【し】知らぬが仏
(原解釈)
練習を見ているとレッズの選手達は実に仲良しのように見える。それでええんかいなと思えるくらいのほほえましい光景だ。
だが、やっぱりそこはええ年をこいた人間の集まりである以上、大なり小なり確執はあるのだろう。当然ながら監督と選手、スタメンとサブの選手間にはわだかまりがあるだろうし、スタメン同士でも得意なプレースタイルやサッカー観の違い、あるいはもっと単純な好き嫌いでもやもやが生じることもあるだろう。
こうした人間どうしの葛藤はマスコミの格好の餌食だ。
強いチームはそうしたチーム内の確執を抱えながらもピッチ上では素晴らしい内容のサッカーを繰り広げ、しかも結果を出してくる。
サッカーファンにとってはピッチ上のチームのパフォーマンスが全て。ピッチを離れた選手達に深入りしても不愉快になるばかりかもしれない。
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浦和の選手層は分厚くなり、当然ながら実力があってもなかなか出番がない選手、ベンチにすら入れない選手が出てくる。酒井はその典型だ。彼が今オフに移籍を志願したとしても不思議はないと誰もが思ったことだろう。
だが今オフに移籍を志願した者は全くいなかった。他チームからオファーのあった者も(多少のいきさつはあったかもしれないが)全て浦和に残った。
浦和の雰囲気は往々にしてぬるま湯と評されることがあり、過去は事実そうだったと思うが、選手間の競争が激烈となった今は表面こそ仲良しクラブに見えても水面下ではあれこれと葛藤があるのだろう。
だが腐る選手を出さず、ましてやチームにマイナスの影響を与えるような言動をする選手も出さず、他チームが羨むほどの選手層を保持することに成功したギドのマネジメント力というか真の「人間力」は底知れぬものがあると思う。
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