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2006.05.18

ナ杯:F東京戦補遺

 ギドはこの試合をどう位置付けていたのでしょう?

 怪我のポンテは当然、軽傷の啓太を無理使いしなかったのは賢明だとしても、後の面子はナビスコ戦の基本スタメンそのまま。ワシントンを黒部に代えることもなければ、試合経験の少ない細貝・エスクデロをスタメンで出すこともなく、ましてやここまでトップでの出場機会のない千島を起用することはありませんでした。ギドが1位通過に拘り、マリノスよりは東京を組しやすしと睨んでこのような面子を揃えて必勝を期したのは明らかです。

 でも、ギドのその意図は選手たちにほとんど伝わりませんでした。

 リーグ戦のスタメン組が多数抜け、控え組には絶好のアピールの場であったはずですが、やはり所詮は消化試合。「アピールの場」というだけだけではモチベーションが保てないのでしょうか、山岸を除けば実に不甲斐ない出来に終始しました。昨年のチームの様相を考え合わせると、ギドがリーグ戦のスタメンを固定していることが控え組のモチベーション低下に繋がっているとは思いませんが、永井しかり、酒井しかり、相馬しかり、内舘しかり、普段はベンチに座っているべくして座っているような按配でした。

 この試合の不出来を個人の責めに期してしまうのは全くもって不適切でしょうけれども、攻撃面ではなんら2列目としての働きができなかった永井、守備面では東京のパス回しに対しさして効果的な仕事ができなかった酒井の責務が大だと思います。ただこんな「気迫」という概念をどこかに置き忘れた試合内容ではスタメンが永井→エクスデロ、酒井→細貝であったとしても大差なかったかもしれません。

 浦和・東京とも何の面白みもない試合でしたけれど、相対的には東京のほうが収穫があったのは明らか。33番の選手(小澤)はフツーに使えることがわかったのは大きな発見だし、茂庭・ジャーンを中核とする4バック(徳永も対面の相馬同様守備はダメだったけどな)と伊野波・今野の2ボランチは安定度が高いのが確認できた分マシだったと思います。また攻めては川口のスペースへの飛び出しや徳永を軸とする相馬いじめといった戦術的意図が感じられました。攻守とも浦和のぐだぐだぶりを割り引かないといけないにしても。

 ただ原時代と比べると総じてチーム力、中でも攻撃面が後退しているような感じがしました。原時代には

・素早い攻守の切り替え = 手数を掛けない攻撃
・ピッチを広く使うワイドな展開
・徹底したサイド攻撃

といった明確な特徴があったと思いますが、ガーロ監督はポゼッション志向のためか、原時代とは対照的に攻撃にやたら手数がかかります。やろうとすることはわからないではないのですが、怖さが全くありません。すっかり守備陣形が出来上がってしまった相手を現在の東京の個人能力&組織力で打開するのはどだい無理な相談じゃないでしょうか。ボールを回しているうちに途中でミスをしてカウンターを食らうのがオチで、前節福岡に負けたのも頷けます。

 結局シュート数では浦和を優に上回り、終始東京が優勢だったことは認めざるを得ないけれども、決定機らしい決定機は結局2回だけじゃないでしょうか。コースを限定されて破れかぶれで放ったミドルシュートは山岸が難なく弾き出し、決定力不足で東京が勝ちきれなかったというほどの内容でもないような・・・

 継続的に見てはいない相手のことをとやかくいうのもなんですが、カウンター一本槍だったオジェック監督を切って、アクティブなサッカーを志向してケッペルを呼んだものの、結局何の方向性も打ち出せず、成果も上げられなかったあの頃の浦和と、原監督を切ってからの東京の迷走ぶりに共通するものがあるような気がしました。大熊・原の遺産とは特段関係ないサッカーをやっているところあたりが特に。

P.S.

 平日の味スタは久しぶり。この日はバクスタ2Fで観戦。いつもだと味スタの出口や飛田給駅に押し寄せる人波に揉まれてずいぶん時間がかかってしまうのだけれど、さすがに2万人を切るとさしたる混雑はなし。21:06の準特急に乗れば試合終了後1時間強で帰宅でき、埼スタとさして変わりがないことがわかったのが、ワシ的には収穫でした(´・ω・`)ショボーン

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