【感想】6/23 W杯第15日目
<トーゴ 0-2 フランス>
グループリーグでようやく初勝利を掴み、薄氷ながらも決勝トーナメントを決めたフランス。
イエロー2枚累積でジダンが欠場したため、ドメネク監督は今大会初めてトレゼゲをスタメン起用し、システムを4-4-2に変更。災い転じて福と成すとはまさにこのことか、ジダン不在の影響を感じさせないどころかむしろ前2戦よりも攻撃力は格段に上がったような印象すらある試合内容になりました。
左からマルダ、右からリベリ、流れてアンリ、中央にトレゼゲ。時折SBのシルベストルやサニョルが攻撃参加して、フランスは早い時間帯から数々のチャンスを掴みますが、肝心なところでシュート精度を欠いたり、GKの好守に阻まれて前半は得点ならず。
特にリベリは左右に頻繁にポジションを代えながら、ドリブル鋭く中央へ切り込んで何度もチャンスを演出しました。しかし、本人のシュートは悲しいほど、まるで日本選手のそれと見紛うばかりの低精度。
またCKを数多く得ましたが、それに得点の臭いが全くしなかったのもフランス苦戦の一因でしょう。ここだけはジダン不在の影響が色濃く出ていたかと。さらにいえばメイン側の副審が相当に怪しげだったのもフランスの苦境に拍車をかけます。
トーゴの攻撃は至って散発的なのですが、縦一本のパスがFWに繋がった時に個人の身体能力を利した一発があるので、フランスも気が抜けません。押しながらも点が取れないという展開では、往々にして押している側が一発を食らって負けてしまうもの。緊張感が漲ったまま前半終了。
後半のフランスはCKでショートコーナーを多用するなど多少工夫の加えたくらいでメンバー、システムの変更はなし。依然フランス優勢ながら得点を上げられないままに時間が経過する中、ビエラがついに均衡を打破。それまでDMFの位置でマケレレよりは前にいるかなといった感じのビエラがまさに突然攻撃参加し、果敢にエリア内に侵入したのが奏効しました。
2点目も同じくビエラがエリア内に入ってサニョルのクロスをヘッドで落としたところがポイント。アンリがこれを難なく決めて追加点。
2点取った後のフランスは完全にスローダウン。グループリーグ突破を争う韓国が負けていることも耳に入っていたのでしょう。きっちりボールを繋いで無理な攻めはせずに時間を使って逃げ切り。攻撃力は皆無だけれども、守備力には定評のあるフランスのことですから2点差は完全に安全圏。
トレゼゲ&アンリの2トップが機能したこの試合を受けて、ジダンの出場停止が空ける次回、ドメネク監督の采配が見物です。
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