「エコノミストは信用できるか」
植草一秀早大教授(というよりも野村證券のスター研究員といったほうが今だにしっくりくるのだが・・・)が逮捕されたとのこと。なんでも「都立高校1年の女子生徒のスカートの下から持っていた手鏡をかざし、のぞこうとした疑い。」とのことで、同じ人気商売でもお笑い芸人ならともかく、お堅い経済評論家としては致命的な行為。かつてのマッキーの没落をちょっと想起させますが、なんでそんなリスクばかり高くリターンが極めて小さいものに手を出したんですかネェ・・・ 証券投資を勧める先生としてはいかがなものかと。
それはさておき、表題の本(東谷 暁著、文春新書)なかなか面白かったです。先生方って評価されるのに慣れてないのでこういう試みは評価に値するでしょう。でも本の中身は終章「エコノミストの採点表」だけ読めば十分で、残りは採点の根拠となる事例を延々と書いているだけなのでかなり退屈。立ち読みでも全然OK!
あと東谷氏の採点は「前後の一貫性」「議論の整合性」に重点を置いています。これはこれで一つの見識ですが、この視座で学者先生といわゆる「ストラテジスト兼エコノミスト」とを一緒くたに評価するのはちょっと後者がかわいそう。「ストラテジスト兼エコノミスト」は基本的に相場を当てるのが商売で、どうしても「前後の一貫性」「議論の整合性」はあいまいになりがち。以前言ったこととの整合性にこだわって相場を何年も外し続ければクビの世界ですからね。
もう一つ。無名の頃は極端な意見を吐いていた人が運良く一発当てて高名になれば無難な「順張り」指向になってしまうのは人としてやむを得ないのでは。変節というのとはちょっと違うような・・・
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