廃墟から立ち上がれ!
チャンピオンシップは負けてはいない。
磐田や鹿島はもはや敵ではない。
我々が目指すのはリーグ制覇であり、アジア進出だ。
我々は日本を代表するビッククラブになるんだ。
・・・そうなるはずだったんだ、2005年は。
だがそれはどうやら壮大なる勘違いだったようだ。フロントもスタッフも選手も、そして我々サポーターも大きな勘違いを抱えたままここまで来てしまった。
「自分達のサッカーを続ければ必ず勝てる」 選手もスタッフもそう信じて闘っているはずだった。だが、気がつけば自分達のサッカーはどこにも見当たらなくなっていた。
陣形はコンパクト。前線からの激しいチェイスに始まり、中盤で相手を挟撃してボールを奪うや否や相手ゴール目掛けて殺到する。それが一番強く美しかった時の浦和。
だが、今は間延びした陣形の中で強さも速さも激しさもなく、だらだらとボールを足元から足元へ回し続けるだけだ。
反町監督だったか、「抜群の個人能力を持つ選手達が、誰一人としてサボることなく動き続けられるのが浦和の強さ」と評していたと記憶している。
だが、今は幾人かの選手は負傷に苦しみ、また幾人かの選手はコンディションが悪く、さらにそれをカバーするはずのチーム全体の運動量すらすっかり衰えてしまった。
「自分達のサッカーを続けること」は、汗をかき、泥にまみれなくても、自然体で横綱相撲が出来ることではない。「勝って当然」な試合はどこにもない。誰も彼もいつからそんな勘違いをするようになったのだろうか。
セレッソ戦は、オフト以来レッズが3年にわたって脈々と築き上げて来たものが全て失われてしまったような印象すら与える衝撃的な敗戦だった。廃墟-そんな言葉が相応しいような敗戦だった。
次節ジュビロ戦から浦和レッズは廃墟からの復興を図る闘いになる。復興に時間がかかるのは避けられない。ちょっと良い試合をしたかと思えば、またまた不甲斐ない試合を見せつけられることもあろう。
幸か不幸か、レッズサポはその試練に耐えるだけの精神的鍛錬を持ち合わせた者揃いだ。耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、レッズ再建の足取りをしっかと見つめてゆこうではないか。
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