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2006.03.09

【観戦記】東京V 0-2 蔚山現代

 前半は互角の闘いを見せていましたが、DFのミスで失点してからは力の差が出てしまって無念の完封負け。Kリーグ王者である蔚山に圧倒的に押し込まれこそしませんでしたが、残念ながらヴェルディは攻撃力に乏しく、よくやっても引分けに持ち込むのが精一杯だったかなと思います。

 ヴェルディは開幕戦のスタメンから平本・大橋・藤田・永井が外れていましたが、昨季から大幅に入れ替わってしまったため、どれがベストメンバーなのか全くわかりません。蔚山はイ・チョンスを知っているくらい。ノ・ジュンユンやユ・サンチョルも在籍しているらしいのですが、この日は出場なし。GKがものすごく下手なのが印象的でした。

 ヴェルディはメンバーの大幅入れ替えのためか、あるいは早くもJ2仕様にチームを作り変えてきたのか、やっているサッカーもすっかりヴェルディ色が消えてしまいました。細かく、かつ緩急をつけてのパス回しから中央突破といういかにもヴェルディな攻撃パターンは影を潜め、(やや手数がかかるきらいはありますが)徹底してサイド攻撃。

 守っては無理に前線へ繋ごうとせずに、セーフティーなプレーを心がけていました。また危険なエリアで安易に相手をフリーにしてしまう悪癖もすっかりなくなってしました。これにより守備は昨季よりは格段に堅くなったようで、前半は一度イ・チョンスに右サイドを突破されたのと、中盤でパスカットされて速攻を喰らった場面以外は、多少蔚山の決定力不足に助けられたところはあったとはいえ、まずまずだったように思いました。

 守備はそれほど悪くないのですが、攻撃力が如何せん弱い。サイドを崩すところまでは行くのですが、そこからのクロスの精度が今一つだったり、(FWのポジショニングにも問題があると思いますが)出し先を相手DFに読まれてしまったり、またやっと良いボールが上がってもシュート精度が低かったりとあまり点が入る気がしません。攻撃のヴァリエーションが少ないあたりはチームの練度にまだまだ向上の余地があるのでしょう。

 ロングボールの処理をDFが誤って(GKとの連携ミスといったほうがいいのかもしれませんが・・・)失点してからヴェルディは前がかりになって攻めに転じましたが、人数の割には相手に圧力を与えることは出来ず、そうこうしているうちに右サイドから綺麗に崩されて再び失点。

 蔚山はこれで勝ちを確信したようで、イ・チョンスを引っ込めて無理に追加点を取りに行くことなく楽々逃げ切り。ただ今日の闘いぶりではKリーグ王者の強さを感じるには至らず、せっかくの視察も無駄足になった感があったのが残念でした。

 CFに高さがないせいか、サイドからガンガン放り込んでくるような韓国らしい攻撃があまり見られなかったのはある意味新鮮ですが、3トップ気味の攻撃陣がポジションを変えながら攻めてくるのは浦和の苦手とするところですね(^^?

 心配された審判ですが、接触プレーを流し目なのはアジアのデフォルトとしても、そんなに違和感は感じませんでした。蔚山の何人かの選手はシミュレーションっぽいプレーを仕掛けてくるのですが、それに騙されることもなければ、きっちりイエローを出すこともなく、そういう点では良くもなければ悪くもない感じ。

 また韓国の選手は当たりがきついイメージがありますが、今日は悪質なバックチャージが一度あったくらいで、ヴェルディの選手がチャージで吹き飛ばされるような場面は少なく、全体としてはそれほどでも。

 もっとも試合全体を通じて蔚山がどこまで本気だったのかという疑念がつきまとうわけですが。

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