【観戦記】浦和 0-0 名古屋
格下相手に勝ち点3が取れなかったことを悔やむというよりは、負けなくて良かったというべきなのだろう。後半は全く動けずイージーミスが続発。前掛りはいいけれども不用意にボールを失っては立て続けにカウンターを浴びる。玉田に右サイドを抉られ、速いクロスを送られた時には敗戦を覚悟したが、名古屋(撃ったのは本田?)のシュートは奇跡的にも枠を外れた。
今日は運が良かった。激しい雨の中トボトボと駅へ向いながら、そう自分を慰めるしかなかった。トボトボと帰る。それはこのところ久しくなかった懐かしい感覚。
負傷を負ったワシントンや暢久も無事復帰。エクアドル戦で出番のなかった長谷部だけでなく、90分出場した三都主・小野・坪井もスタメンに名を連ねる。初戦以来不動のスタメン・システムで臨んだ名古屋戦。
方や名古屋はいつもの4-4-2のシステムをいじり、玉田の1トップにして中盤を厚くした構え。GK川島の時間稼ぎの様を見る限り、名古屋はハナから引分け狙いなのは明白だったが、だからといってベタ引きになるわけではなく、コンパクトな陣形を保って浦和を中盤で絡め取るような布陣。
いきおり双方狭いエリアの中にぐちゃぐちゃ人がいる按配になったが、不思議なことにせっかくコンパクトな陣形を作りながら名古屋のプレスが甘く、浦和はダイレクトパスの交換やサイド攻撃を織り交ぜながら何度もチャンスを作ることができた。名古屋の前半は攻撃する気があるのかどうか疑われるほど悲惨な出来。浦和は容易に名古屋の攻撃を寸断して波状攻撃を仕掛けた。
しかし、この日積極的に前線に顔を出してきた伸二のシュートはことごとく枠を捉えることができない。右サイドを抉ったポンテのパスを受け、フリーで至近距離で放ったシュートさえ高々と舞い上がる始末(隣にいたオッサンは「啓太でも入るぞ!」とぼやいていましたw)。
ワシントンは負傷の影響か全般に切れがなく、もう一歩のところで足が出ない。何度もCKを得たが頼みのセットプレーも今日は不発。不発どころか、惜しい場面すら少なかった。振り返ってみれば圧倒的に優勢だった前半に得点できなかったのが何とも痛かった。
後半は早々と浦和の足が止まってしまい、ほとんど攻撃の形を作れず。もともと足元から足元へのパスが多く、動きが少ない浦和だが、この日の後半はまるで棒立ちの足元から棒立ちの足元へ繋いでいるだけの様。少々スキルに長けているだけではどうしようもないほど、選手は疲れきっていた。
さらに悪いことに前半から散見されたパスミスが後半は散見どころでなくなり、トラップミスで簡単にボールを奪われるなどこれまでの浦和では考えられないミスも目立ち始めた。それを見てか、名古屋は前半よりは積極的にカウンターを仕掛け始める。
ワシントン・ポンテとも名古屋の再三のファウルまがいのプレー、そしてそのファウルを取ってくれない審判、さらにおそらく思うように行かない自分のプレーぶりに怒りを顕にする場面が多かったが、このあたりも後半の停滞を招いた一因か。
動ける選手の投入が急がれたところだが、ギドは後半25分過ぎまで不動の構え。最初に小野に代えてエスクデロ、続いて三都主に代えて相馬を投入した順序は間違っていないと思うが、やや遅きに失した感も。さらに最後に黒部を投入したのはかなり疑問で、あそこは安易にパワープレーに頼るよりは、走って相手を撹乱できる選手を入れて欲しかった。せっかくそれが出来るエスクデロを投入したのに、黒部投入で右WBに下げざるを得なくなり、それで攻撃の停滞感が強まってしまったような気がしてならない。
後半の疲れぶりを見ると、そもそもスタメン構成に無理があったのかもしれないが、今日の名古屋の攻撃を見た限りでは、前半に点が入っていれば後半は容易に逃げ切りを図ることができただろう。今日の一試合で「選手起用が硬直的で、分厚い選手層を使いこなせない」というギドの最大の欠点を論うのは妥当ではないと思うが、この試合の反省を次の連戦時にどう生かすかが見物である。
願わくば、この試合が今季最悪の試合であらんことを。
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