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2004.04.03

陥穽-ジュビロ戦

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 奴らは狙っていたに違いない。

 松村主審。あまり聞き覚えがないというか、好評・不評とも耳にしない主審だが経験が浅いわけではなく、2003年までにJ1主審を83試合も務めている(サカダイNo.719参照)。

 もっともその経歴に気づいたのは自宅に帰ってきてからのこと。ゲーム開始早々副審の掲げるオフサイドフラッグに主審がなかなか気づかなかったのを見て、「この主審ちょっとやばいかも・・・」と思ったのは私だけではないだろう。さらに悪いことに、残念ながらどうみてもエメルソンは審判団に「目を付けられている」としかいいようがない。かつてのピグシーがそうであったように。

 ジュビロは勝つことに関しては実に非情である。審判の性癖・心理状態も巧みに利用し、実害のないエリアでエメルソンに厳しいチャージを繰り返してエメルソンがブチ切れるのを心待ちにしていたのだろう。ジュビロにはこういう悪事にうってつけな男-福西がいる。レッズには良くも悪くもこういう仕掛け人タイプがいない。ジュビロで激高しそうな選手といえば唯一西がいるくらいだが、下手に三都主に相手をさせると共に退場してしまうのがオチだろう。

 ジュビロの陥穽にまんまと嵌ったレッズ。パス回しの巧妙なジュビロに対し数的不利になっては勝ち目は薄い。

 もっともこの試合の評価が難しいのは、エメルソンが退場にならなくてもレッズが勝てたかどうか微妙と思われるところにある。あっと驚くスタメン。これまで中盤の守備の要となっていた酒井を外すだけでなく、これまでの3-3-3-1をいきなり放棄し、3-5-2というか3-4-1-2みたいなフォーメーションに変更して啓太・暢久の2ボランチに左WBに三都主、右WBに永井を起用。

 スカスカの中盤を厚くして守備力を高めようとする意図はわからなくもないが、いかんせん起用メンバーに無理があった。暢久が妙に生き生きしていたのは収穫だが、先のシンガポール戦でも明らかなように三都主は不振続き。永井は彼なりに奮闘していたが、やはり守備はドキドキものだし、中盤でボールを奪っても「いったん叩いて前へ」というプレーが苦手なのでどうしてもドリブルに頼りがちになり、ジュビロ相手では危険なエリアでボールを奪われてしまうことが少なくない。難しい相手ではあるが、選手がなかなか揃わず、チームとして熟成が進まない中で相手に応じてシステムまで代えてしまうことに強く疑問を感じた試合でもあった。

 後半早々に不調の三都主に代えて三上を投入。先日のサテライトでは元気だった三上だが、ジュビロ相手ではさすがにちょっときつい。同時に達也に代えて山瀬を投入し、そのままFWに起用するも、これまた局面を打開するには至らず。

 失点場面も情けない。西に決められた2失点はいずれもゴール前の混戦からやられたものだが、エリア内にやたら人数がいる割には西がどフリーになっている。ポジション的には三都主が責めを負うべきなのだろうが・・・ 西のロングパスをグラウに決められた3失点目も、一発でDFラインの裏を突かれる点ではこれまでのやられパターンと酷似している。

 ただこのゲーム自体に失望はしていない。カウンターを喰らわないように後半ジュビロは流していたようにも見受けられたが、レッズの各選手は実によくボールを追った。特に長谷部。エメルソンに代わって邪悪な奴らの標的になった長谷部は、何度も削られながらもなお狂ったようにボールを追い続けた。終盤に高めにポジションを取った永井。そしてロスタイムにはDFの平川さえもゴールへ向かって疾走し始めた。こうしたことは昨年はなかったことだ。

 「負けるときは美しく」という美学もあるが、私は「負けるときこそ泥臭く」というのが信条だ。矢尽き刀折れるまで闘い、ここまでやったのだから負けもやむを得ないと思わせてくれるのが最良と心得ている。そういう意味では良い試合だった。少なくとも控え選手を使わず、淡々と敗れる昨年の負け試合よりは数段マシな試合だった。

 新人監督が結果を出すにはまだまだ時間がかかりそうだが、もう少し気長に見守ってやりたい。


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