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2006.05.25

犬飼社長の4年間を振り返る

 5月23日に犬飼社長の退任と藤口取締役の社長就任が公式サイトで発表されました。ここで犬飼社長の4年間の功績を簡単に振り返っておきましょう。

<2002年>

6月:社長就任

<2003年>

・都築、山瀬選手らを獲得
・柱谷コーチを招聘
・エジムンド事件
・ハートフルクラブ新設
・駒場にキッズスペース開設
・与野八王子グラウンド整備
・グッズ類ラインナップ一新
・ニキフォロフ選手獲得
・ナビスコ杯優勝
・3年契約のオフト監督を2年目で解任
・ゼリッチ選手、契約終了
・ブッフバルト監督、エンゲルスコーチを招聘

<2004年>

・三都主、闘莉王、酒井選手らを獲得
・大原クラブハウス新築
・埼スタSC席新設
・ユニフォームをプーマからナイキに変更
・ニキフォロフ選手契約終了、アルパイ選手獲得
・ボーダフォン杯でイングランド遠征
・坪井選手長期離脱により、ネネ選手獲得
・Jリーグ、埼玉スタジアムの「ホームスタジアム追加」承認
・リーグセカンドステージ優勝

<2005年>

・ボーダフォンがメインパートナーに
・さいたまレイナスを傘下に収め、浦和レッズレディースに
・山瀬選手、謎の移籍
・レッドボルテージ大改装
・シーチケ枠拡大
・駒場、バックスタンド1Fとゴール裏の席種を分離
・アフターバー開始
・MDP紙面刷新&値下げ
・レッズランド開園
・アルパイ選手、無念の移籍
・エメルソン選手移籍(=巨額の移籍金を獲得)
・三菱自との損失補てん契約を解除 & 増資構想を表明
・藤田選手獲得に失敗→日刊スポーツと不和に?
・ポンテ、マリッチ選手を獲得
・浦和ジュニアユース、日本クラブユース&高円宮杯ユース優勝
・天皇杯優勝
・マリッチ選手、契約終了

<2006年>

・ワシントン、相馬、小野選手らを獲得
・バイエルンMと業務提携
・森GM退任、中村氏GM就任
・ミスター佐藤、Jリーグへ出向
・埼スタ、R席新設等席割を大幅変更
・埼スタ専用シーチケを新設
・アクリル板、規模縮小して設置実現
・LED広告板を導入
・埼スタホームゴール裏への屋根取り付けを県に申請

項目を書き連ねると長くなりますが、要するに

・元々比較的潤沢だった資金をもとに大型補強
   ↓
・チーム力&成績向上
   ↓
・巨大スタジアムにライトなファン層を取り込むことで入場料収入増
・露出度アップによる新規スポンサー獲得
・優勝関連グッズ等の売上増

   ↓
・大型補強
   ↓

という好循環を生み出すと同時に、

・経営基盤強化(三菱自との補填契約解除&増資)
・豊富な資金を投じてクラブの環境整備(大原)
・埼スタの諸環境整備
・下部組織強化
・普及活動促進(ハートフル、レディース)
・地元への利益還元(レッズランド)   

等を同時並行的に推し進めたと整理することができるかと思います。無論その実現にあたっては、何かと理由をつけて反対するクラブ関係者、三菱自、さいたま市、埼玉県等に対して社長の豪腕が遺憾なく発揮されたことでしょう。

 一方、犬飼社長はやや軽はずみな言動が目立つと同時に、ともすればコアなサポーター層よりもライトなファン層を重視(=浦和の伝統とは真逆)したと取られかねない姿勢・施策を打ち出したために、社長に好感を抱かない人も少なからずいました。

 しかし、たとえ犬飼社長の4年間は多少の行き過ぎ・間違いはあったにせよ、この功は罪を補って大いに余りあると私は評価しております。

 またその功績の大きさから長期政権を期待した向きが合ったかもしれませんが、ワンマン型社長のメリットとして即断即決で多大な成果を上げ、かつワンマン型社長の独断専行の弊害が目立ってくる前に後進に社長の座を譲るという点で、4年という在任期間はちょうどよかったのかと思います。

 藤口新社長は古くからのサポーターにはなじみ深い方と聞いています。それゆえ、ややライト層志向の犬飼路線の軌道修正を期待できるかもしれませんが、今やJでは図抜けた財政規模となった(リーグ優勝をしたことがないクラブを「ビッグクラブ」とは言いたくありません)浦和レッズの社長に必要なのは一にも二にも経営センス。サポーター目線も大事ですが、親会社やスポンサー、行政サイドとかとの丁丁発止も必要なわけで、まずはその手腕を見守ることと致しましょう。

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