「何か」:浦和 1-0 磐田
「何か」とは何なのか。
千葉戦の後半同様、ボールを支配してはいるが閉塞感の漂うゲーム内容。サイドから放り込まれるボールは精度を欠き、なかなかシュートには至らず。カニを投入して2トップに変更し、しかも福西が退場したにも関わらず、浦和の攻撃に鋭さを増す様子は無い。
やはりこれが今の浦和の限界なのかと心が折れそうになったまさにその時「何か」が浦和に憑いた。大してスピードがあるとはいえない暢久のクロスに対し、金珍圭が信じがたいクリアミス。完全に虚を突かれた川口は反応できず、ボールはそのままゴールに吸い込まれた。
今日の磐田の惨状からすれば1-0の結果は妥当なのだろうが、その1点が遠かっただけに「何か」には感謝する他ない。
「何か」の一つにはここまで磐田をボロボロにしてくれた山本昌邦監督も含まれるのだろう。
カレンを投入した後半立ち上がりから20分くらいまでを除けば、中盤を浦和に支配されて手も足も出ない磐田。ボールポゼッションで完敗する磐田なんて4、5年前には考えられなかったのに今やこの有様。
やや引き気味に構え、出足に全く精彩が見られない前半の磐田。浦和の攻撃力が乏しいことを考えて前半は耐え、岡野が疲労する後半に勝負をかける作戦だったのかもしれないし、事実カレンを投入して後半は立ち上がりから攻勢に出たのだが、そうだとしても千葉と闘った後だと磐田の運動量はあまりにも少ないように見えて仕方がなかった。
特に大物Nはボランチとしては致命的なほどに動けない。セットプレーの時しか存在感のない、まさに固定砲台。菊池をレンタルに出してしまったため他に適当な選手がいないのだろうが、大物Nを引っ張り続けたのが磐田の敗因だろう。
今年の磐田の唯一の収穫はカレンや前田の成長だと思っていたのだが、この試合を見た限りではどちらも大したことなし。ようやくスタメンを掴んだ成岡に至っては90分消え続けた。人間力があと2年くらい監督を務めてくれたら、磐田は間違いなく降格争いをするようになるだろう。
磐田の不甲斐なさに助けられ、さらに上位チームが勝ち点を伸ばせない僥倖に恵まれて最終節まで優勝の可能性が残った浦和。
だが「何か」頼みであることには変わりない。他チームのことは気にせず、ただただ新潟を倒すのみ。
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