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2006.04.29

【観戦記】浦和 2-0 大宮

 形ばかりとはいえ一応ダービーなので勝利が何より大事で、その意味では2-0の勝利はなんの問題もなく、浦和の勝利を大いに褒め称え、相変わらずしょぼいサッカーしかできないNTT部活とそれを支援する社員を罵倒する快感に酔いしれるべきなのかもしれませんが、残念ながら内容は共にお粗末そのもの。

 昔はともかく今となっては勝利が義務付けられたチームと、「負けたけれども善戦したからいいや」という気持ちが拭いきれないチームの差がスコアにそのまま出ただけでしかない試合。浦和サイドから見ればただ勝っただけです。55,000人近くも埼玉スタジアムに詰めかけた観客の中には初めてJリーグを見た人もいたと思いますが、今日は非常に退屈な試合で申し訳ありません。「やっぱり野球のほうが面白いわ」と言われても返す言葉がないっちゅー感じです。

 ポンテが出場停止で当初はポンテの代わりに暢久が2列目に入っていましたが、今日の暢久はあまりいいところがなく、前半半ばあたりから伸二が前に出て暢久がボランチに入る感じに。

 大宮はいつもの4-4-2ではなく、長身の森田を前線に残し、桜井はその後ろで守備にも走り回っていたため、実質4-5-1か。ラインは意識的に高く上げ、コンパクトな陣形を保って浦和のスペースを消しつつ、前線からも激しくチェイス。要所要所でファウルまがいのチェック(たぶん浦和のイライラを誘う作戦なんでしょうな・・・)を仕掛けてくることもあって浦和はパスがうまく繋がりません。ワシントンはトニーニョに全く競り勝てず、ハイボールが使えないのが辛いところ。

 ただ大宮も頭数こそ大量補強したとはいえ小林大を除けばいずれも所詮J1.5クラス。浦和とは個人能力において大差があり、複数で囲んだところでワシントン・伸二・長谷部といったところは完全には押さえきれず、時折個人技でDFラインをぶち破られてしまいます。しかし浦和は浦和で妙にボールが持てるのが災いしてせっかくのシュートチャンスを失うことがしばしば。 一応サイド攻撃の意識もあるようですがそれもほとんど実らず、前半のシュートはわずかに4本。

 小野は身体のキレはだいぶ戻っているのですが、ワシントンとはコンビネーションがまだ合わない感じ。あと三都主は体調不良を引きずっているのか、小野→三都主のパスが繋がらない場面が目立ちました。

 こりゃだめだと半ば諦めかけていたのですが、小野からの縦パスを富田とトニーニョがお見合いする間にワシントンが抜け出して先制。

 浦和の守備力と大宮の攻撃力を考えればこれで事実上勝負ありなんですが、今日の浦和は後半が輪をかけて酷かった。当初は大宮にボールを持たせてカウンター狙いだろうと安心してみていたのですが、長谷部・暢久といったところは福岡から帰ってきて中2日(方や大宮は移動なし)というのはさすがに辛いのか、次第に運動量が落ちて単に大宮に押し込まれる形になり、時折サイドを崩されます。しかし、大宮も情けないことにそんな浦和を崩しきれず。

 後半35分に啓太が不当としかいいようのない、この日2枚目のイエローで退場。これを機に大宮はトニーニョを前線に上げてパワープレーに転じましたが、昨年の天皇杯準決勝と違って闘莉王がいる浦和には全く通じず。逆に終了間際にようやくカウンターが実を結んで永井がダメ押しゴール。永井らしくない落ち着いたゴロシュートでした。

 試合終了後のハイライトもリプレイすべき場面がないのか、ゴールシーン以外は攻撃参加した堀之内が2人のDFを交わしてシュートを撃った場面を流すだけ。個人的には啓太退場後に投入された内舘が(たぶん監督の指示とは無関係と思いますが)積極的に前に出てミドルシュートを撃ったのが妙に印象に残りました。

 勝ちはしましたが、とりたてて褒めるべきこともなく、京都戦に続き相手が弱いのに助けられたといってもいいでしょう。ただリーグ戦連敗が避けられたことと完封勝利だったことは長いリーグ戦を戦う上では大いなる成果です。

 方や大宮。負けないことを目標に、前半は桜井すらも守備に奔走させていましたが、残念ながら凡ミスで先制を許す始末。浦和への復讐に燃える桜井はシュートチャンスすらなく、前半は意に沿わない仕事を延々とやらされてさぞフラストレーションが溜まったことでしょう。

 攻めてはFW陣のシュート数はゼロ。新外国人FWマルチネスが使い物にならず、あわてて獲得したグラウのコンディションが十分ではないというのが最大の原因でしょうが、攻撃がお粗末すぎます。結局大宮のチャンスらしいチャンスは小林大のCK→冨田のヘッドと、後半半ばに投入されたタクローのミドルシュートぐらい。大宮の力では浦和の中盤を突破できず、エリア近くまでボールを運んでもシュート寸前にボールを奪われる場面が目立ちました。セットプレーが最大の武器であることはよくわかりましたが、今日の内容では大量補強も虚しく、降格を免れるのが精一杯かも。

 余談といってしまうにはあまりにも大きすぎた出来事ですが、今日の土屋へのブーイングはやりすぎな気がしました。たぶん中には「○ゲ、○ゲ」と連呼する人がいて、それが奥谷主審の反感を買ってしまったような・・・

 試合内容がぐだぐだだったので致し方ない面もありますが、途中から土屋一人と闘っているような按配になってしまったような・・・ 大宮ではなぜかSBを務めている土屋ですが、割とフツーにSBをこなせているのには驚きました。

P.S.

 録画で確認したら、啓太の2枚目のイエローは出されてもおかしくはないプレーでした。しかも1枚目は完全な報復行為なので一発レッドでも不思議ではないものです。ただその起因となった桜井の暴力行為不問(主審・副審とも見逃したのか、単に不問と付したのかはわかりませんが)は腹立たしい限り。都築の負傷も直接は闘莉王とぶつかっていますが、あれは森田が無理なタイミングでGKへ向けて突っ込んだことが都築の負傷に繋がったといって差し支えないでしょう。大宮のプレーは全般に荒っぽく、浦和戦ということで気合が入るのは結構ですが、何か間違った方向へ力を注ぐのは全くいただけません。

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