよいよ現実味を帯びてきた浦和はホーム駒場に千葉を迎えました。
 
 浦和はまだまだ優勝を意識して硬くなる時期ではないのか、序盤から千葉を圧倒。5分にはセンターサークル付近で遠藤がボール奪取→こぼれ玉を拾った猶本スルーパスを受けて遠藤ボックス内突入→折り返しを島田シュートの決定機を作りましたが、残念ながらシュートはGKを直撃。
 
 しかし、10分ショートコーナーからペナ角付近でどフリーだった塩越クロス→清家ヘッドが炸裂して浦和がいきなり先制!!その前後のCKでも浦和はショートコーナーを多用しており、事前に仕込みに仕込んだ様子でした。

 その後も浦和は一方的に攻め続け、30分くらいからはハーフコートゲームになりましたが、前半は追加点はならず。

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 暑さのせいか、後半ゲームは双方グダグダになりかかりましたが、試合が動いたのはまたしてもセットプレー。60分CKからの流れで猶本のグラウンダーのクロスをファーで石川が押し込んだものの、これはオフサイド。しかし続く62分CKからの流れでゴール前で混戦となりながらPKスポット付近にいた清家が人混みを一気にぶち抜いて待望の追加点。
 
 しかし、65分千葉の縦ポン攻撃で裏抜けしかかったFW千葉に安藤が対応したところ、スライディングした足が千葉の足を払った格好になってしまったせいか、えらく簡単にPKを取られてびっくり。でも胡散臭いPKは往々にして決まらないもので、FW千葉が蹴ったPKはバーの上へ。
 
 67分センターライン付近でボールを奪った水谷が前方へ展開→アーク付近でこぼれ玉を拾った島田のシュートはポストを直撃!!水谷はこのプレーで残っていた燃料を使い果たしてしまったようで、楠瀬監督は即座に長嶋と交代。
 
 そして74分センターライン付近から塩越が浮き球で清家へ縦パス→ガラガラの右サイドを清家が激走してクロス→中で猶本が詰めるという浦和が最も得意とする形で3点目を取って事実上試合終了。
 
 その後の交代は暑さもあって主力の消耗を避けた以上の意味合いはないでしょう。さすがに守備強度が落ちて千葉に際どいシュートを撃たれる場面も出てきましたが大過はなく、そのまま試合終了。
 
 攻守の切り替えの早さ、プレー強度、足元のスキル、あらゆるファクターで浦和が千葉を圧倒したような試合内容で、正直よく3点差で済んだなという印象を受けました。昔の千葉は強度マシマシ系で、しかもよく走ることで、スキルフルだがどこかしらひ弱い浦和と互角にやっていたはずですが、今やこれといって特徴がないチームになってしまったみたいで。
 
 この試合の温泉賞は文句なしに2ゴール1アシストの清家。俊足を活かしての決定機は外しまくるのにセットプレーで謎の決定力を発揮するとは(苦笑)。もっとも3点目は「戦術兵器清家」の威力が遺憾なく発揮されたものでしたが。
 
 そして遠藤もコンディションがかなり上がって来たようで、清家とのコンビで千葉左サイドを蹂躙。清家だけでも厄介なのに、清家だけを注視しているとその背後からやたら重心の低いドリブルで疾走する遠藤にぶち抜かれるので相手はたまったものではありません。
 
 残り3試合で2位神戸との勝ち点差は7のままなので、次節長野相手に勝てば他会場の結果とは関係なく浦和の優勝が決まります。

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-----菅澤-----
島田---猶本---清家
---柴田--塩越---
水谷-安藤--石川-遠藤
-----福田-----

(得点)
10分 清家
62分 清家
74分 猶本

(交代)
68分 水谷→長嶋
77分 遠藤→佐々木
77分 柴田→栗島
83分 猶本→植村
83分 島田→丹野

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2023.05.21

アカモクねばとろ定食@やよい軒

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 やよい軒が2023年5月16日から発売中のの「アカモクねばとろ定食(830円)」を試食。
 
 「アカモク」とは耳慣れない食材ですが、「かつて漁の網や船のスクリューにひっかかり船の故障につながることで漁師を長年悩ませた海藻です。しかし、近年栄養価の高さや食べ応えのある食感と粘り気が強い特長が注目され、話題を集めています。また、アカモクは人工的に作られたサプリではなく、鉄・マグネシウム・ビタミン・カルシウム・カリウムやフコキサンチンなど、体にうれしい栄養素を含んだ自然食品です。」とのこと。

 そして「定番の“ねばとろ”定食に、粘りとシャキシャキ食感が特長の熊本・天草産アカモクを使用することで、従来の“ねばとろ”に比べ、ネバネバ食感がパワーアップしました。納豆やとろろ、まぐろなどと混ぜ合わせ、ごはんにかけてお召し上がりください」というのがやよい軒のウリ文句。

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 黄色いタクアンの横にある濃緑色の見るからにネバネバしている奴がアカモクなのかな?卵や出汁を入れてかき混ぜる前にアカモクだけをちょっと試食してみましたが、単体では特に味は無さげ。
  
 ねばとろの粘り気をパワーアップするために呼ばれた助っ人ですが、納豆やとろろと違って良くも悪くも味わいに個性というか癖がなく、その辺はおくらと立ち位置がちょっと似ているかな? ネバネバ仲間でもかなり地味な役回り。脇役なのに強烈な個性を放つ納豆やとろろとは対照的に、主役のまぐろの引き立て役に徹底しているバックダンサーといったところでしょうか。

 そんな存在なのでアカモクを入れて「ねばとろ」の粘り気が増しているのは確かなのでしょうが、無いと困る、全くの別物になってしまう訳でもない。そんなところでしょうか。

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【DAZN観戦記】23年第14節:福岡 0-0 浦和 ~ 毎度毎度の塩試合

 長谷部監督率いる福岡との試合は浦和が福岡の堅陣を攻めあぐねたまま時間が徒過する展開になりがちで、今回もその例に漏れず。決定機の数では明らかに福岡に分があり、どう見ても「負けなくてよかった」試合でした。

《スタメン》

 浦和は前節からリンセン→伊藤、小泉→大久保とスタメン2名変更。リンセンと小泉は共にベンチ外となり、故障中の酒井も間に合わず。ベンチに馬渡・平野・早川が戻って大畑がベンチ外に。
 
 中3日でルヴァン杯川崎戦が控えているので、それを見越してベンチ外になった選手もいると思われますが、試合後の記者会見で小泉と酒井は「メディカル的な理由で今日の試合には起用できませんでした」とのこと。

 一方福岡は前節出場停止だった小田がスタメンに復帰して田中がベンチスタートになった他、宮→佐藤とこちらもスタメン2名入れ替え。

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《試合展開》

 福岡は4-4-2と3-4-2-1を併用するチームで、前節は4-2-3-1の鳥栖に対して3-4-2-1を採用しましたが、この試合の基本フォーメーションは4-4-2。正直この使い分けの基準や狙いは良く判らず。
 
 福岡はどちらといえばロングボールを多用して両サイドからのクロス攻撃や無理目のミドルシュート、さらにはセットプレーでの一発に頼りがちなチーム。良く言えば相手にボールを押し付ける、悪く言えば相手に簡単にボールを渡してしまうチームなので、当然ながら早い時間帯から浦和がボールを支配する時間は長くなりましたが、浦和は最終ライン&岩尾でボールを回しているだけでビルドアップに苦労。
 
 岩尾が最終ラインに落ちる→安居も中盤に降りてくるとやたら後ろが重くなるばかりでボールは全く前に進まず。試合後の安居の話によると福岡は5バックで来ると想定して練習していたようなので、その見込み違いが出来の悪さに直結したかも。そして序盤曲がりなりにも良い形を作ったのは8分関根がボックス内突入→荻原のクロスが誰にも合わなかった場面と、11分CKからの流れで大久保クロス→関根ヘッドだけ。

 どちらかと言えば福岡のほうが「やりたいことが出来ている」という意味でのペースを掴みながら時間が徒過する中で、最初に決定機を得たのは浦和。35分荻原クロス→ボックス内で興梠が得意の鬼キープを披露して折り返し→安居がゴール!!と思われましたが、OFRの結果クロスを受けた時点での興梠のハンドを取られてノーゴールに。興梠もハンドの自覚があったようで思わず苦笑い。
 
 後半に入るとシュートには繋がらなかったものの右サイドで大久保や明本の裏抜けといった前半にはなかったプレーが見られるようになり、「ちょっと良い感じになって来たかな?」と思っていたところ、60分明本→シャルクの謎の選手交代が炸裂。DAZNで見ていた限りでは何が起こったのか全く判りませんでしたが、試合後の監督会見では明本の負傷による交代とのこと。
 
 アクシデントを受けてやむなく関根が右SBに回りましたが、それまで完璧に封じられていた左SHルキアンが蘇生してしまった上に、予期せぬ選手交代で浦和も多少動揺したのか自陣でのミスが頻発して福岡に立て続けに決定機。
 
 62分左サイドからカットインしたルキアンが強烈なミドルシュートを放つも西川がセーブ。63分ルキアンが左サイドからクロス→ファーで佐藤ヘッドの決定機を作るもここも西川が辛うじてセーブ!!!さらに65分紺野FKから山岸ヘッドはバーを直撃!その跳ね返りを小田ヘッドもボールは枠外へ。
 
 なんとか難を逃れた浦和は70分岩尾→平尾、興梠→カンテ、安居→馬渡の3枚替えで反撃に転じようとするも、最前線でボールをそれなりに収めてくれるカンテへのフォローが遅くてほとんど攻撃の形を作れず。特に最初に投入したシャルクの出来があんまりで完全にブレーキに。
 
 浦和の決定機は75分平野縦パス→シャルクスルーパス→大久保がボックス内に突入するも、果敢に前に出てきたGK村上を交わせず。

 スコルジャが放った最後の一手は82分荻原に代わって岩波の投入。「ついに3バックを披露か!!」と一瞬色めき立ちましたが、マリウスのポジションはどう見ても左SBで4バックのままでした。そしてその交代もさしたる効果はなく、最後の最後で平野浮き球パス→馬渡が福岡最終ライン裏に飛び出してシュートの決定機を作るもGK村上に阻まれて試合終了。

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《総評》

 個人的には「90分を通じて福岡が押し気味の試合内容で、決定的の数からして浦和は負けなくてよかった」と感じましたが、試合後スコルジャが「現時点では勝ち点2を失ったと感じています。しかし相手が非常にまとまっていたので、勝ち点1をもぎ取ったという認識もしています。」と語っている通り、人によって見方が分かれる試合だったかもしれません。
 
 シュート数、枠内シュート数、ボックス内からのシュート数ともほぼ互角で、ボール支配率こそ浦和が圧倒しているもののデュエルや空中戦勝率では福岡が優勢というスタッツがこの試合の様相を上手く捉えており、どこを切り取るかで試合の評価が分かれるのでしょう。
 
 スコルジャが「ゴールを奪うのには十分ではありませんでした」「勝つのには十分ではなかったということです。」と似たような表現で繰り返し語る通り、決定機になりそうなところでの選手のクォリティーの低さにはさぞかし頭を抱えていることでしょう。そしてその問題はすぐにはどうにもなりません。
 
 スコルジャは「回数は少なかったのですが、左SBの荻原拓也選手を使ったときに相手ディフェンスラインを破ることができ、チャンスを作れました。」と語っていますが、その荻原はどういう訳か一瞬判断が遅れがちで、決定機になりそうなところで戻って来た相手にボールを奪われてしまう場面も。大久保はまたしても決定機で人間に戻ってしまいましたし。ACL決勝組は依然疲労感が濃く、控え組に直ちに取って代われるだけの選手も少ない苦しい現状が浮き彫りに。
 
 「とにかく守備は堅いが攻撃に見るべきものはない」というのがリーグ戦を1/3ほど消化した時点での浦和の立ち位置で、これではリーグ優勝には程遠く、ACL圏に滑り込めれば御の字といったところでしょうか。
 
 明本の負傷交代を筆頭に、福岡のフォーメーションが予想とは違っただとか、福岡のラフプレーに対して清水主審が寛容だったとか、福岡の運動量が思ったほど落ちなかっただとか、スコルジャにとって色々と想定外のこともあったでしょうが、こういう試合を勝てないのは「単なる力不足」。それに尽きると思います。

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《選手評等》

・この試合でも西川は神がかっていました。今の西川は「撃ってくるのが予めわかってるミドルシュート」なんてまず入りません。入らないどころか西川が横っ飛びであっさりキャッチしてしまう。なんという安心感!!ゆえに相手のゴール期待値(笑)がいかに高くても実際は見た目以上に決定機がない。この試合で本当にヤバかったのは63分の佐藤ヘッドでしょうなぁ。でもあればヤバかった。


・シャルクは収まらない、走れない、パスが出ないの三拍子揃ってて、なんで試合に出ているのかさっぱりわからない酷い出来でした。スコルジャは早川を出そうとしたら、ベンチで早川が宿題をやってて出すに出せなかったのか?シャルクがこんな出来なら早川投入で夢を見させて欲しかったわ・・・

・平野はラストプレーみたいに相手の急所を一発で突くみたいなパス出しのセンスだけは岩尾を上回っていると思う。でもそんな場面は一試合で何回もないからなあ・・・

・元所属チーム相手に無慈悲に点を取りがちな後田中達也はベンチ入り止まりで出場なし。長谷部監督は交代枠を二つも余らせて試合を終え、試合後その件について「ゲームの流れがどちらにどう転ぶか分からないものだったので、下手に動くと、入りが悪いとその選手が、もしくは入りが良いとその選手が得点、という両方を鑑みて交代枠を残したというところです。」と説明していましたが、後田中達也は監督の信頼をそんなに得ていないということなのでしょう。

・72分重見のイエロー。足裏を見せてスライディングしているので一発レッドでも何の不思議はないレベルの悪質なプレーでしたが、勢いが緩いのでイエロー止まりだったのかな?一応イエローを出したのでVARも主審の判断を尊重して介入せずと。前半は山岸が2度マリウスに肘打ちをかましていましたし、清水主審が福岡名物のラフプレーに寛容なのには参りました。

・福岡は浦和戦でも1万ちょっとしか入らず。その前の鳥栖戦(13,719人)で動員とかの力を使い果たしたかもしれませんが、鳥栖共々コロナ禍の3年を経て客が全然戻らない両巨頭かなぁ・・・

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-----興梠-----
関根---安居--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-明本
-----西川-----

(交代)
60分 明本→シャルク(故障による交代。シャルク左SH、関根右SB)
70分 岩尾→平野
70分 興梠→カンテ
70分 安居→馬渡(馬渡右SB、関根トップ下)
82分 荻原→岩波(岩波CB、マリウス左SB)

---山岸--佐藤---
ルキアン--------紺野
---前---重見---
小田-奈良--グロリ-前嶋
-----村上-----

(交代)
72分 佐藤→鶴野
82分 山岸→ウェリントン
90+1分 ルキアン→城後

※写真は試合とは全く関係ありません

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2023.05.20

ラーメン横綱@醍醐 ~ ラーメン+日替わり丼ランチ

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 京都市地下鉄東西線醍醐駅から北へ。京都もこの辺まで来ると景観保護もへったくれもないようで、ただの地方都市と全く変わらないド派手な看板が随所に立てられています。その中でも一際目立つ黄色い大看板&建物。13年半ぶりの再訪

 広々とした店内はファミレスそのものでほとんどがボックス席ですが、入り口近くに島式カウンターもそこそこ並んでいて多様な客層に対応しています。
 
 店は巨大ですがメニューはシンプルでラーメンは豚骨醤油のラーメンのみ。後はトッピングでバリエーションを付けているだけ。「ラーメン・並(690円)」だけだと量的にやや物足りないのが経験的に判っているので、ランチメニューの中から「日替わり丼ランチ(220円)」を注文。往訪日の「日替わり」は「豚生姜焼き丼」でした。
 
 卓上には餃子のタレ、ラー油、胡椒、ラーメンのタレ。さらに「ニントン」と称する自家製の「旨辛にんにく唐がらし」も用意。「ネギ取り放題」がこの店の最大の特徴ですが、最初から卓上には置かず、注文した品と一緒にネギを持ってくるようになっていました。

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 スープはよくある豚骨醤油としかいいようがなく、またデフォルトだと少々物足りない感じだったので早々と「ニントン」を投入すると旨味が増し、ピリ辛風味になって実に良い感じに。もちろんネギもドバドバ投入してネギラーメン風に。

 麺は中細ストレートですが京都では珍しいことに堅め。しかもごわごわとした食感。首都圏なら特にどうとも思わなかったでしょうけど、京都のラーメンは往々にして柔らかめで出てくるので結構ありがたい存在。
 
 具は値段相応にペラペラのチャーシューとメンマが少々。昔は細モヤシも入っていたはずですが・・・
 
 「豚生姜焼き丼」はご飯がパサつき加減なのはともかく、明らかに生姜焼きのタレが不足していて正直なんだかなあ・・・白飯でもないのにラーメンスープの力を借りえ食べ進むハメに。これなら「鉄板チャーハン(250円)」をつけるべきだったと思うも時すでに遅し。

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2023.05.19

とり伊@四条大宮 ~ 親子丼

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 阪急京都線大宮駅から四条通を東へ。ファミマの先の通りを南へ入ってすぐ。開店予定時刻の17時を15分近く過ぎても開店する気配がなく、諦めて他へ転進しようとしたところでようやく開店。先客ゼロ、後客2。
 
 表の看板を見ても判るように、ここは本来ロース焼・すき焼き・しゃぶしゃぶ・水炊きなどを愉しむ料理屋ですが、なぜか「親子丼(700円)」が有名で、それ以外にもリーゾナブルなお値段で各種丼ものや日替わりランチも出しています。
 
 案内されたのは1Fには島式カウンターが12席と小上がりに4人卓×1。卓上には山椒、七味、塩。一人鍋用なのかカウンターにはIHコンロが用意されています。


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 ここの親子丼の最大の特徴はかしわを閉じたふわふわの玉子の上に、さらにぷるんぷるんした卵黄が乗っていること!!卵急騰が続く中でこんなに卵を使ってこのお値段で大丈夫なのか??と心配になりますが、卵黄を潰すと親子丼の味わいが一層濃厚に。終盤飽きてきたところで卓上の山椒を少々。ただ親子丼自体は京都だからといって特段際立った特色がある訳ではありません。

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 また別途「鶏ガラスープ」が付いてくるのもこの店の面白いところ。デフォルトだとまさに鶏ガラ出汁だけで薄味に過ぎるので、好みに応じて塩を加えていただくとのこと。

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2023.05.18

舎鈴@両国 ~ 中華そば

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 舎鈴の「中華そば」が「10年目の節目  麺、スープ、量、全て一新」されたと聞いて総武線ガード下にある両国駅前店を往訪。先客2、後客8。

 タッチパネル式の券売機ボタンで「中華そば(690円)」をぽっちとな。ランチサービスなし。でも後客の注文は「つけそば」だらけ。私もここで「中華そば」を食べるのはたぶん初めて。
 
 店内は横長カウンター5席と島式カウンター8席、4人卓×1。立地的に客はおひとり様だらけという想定みたいで、卓上には柚子粉、山椒、七味黒、粗挽き梅、酢、醤油、ラー油、胡椒。

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 卓上の能書きによるとスープは「ふんわりほのかな香りの煮干しスープに濃口醤油のコクとキレで喰わす一杯」とあって、確かに煮干しの出汁よりも醤油がかなり前に出た、端的に言えば「醤油飲ませる系」。よって飲み進むにはかなりしょっぱいかと。でも麺をいただくには何の問題もありません。
 
 麺は強く縮れた平打ちの中太麺で、「麺はしっかりと熟成させた縮れ麺に手揉みでさらに不揃いな縮れと捻じれを加えたゴワゴワ・ワシワシな硬麺」との能書きが実態を上手く形容しています。量もやや多め。
 
 バラ肉チャーシューは一枚だけですが、ほど良く脂も刺して旨味もまずまず。細メンマも多め。他に海苔、刻みネギ、なると。
 
 「全て一新」と言っても値段を抑えるべく、スープをスペックダウンしたような気がしてなりませんが、駅近・駅内店やSC内店が多い舎鈴ゆえ、マニア受けなんて考えずにずコスパ重視で「値段を抑えながらそこそこのクォリティーの一杯を出す」ことに徹しているのは個人的には評価できます。 

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2023.05.17

山為食堂@和歌山市 ~ 中華そば

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 和歌山市役所の北、お堀を渡った先の寂れた飲食店街に立地。通りからやや奥まっている上に店の前に絶えず車が止まっているため、店が見えづらいかもしれません。15年ぶりの再訪。ランチライムを過ぎた昼下がりに往訪したにも関わらず先客7、後客4~5とそこそこ繁盛していました。
 
 早速「中華そば(900円)」を注文。この店は和歌山には珍しく寿司や卵が置いてありません。また大盛もありません。また非常に不思議なことですが、この店のメニューはうどん類が大半で、中華そばはその後にちょこんと併記していあるだけ。しかし、うどんを頼んでいるお客はあまりいません。ただ往訪時はたまたまカレーうどんを頼んでいる先客がいて、店内に強烈がカレー臭が・・・

 間口が狭い割りに奥行きがある店で、テーブル席が縦にずらっと並び(4人卓×4と2人卓×1)、最奥にカウンターが3席。卓上には胡椒のみ。水セルフですが、店の中ほどに給水器があるだけなのでチト面倒。また配膳時にレンゲは付いてこず、給水器横にレンゲが積んであります。

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 ここのスープはどろっとしているのが特徴。天下一品の「こってり」とまではいきませんが、単に濁っているだけでなく、何かどろっとしています。ただ「井出商店」ほどとんこつ臭は強くありませんし、見た目と違ってご飯を欲するほど味も濃くありません。

 麺はこのスープに負けないように当然ながら太めで、かつ堅め。量は多いとはいえず、ライス(+150円)を頼む客が非常に目立ちます。

 バラ肉チャーシューはとろける寸前までしっかり煮込まれていてご飯のおかずに最適。他になると、刻み青ネギ。
 
 繁盛している店ですが、それでも会計は後払い&自己申告制。おばちゃんは覚えている風でしたが。

 なおこの店のうどん類で一番高いメニューは「肉カレーうどん」で800円。スープにかかるコストの差なのでしょうが、ラーメンってすっかり高級品になってしまいましたなあ・・・

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 お腹を満たしたところで市役所の向かいにある和歌山城を散策。

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2023.05.16

和 dining 清乃 本店@箕島 ~ 角長しょうゆ匠+四重奏SP

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 紀勢線箕島駅から徒歩20分強。駅近くを流れる有田川を渡って川沿いに東へ。車でのアプローチが便利な国道沿いの郊外店で、パチンコ屋やローソンと同居。
 
 11時の開店10分前に到着したところ先客ゼロでしたが開店までに後客3人。開店と同時にあっという間に満席になり、退店時には外待ち9人。この辺りではぶっちぎりの人気店のようです。
 
 券売機はなく、卓上のメニューを見て先頭の「角長しょうゆ匠(900円)」を注文。さらにせっかくなので4種のチャーシューとワンタンが乗った「四重奏SP(+450円)」を付けて見ました。ランチサービスなし。後払い。
 
 メニューは他にこってり和歌山ラーメン、魚介豚骨、紀ノ国地鶏塩、有田ブラックなど。「清乃」は和歌山駅隣接の近鉄百貨店デパ地下にも支店があり、そちらでは「こってり和歌山ラーメン」を試食済。
 
 店内は縦長カウンター5席と4人卓×3、6人卓×1。さらに店奥に小部屋がある模様。卓上には胡椒のみ。

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 わずかにとろみがかったスープは動物系出汁と魚介系出汁を合わせているようですが、どちらかと言えば魚介系の旨味が強め。和歌山「湯浅醤油」の高級醤油「匠」をカエシに使用しているのがウリでやや甘目の味わいですが、醤油がウリのスープにありがちな「醤油飲ませる系」ではなく旨味たっぶり。ただ、飲み進むにはちょっと醤油がうるさいかな。

 麺は平打ちっぽい中太縮れ入り。つるつるした口当たりで噛み応え強め。スープとの相性は文句なし。なお和歌山ラーメンって量が少な目なところが多い(そのため別途「早すし」を頼んだりする)のですが、ここは量的にも過不足なし。

 ワンタンは飴がしっかり詰まったのが二個。チャーシューはそれぞれに個性があって面白い四重奏に。なお公式Twitterによると「猪豚炭火焼き叉焼、周参見エコポーク炭火焼き叉焼、ドルチェポルコ炭火焼き叉焼、マグレカナール鴨叉焼」の4種とのこと。はっきりと判るのは鴨だけでした(^-^; 味玉は薄味。赤い星型は大根かな?他に刻み青ネギ、メンマ。
 
 デフォルトがとにかく美味いので、SPで変にゴテゴテと飾らずに「しらすごはん(+300円)」を付けるのも一興。大満足の一杯でした。

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 ちょっと足を延ばして、醤油発祥の地とされる湯浅を散策。「角長」の名はここから来ています。

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2023.05.15

よだれ鶏からあげ定食@からやま

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 「からやま」は2023年5月12日から期間限定発売中の「よだれ鶏からあげ定食(979円)」を試食。
 
 「よだれ鶏からあげ定食」は「辣子鶏からあげ」に続く本格中華シリーズ第2弾で、「『思い浮かべただけでよだれが出るほどうまい』と名づけられた中国四川地方の料理『よだれ鶏』を、からあげ定食専門店らしくジューシーな『からあげ』で定食に仕立てた」とのこと。

 「お皿の上で具材感たっぷりのタレとからあげ、揚げ豆腐にラー油を纏った白髪ねぎが良く絡むように和えて、スプーンでひとすくい。それを白米と一緒に口に運べば、辛さと酸味に食感がクセになる生姜と葱の香味野菜でご飯がすすむ、最後のひと口までタレを余すことなくお楽しみいただきたいと考え誕生した、ご飯のおかずになる『からあげ』です。」というのがからやまのウリ文句。

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 ウリ文句には一言も書いてありませんが、ボリュームが圧倒的なのは白髪ねぎではなく、から揚げの下に隠れているもやし。よってそのもやしをから揚げの下からほじくり出して、から揚げの上にタレ共々乗せてから食べ進みました。
 
 味はかなり酸味が強くて、生姜が程よいアクセントになっている感じでしょうか。唐辛子は散見されるものの辛さはピリ辛にも至らず。でも酸味と生姜のおかげでから揚げの脂っこさ、脂臭さは微塵も感じずに食べ進められますし、味わい的にもこの組み合わせは結構新鮮。さすがに「さっぱり」とまで形容するのは無理がありますが。
 
 なおぱっと見から揚げの量が非常に多く見えますが、同じ揚げものでも小さなサイコロ状のやつはから揚げではなく揚げ豆腐なので注意。少々がっかりさせられますが、これはこれで箸休めになるので悪くはありません。
 
 ウリ文句には「最後のひと口までタレを余すことなく」とありますが、個人的には酸味のきついタレとご飯はあまり相性が良いとは思っていないのでタレを大量に余らせてフィニッシュ。でもトータルではからやまの期間限定商品の中では史上トップレベルの出来だと思いました。

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【観戦記】23年第13節:浦和 3-1 G大阪 ~ 東口のATフィールドが壊れとる!!

 前半の出来は芳しくありませんでしたが、儲けもののようなPKで前半のうちに追いついたのが幸い。総じてG大阪の迷走っぷりに助けられた感は否めませんが、ACL明けで連敗という最悪コースだけはなんとか回避できました。

《スタメン》

 浦和は鳥栖戦から中3日で大久保→関根、シャルク→小泉、伊藤→リンセン、カンテ→興梠とスタメン4名入れ替え。前節スタメンだった伊藤、大久保、カンテ、シャルクはいずれもベンチスタートで、前節ベンチ外だったリンセンがスタメンに入ったため、柴戸がベンチ外に。

 スコルジャはACL決勝まで基本メンバー固定で、その後徐々にいろんな選手を試してゆく、さらに戦術のバリエーションを広げてゆく旨を公言していましたが、リンセンをスタメンで、しかも興梠と併用する形で使ったのはその方針に則ったものでしょう。

 一方週央に試合がないG大阪はGK谷→東口、MFネタ→山本、MF石毛→宇佐美とスタメン3名入れ替え。今季アンカーとして鉄板レギュラーだったネタ・ラビが家庭の事情によりイスラエルへ一時帰国中とのこと。

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《試合展開》

 浦和は興梠&リンセンを併用したため、基本フォーメーションは非常にはっきりした4-4-2。小泉が左SH、関根右SHでスタートしました。
 
 一方G大阪の基本フォーメーションは4-1-2-3のようですが、後述のように守っている時間帯が非常に長くて食野やアラーノのポジションが低く、かつ宇佐美が割とフリーダムに動くので、はっきりしたジェバリ1トップの4-4-1-1っぽく見える時間帯が長かったように感じました。
 
 そして布陣以上に驚いたのが、G大阪が全然ボールを握ろうとしないどころか、まるでボールを捨てるようにロングボールをジェバリ目掛けてバンバン蹴ってくること。G大阪はこれまでボール支配率だけはやたら高くてJ1トップクラスというスタイルでしたが、あまりにも結果が出ないのでポヤトスがとうとうブレ出したのかなぁ・・・
 
 でもショルツ&マリウスを擁する浦和相手にロングボール攻撃なんて神戸ですら通用しなかったシロモノ。G大阪が通用するはずもなく、当然ながら両CBに簡単に迎撃されてしまい、ボールは早い時間帯から浦和が一方的に支配。
 
 しかしスコルジャが戦前「ボールをポゼッションするチーム」と評していた相手とは真逆で、全く予想外の試合展開になってしまったため、浦和もただボールを握っているだけに。
 
 もっともこれまたスコルジャが戦前「決勝が終わりましたので、チームに変化をもたらしやすい状況になったと思います。コーチングスタッフとも話し合っていて、例えばフォーメーションもいろいろなアイデアが出ています。そういうことは今後試していくことになると思います」と語っていたことの表れとしてリンセンと興梠の併用とか、頭から安居をCHに下げて岩尾を組ませるといった試行錯誤があまり上手く行っておらず、そこに予想外の試合展開という事態が重なってグダグダの試合になったのかもしれません。
 
 とはいえ、G大阪も浦和にボールを持たせて何がしたいのかよくわからず、非常にしょっぱいまま時間が徒過しましたが、23分ジェバリが最初の決定機でほぼ個人技でねじ込んでG大阪がまさかの先制。ジェバリにはショルツがしっかり付いていたので何事も無かろうと思って見ていたのですが、まさか横に動いてわずかに空いたシュートコースからねじ込んでくるとはなぁ・・・そしてここでやられてしまうのがショルツの疲労困憊ぶりの表われなのかも。
 
 まさかの先制を許した浦和は小泉と関根の左右を入れ替え、なおもほぼ一方的にG大阪を自陣深くに押し込むも決定機を作るどころか、シュートに持ち込むことすらままならず。

 しかし、42分浦和が初めて作った決定機=岩尾スルーパス→ボックス内で興梠シュートはCB福岡に簡単にブロックされてしまいましたが、足でブロックしたボールが福岡の高く上げた手に当たってしまい、OFRの結果ハンドでPKに。45+2分ショルツが東口の逆を取った格好でPK成功。甚だ不格好ながら前半のうちに同点に追いつきました。
 
 スコルジャは試合後「そしてブライアンを交代したのは、彼のパフォーマンスが悪かったというより、この形がうまくいかなかったからです。もう少し練習を重ねてから、今後またこの形も試していきたいと思っています」と前半の不出来を率直に認めて、後半頭からリンセン→大久保、小泉→伊藤と交代。
 
 安居がトップ下にいるのと、酒井が不在な以外はフォーメーションも含めてほぼACL決勝仕様に戻したところ、現金というかなんというか浦和はボールの回りが良くなり、47分アーク付近でこぼれ玉を拾った安居がミドルシュート。52分には左サイドからカットインした関根がそのままシュート。
 
 このプレーから立て続けにCKを得た浦和は54分CKからの流れでショルツが浮き球で短い縦パス→ボックス内で大久保が2人がかりの相手を抑え込みながらなんとか押し込んで浦和が一気に逆転!!

 さらに59分東口のゴールキックに始まるG大阪の稚拙なビルドアップに対して浦和の前プレがついにハマって、伊藤がアーク付近でボール奪取。伊藤のシュートは至近距離で東口が防いだものの、こぼれ球を拾った安居が体勢を立て直した東口の位置を冷静に見定めてゴール!!
 
 しかし、浦和はそのまま楽勝とはならず、お疲れのためか自陣で致命傷になりかねないミスが連発。61分には左サイド深い位置で荻原が実にしょーもない形でボールを失ったのを契機にジェバリに際どいシュートを撃たれてヒヤリ。
 
 G大阪は好機を逃さじとばかりに63分食野→杉山、宇佐美→鈴木、山本理→倉田と一気に三枚替えをしたところで、70分今後は岩尾が自陣でボールロスト!!しかし、杉山のシュートははるか上空へ。
 
 浦和後半最大のピンチは72分アラーノスルーパス→半田のシュートがわずかにマリウスがブロックしようとした足に当たってコースが変わったのが災いして西川の喉元を直撃!!しかし、セーブはセーブで難を逃れました。75分倉田FK→クォンヘッドは勢いがなくて西川余裕を持ってセーブ。
 
 スコルジャはどう見てもヘロヘロ、ヨレヨレの荻原を放置し、73分関根→シャルク、興梠→カンテと前目を代えて反撃開始。この交代はかなり効果があって、既に守備陣形もへったくれも無くスカスカのG大阪に対し、87分右サイドから大久保クロス→ファーでカンテに収まるもののシュートは東口の正面。そして90+3分には大久保スルーパス→カンテがついにゴーーーーール!!と思いきや、VARでわずかにオフサイド判定に。決定的な4点目は奪えませんでしたが、長いATにさしたる紛れも無く浦和が逃げ切り勝ち。

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《総評》

 公式スタッツだとシュート数浦和13対G大阪10、DAZNだと16対16(枠内13対11)。ボックス内からのシュート数も拮抗していたようで、それらのスタッツ通り3-1という結果ほど両チームの出来に差はなかったと感じました。もっとも「ハイレベルの競り合い」ではなく、あまり上手く行っていないチーム同士の「黒ひげ危機一髪」みたいな試合だったという感想ですが。より多くババを引いたのがG大阪だっただけで、浦和の出来も決して褒められたものではないでしょう。
 
 でも浦和の3点目に見られるように、「G大阪がより多くババを引く」のは偶然ではなく、浦和がそうなるように追い込んでいたのも確かなので浦和の勝ちは妥当と言えば妥当でしょう。
 
 浦和の不出来は「ショルツまさかのぶち抜かれ」とか終盤の荻原&岩尾の「自爆ボタンをぽちっとな」に象徴されるようにACL決勝での疲労を引きずっている選手が少なくないのが主因でしょうが、それに加えてスコルジャが「過去の記者会見で、ACLの決勝が終わった後にはいろいろな形を試していきたい、と言っていましたが、その内の一つが今日の形でした。もちろん、他にもアイデアはありますので、それもチェックしたいと思っています。」と語っている通り、ACL決勝明けから新しい面子、新しいやり方を試行し始めたためでもありましょう。しかも過密日程でロクに練習時間も取れないまま。
 
 ただスコルジャは「結果を第一に考えながら、それを行っていかなければいけません」とも語っているように、「試行錯誤の期間だからある程度勝ち点を落とすのはやむを得ない」とすっぱり割り切らず、テストを途中で打ち切ってある程度勝ち点が計算できる基本形に戻し、実際勝ち点3を取ってしまうのはたいしたもの。この辺がポーランドリーグでコンスタントに好成績を収めた名将たる所以なのでしょう。

 そしてACL決勝明けの過密日程で下位に低迷するチーム相手にまさかの連敗を喫して、それ以降チームの歯車が狂いっ放しという最悪コースを免れたのは何よりでした。
  
 一方完全に迷走しているのがG大阪というかポヤトス監督。「ボール支配率はやたら高いけれども全然点は入らずに大量失点を繰り返す」って「リカ浦和の黎明期の劣化版」みたいなものをイメージしていたのですが、まさかボールを握るのをあっさり止めてしまうとはなあ・・・あまりにも結果が出ないのでクビが涼しくなった監督の末期症状なのか、あるいはポゼッションだとかポジショナルサッカーなんてかなぐり捨ててほぼ「劣化版長谷川健太サッカー」で最低限の結果は出ているアルベル監督を見習ったのか、いずれにしてもかなり悲惨なご様子。
 
 またボールを持ちたがるチームなのに最後尾からのビルドアップが上手くないのは実に哀れですなぁ・・・浦和がリカ向きの選手をそれなりに揃えた上で新シーズンに臨んだのに対し、G大阪はどうもそうでもないようで。この試合でGKを谷から東口に代えた理由は傍目からは良く判りませんが、東口はシュートストップ能力こそ神がかっているものの、足元はやや不如意系。
 
 スコルジャは戦前「しっかりとハイプレスをかけてゲームコントロールしたいと思います。ただ、賢くプレーすることが必要だと思います。ボールをポゼッションするチームに対して、自陣でボールを奪ってカウンターを仕掛けるということも有効になると思います。そういったところからの失点が多いチームでもありますので、ボールを奪った後の切り替えのところでしっかりと仕掛けることができれば、チャンスも生まれると思います」と手の内を明かしていましたが、完全にそのやり口で点を取ってしまうのですからスコルジャは笑いが止まらないでしょうに。

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《選手評等》

・大久保がついに今季初ゴール!! 報知によると大久保は「全然点を取れていない浦和の2列目がネット上でボロクソに言われている」ことをわざわざエゴサした上で気に病んでいた様子。そして林コーチからも「最近、プレーはいいのにゴール前の20mは急に“人間”に戻っちゃう。ゴール前になると成功率10%くらいしかないよね」「もっとループパスを出すとか、もっとゴール前を楽しんじゃえば?」とアドバイスをもらったのが多少は役に立ったのか、ついに今季初ゴール!! ドリブラー大久保らしくない泥臭いゴールでしたが、ゴールはゴール。それでいいのだ。

・この試合の収穫はカンテがついにチームに馴染み出したこと。鳥栖戦までは「なんかボールはそれなりに収まるけれども、シュートを撃たないので相手は全然怖くない残念なFW」と思っていましたが、この試合では2度決定機に絡み、2度目は僅かにオフサイドになってしまいましたが、あの距離から威力十分のシュートでゴールをぶち抜く辺りはただものではありません。未だ正しい使い方が判らないまま絶賛迷走中のリンセンにだいぶ差をつけた感じ。

・スコルジャの評価が完全にシャルク>モーベルグになったのもびっくり。もっともシャルクもこれまた正しい使い方が判らずじまいで、左SHで空回りしたまま試合終了。荻原も空回りする傾向がある選手なので、左サイドの「ツイン空回り」は非常に危険でした。モーベルグはよほどコンディションが良くないのかなぁ・・・

・故障をおしてACL決勝に出た酒井は鳥栖戦・G大阪戦とお休み。試合後のスコルジャの話では「宏樹に関しては、次の試合で戻ってきてくれればと思っています」とのことなので、復帰は近い模様。やっぱり右SB明本はかなり無理があるからなぁ・・・

・この試合の観客数は31,440人に留まりました。G大阪戦はビジターも結構入るのでコロナ禍前なら4万人弱はコンスタントに入るカードなので、雨天予想が多少祟ったとはいえ大幅減なことは否めません。過去なんとなく習慣的に埼スタへ来ていた方の少なからずが「コロナ禍の3年」で埼スタへ来る習慣が失われて、そのまま戻ってこなかったのかも。こうなると営業としては国立開催に踏み切るとか新しいことをやらざるを得ないかと。

・この試合の前にはWEリーグの大一番「I神戸vs浦和L」が開催され、浦和がアウェーゲームを制してリーグ優勝に大きく近づきました。朝井さんはその結果についてハーフタイムには触れずに試合終了後に触れたというのは、「トップチームに直接関係ないことを試合中に持ち込まない」という浦和ならではのポリシーに従ったものかな?試合後に朝井さんが浦女の結果にがっつりコメントしていたので、気にしていない訳ではなかったのも明白でしたし。

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---興梠--リンセン---
小泉--------関根
---岩尾--安居---
荻原-マリウス--ショルツ-明本
-----西川-----

(得点)
45+2分 ショルツ(PK)
54分 大久保
59分 安居

(交代)
HT 小泉→大久保
HT リンセン→伊藤
73分 関根→シャルク
73分 興梠→カンテ
90+1分 荻原→大畑

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アラーノ---ジェバリ--食野
--ダワン----宇佐美-
-----山本-----
黒川-クォン---福岡-半田
-----谷------

(得点)
23分 ジェバリ

(交代)
63分 食野→杉山
63分 宇佐美→鈴木
63分 山本理→倉田
87分 アラーノ→石毛
87分 黒川→三浦

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