浦和、5億円増資計画
※スポニチ記事に対する当初コメントは全くの的外れだったので削除しました。
ややアバウトな説明で恐縮ですが、5億円を強化費用にそのまま充ててしまうというわけではなく、資本金を増やすことで浦和レッズを経営する上でのリスクバッファーを増やしたというのが本増資計画の狙いだと理解したほうがいいでしょう。
浦和レッズも株式会社なので、経営に失敗して抱えた損失が資本金の金額を上回ってしまうと倒産となります。資本金というのは会社から見れば借金と違って他人に返す必要がないカネ。損を出したら会社はこのカネを使ってその損を埋めます。資本金を使い果たしてしまったら、もう損失が埋められないのであぼーんというわけです。
選手補強というのは期待通り活躍し、客を呼び、さらに将来高値で売れるとは限らないという意味で結構リスクの高い投資で、往々にして裏目に出てクラブの損失となることがあります。従って、資本金が小さいままだと思い切った勝負ができず、投機性の強い「大物」の獲得は躊躇せざるを得ません。
昨年までは別のリスクバッファー=三菱自との「損失補填契約」があったので、過小資本は大して問題にならなかったのですが(逆にいえばこんなもんがあるから、「親会社の顔ばかりみている」と批判されるような社長がクラブに派遣されていたのでしょうなぁ・・・)、今年からその契約がなくなり、別のリスクバッファーが必要となりました。今回の増資は多少投資が失敗しても経営が揺らぐことのないように財務基盤を強化し、よりリスクの高い投資ができるようにしたと理解すべきかと思います。
埼玉新聞の記事では増資分が運転資金に充てられるように読めますが、それはちょっと違うような・・・
P.S.
第3者割り当ての引受先として地元企業や自治体が想定されているようですが、サポーターも一口株主になれないものでしょうか?
P.S.2
犬飼社長のいう「銀行に資金提供してもらえるわけではないし」というのは増資の代わりとなる長期性資金のことを言っているのであって、チケットやグッズの販売で日銭が相当入る浦和レッズが一時的なつなぎ融資くらい受けられないわけはないでしょう。
でもさすがのレッズも担保となるような資産が何もないので長期性資金を借りるのは難しいでしょうなぁ・・・ プロジェクトファイナンスみたいなものを仕掛けられるほどそこそこ安定したキャッシュフロー計画が立てられるほどの実績もないし。
先の阪神上場のエントリーでも思ったのですが、プロスポーツクラブのファイナンス計画っていろいろ考えるきっかけになりますなぁ・・・
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