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2006.02.26

ゼロックス杯補遺

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 西野がこの一戦をテストと割り切ってきたのに対し、ギドはゼロックス杯を本気で取りに来ました。浦和は狙い通り、しかも危なげなくタイトルを獲得しましたが、それで良かったのかどうかはリーグ初戦で明らかになることでしょう。

 スキルフルな選手を揃えた中盤が噛み合った時の破壊力は凄まじいものがありました。ダイレクトパスを面白いように繋いでシトン・ポンテ・小野・長谷部そして三都主が敵陣に迫る。ガンバレベルの選手でも一人で止めるのは困難な選手が浦和には複数いて、守備陣の狙いを容易に絞らせない。まさに夢を見させてくれたわけですが、当然ながら夢の時間帯はあまりにも短かった。それでも代表で一緒だった小野・長谷部・三都主の3者間はまだマシでしたが、ポンテ・ワシントンとの絡みはまだまだだったように思いました。とりわけポンテ・小野は着想が似ているのか被ってしまう場面がままありました。ボールをキープしながら出し先を探す場面も少なくなく、良かったように見えた前半の攻撃も総じて個人能力に依拠するところ大だったように思います。

 ワシントンは本人も認めるようにコンディションが十分ではない様子は傍目にも窺えましたが、その中ではまずまずの出来でしょう。浦和はワシントンにハイボールを放り込む愚を犯すことなく、むしろそれは組み立てのオプションとしつつ、どちらかといえば中盤でパスを繋げながら最終的にはワシントンが前を向いた状態でボールを受けられるようにスルーパスを出したり、サイドからボールを入れたりしていたように思いました。ワシントンが冷静にGKとの一対一を決めた場面はシュート精度の高さを示したものでしょうし、惜しくもシュートはポストを掠めるに終わりましたがフリーで前を向いたときの怖さを見せ付ける場面もありました。ポンテが決めた3点目はワシントンがハイボールを競りにいったことで明神・シジクレイを引き連れたのがポイント。自分で決めるだけではなく、周りを生かせるのもワシントンの良いところ。

 まぁお疲れの代表組を全員起用して早めに修正点を見つけ出せたのがこの日の収穫だし、小野が頻繁に周囲に指示を出していたのがその表れなんでしょうが、代表組全員起用のツケは時間を追うにつれて明らかになるました。小野を始め中盤で猛烈にプレスをかけていた時間帯は良かったのですが、中盤の運動量が落ちてプレスが効かなくともういけません。ラインを押し上げることも出来なくなって前半の30分過ぎあたりからガンバにボールキープを許してしまいます。

 さらにガンバが加地・播戸を投入してからは、ボールはガンバがキープする一方となってしまいましたが、ガンバはボールは支配するもののなかなか決定的なシュートを放つことができません。従って浦和サイドから見ればボールは回されているものの、ボコボコにされている印象は全くなく、ワシントン→永井、三都主→細貝、小野→酒井と順次選手を代えながら危なげなく逃げ切りに成功。なんとなくゲームは次第にぐだぐだになりつつも結果だけはしっかり残すあたりは天皇杯からの流れが良い形で続いているように思いました。

 ただ肝心のリーグ初戦ではボスニア戦出場が濃厚な小野・三都主を起用することは難しいでしょう。その時浦和はどうガンバと対峙するのか、そのあたりはシドニーで確認済みということなのかもしれませんが、オッサン的には少々心配です。

 方やこの試合をテストとして割り切ってきたガンバ。最初の布陣はほとんど機能しなかったと見ていいでしょう。フェルナンジーニョが下がってボールを持つのはいいのですが、そこから前へボールが動きません。マグノアウベスはボールが来ないのでゲームを通じてさして印象になく(それでも2発ほどヤバイのを撃ちましたが)、二川も樽に入ったまま。スピードのある播戸や加地を投入し、4-4-2みたいな形にシフトしてから右サイドを起点に攻撃の形が出来てきましたが、加地がクロスを上げても前線に高さがないのでさしたる脅威にはならず。遠藤が前線に顔を出してきてやっと浦和守備陣を崩せたかなという感じ。

 西野はこの辺を反省して万博では前のスタメンを代えてくるかも知れませんし、播戸をスーパーサブに温存したままマグノ・二川・フェルの3人の動きに修正を加えてくるかもしれません。また右の寺田は攻撃はまずまずながら守備に難がありすぎたので、スタミナだけは抜群の加地を起用せざるを得ないでしょうし、明神のDF起用は使い物にならないことがはっきりしましたが、ここはどうしてくるか。宮本を無理使いするのが一番浦和的には有難いのですが、さすがにそれはないでしょうな。

 あとは雑感を箇条書き風に(苦言中心でスマン)。

・今季初得点はなんと坪井。CKが長谷部の頭を掠めて軌道が変わり坪井もビックリしたのでしょうが、あまりにもお粗末。ガンバの選手はほとんど詰めておらず、ゴール前には赤・赤・赤・赤と4人並んでいるのに、一番左の赤にボールを蹴りこまれてまさかの失点を喫した都築。「ブルータス、お前もか!」の心境か。

・その後やや不安定感のあった坪井も尻上がりに調子を取り戻してガンバ完封に貢献。フェルナンジーニョに一旦抜け出されながらも後ろから追いついて足を出した場面は坪井の快速が遺憾なく発揮されました。

・またもやセットプレーで得点を記録した堀之内。ゴール裏がわざわざ「ホ・リ・ノウチ、ホ・リ・ノウチ」と教えてやっているのに、堀之内をフリーにするガンバwww まぁその前にセットプレーでワシントンや闘莉王にやられかかっているので、そちらへ注意が行ってしまうのは仕方ないですが。

・この日最も驚いたのは闘莉王は当たり前のことながら、堀之内や坪井までもが中盤でボールカットをするや否やそのまま前へ出るプレーが散見されたこと。坪井はそれでも控えめですが、堀之内にいたっては最後はワシントンと共にゴールに飛び込んでいます。これじゃまるでオシムサッカー!

・セットプレー時に三都主&ポンテが並び立つだけで壮観なのに、今季はさらに小野がいる! セットプレーは今季も重要な得点源になることでしょう。でも、終盤に闘莉王が蹴ったFKは意味不明でした。

・いきなり家長にぶっちぎられ、その後も終始たるそうなプレーを続けた暢久。開幕早々ギドのお仕置きがあっても不思議はないような・・・

・お仕置きといえば相馬。守備ができないという評判で、確かに炎上している左サイドの鎮火には相応しくないのでしょうが、左サイドに投入されたのは専門でもなんでもない細貝。細貝のユーティリティー性の高さには驚きますが、この分じゃ三都主不在時に相馬が起用されるかどうか、ちょっと怪しいですね。平川の負傷が癒えればまたしても平川を左で使ってくるかも。しかし三都主より守備が出来ないっていったいどんな守備やねん・・・

・現場ではわからなかったのですが、啓太はまたしてもくだらないイエローをもらってしまいました。反省の色なし。

・気が短いのを直すのが課題だった都築も、やっぱり無理だったようで・・・

・最後はあっと驚く永井の1トップwww 案の定全く機能せず。黒部がベンチにも入れないというのは、よほど何か問題を抱えているとしか思えませんね。

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