海ゆかば:浦和 4-2 横浜M
浦和は闘莉王、横浜は松田と共に守備の要を警告累積による出場停止で欠き、ともに守備に不安を抱えた状態での一戦でしたが、横浜の守備網のほうがより脆弱度が高く、それが勝敗を分けました。浦和の先制点はやや横浜に厳しい判定から生じたかもしれませんが、浦和のパフォーマンスは圧倒的で大勢にはほぼ無関係。2点差の勝利は至極当然でしょう。
横浜は河合も出場停止でDFの人材不足が顕著。日惨でまたもや醜態を晒した栗原三等兵をまたしても起用せざるを得なくなった他、既に予備役に編入されていた中西を前線に復帰させ、4バックで浦和戦に臨んできました。
しかし、三等兵と予備役ではワ級迎撃にはあまりにも力不足。4人くらいでワ級を囲んでいるにも関わらず、ワ級からボールを奪えないどころか、ワ級の繰り出す足技・力技に圧倒されてずるずる引き下がる三等兵と予備役には失笑を禁じ得ませんでした。
平川のクロスをファーの位置からなんと右足アウトサイドでゴールに押し込んだ2点目。岡野のクロスをどんピシャリのヘッドで決めた3点目。随所で成すすべなく背番号30の三等兵が立ちすくんでいます。ワ級を「ロサンゼルス級」と誤認したことに端を発した三等兵の悲劇。今ごろは横浜港あたりで水漬く屍となっていることでしょう。
横浜はマグロンが守る中央の守備こそまずまずなのですが、両サイドはあまりにも脆弱でした。相馬・内舘と「ブリキの装甲板」が連なる浦和左サイドですが、前半は全く破綻がないどころか、一方的にマリノスに対し攻勢を掛けつづけます。狩野・田中隼の守るマリノス右サイドはまさに相馬料理長に蹂躙されるがまま。ワシントン・暢久と中央で溜めて、後方から走りこんだ料理長が砲撃!!! 料理長、ついにキルマーク一つです!!!
時折調子に乗って内舘すら攻撃参加してくるのですが、一度しかパスを出してもらえませんでした・・・
また全般に横浜の動きはあまりにも鈍いように感じました。前節雨の福岡で消耗したのか、あるいはその後の中洲で消耗したのかは定かでありませんが、中盤の出足があまりにも遅く、中盤で簡単にボールを奪われてはカウンターをくらい続けたように思いました。
前半の横浜はパスこそ回っているものの、敵陣に迫り、抉るようなパス回しではなく、エリアの周辺で安全安全に回しているだけなので何の脅威にもなりません。たまにDFラインの裏に抜けようとする動きも見られましたが、これも浦和DF陣に阻まれて実らず。
闘莉王がいないため大島めがけて放り込んでくるかと思ったのですが、前半は地上戦に徹してくれたので助かったような気もします。脆弱な浦和DFラインの前で必死に相手の攻撃の芽を摘む啓太。誠にお疲れ様でした。結局流れの中からは破れかぶれのシュートを繰り出すに留まり、危険なのはセットプレーだけ。
前半終了間際に平川→ワシントンで3点目を入れて、ここで試合の大勢は決し、完全にカウンター狙いに切り替えた後半はその狙いがズバリと決まって岡野→ワシントンで追加点。4-0とここまでは申し分のない試合内容でした。
成すすべのない横浜は後半頭からハーフナーを投入。ハーフナーはファーストタッチが「ハンド」というナイスなボケを噛ましてくれましたが、この投入が徐々に横浜に流れを引き寄せます。
最初はそもそもハーフナーにボールが入らなかったり、入ったとしても後方から縦に放り込むだけだったので何の脅威にもならなかったのですが、暢久が疲れて中央でミスを連発するようになり(その意味では赤星投入は遅かったですね・・・)、さらに浦和の両サイドで苦戦が続くようになるともういけません。
最初に音を上げたのが平川・細貝の浦和右サイド。自陣深い位置でつまらないファウルを犯して何度も相手にFKを与えてしまいます。平川→岡野の交代はその辺のテコ入れを兼ねたものでしょう。
しかし、「ブリキの装甲板」の左サイドも次第に雲行が怪しくなり、サイドからハーフナーへの放り込みを許すようになっては失点は時間の問題。1失点目はハーフナーがハンドとのことですが、その直後にファーのハーフナーにどフリーでヘッドを打たれた場面もあり、どっちみち浦和DF陣が後半45分間にハーフナーに1点を献上する羽目になったことでしょう。
マグロンのFKからの2失点目も、細貝がエリア近くでファウルを犯したのが契機。闘莉王不在でDFとして出番が回ってきた細貝でしたが、前半こそ無難な出来だったものの、後半はバテてしまったのでしょうか。
この日最大のサプライズだった加藤順大のGK起用。よりによって闘莉王不在という最もDFラインが脆弱な場面で若いGKを起用するというのは大胆不敵もいいところですが、3点差以上で負けなければ予選1位通過という気楽さが、ギドの大胆な賭けを可能にさせたのでしょうか。
早い時間にマグロンのFKを弾き飛ばしたことと、前半で勝負がついてしまったので気分が楽になったのでしょうか、守りに大きなミスはなく、またフィードでも見せ場を作って無難なトップデビューを飾ることができたと思います。後半30分あたりからの押されている時間帯でパンチなのかキャッチなのかはっきりせず、何度もゴール前でボールがころがりまくったのが気にはなりましたが、この辺は今後の課題ということで、デビュー戦で勝ったことが本人の自信になってくれればいいでしょう。
最後は久々にカニを投入。敵陣深い位置でのボールキープはままならず、かといってシュートで終わることも出来ずとややぐだぐだ感が漂う中で唐突に試合終了。途中で大差がついたので浦和の集中力が切れた感は否めませんが、スコア通りに相手を圧倒しての快勝だったことは間違いありません。
| 固定リンク