神戸戦補遺
「糞試合」と切って捨てるのは疲れきった選手達には酷だったかもしれない。過密日程かつ遠距離移動を伴うアウェーで勝ち点3を得たことを素直に評価すべきなのかもしれない。
興行優先で厳しい日程が組まれるGWのアウェー戦では凡戦は避けがたいのか。2002年5月のナビスコ杯予選広島戦@ビックアーチが全く見所の無い試合だった(結局スコアレスドロー)のを思い出しながら、そんなことを考えたりもした。だが、それでいいのだろうか。
コンディションが良くない中でも、相手の攻勢を凌いで勝ち点をものにする。それはそれで大切なことなのだけれども、凌ぎ方にも良し悪しがあると思う。今日はまさに都築と最終ラインが最後の最後まで集中力を切らさず、かつ多少の運にも恵まれて勝ち点を得ただけ。
「こちらのチャンスも少なかったが、相手にも大してチャンスを与えず、セットプレー一発で勝つ」といった強いチームの凌ぎ方とはかなり様相が異なる勝利。内容が良くても勝ち点が拾えない試合が続いた今のレッズとしては、内容は最悪だが勝ち点3を得た試合が長いリーグ戦の中にあってもいいのだろうが、どうも釈然としない。
監督交代が今のところプラスに出ているのか、神戸が積極的な試合運びを仕掛けて来たのには驚いたが、結局のところ攻め手がパワープレーしかないのにも助けられた。後半は中盤のプレスが全く効かず、パスを回しながら攻撃機会を窺ってくるようなワンランク上の相手なら引分けどころか、負けていた可能性も十二分にあった。
最終ラインの押上げができない。闘莉王がハイボールをことごとく跳ね返してくれるのは有難いが、苦戦の原因であるベタ引きラインを作ってしまった責は免れまい。釣られて両ボランチも引いてしまい、前線は常時孤立。疲労のためか攻守の切り替えも遅く、やっとこさボールを奪ってもカウンターでシュートまで持ってゆくことが出来ない。
アレ→平川、達也→堀之内の交代は妥当。やはり疲労のためか、朴にやられ気味だったアレの交代はもう少し早くてもいいかと思ったくらい。ジュビロ戦でのネネ負傷以降、厳しいスケジュールの中をほとんど同じメンバーで闘い続けているのも苦戦を助長しているのだろう。
穴沢主審の判定は「良くも悪くも不必要にゲームを止めず、しかも一応不公平感がない。ホージェルのシミュレーションはきっちり取った」という意味では悪くは無いのだろう。エメや長谷部がバックチャージ気味のファウルを仕掛けられてもファウルを取ってもらえない(普通の審判なら菅原は序盤でイエロー2枚だろう)。さらに調子をこいで神戸ががんがんファウル覚悟で止めに来てしまって、特にエメがリズムを崩したのは否めないのだけれども、それを苦戦の一因にしてはいかんか。内舘が播戸を倒した場面はPKを取られてもおかしくはなかったし。
いつものようにバックスタンドで観戦。ポケモンが来たせいか、周囲には子供が非常に多く、親と共に終始通路をうろうろ。終盤神戸が攻勢をかけているにも関わらず、残り5分くらいから家路に着く人も少なからずいて、なかなか集中して観戦できなかった。25,000余の観客が神戸ウィングに詰め掛けたが、その1/4くらいは試合内容に関心がなかったのだろう。
スタジアムそのものは間違いなく良いほうに入るのだが、サッカー不毛の地であること自体が観戦環境としては最悪。ややいらついた環境下での観戦がネガティブな見方を助長したのかもしれないが、そうであったとすれば自戒せねばなるまい。
P.S.
選手入場口に燦然と輝く内舘ダンマク。神戸ってよくこれを許したなぁ(^^)
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