オッサン、九州を行く(3)
川内で鹿児島本線に乗り換えます。川内~鹿児島中央(旧西鹿児島)間は新幹線と併行する区間で、本来ならここも「肥薩おれんじ鉄道」へ移管されそうなものですが、比較的乗客が多いためJR九州が手放さなかったといういわくがついておりまして
「泣く泣くも良いほうを取る形見分け」
という一句がつい浮かんで来ます。
南九州は、かつて老朽化が進んだ電車の最後の働き場でした。不良中の不良が集まる高校というのがありますが、南九州はまさにボロ中のボロ電車が集まる地域で、乗客も電車を大事にしようとする気が起きないのか、不良中の不良がボロ中のボロ電車を傷ものにするといういやはやなんともいえない光景が目についたものです(^^;
JRになってもその名残で南九州ではボロ電車がそれこそ燃え尽きるまで酷使されておりましたが、ボロ電車にもついに寿命がやってきたのか、そんな南九州にも新車が入ってまいりました。817系っていうやつです。
JR九州は首都圏では考えられないほどユニークな車両が揃っていて、817系もその例に漏れません。ドア付近のつり革がサークル状に配置されているのも面白いですが、最大の特徴は椅子が木製で革張りのクッション材が付いていること。
一見高級感あふれて結構なように見えますが、オッサン的には×ですね。なんだかんだいっても背もたれが硬い。それにオッサンになると椅子の腰へのフィット感が大事になってくるのですが、この椅子はオッサン的にはイマイチしっくり来ません。座っているだけで「割り木責め」とか「石抱き責め」とかいう恐ろしい語句が浮かんできます。
木製の椅子を採用したのは高級感を出すというよりも、単に安かったからかも???(たぶん違うだろうなぁ・・・)。太平洋戦争末期に金属不足のため木製戦闘機(「キ106」でしたっけ?)を試作した日本軍を思い出したりしました。
それより件の不良中の不良がこの電車にどう向き合うのか心配でなりません。
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