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2006.06.30

リスクマネジメント

世の中面白いもので、

プライオリティの高い試合には全て結果を残しているという事実を、直視すべきである。
結果を見る限り、ジーコを辞めさせる機会は、なかったのだ。

(中略)

ただ、その後4年間は、組織的に間違った判断は下していないことを忘れてはならない。
協会は、組織として有効に働いている。

という見方もあるようです。

 内容はともかく、結果を出している人を辞めさせるというのは情において心苦しいものですし、辞めさせる理屈付けも難しいものです。

 しかし、ビジネスの世界では「プロセスは少々いかがわしいが、結果を出しているからまぁいいか・・・」と放任したあげく、後々重大な法令違反が露見したり、大損失を被ったりすることがままあります。「組織としてのリスクマネジメントができてない」というやつですね。従ってプロセスチェックを怠っちゃいかんのですよ。

(補足)

 定量基準による評価は明快ではありますし、試合結果のみならずそれ以外のものを定量化して評価に加える工夫があってよいとは思いますが、定性的なものを「不明確」という単純な理由で評価基準から外すのは安易に過ぎる、あるいは難しい課題を避けて通っているだけではないかと。

 協会はどういう判断のもとで4年も無能監督を放置したのかはわかりませんが、ジーコを強力に推す方に対して「結果が出ている」というただその一点だけで誰も物申すことができなかったとすれば、それは組織として体をなしていないと見るのがフツーではないでしょうか。

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2006.06.29

駅長が出来ること

川口駅に女性駅長 大宮支社管内で初(出所:asahi.com)

 JR京浜東北線の川口駅に23日、JR東日本で5人目、大宮支社管内では初となる女性駅長、君島由紀子さん(37)が着任した。君島さんは92年に入社、水戸支社、上野駅助役などを経て、05年7月から本社お客様サービス部主席。同社によると、JR発足後に入社した女性社員としては初の駅長就任という。

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 小駅ならともかく、都市部のそこそこの規模の駅になると、駅長なんて直接相対する機会なんてほとんどありませんから、駅利用者に取ってみれば駅長が女性だろうが若かろうが別にどーだっていいように思います。残念ながら川口駅は客層が良いとは言いがたいので、女性の新駅長は多少苦労するであろうことは想像に難くありませんが。

 ところで駅長って駅の最高責任者であることは間違い無いんですが、駅利用者へのサービス向上のために自分の権限でできることってどのくらいあるんでしょうね?

 川口駅はとんでもなくボロいです。駅周辺の再開発があらかた終わってしまったこともあって、何の変哲も無いオンボロの橋上駅舎だけが浮いて見えます。大宮等「駅ナカ」の整備にご熱心なJR束ですが、川口駅は「駅ナカ」どころか「駅」自体が放置されたままです。

 だからといって駅長が「よっしゃ、ワシが駅ビルを建てたる!!」というわけにはいかんでしょう。

 川口駅にはプラットホームに繋がるエレベーターもありません。でも、こういうのも淡々と本社の計画に従って設置工事が進められるものであって、駅長が本社に乗り込んで「はよ付けんかボケヽ(`Д´)ノ ウワァァン!!」とねじ込んでどうにかなるものではないのでしょう。

 「東北・高崎線も停めろゴルァ!!」っていうのは全く無理な相談ですw

 田舎駅の駅長だと、駅長自ら営業の先頭に立ってツアー旅行を仕立てたりするものですが、定期券利用客だらけの都市部の駅で駅長が利用客に存在感を示すって結構難しいですね。

 新駅長におかれましては、指定券自動販売機導入を理由にきっぷ売り場の窓口係員を減らし、連日窓口に長蛇の列をこしらえて利用客の要らぬ反感を買うような愚だけは避けて欲しいものです。

 これすらも本社の指示に従って淡々と進めたまでですと言われかねませんが・・・

 すると期待していいのはトイレの美化くらいですか・・・orz

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天然温泉ゆの郷 Spa Nusa Dua

「天然温泉ゆの郷 Spa Nusa Dua」(公式サイト)

Yunosato1

 近所の日帰り温泉施設ですが、行ったのは初めて。もともとはただの健康ランドだったようですが、2003年に温泉掘削に成功してリニューアルしたようです。リニューアルの甲斐あって清潔感に問題はありません。館内の装飾センスには少々疑問を感じますが。

 入館料は1,050円。但し、これにはタオル・バスタオル・館内着は含まれないので注意。これらは別料金840円となりますが、公式サイトに割安のクーポン券がついているので実質525円。ほとんどの方が入浴セットを利用していました。

 浴室は2F。L字型の大浴槽が温泉で、寝湯・バイブラ・電気風呂が一体になっています。湯は東京都内の温泉でよくある真っ黒いタイプでぬるぬるっとしているのが特徴(ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉)。加熱・循環との表示がありますが、お湯は悪くないと思います。また塩素系薬剤を入れているとの表示もありましたが、塩素臭は全くしませんでした。

 古代檜風呂もありますが、こちらは白湯。他にサウナあり。露天風呂がありませんが、周辺が住宅地ゆえでしょうか。浴室は全体にコンパクトな感じがします。

 3Fは飲食コーナー。大きめのテラス・大広間もあれば、ちょっとしたそば屋、居酒屋や韓国料理屋のブースもあったりしてかなり充実しています。逆に言えば、何か飲み食いしないと座ってのんびりするところがないということでもあるのですが。また分煙が徹底されていないのは今時どうかと思います。

 4Fは休憩コーナー。といってもかなり昔風の、ベッドがずらっと並んでいるタイプ。テレビも何もないので殺風景ともいえますが、ゆっくり寝るにはむしろこのほうがいいでしょう。

 非常に珍しいと思ったのは館内に散髪屋があること。韓国の温泉施設にも散髪屋があったのを思い出しました。

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2006.06.28

【感想】6/27 W杯第19日目

<フランス 3-1 スペイン>

 無敵艦隊と賞されながら、毎回どこかで座礁・転覆してしまうのがスペイン。今回もまたベスト16止まりになってしまいました。

 ボール支配率ではフランスを圧倒しながら、ほとんどフランスの守備陣を崩すことは出来ず、終わって見ればスペインのシュートはわずか7本。枠内シュートは1本しかなく、後はホアキンが右からエリア内へ切れ込んでDFを交わして放ったシュートが惜しかったくらい。無敵艦隊といえども「艦砲射撃だけでは堅固な要塞を崩すことは出来ない」といった戦訓を確認しただけのような感もあり、ややラッキーなPKで先行しながらも、これでは逆転負けやむなしでしょう。

 逆にフランスは出場停止明けのジダンを軸に比較的手数をかけない攻撃を展開。何度もオフサイドに引っかかりながらアンリが執拗にスペインDFラインの裏を狙い、アンリ自身の得点はなかったものの、それが遠因となった形で2列目のリベリの飛び出しが嵌ってフランス同点。グループリーグでもチャンスメークで活躍しながら、決定力はお粗末なところを見せたリベリでしたが、今回はカシージャスを冷静に交わしてゴールを決めてくれました。

 それをアシストしたのは、ここぞとばかりに前へ出てきたビエラ。ビエラはFKを頭で合わせて逆転ゴールを決めるなど、前の試合に続いてこの試合も大活躍。最後は要所で攻撃に絡んでいた大御所ジダンがダメ押しゴールを決めてフランスが完勝。全盛期を髣髴させる強い勝ち方でした。

 ジダン、ビエラ、チュラムとフランスの主力は老兵ぞろい。方やフェルナンドトーレス、セスク、セルヒオラモスと若いタレントの揃うスペイン。個人的にはスペインのほうを楽しみにしていたのですが、残念ながら欧州予選でも苦しんだ「得点力不足」が肝心なところで顔を出してしまいました。

 旭日のスペイン。落日のフランス。しかし、フランスが放った最後の光芒はあまりにも鮮烈。そんな印象の残る試合でした。

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2006.06.27

【感想】6/26 W杯第18日目

<イタリア 1-0 オーストラリア>

 トッティ王子、強烈にプレッシャーのかかる中でPKをきっちり決めてイタリア辛勝。

 数々の修羅場をくぐっているでしょうから、案外本人はしれっとしているのかもしれませんが、それでもさすが王子。怖くてPKを見られなかったブッフォンのほうが自然な気がします。

 試合は主審がやらずもがなの演出をしたような・・・ マテラッツィの一発退場はいくらなんでも可哀想。最後のPKも切り返しに引っかかってこけた豪DFに、グロッソが勝手につまづいてこけたようにも見えるので、審判によってはPKを取らないどころかグロッソのシミュレーションを取るかもしれません。

 戦前の予想に反して、オーストラリアは前半からイタリアと五分に渡り合っており、11対11でそのまま見たかった試合でした。

 一人減ってからのイタリアの堅守はさすが。負傷でネスタを欠き、その控えのマテラッツィを退場で失っても、なおオーストラリアの猛攻をしぶとく凌ぎ切り、ワンチャンスに賭けるのはイタリアのお家芸。最後の最後で多少人数をかけて攻めに転じて、PKをもぎとってしまうんですから、いやはや恐るべし。楽じゃないけれども、結果だけは出すのもイタリアの伝統芸。

 逆にいえばオーストラリアはパス回しがそれほど上手くないので、数的有利をそれほど生かせなかったのが響きました。しかし、ビドゥカをターゲットとした手数をかけない攻撃は十二分にイタリアを苦しめ、決勝T進出が運や偶然によるものではないところを見せてくれました。南アフリカ大会・アジア予選では強大な敵となって日本の前に立ちふさがることは間違いありません。

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2006.06.26

【感想】6/25 W杯第17日目

<イングランド 1-0 エクアドル>

 神様、仏様、ベッカム様。

 ベッカムのFKで奪った1点を守りきってイングランドが順当に準々決勝に駒を進めましたが試合内容は至って低調。エクアドルは能動的に攻めきるほどの力はありませんでしたし、また大過には至りませんでしたが双方DFに致命的なミスが飛び出すなど、グループリーグの続きのような低レベルの試合でした。

 オーウェンを故障で欠いたイングランドはルーニーの1トップ。キャリックを4バックラインの前に置いた4-1-4-1の布陣で臨んできましたが、攻撃に関してはこれが全く機能せず。中盤はエクアドルの守備が堅固でパスを思うように回せず、仕方なくロングボールを放り込んでルーニーを走らせるものの大して形はできずと散々。

 一応ボールポゼッションはイングランドに分があるものの、主導権は守ってカウンターを狙うエクアドルにあるといった感じで試合は進みましたが、そこで苦しい時のベッカム頼み。

 イングランドが待望の先制点を取り、あとは前に出てこざるを得なくなったエクアドルに対して多少面白い展開が見られるかと思ったのですが、やはり今一つ。左サイドをルーニーが抉って、飛び込んで来たジェラードがシュートという絶好機が一度あった程度。

 エリクソンはクラウチ投入で追加点を取る策には出ず、控え選手を逐次投入して淡々と逃げ切り。エクアドルは自分で組み立ててイングランド守備網を切り崩すほどの力はなく、イングランドは凡ミスだけが怖いといった感じ。

 この試合内容では、今大会のイングランドはベスト8が精一杯じゃないでしょうか。

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<ポルトガル 1-0 オランダ>

 残念なことに後半半ばから試合でもなんでもなくなってしまいました。前半はお互いに切り替えが早く、かつ中盤での攻防が激しくていいゲームだったのですが、後半にボラルーズがフィーゴに肘打ちを見舞って退場になったあたりから単なるラフプレーの応酬となってしまいました。

 イエロー合計16枚。2度にわたってポルトガルが先行しては、オランダが追いつくという白熱した展開。得点じゃなくて退場者がなんですが。

 イヴァノフ主審はゲームを全くコントロールできずに泥試合化。最初のコスチーニャのハンドによるイエロー2枚退場はあまりにも馬鹿馬鹿し過ぎてどうこう言うべきものではありませんが、ボラルーズ退場以降は何とかならなかったものでしょうかね。

 出したカードの枚数を忘れて一人の選手にイエロー3枚出した珍事(オーストラリアvsクロアチア戦のポール主審)もありましたが、こういう審判を見ると家本や柏原がW杯主審に選ばれてもなんらおかしくないような・・・ 日頃何かと悪評の高い日本の審判ですが、実は選手よりははるかに世界標準に近いのかも。そしてそれが日本サッカーにとって今大会の最大の収穫なのかもしれませんね。

 退場となったデコとファン・ボルンクホルストが並んで談笑していましたが、「今日は参ったなぁ・・・」とかぼやき合いでもしていたのでしょうか。

 唯一の得点となったデコ→パウレタ→マルシェ。ポルトガルDF陣を手玉に取るファン・ペルシの深い切り返し。エリア内に飛び込んで来たコクのシュートはクロスバーを直撃等々見所も多々あったのですが、おそらくそんなことよりも荒れ加減だけが記憶に残る試合でした。

 およそポルトガルらしくなく、1点を守りきって勝ちはしましたが、次のイングランド戦でデコを欠くことになったのは極めて痛手。下手をすれば負傷退場のC・ロナウドもアウト。逆に言えばイングランドにはまだ悪運が残っていたということなのかも。

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2006.06.25

【感想】6/24 W杯第16日目

<ドイツ 2-0 スウェーデン>

 ドイツが早い時間帯に2点先取。おまけに前半半ばでスウェーデンに退場者が出て、ドイツが完勝しました。本番前の日本戦での醜態はいったい何だったのでしょう?

 ドイツはクローゼ&ポドルスキーの2トップが猛威を振るいました。とりわけクローゼの出来は圧巻。得点を記録したのはいずれもポドルスキーですが、実質的にクローゼの得点といっても良いでしょう。

 1点目はクローゼのポストプレー&バラックのパスを受けての前線への飛び出し。2点目はスウェーデンのDFを3人引きつけたところで勝負あり。

 ルチッチがくだらないイエローを2枚もらって退場。その後のドイツは引いたスウェーデン守備陣の前でボールを回して適宜ミドルシュートを放つの繰り返し。バラックを筆頭にミドルシュートの精度は極めて高く、悪い攻撃ではないのですが少々単調な感も。後半半ばからポドルスキーに代わってノイビルが投入され、エリア内で基点となることで攻撃のバリエーションが多少増えましたが、GKの好守にも阻まれて追加点はならず。

 後半は攻守ともミスが散見され、やや散漫な試合になってしまいましたが大勢に影響ははなく、そのまま試合終了。

 スウェーデンはそもそも前線にボールがほとんど入らない惨状。見せ場らしい見せ場はイブラヒモビッチがDFを背負って振り向きざまにシュートを放った時くらいでしょうか。主審の温情とも取れるPKすらラーションは高々と打ち上げてしまい、全くいいところがありませんでした。イブラヒモビッチのコンディションも今一つとの報もありますが、やはり一方的に攻めながら引分けに終わったトリニダード・トバコ戦で何かが狂い、調子の上がらないまま大会を終えたのかもしれません。

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<アルゼンチン 1-1 メキシコ>

 立ち上がり早々、両者ともCKから1点を取り合う激しい展開。ところがその後は一進一退となって前半にDFライン裏に抜け出したクレスポが際どいループシュートを放った程度。マラドーナも大人しく座ってご観戦。

 アルゼンチンは攻撃にグループリーグ時ほどの冴えが見られず。守っては一発レッドを取られてもおかしくないエインセの凡ミスに象徴されるように安定感を欠く場面も散見。ただメキシコも絶好機が一度あっただけで、得点機を数多く作るところまでには至らず。

 後半のアルゼンチンもサビオラがDFライン裏に抜け出す絶好機があったものの、シュートはGKに阻まれて得点ならず。こう着状態を打破したいアルゼンチンは後半30分からクレスポ→テベス、カンビアッソ→アイマールを投入。アイマールとリケルメを併用するのはやや驚きでしたが、それでも状況は好転せず。残り10分を切ってさらにサビオラに代えてメッシを投入しましたが、終了間際には怪しげなオフサイド判定でゴールが認められない不運もあってそのまま延長突入。

*すいません、延長があるのをすっかり忘れてここで録画が切れてしまいました・・・orz

 決勝点はもう天晴れとしかいいようがありません。ソリンからのクロスをロドリゲスが胸トラップして、いきなり左足でボレー!!! そこそこ距離のあるシュートがゴール左隅に突き刺さりました。

 あまり良い内容ではありませんが、それでもきっちり結果を残せるとはいやはや恐るべしアルゼンチン。

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オシム祭りに思う

 後任監督をオシムに一本化したことを川淵キャプテン自身が明言。人事の話は上級になればなるほどどんでん返しがつきものなのでまだまだ安心はできませんが、オシム代表監督がかなり有力なのはもう間違いないようです。

 監督選定までのドタバタを新聞報道で見る限り、協会は海外との人脈が相当薄くて断られまくったあげく、国内の人材に活路を見出した感がします。

 実績は申し分なく、国内サッカー事情にも精通しており、高齢が唯一の不安材料ではありますが、日本のサッカーファンでオシムの代表監督就任に反対する人は少ないでしょう(ジェフサポが嫌がるのはもっともですが・・・)。

 ただ協会にとって最善の選択だったかどうか? ジーコと違ってオシムは自分の信念に従って最善を尽くす監督です。間違いなく協会に対する注文は多くなることでしょう。千葉と違って「金が無い」という言い訳は聞きませんぜ。またスポンサーへの配慮なんてクソ食らえという態度で臨んでくることでしょう。某スポンサーがイチ押しの典型的パサーなんてオシムは代表に選びませんぜ。

 今の日本代表には何やかやとビジネス上の制約が多すぎるがゆえにオシムは代表監督を受けないと予想していたのですが、就任したらしたで一波乱ありそうな気がしますが・・・

 ちなみに「選手の判断を尊重する指導方法はジーコ監督の考えを受け継いでいく上でふさわしい」って、同じ「選手の判断を尊重する指導方法」といってもジーコのように何も指示しないのとはかなり毛色が違うことをわかっとるんかいな、ほんまに。

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2006.06.24

ジーコ前監督備忘録

 自分の備忘録としてまとめておきます。事実関係に間違いがあれば陳謝いたしますが、本エントリーはあくまでもジーコ前監督に対する私の見解なので、主観の相違からくる苦情等はお控え願います。

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 日本代表を4年にわたって率いたジーコ監督は、端的にいえば「情に厚く、身近にいる方にとって良い人なのかもしれないが、プロの監督として要求される水準に達していない上、職務に忠実であるとも言いがたかった」と評することができましょう。

 ジーコは自分の「お気に入り」(ジーコ流の言い回しでは「ファミリー」か?)を徹底的に重用したところに特徴があります。どうしてその結論に達してしまうのかは謎なんですが、そのお気に入りは概して海外組から構成され、海外組のいないDF陣はメンバーを早々と固定。

 いわゆる鹿島枠は最終的に柳沢・小笠原しか残らなかったことを考えれば、実はそれほど重要視されておらず、単に当初は鹿島の選手しか満足に知らなかったというだけだったのかもしれません。

 「お気に入り」は多少不振だろうと、コンディションが優れなかろうと、果ては所属クラブで試合に出ていなかろうとスタメン起用。前日発熱している選手すら平気で起用しました。

 早くからメンバーを固定し、何度も実戦を積ませることで連携強化、あるいは選手同士のアイデアのシンクロといったものを狙ったのかもしれませんが、その副作用として選手層の弱体化を引き起こしてしまいました。本番直前での加地の負傷が豪州戦敗戦の遠因となったのは、バックアップメンバーの薄さが実害となって表れたものという見方もできましょう。

 また大して重要でもない親善試合に海外組を頻繁に呼んだため、海外組はコンディションを崩し、また所属クラブでの信用が得られず、スタメンを確保できないどころかベンチにも入れない者が相次ぎました。もっともこれは選手本人の責任が大でもありますが。

 さらに早くからメンバーを固定したため、新戦力の発掘は至っておざなりになってしまいました。「アテネ世代」の登用が結局駒野と茂庭だけに留まったのは、単にアテネ世代に有力な人材がいなかった結果なのかもしれません。しかし、遅れて海外に渡り、しかも海外組で最も実績を上げている松井が大して機会を与えられなかったのは実に不可解でした。またDFに高さが足りないと言われ続け、さらに対戦相手にその高さの不安が最も露呈すると思われる豪州が含まれたにも関わらず、日本のDF陣で最も制空能力が高い闘莉王を一度も代表に呼ばなかったのも誠に不可思議でした。

 スタメンを早々と固定したことでサブメンバーのモチベーションが低下したとも言われていますが、これは客観的に確認しようがありません。ただそれに関連する出来事として「キャバクラセブン」事件は記憶されるべきでしょう。残念なことに、これで監督の信用が失墜したのか、それまでレギュラー格だった山田暢久はその後代表に呼ばれることはありませんでした。大久保が代表に呼ばれなくなったのも同時期です。

 様々な副作用を生みながらも、このお気に入り重用策は気に入られた側にとってはさぞかし居心地が良かったことでしょう。

 ジーコが前任のトルシエと極端に異なっていたのは協会、あるいはそれを代表する川淵キャプテンとの対立がほとんどなかったこと。また05年11月のアンゴラ戦(国立)で対戦相手が二転三転するという大失態があったことに例示されるように、この4年間のマッチメイクには疑問が多々あったにも関わらず、ジーコはさしたる文句も言わず淡々と親善試合をこなしました。スポンサーを含め、自分を引き立ててくれた協会の方々への恩義を忘れない、実にジーコらしい情の厚さが見て取れます。もっともマスコミの舌鋒がジーコに対して終始及び腰だったのは、ジーコの情に絆された結果なのかどうか、甚だ怪しいところですが。

 しかし、残念ながら経験のなさゆえジーコには

・中長期的なチーム育成計画策定
・選手選考
・戦術浸透
・個々の大会中のゲームプラン作成
・敵情分析

等監督として必要な能力はいずれも皆無に等しかったと思います。

 就任当初は秋田・服部・名良橋・森岡といったベテランDFを起用。FWには中山すら徴集しています。若手を試したけれども成果が出ず、結果的にアジア予選や本戦でベテランが起用されるのならまだしも、就任当初からベテランを呼ぶとは06年へ向けての中長期的育成計画なんぞジーコがハナから持ち合わせていないのは明白でした。

 選手選考の問題点は先に上げた通り。

 戦術らしい戦術を授けないのもジーコの最大の特徴。前任のトルシエが極端にチームに戦術的制約を与えるタイプで、この戦術が機能しない時の手詰まり感が著しかったため、それを打開する策として選手の自由度・自主性を重視するのは悪くは無いのですが、そのベクトルがまた極端に逆を向きすぎました。

 もっともお粗末なのは、メンバーを固定しているにも関わらず守備の約束事が最後まで形成されなかったこと。ボン合宿でレギュラーのDF陣が幾度も話し合いの場を設けているとは呆れて物が言えません。

 また思うように点が取れなかった試合の後は猛烈なシュート練習。代表チームというのはただでさえ連携を強化する時間が少ないのですから、他にもっとやるべきことがあるでしょうに。

 結局のところ攻守とも組織性を高めることはできず、個々人の能力が露骨に問われるハメに。それでもアジアレベルはなんとか凌ぎきったものの、W杯本戦では惨敗。この4年間海外で通用するプレーヤーがほとんど増えず、個人能力が思ったほど伸びなかった(個人能力が高い選手を選び漏れてもいますが・・・)のにも惨敗の一因はあるでしょうが、個人能力で劣るところを組織でカバーするというごく当たり前のことが全く出来なかった、あるいはやろうともしなかったジーコの責任は極めて重大です。

 どの大会でもメンバーを固定して臨むジーコの性癖は「個々の大会中のゲームプラン作成」や「敵情分析」の能力がないことの裏返しではないでしょうか。よく言えばいつでも自然体。相手の弱点を突いた、あるいは限られた場面でしか使いようのない秘密兵器的な選手起用というものはほとんどありませんでした。2度のコンフェデ、W杯本戦という世界レベルの大会で一度もグループリーグを突破できず、酷暑の重慶でも敗退寸前にまで至ったのはこれらの能力を欠いていることの表れでしょう。

 何かと批判の多い「選手交代」はジーコの乏しい監督能力の中ではマシな方でしょう。やや交代が遅いきらいはありますが、スタメンの中でダメな選手を見極めて手当てするのはまずまず(少なくともトルシエよりは格段にマシ)だったと思います(そもそもそのスタメンがダメなことに気づかないのが困り物ですが)。勝負には徹底して拘り、終了間際の同点・逆転劇が非常に多かったのも特筆すべきことでしょう。ただ、その比較的マシな能力が肝心のW杯本戦で発揮されなかったのは残念でした。

 また能力が無いなりに一生懸命取り組んでいるのであれば多少同情の余地がありますが、Jリーグのシーズン中にも関わらず頻繁にブラジル本国で休暇を取り、クラブで活躍中の視察を怠ったあたり、職務に誠実であるとは言いがたい所業と言わざるを得ません。もっともこれはメンバー早期固定化からくる当然の帰結なのでしょうが。

 2002年の大会では経験の無さが指摘され、06年ドイツ大会こそ「日本のゴールデンエイジ」が真価を発揮すると信じてやまなかったあの日。ベスト8は無理だとしても、グループリーグ突破ぐらいはやってくれるだろうと期待に胸を膨らませたあの日。

 だが、夢は無残に打ち砕かれました。

 さようなら、ジーコ。

 ありがとうとは決して言いません。

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 今大会惨敗の主犯はジーコではなく、ジーコに監督としての能力が乏しいことがアジア予選やアジアカップ等で何度も露呈しているにも関わらず、それを放置した川淵キャプテンにあると考えますが、それについては材料不足につき、ここでは割愛します。

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【感想】6/23 W杯第15日目

<トーゴ 0-2 フランス>

 グループリーグでようやく初勝利を掴み、薄氷ながらも決勝トーナメントを決めたフランス。

 イエロー2枚累積でジダンが欠場したため、ドメネク監督は今大会初めてトレゼゲをスタメン起用し、システムを4-4-2に変更。災い転じて福と成すとはまさにこのことか、ジダン不在の影響を感じさせないどころかむしろ前2戦よりも攻撃力は格段に上がったような印象すらある試合内容になりました。

 左からマルダ、右からリベリ、流れてアンリ、中央にトレゼゲ。時折SBのシルベストルやサニョルが攻撃参加して、フランスは早い時間帯から数々のチャンスを掴みますが、肝心なところでシュート精度を欠いたり、GKの好守に阻まれて前半は得点ならず。

 特にリベリは左右に頻繁にポジションを代えながら、ドリブル鋭く中央へ切り込んで何度もチャンスを演出しました。しかし、本人のシュートは悲しいほど、まるで日本選手のそれと見紛うばかりの低精度。

 またCKを数多く得ましたが、それに得点の臭いが全くしなかったのもフランス苦戦の一因でしょう。ここだけはジダン不在の影響が色濃く出ていたかと。さらにいえばメイン側の副審が相当に怪しげだったのもフランスの苦境に拍車をかけます。

 トーゴの攻撃は至って散発的なのですが、縦一本のパスがFWに繋がった時に個人の身体能力を利した一発があるので、フランスも気が抜けません。押しながらも点が取れないという展開では、往々にして押している側が一発を食らって負けてしまうもの。緊張感が漲ったまま前半終了。

 後半のフランスはCKでショートコーナーを多用するなど多少工夫の加えたくらいでメンバー、システムの変更はなし。依然フランス優勢ながら得点を上げられないままに時間が経過する中、ビエラがついに均衡を打破。それまでDMFの位置でマケレレよりは前にいるかなといった感じのビエラがまさに突然攻撃参加し、果敢にエリア内に侵入したのが奏効しました。

 2点目も同じくビエラがエリア内に入ってサニョルのクロスをヘッドで落としたところがポイント。アンリがこれを難なく決めて追加点。

 2点取った後のフランスは完全にスローダウン。グループリーグ突破を争う韓国が負けていることも耳に入っていたのでしょう。きっちりボールを繋いで無理な攻めはせずに時間を使って逃げ切り。攻撃力は皆無だけれども、守備力には定評のあるフランスのことですから2点差は完全に安全圏。

 トレゼゲ&アンリの2トップが機能したこの試合を受けて、ジダンの出場停止が空ける次回、ドメネク監督の采配が見物です。

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2006.06.23

ドルトムントの屈辱

 大敗。

 玉田がワンチャンスを生かして先制しましたが、残念ながらほぼ一方的なブラジルペース。4-4-2で臨んでは見たものの、終始腰の引けた闘いぶりで狙いとする「高い位置からのボール奪取」はできず。むしろ中盤の守備ができなかったがために自由にボールを回され、ミドルを食らい、最後はブラジルも適当に流しているのにやっぱり失点。

 攻めては中盤でイージーなミスが多く、これまたお話にならず。たまにサイドからの崩しはあったんですけどね。一人攻守にわたって何の役にも立っていない、コンディション不良が伝えられている選手をスタメンで出している時点で一人少ないようなもんですし。しかも、その選手は途中代えられることもなく・・・

 試合は完全にロナウドの調整の場と化す始末。おまけに相手に完全に舐められて、余裕かまされてGKまで代えられている国って他にないだろう??? オールスターかっちゅーねん・・・

 この屈辱を乗り越えてゆかねばいかんのです、新生日本は。

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2006.06.22

何故早く言わない!!

マルクス選手契約解除のお知らせ(川崎公式)

■本人コメント
『フロンターレに来て3年目、J1昇格に貢献し、チームメイト、スタッフ、サポーターのみんなと戦ってきました。現在フロンターレは首位に立ち、J1で優勝も狙えるチームに成長しました。その成長の一方で自分自身の中で、このチームでこれからも戦っていくモチベーションが落ちてしまっています。今の僕の気持ちではチームにこれからも貢献していくことが難しいと思い、チームに迷惑をかけてしまうので移籍を希望しました。まだ移籍先は決まっていませんが、今後もサッカーを続けていきたいと思っています。応援してくれたサポーターの皆さんには感謝の気持ちと申し訳ない気持ちで一杯です。今までありがとうございました。』

※なお、マルクス選手の今後は未定となっております。

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「その成長の一方で自分自身の中で、このチームでこれからも戦っていくモチベーションが落ちてしまっています。」

|-`).。oO あの等々力でそう思ったのかなぁ・・・

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【感想】6/21 W杯第13日目

<ポルトガル 2-1 メキシコ>

 既にグループリーグ通過を決めているポルトガルはパレイラ、C・ロナウド、デコ等主力を温存。方やグループリーグ突破を確実なものにするためには負けられないメキシコ。インセンティブの差があってか、終始メキシコが攻勢をかける試合内容になりましたが結果はポルトガルの勝利。

 主力を温存して試合に臨むのは良いのですが、その結果エクアドルのように大敗してしまうと往々にして良い流れを失ってしまいがちなもの。その意味ではきっちり勝ってリーグ戦を終えられたのはポルトガルにとって悪かろうはずがないのですが、メキシコに退場者が出たにも関わらず、その後の逃げ切り方があまりにも稚拙。リスクを負って攻める必然性はないのでゆったりをボールを繋ごうとするのは良いのですが、途中でミスが頻発し、人数が少ないメキシコの逆襲を許す始末。単に選手層が薄いのか、日頃一緒にやっていないメンバーなので連携が良くないのか、その辺の事情はわかりませんが、これでは決勝トーナメントで先へ進むのは難しいでしょう。

 メキシコは立ち上がりから怒涛の攻勢を仕掛けますが、先制したのはポルトガル。カウンター気味に攻めて、最初のチャンスを得点に結びつけました。さらにCK時にマルケスの露骨なハンドでPKを得て追加点。気持ちが前のめりなのは判りますが、キャプテンがあまりにもくだらないハンドでPKを与えてはいけません。

 メキシコもセットプレーで1点返し、後半にはPKを得て同点のチャンスを掴みますが、これをブラーボが枠外へ外してしまって同点ならず。解説@東京の宮沢ミッシェルが「PKを得た時点でメキシコ喜びすぎ」と評していましたが確かにそのような・・・

 さらにペレスがシミュレーションを取られてこの日2枚目のイエローで退場。シミュレーションは厳しい判定のように思いましたが、その他のところでもシミュレーション臭いプレーを繰り返していたのかも・・・ 数的不利にも関わらずその後もメキシコは攻め続けましたが追いつけず。但し、アンゴラがイランと引き分けたため、この試合に敗れたにも関わらず結果的にメキシコもグループリーグ突破。メンタルにムラがある感が拭えませんが、メキシコの思い切りの良いサッカーには結構好感が持てました。

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<オランダ 0-0 アルゼンチン>

 既に決勝トーナメント突破を決めているチーム同士の対決。共にイエローを一枚もらっている選手を中心に主力を温存。オランダはロッベン、ファン・ブロンクホルスト、ファン・ボンメル等が不在。アルゼンチンはクレスポ、サビオラ、ソリン等が不在。

 ゲーム開始直後のアルゼンチンは引き気味の構えで、前線にテベス&メッシを残してカウンター狙い。ボールを支配するオランダがこれといったチャンスを作り出せないでいるうちに、次第にゲームの主導権はアルゼンチンに移り、前に出てきたアルゼンチンが中盤を支配。テベス、ロドリゲス、リケルメと惜しいシュートを放ちますが得点ならず。

 後半はこの日全く仕事ができなかった(そもそも良いボールも来ていないのですが)馬を早々と下げ、さらにファン・ペルシも下げてから多少オランダもボールが回るようになって形勢は五分五分に復しましたが、決定機を作るまでには至らず。方やアルゼンチンも後半25分からメッシ、リケルメを相次いで下げてクルス、アイマールを投入しましたが、こちらもチャンスらしいチャンスは大して作れず。

 共にリスクを犯してまで勝ちたいという執念はないようで、後半30分くらいからは得点の気配が消えうせてそのままスコアレスドロー。当方少々飽きてしまって新聞をパラパラめくりながらの観戦となってしまいました。

 ロッベンを欠くオランダの攻撃力というか構成力がガクンと落ちるのに対し、アルゼンチンが代わって投入されるFWがテベス、メッシと若いながらも実力差揃い。その差が出たのかスコアレスドローながらややアルゼンチンぺースで試合は進み、グループリーグ首位通過も決まってアルゼンチンのほうが収穫大でしょう。

 オランダも「死のグループ」を難なく通過はしましたが、3戦とも煮え切らない内容。ポルトガル戦はやはりロッベンの出来如何かと。

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2006.06.21

【感想】6/20 W杯第12日目

<エクアドル 0-3 ドイツ>

 ドイツの完勝。というより、エクアドルの不甲斐なさのほうが目に付いた試合でした。エクアドルは現実的な目標である決勝トーナメント進出を早々と決めて目標達成感が出たためか全く覇気のない闘いぶり。この試合だけを見ればよくこんなチームが決勝トーナメントに残れたものだと思わざるを得ません。

 立ち上がりにドイツの左サイドを破り、鋭いクロスを送って中央に飛び込んで来た選手にわずかに合わずという好機を作り出した時はなかなかやるなと思ったのですが、結局感心したプレーはそれだけ。前半はゆったりボールを回しながら機を見てスピードアップして急襲といえば聞こえが良いのですが、結局足元から足元へチンタラボールを回すだけに終始。前半のシュートはわずかに2本。2点先取された後半はやや攻撃意欲を強め、ミドルシュートを散発的に放ちはしましたが、3点目を取られると完全に意気消沈。

 ドイツは早い時間帯に先制できて、試合運びが随分楽になりました。セットプレー崩れとはいえ、メルテザッカー→シュバインシュタイガー→クローゼとエリア内で左右にボールを回してのゴールというのはおよそドイツらしくない感がありますが

 その後はエクアドル同様ゆっくりとボールを回しながら、一気にロングボールでエクアドルDFラインの裏を突く狙いが見て取れましたが、その形からの得点はならず。しかし、細かいパスを繋ぎながら一瞬エリア前でフリーになったバラックの浮き球スルーパスでクローゼがDFラインの裏へ抜け出して2点目。これもまたドイツっぽくないような・・・

 さらに後半早々にカウンターからシュナイダー→ポドルスキーと2人で攻めて3点目。

 その後も手を抜かずに攻勢をかけるのはお国ぶり。組み分けに恵まれた感が強いとはいえ、戦前の悪評を跳ね返し、ご立派な成績で堂々首位通過です。次はスウェーデン。スピードがあるチームではないから、これまた組し易しでしょうか。

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<スウェーデン 2-2 イングランド>

 イングランドは既にグループリーグ通過を決めていますが、2位通過だと次がドイツ戦となってしまうためかゲームを通じて攻撃的姿勢を失わず、なかなか面白い試合となりましたが、またしても「スウェーデンには勝てないよ伝説」を伸ばしてしまう結果に。

 立ち上がり早々オーウェンが負傷。やむを得ず温存しておいたクラウチを投入して、ルーニーとの2トップ。前半はイングランドがボールを支配する時間が長いものの、ミドルシュートを放つのが精一杯。方やスウェーデンは専らセットプレー頼みという展開で前半0-0はやむなしと思っていたのですが、前半34分にJ・コールのミドルシュートが決まって思いがけない形でイングランドが先制。

 イングランドの攻勢をスウェーデンがいったんクリアして、安堵の空気が流れる中のんびりとラインを上げている最中に放たれたJ・コールのシュート。ボールは高い位置から縦に曲がり落ちるカーブが掛かったような按配でゴールマウスに向かい、長身GKのイサクションがジャンプするも及ばず。日本のレベルだとカウンターを食らわないように中盤に残っていた選手が適当に蹴りだして終わりになりがちなのですが、ここで狙いのあるボールが蹴れるところに力の差を感じざるを得ません。

 しかしスウェーデンは後半の早い時間帯にCKをアルベックがヘッドで逸らして同点に。後半はどういうわけかイングランドの攻勢が弱まってしまい、ややスウェーデンペースで試合が進みましたが、スウェーデンも流れの中から得点機を作り出すことができないので、双方一生懸命やっている割にはやや眠い展開に。

 流れを代えたいイングランドはルーニーに代えてジェラードを投入。4-1-4-1にシステムを組み替えてみましたが、これといった効果は見られず。今大会初先発のルーニーですが、一度DF2人を交わしてシュートに持ち込みかかるという見せ場があったものの、総じてクラウチとのコンビネーションがイマイチ。ベンチに下がってから荒れ模様でしたが、出来の悪さに本人も苛立ちを隠せないのでしょう。

 その後スウェーデンはセットプレーで2度ビッグチャンスを作り、イングランドにとって悪い極めて流れとはなりましたが、終盤に数少ないチャンスをイングランドが生かしてスウェーデンを突き放します。ゴールキックをクラウチがポストで落とし、右でJ・コールが溜めて左でフリーになっていたジェラードがヘッド。手数をかけない綺麗なゴールでした。

 これでイングランドはついに「スウェーデンには勝てないよ伝説」に終止符を打つかと思ったのですが、ロスタイム突入間際になってロングスローからラーションに同点弾を叩き込まれてしまいます。ロングスローをテリー、キャンベルと立て続けにかぶってしまって、その後ろにいたA・コールとの間のスペースへラーションに走りこまれる。集中力を欠いたプレーと言われても仕方ないような・・・

 順当にグループリーグ1位通過を決めはしましたが、イングランドはまだまだ課題山積にような気がします。

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2006.06.20

【感想】6/19 W杯第11日目

<サウジアラビア 0-4 ウクライナ>

 スコア通りウクライナの完勝。サウジアラビアはチャンスらしいチャンスすら掴むことができず、アジア枠削減の片棒を担ぎかねない結果になってしまいました。

 ウクライナはセットプレーで早々と先制。本来堅守速攻が持ち味のウクライナはこれで気が楽になったのか、その後サイド攻撃主体に一方的にサウジを攻め立てます。実力差でサウジを押し込んでいるため、ウクライナの攻めは「速攻」という看板を掲げる割にはやや手数が多い半面、後方のサポートが厚め。ややアーリー気味のクロスは中央で構えるシェフチェンコにはなかなか合いませんでしたが、レブロフがミドルシュートを決めて追加点。

 後半も立ち上がり早々CKをシェフチェンコがヘッドで合わせて3点目。サウジアラビアはセットプレーの守備に難ありとの前評判でしたが、身長差を割り引いても少々情けない失点でした。後半2人を一気に代えて若干サウジペースとなる時間帯もありましたが、接触プレーでGKが長らく痛んでいる間にリズムを失ってしまい、そうこうしているうちに中盤でボールを失ってウクライナの看板であるカウンターが炸裂。シェフチェンコにボールが渡り、エリア内でシェフチェンコからのラストパスを受けたカリニチェンコにダメ押しのダメ押しともいえる4点目を献上してしまいました。

 ウクライナは守備も完璧。攻守の切り替えが早く、高い位置からのプレス&ボールから遠い選手達の素早い帰陣で容易にサウジアラビアの侵攻を許さず。まれにサウジにエリア内に侵入されてもDFがシュート直前にカバーに入る奮闘ぶり。

 ウクライナは最後はシェフチェンコを下げて新鋭のミレフスキーを投入する余裕すらみせ、そのミレフスキーが期待に応えて2度ほど見せ場を作るこの上ない展開。先のスペイン戦の大敗による得失点差のマイナスを帳消しにし、良い流れでグループリーグ最終戦を迎えられそうです。

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<スペイン 3-1 チュニジア>

 チュニジア、善戦及ばず力尽きるといったところでしょうか。

 中盤でスペインが奪おうとしたボールがチュニジアの最前線にいたジャジリの前に転がり、さらにプジョルがやや対応を誤ってジャジリに抜け出されたのが失点の原因。ジャジリはさらにエリア内で踏ん張り、後方から走りこんできたムナリがシュート。カシージャスは一度弾いたものの、ムナリが再度詰めてチュニジアが先制。

 その後はスペインがボールを支配するものの、チュニジアは中盤を厚めに構えてスペインのパス回しを容易には許さず、スペインのチャンスはセットプレーのみ。逆にチュニジアは高めの位置でボールを奪ってカウンターを繰り出す明快な戦略が嵌って、スペインがボールを支配する時間こそ長いもののチュニジアペースでゲームが進行。

 何とか局面を打開したいスペインは何と後半頭からセナ→セスク、ルイスガルシア→ラウルと2選手を交代。さらに後半12分にビジャに代えてホアキンを投入。

 後半のチュニジアは中盤でボールが取れなくなり防戦一方に。中盤で円滑にボールが回るようになったスペインは際どいミドルシュートを放つ等次第に良い形が出来はじめます。

 同点弾はホアキンが右サイドを抉ったところから。クロスからセスクが放ったシュートは上手くミートせずにゴロゴロっとした感じだったのですが、GKが弾いたところをラウルがきっちり詰めていました。交代出場の3選手が全て得点に絡むとはさぞかし監督冥利に尽きることでしょう。

 同点になってチュニジアは反撃に行かないといけないのですが、守りで力を使い果たしたのかさしたる攻撃の形は作れず、後半のシュートはわずか1本。逆に深い位置からセスクにスルーパスを出され、抜け出したフェルナンド・トーレスがGKを交わしてスペインが逆転。さらに終了間際にフェルナンド・トーレスがPKを得、自ら決めて3点目。

 終わってみれば実力差通りなのですが、チュニジアは前後半で出来が違いすぎ。ウクライナ戦にグループリーグ突破を掛けることになりましたが、どういうゲームプランで最終戦に臨んでくるか楽しみです。

P.S.

 チュニジアのルメール監督。歳はスペインのアラゴネス監督と3つしか変わらないのですが、割とじっとしているアラゴネスとは正反対で喜怒哀楽が激しすぎて笑えました。

 リードしている前半は事あることに前に飛び出して激怒。そんなに怒ったら心臓に悪いっちゅーねん・・・ 雨が激しくなった後半は黒いフードを被ったまま激怒また激怒。ところが同点に追いつかれるや一転して静かになり、逆転されたあとは完全に(´・ω・`)ショボーン それじゃまるで弱小チームのサポと変わらんっちゅーねん・・・

P.S.2

 シャビの目は誰かに似ているなと思っていたのですが、それは持田香織だったりするw

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さらば、千島徹!

 例年夏の中断期間中、誰かしらが浦和に別れを告げる。昨年は梅田が浦和を去り、そして今年は千島が浦和から遠く愛媛へ旅立つことになった

 風貌ゆえか、いつまでも若手のように思えて仕方がないのだが、千島ももう25歳。闘莉王や啓太、相馬と同じチームの中堅といって差し支えない年齢になった。

 2000年入団。リーグ戦初出場の02年アウェー磐田戦ではいきなり福西を削って前途有望な若者として期待されたが、体が出来てきてさぁこれからという時期に怪我を繰り返してトップベンチ入りもままならず、得意とするOMFのポジションでも後輩のエスクデロや赤星の後塵を拝する厳しい現状。最近は奇抜なファッションや言動で話題を提供することが多くなった。

 今年はトップ出場なし。福岡遠征に帯同した他、結局雨の味スタ(06年ナビスコ杯第5戦)が千島の最後のベンチ入り。代表組不在&ポンテ故障とレギュラー陣を大幅に欠いて低調な試合を続ける中、局面打開のために途中出場があるかと思われたが、ギドが交代要員に指名したのはエスクデロ。改めて置かれた立場の厳しさを再確認することとなった。

 浦和ユース出身。浦和の下部組織がトップで通用する選手の育成機関として明確に位置づけられる前のユース出身者として唯一トップデビューを果たし、地元の方を中心に大いなる期待がかけられた千島。03年ナビスコ杯準々決勝(対FC東京)で上げたゴールが生涯唯一のゴールとなったが、あのゴールがなければ03年のナビスコ杯制覇はなかったかもしれないのだ。それほど重要なゴールを記録した千島がついに浦和を去る。

 トップ出場が極めて少ない選手に対し、完全移籍の誘いがあったのは「見る人は見ていた」のかもしれないし、それ以上にスタッフの尽力があったのかもしれない。いずれにせよ新天地で持てる実力を存分に発揮することを期待したい。

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2006.06.19

【感想】6/18 W杯第10日目

<ブラジル 2-0 オーストラリア>

 結果的にはブラジルの順当勝ちになりましたが、以前ブラジルの攻撃は本調子にほど遠く、またこの試合は守備陣の軽率なミスも目立って何度も豪州に決定機を許してしまいました。

 クロアチア戦ではほとんど動けなかったロナウドがこの日も先発。前回よりは多少マシでしたがやはり動きは良いとは言いがたく、ブラジルの攻撃が停滞する主因となってしまいました。前半のブラジルは散発的にミドルシュートを放ったのみ。

 後半の早い時間帯に最前線でボールをキープするロナウドに豪州DFが3人寄ってしまい、ロナウドがエリア中央付近のアドリアーノへパスを出したところでアドリアーノはDFと1対1。これだけでもしんどいのに、よりによってアドリアーノの左足を空けてしまってアドリアーノが先制弾。

 これでブラジルは一気に楽にはなりましたが、攻撃の停滞感はロナウドに代えてロビーニョが投入されるまで続きました。途中出場のロビーニョは卓越したスピードと豊富な運動量で豪州守備網を撹乱。これでようやくブラジルの攻めに軽快さが生まれ、ロビーニョの強烈なシュートがGKに当たってこぼれたところをやはり途中出場のフレッジが詰めて2点目。

 豪州はブラジルに対しても空中戦で利があり、さらにブラジルの軽率なミスを突いて何度かチャンスを作りましたが、後一歩及ばず。後半途中からキューウェルを投入したあたりまでは作戦通りだったのでしょうが。ただブラジル戦を2失点で終えたため、日本戦での勝ち点3&得失点差が効いて最後のクロアチア戦は引分けでも勝ちぬけ濃厚となったため、この日の敗戦もさしたる問題にならないかと。

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<フランス 1-1 韓国>

 フランス完勝のはずが、数少ないチャンスを生かした韓国に追いつかれて引分け。ビエラのヘディングシュートはGKイ・ウンジェが掻き出した時点でゴール内に入っていたように思われたが判定はノーゴール。その後もフランスは何度かチャンスを掴みながらも決めきれず、逆に韓国伝統のサイドからの放り込みに屈してしまいました。

 フランスの先制点はヴィルトールのシュートが相手DFに当たってゴール前にこぼれたところをFWアンリが決めたもの。多分に幸運に恵まれた感のある先制点でしたが、攻撃力はないが守備力はきわめて高いフランスにとって大きな意味がありました。

 実際前半の韓国はフランスの誇るビエラ・マケレレの両ボランチに中盤を全く作らせてもらえず、シュートわずか1本に終わる惨状。後半はチョ・ジェジンへの放り込み中心に方針転換しましたが、浦和にすら通用しがたいチョ・ジェジンへの後方からの放り込みがフランスに通用するはずもなく、セットプレーでなんとかチャンスを作るのみ。

 フランスは1点あれば十分と考えたのか、足元から足元へしっかりボールを繋ぎながら機を見てペースを上げて攻勢を掛けましたが、追加点はならず。フランスは好機にはSBやボランチも攻撃に参加し、そこそこ厚みのある攻撃を仕掛けてはいましたが、そこは韓国が粘りに粘りました。

 追加点は取れなかったものの、韓国が流れの中でほとんどチャンスを作れないところから見てフランス逃げ切り濃厚と思われたのですが、後半36分ソル・ギヒョンに右サイドの突破を許したのが唯一の失敗。ハイクロスをファーのチョ・チェジンがヘッドで折り返し、後方から走りこんできたパク・チソンが押し込んで同点。

 数少ないチャンスをきっちり決めた韓国。「伝統の形」を持っている国はこういう土壇場にでは実に強い。

 勝ち点3を取りたいフランスは同点に追いつかれてからドタバタと選手を代えましたが、アンリに一度絶好機があっただけ。戦術的な理由があるのでしょうが、トレゼゲがロスタイムに投入されるのはかなり寂しいものがあります。イエロー2枚累積でジダンが次のトーゴ戦に出場できませんが、ジダンの衰えは隠しきれず、かえってジダン欠場が良い方に転ぶこともあり得るかと。

P.S.

 解説の関塚。どうも韓国には疎いようで何度も選手を背番号で呼んでいましたが、それじゃ「若加茂周」やって・・・

P.S.2

 どうも韓国のコールを長々と聞いていると、ビッグスワンにいるような気がするのですが、なぜでしょうね(^^? 

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【感想】日本 0-0 クロアチア

 試合終了後、「勝てた試合だった」とのコメントを残す選手もいましたが、それには強い違和感がありました。確かに柳沢の「痛恨の股抜きシュート」を筆頭に何度か決定機はありました。日本が手も足も出ないほどクロアチアは強くなく、「勝てた」と評するのも完全に間違っているわけではありません。

 しかし、日本以上にクロアチアにも決定機があり、どちらがより得点の臭いが強いチャンスを数多く作り出せたかという意味においてはクロアチアに分があります。総じていえば「負けなくてよかった試合」と評するのがより妥当だと思います。

 試合終了後引分けでもニコニコ顔だった客席の女性がネット等で叩かれていますが、日本の実力がアンゴラやトリニダード・トバコと大差がないことを弁え、国外開催のW杯で歴史的な勝ち点1、しかも欧州の中堅国クロアチアから勝ち点を奪えたことを素直に讃える超現実主義者なのかもしれませんね。

 クロアチアは日本の4バックの左半分、すなわち三都主・宮本が守る領域が脆弱なのを了知して右WBのスルナを中心に再三攻勢を仕掛けてきました。その作戦は図にあたってPKを獲得した他何度も決定機を得ますが、それを悉く決められず。

 また日本に高さがないという弱点も執拗に突いて、敵陣深いところでのスローインはおしなべてロングスロー。また山のようにCKの機会も得、どフリーでヘッディングシュートという場面もありましたが、これもやはり決められず。

 一方日本もクロアチアDFにスピードがないのを見て取って、加地やアレックスがそれぞれ2度ほど縦に抜け出て鋭いクロスを上げましたが、なかなかシュートには至らず。終盤左サイドを突破したアレックスのクロスに誰も足を伸ばさなかったあたりが日本攻撃陣の限界を見る思い。

 加地が高原とのワンツーで中央に切れ込み、左でフリーになっていた柳沢にパスが出たのがこの日最大のチャンスだったのですが、柳沢のダイレクトシュートはGKの股を抜いて枠を反れるという椿事に。

 今日のジーコの選手交代はいつになく積極的。ハーフタイムに福西に代えて稲本を投入。稲本の突進力を利用して攻めに転じるには時間が早いように思ったのですが、試合終了後の監督会見では「福西のニコへのマークが甘かったので、変えなくてはならなかった。」とのこと。それなら多少合点が行きます。

 誤算だったのは柳沢に代えて投入した玉田の不振。相手が疲れてきたところでスピードのある玉田を投入するのは間違っていないのですが、玉田は監督の期待を裏切る低パフォーマンスに終始。後半16分からの投入なのに最後のバテようはスタメンと変わりなく、途中主審と衝突する不運もあって結局シュートゼロに。左サイドに抜け出たビッグチャンスで放ったのはシュートだったのか、クロスだったのか。

 謎だったのは大黒の投入。高原の出来も良いとは言えないのですが、中盤、特に中村が後半ほとんど動けなくなって良い形で前線にボールを配球できないのが後半苦戦の主因であるにも関わらず、それを放置したのはいただけません。高熱を出して休んでいた選手を猛暑の中90分引っ張ってしまうこと自体異常なんですが。

 結局双方それなりに相手を研究してチャンスを掴むものの「決定力不足の展示会」と化し、しかも後半30分あたりからは暑さにまいって「ミスパスの披露会」とも化してしまって、W杯としてははなはだレベルの低い試合となってしまいました。計算上は両チームともまだ決勝トーナメント出場のチャンスはありますが、この試合内容で決勝トーナメントに残るとはコートジボアールあたりに申し訳が立ちません。共に合掌。

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2006.06.18

【感想】6/17 W杯第9日目

<ポルトガル 2-0 イラン>

 得点は2に留まりましたが内容はポルトガルの完勝。イランはボールを奪うことすらままならず一方的にポルトガルにボール支配を許し、有効な反撃を繰り出すこともままなりませんでした。結局イランの決定機は1、2度あったくらいでしょうか。

 アジアでは日本とほぼ互角の実力を有しているイランですが、これだけの実力差を見せ付けられるとアジア枠減もやむなしと思わざるを得ません。

 ショートパスの交換、C・ロナウドを筆頭に時折しかけるドリブル突破、フィーゴとC・ロナウドの左右のポジションチェンジ、右SBミゲルの攻撃参加によるサイド攻撃と数々の工夫を凝らしながらポルトガルはイラン守備陣を着実に攻略。数多のCK・FKも獲得しながらも粘り強く守るイランに手を焼いてなかなか得点は上げられませんでしたが、後半20分頃ににデコのミドルシュートが決まってようやく先制。

 先制されてやや前がかりにならざるを得なくなったのと疲労が重なって、その後のイランはポルトガルの攻勢を凌ぎきれなくなり、フィーゴのドリブル突破に抗し切れずにPKを与えてしまいます。また結局得点にはつながりませんでしたが、サイドでの数的優位を作りづらくなった後半半ば以降はC・ロナウドのドリブルは全く止められず、飛び込んでは交わされるを繰り返していたように思います。そうと知ってか、C・ロナウドは半ば遊び気分で高速ドリブルを仕掛けていたようにも見えました。

 攻撃陣で精彩を欠いたのはパウレタくらいでしょうか。最後の絶好機を決めていれば文句なかったんでしょうけど。

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<チェコ 0-2 ガーナ>

 アメリカ戦では素晴らしいサッカーを見せてくれたチェコですが、ガーナ戦は一転して至って寂しい内容。しかもウイファルシが退場、ロクベンツも次回出場停止と残るイタリア戦へ向けて大きな痛手を蒙っての敗戦となってしまいました。

 立ち上がりにガーナがCK崩れからいきなり先制。ガーナ左サイド深めの位置からのクロスをウイファルシがクリアミス。ボールはそのままギャンへ通って、それをギャンがきっちり決めました。

 早い時間帯に先制されたことで動揺してしまうような若いチームではないはずですが、今日のチェコはその後終始リズムを掴めないままゲームが終わってしまいました。負傷のコレルに代わってロクベンツは1トップとしての役割を果たせず、ロシツキは厳しいマークを受けて引き気味の位置でプレーすることを強いられ、結局ネドベドが孤軍奮闘するだけ。小気味良いパス回しは影を潜め、無理にドリブルで仕掛ける場面も散見。右サイド攻撃を中心に何度かガーナ守備陣に迫りますが、結局大して決定機らしい決定機を得ることはできませんでした。後半ガラセク→ポラク、ポボルスキ→スタイナーと早めに選手を代えてみたものの、さしたる効果はなし。

 守ってはチェコは何度もカウンターを食らい、またガーナの早いパス回しに翻弄されて危ない局面を迎えてしまいます。後半20分ミドルシュートのこぼれ玉を拾ってGKと1対1になりかかったアモアをウイファルシが後ろから引っ掛けて一発退場&PK。今日はウイファルシにとって厄日としか言いようがありません。

 このPKはポストを直撃。その後数的優位を生かしたガーナの怒涛の攻勢をGKチェフが何度も防ぎ、ガーナが絶好機を逃し続けているうちに一人少ないチェコの劇的な同点or逆転劇があるかもと期待したのですが、その期待も虚しくとうとうムンタリに追加点を許して事実上試合終了。焦るチェコは何度もオフサイドに引っかかり、CKで一度ビッグチャンスを得ただけに。

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<イタリア 1-1アメリカ>

 退場者合計3名を出しはしましたが、双方の勝利への執念が満ち溢れた好ゲームでした。先のチェコ戦では全くいいところのなかったアメリカが本来の力を発揮し、11対11であればさぞかし面白い試合になったことでしょう。

 チェコに敗れて後のないアメリカは積極的に前からプレスを仕掛け、中盤で優勢にたったものの先制はならず。逆にピルロのFKをジラルディーノにヘッドで叩き込まれて先制を許してしまいます。

 こうなるといつもならイタリアの必勝パターンに持ち込まれてしまうわけですが、間抜けなことにその直後にCKをザッカルドがクリアミスしてオウンゴールを献上。さらに続けてデ・ロッシが肘打ちで一発退場。

 これで攻めるアメリカ&守ってカウンターのイタリアという構図が楽しめる展開となったわけですが、アメリカも前半終了間際と後半開始直後に退場者を出してしまい、逆にイタリアが数的有利に。立ち上がりから積極的に前からプレスを掛け、しかも全体を通じてみれば汚いという印象はないアメリカでしたが、激しい守備が結果として二人の退場者を出してしまいました。足を裏を見せてのタックルを見舞ったマストローニへの一発レッドはともかく、ポープへの2枚目のイエローはゲームが壊れてしまうリスクを考えれば少々厳しい感もありましたが・・・

 数的優位に立ったイタリアはデルピエロも投入して3トップにシフトし、ボールを回しながら機を見てサイド攻撃。何度か決定機を掴みましたが、GKケラーの好守に阻まれて得点ならず。

 米国はサイドを崩されるところにはある程度目をつぶって中央を固め45分間よく耐え忍んだだけでなく、逆にドノバンや途中投入されたビーズリーを中心にカウンターから2、3度好機を掴みましたがこちらも得点ならず。

 双方勝ち点1を得るに留まり、E組は最下位のアメリカにも依然勝ちぬけのチャンスが残る大混戦状態でグループリーグ最終戦を迎えることになりました。

P.S.

 ジラルディーノのゴール後のパフォーマンスはいったい何だったのでしょう(^^? バイオリンを弾いているようにも見えますが・・・

P.S.2

 アリーナ監督はどう見ても鳳啓助

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2006.06.17

【感想】6/16 W杯第8日目

<アルゼンチン 6-0 セルビア・モンテネグロ>

 予想外の大差となってしまいましたが、両チームの力の差は歴然。完璧な出来といっていいアルゼンチンの前にセルビア・モンテネグロは全くなすすべがありませんでした。

 守備が固いといわれるセルビア・モンテネグロですが、先のオランダ戦ではワイドなパス回しに翻弄され、今回のアルゼンチンには軽快なパス回しと卓越した個人技に振り回されて、中盤でボールを奪えないためほとんど自分のリズムが作れません。

 アルゼンチンは早い時間帯に左サイドから攻勢をかけ、サビオラのパスを受けたロドリゲスが中央に切り込んで先制。さらに左サイドから一転して右サイドに展開し、カンビアッソ→クレスポ→カンビアッソとダイレクトパスを回して2点目。

 セルビア・モンテネグロの致命傷となったのは3点目。左SBの緩慢な守備からサビオラにボールを奪われて、シュートがこぼれたところをロドリゲスが押し込みます。

 点を取りに行かないといけなくなったセルビア・モンテネグロですが、どうしてもボールを奪う位置が深くなり、しかも前からアルゼンチンのプレスを掛けられてモタモタしているうちにアルゼンチンの守備網は完成してしまい、とうとう最後まで決定機らしい決定機を作ることはできずじまい。派手な試合になりましたが、アルゼンチンの攻守の切り替えの早さ、特にボールを奪われてからの全員の守備意識の高さは刮目すべきものがありました。

 さらにケズマンが一発レッドで数的有利となったアルゼンチンは後半途中からテベス、メッシーを投入する余裕を見せ、しかもその両者が追加点を取るというこの上ない展開。
 いやはや恐れ入りました。

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<オランダ 2-1 コートジボアール>

 コートジボアール善戦虚しくグループリーグ敗退。強豪オランダ相手に臆することなく果敢に攻勢を掛け、終始押し気味にゲームを進めたもののアルゼンチン戦同様あと一歩及ばず。グループ次第では十分に決勝トーナメントに進める力があると思われただけに、「死のグループ」に入ったことがコートジボアールにとって誠に不運でした。

 オランダが良かったのは立ち上がりに左右からクロスが入った時間帯と、立て続けに2点を奪った5分ほどだけ。

 ファン・ペルシのパワーが勝ったFK。さらにロッベンが左から中央へ切り込み、空いた左でフリーになった馬へパスを出して馬がきっちりゴールとあっという間に2点先制したのは良いのですが、まさかこれ以降見せ場が2回くらいしかない大苦戦にオランダが追い込まれるとは・・・

 アルゼンチンに敗れたこともあってコートジボアールは前半から積極的。オランダに対して前からプレッシャーをかけ、最終ラインもがんがんに押し上げてオランダからオフサイドを奪いまくり。

 コートジボアールの積極策の前にオランダは中盤でミスが相次ぎ、攻撃の形をつくれないどころか、コートジボアールに徹底的に押し込まれてしまいます。コートジボアールはボールキープが巧みで、要所でドリブル攻撃を仕掛けてくるコートジボアールに対しオランダといえどもなかなかボールを奪えず。

 中央でフリーになったバカリ・コネがドリブルで何人ものオランダ守備陣を引きずりながらシュートを決めて前半のうちにコートジボアールが1点を返し、後半も押しに押しまくりましたが、残念ながらあと1点が奪えず。結果的にベタ引きになってしまったオランダの最終ラインを崩すには今一つ組織力が足りなかったというところなのかも。結局最後までミドルシュートとセットプレーでしかチャンスが作れず、終盤は攻め疲れて縦へ急ぐだけになってしまいました。

 オランダは難しいグループに入りながら早々と勝ち抜けを決めたのはいいのですが、ただそれだけといった内容。1点差を守りに守って凌ぎきるという、凡そオランダらしくない試合で、しかもその凌ぎ方が非常に不細工。後半30分あたりで馬を下げてランザードを投入し、劣勢の中盤をテコ入れしては見ましたが効果は今一つ。カウンターをちらつかせながら相手の攻勢を余裕を持って凌ぐという「大人の逃げ切り方」とはほど遠いような・・・

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2006.06.16

【感想】6/15 W杯第7日目

<イングランド 2-0 トリニダード・トバコ>

 終わってみれば実力差通りの結果となりましたが、前回のスウェーデン同様イングランドもトリニダード・トバコの堅守に苦しみました。

 トリニダード・トバコは当然といっては何ですが、引き気味の構え。トリニダード・トバコは中盤で積極的にプレスをかけてくるわけではないのでイングランドは自由にボールを回せるのですが、トリニダード・トバコの守備網は良く組織化されていて、4人、場合によっては5人の2ラインを作り、イングランドに不用意にスペースを与えません。

 そのため前半のイングランドは早めにクラウチに放り込んで、そのこぼれ玉をジェラードやランパードが狙う展開が多かったのですが、こぼれたところへのトリニダード・トバコの反応が早くて決定機には至らず。前半終了間際に右サイドに進出したベッカムのクロスをどフリーのクラウチが決められなかったのは痛恨の極み。

 膠着する戦況を打開しようと後半15分あたりにエリクソン監督が動いて、オーウェン→ルーニー、キャラガー→レノンと一気に二人を投入。前者の交代は結局のところさしたる効果はなかったのですが、ベッカムを右SBに下げてレノンを右SHに入れた戦略が最後の最後で活きました。

 後半のイングランドは単純なクラウチへの放り込みを止めて両SBを積極的に攻撃参加させて人数をかけてサイドを崩しにかかります。トリニダード・トバコもよく耐えていましたが、疲労で次第にサイドを崩される場面が多くなり、ついにどフリーのベッカムからのクロス→クラウチのヘッドで先制を許してしまいます。

 攻撃力のないトリニダード・トバコ。セットプレーとカウンターに活路を見出したいトリニダード・トバコでしたが、先制されてはどうしようもありません。前に出てゆかざるを得なくなったところをロスタイムにジェラードにミドルシュートを叩き込まれて試合終了。

 グループリーグ2勝目で早々と決勝トーナメント進出を決めたイングランドですが、前回パラグアイ戦に続き、つまらないサッカーに終始しました。引いた相手に対する攻撃のアイデアがものすごく少ない感じ。後半クラウチ・ルーニーのダイレクトパス交換からランパードがエリア内に進出してシュートという場面がありましたが、こういうのってホント少ないですね、イングランドは。

 故障明けのルーニー。胸にでっかく「5年3組 るーにー」って書いてあっても違和感ないなぁ、やっぱこいつは。

P.S.

 2試合目の上川主審。イエローはそれぞれ妥当と思いますが、やや笛吹きすぎという気も。試合終了後にお子さん用へのお土産としてベッカムにサインをもらい(イエローカードの裏にもらったりしてな)、後々問題になったりしないようにw

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<スウェーデン 1-0 パラグアイ>

 初戦で勝ち点3が取れず、是非ともここで勝利が欲しいチーム同士の一戦。

 緊迫感あふれるゲームでしたが、共に守備が堅くスコアレスドロー濃厚の気配漂う中、最後の最後でスウェーデンが均衡を破りました。

 前半からややスウェーデンが押し気味ながら、セットプレーやミドルシュートでチャンスを作るのが精一杯でパラグアイ守備陣を崩すには至らず。ハーフタイムにアクシデント(?)でイブラヒモビッチをアルベックに代え、さらに後半20分過ぎにヴィルヘルムソンをヨンソンに代えたものの戦況に大きな変化はなし。

 スウェーデンは個々のパワーやスピードに目を見張るものがあっても、早めに前線にボールを入れる展開の繰り返しなので、見ている側はしまいには飽きてきます。

 少々眠くなってきたところで、後方からの浮き玉っぽいスルーパスがDFラインの裏に抜け出たアルベックに通り、ループシュートでGKを交わしたものの、ゴールマウスに吸い込まれる寸前でカニサがクリア!

 さらに右サイドやや深い位置からのクロスをラーションが折り返してアルベックに渡る場面がありましたが、これもアルベックが決められず。初戦に続き再三再四チャンスを逃し続けるアルベック。

 しかし、最後の得点もほぼ同じような展開-右サイド・エリア角あたりからのクロスをアルベックが折り返して、後方から飛び出てきたリュングベリがヘッド-でしたから、「虚仮の一念岩をも通す」ということなのでしょうか。

 パラグアイは伝統の堅守こそ健在でしたが、攻撃があまりにもお粗末。カウンターに切れ味がみられませんでした。サンタクルスはほとんど何もできず、後半代わって投入されたロペスはさらにそれを下回る出来で、バルデスが前線で孤軍奮闘の感。この内容では守備の固いトリニダード・トバコに勝てる保障はありません。

 「しもうた!」とか「なんでだよぅ!」と言っているかのようなバルデスのしかめっ面は巻に似ています。プレースタイルは全然違いますが。

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続・コバチ

N・コバッチ 右脇腹痛で緊急離脱(スポニチ)

 次戦で日本と対戦するクロアチアは、15日にバート・ブリュッケナウで練習を再開。ブラジル戦(13日)で右脇腹を痛めたN・コバッチはランニングを15分間行っただけで離脱した。チームドクターは「右肋骨付近の打撲で少し痛みがあるが、日本戦はたぶん大丈夫」と説明したが、万全な状態でプレーするのは難しそうだ。

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 すいません、小鉢を割ってみるとか、そういうネタはもったいなくてできませんでした(´・ω・`)ショボーン

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2006.06.15

【感想】6/14 W杯第6日目

<スペイン 4-0 ウクライナ>

 H組では最も注目度の高い試合でしたが、思いもよらない大差となってしまいました。
 前半の早い時間帯にCKとFKでスペインが2点先行。ビジャのFKが壁に当たって入ってしまったのはウクライナにとって不運でした。

 さらに後半早々フェルナンド・トーレスがDFライン中央を破って突進したところを、ウクライナのDFが倒してしまって一発レッド&PK。悪質とは言いがたいだけに一発レッド&PKの両罰は非常に厳しく、PKのみが妥当なところだと思いますが、そのPKをビジャがきっちり決めて3点差。ウクライナは前半のオフサイドの判定を含め、やや不利な判定に泣かされた感がありました。

 これでゲームの趨勢は決定。スペインはビジャに代えて故障明けのラウルを投入する余裕も見せつつ、なおも手を抜くことなく攻勢を仕掛け、何度かビッグチャンスを得た後にフェルナンド・トーレスが4点目。最後尾でボールを奪ったプジョールが突然突進を始め、最後は最前線でポスト役もこなして、中央に落としたところをフェルナンド・トーレスが決めるという、驚嘆すべきなのか笑うべきなのかなんだかよくわからない展開でしたが、良いものを見せてもらいました。

 ウクライナはカウンターが狙いだったはずですが、早い時間帯に先制されたのが響いてあまり良い形を作れず、前半はサイドからの放り込みに終始。数的不利となった後半はスペインのミスに乗じて攻勢を仕掛けるだけで精一杯でした。また守っては中盤のプレスが甘く、割と楽にスペインのボール回しを許しているのが気になりました。

 フェルナンド・トーレスにはほっぺの渦巻きがよく似合う(暢久風)。

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<ドイツ 1-0 ポーランド>

 90分を通じて緊張感漂う良いゲームでした。

 前半は双方中盤で凌ぎあい。ドイツは左サイドからラーム→クローゼ、ラーム→ポドルスキーと2回決定機を掴むものの得点はならず。ポーランドはドイツDFラインの裏を狙う攻撃を繰り出すものの、こちらは決定機にまで至らず。

 後半はポーランドの中盤でのプレスが効かなくなってドイツがはっきりと優勢に。さらにポーランドが一人退場者を出してからは、ドイツは左右からのサイド攻撃で何度もチャンスを演出。

 ポーランド守備陣は集中を切らさず、GKの奮戦も手伝ってなんとかスコアレスドローに持ち込めると思われたのですが、ロスタイムに入ってドイツ右サイドのオドンコールのクロスをノイビルに決められて善戦むなしく勝ち点奪取はならず。

 オドンコールとノイビルは共に後半途中からの投入。ドイツの執拗なサイド攻撃と選手交代の妙が光りました。

 ポーランドは結局ドイツの中盤に最後まで苦しめられ、ドイツDFラインの裏を狙う形ができませんでした。退場者が出なくても堅守で勝ち点1を取るのが精一杯だったでしょうが、その勝ち点1すらも許さないのがドイツの執念なのかもしれません。

 ノイビルは出たばかりなのに、表情がやたら疲れている。家庭に問題があるのか、副業がうまくいかないのかw

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クロアチアの要注意人物

180614kobachi1

コバチ

180614kobachi2

ニコ・コバチ

ついでにコバチ兄弟も作ろうと思ったのですが、違うタイプのコバチがなくて断念(´・ω・`)ショボーン

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2006.06.14

【感想】6/13 W杯第5日目

<韓国 2-1 トーゴ>

 韓国が勝つのは癪だと思う一方、トーゴ相手に韓国が負けてしまうとアジア枠削減論が浮上しかねないので韓国には勝って欲しいという、非常にアンビバレントな思いでこの一戦を見ていました。

 概して韓国優勢のままゲームが進みましたが、トーゴのFWがすば抜けた身体能力をもって韓国DFを交わし、すかさず強烈なシュートを叩き込んで先制。

 これで試合は一気に面白くなったのですが、後半早々トーゴに退場者が出てしまい、その直後になべやかんのFKが決まって同点。

 韓国は後半アン・ジョンファンの投入が奏効したようで、一人少ないトーゴ守備陣を混乱に陥れ、そのアンがミドルシュートを決めて逆転。

 トーゴは高い身体能力以外、取り立ててみるべきものがなかったような・・・

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<フランス 0-0 スイス>

 前半は中盤での潰しあいで、ややフランス優勢ながらも双方ともチャンス少ない。DFの裏へ抜け出たリベリがGKと1対1になりながら肝心なところで柳沢化したのが妙に印象的。

 後半は疲れて前目でのプレスが掛からなくなり、フランスはややボールを持てるようになったものの、引き気味に守るスイスを最後まで崩せず。前大会から続く得点力の乏しさを今大会でも露呈。

 スイスはフライを前線に置いてカウンターによる反撃を狙うものの不発。セットプレー以外ではほとんどチャンスを作り出せなかったが、狙い通りフランス相手に引分け。

 滅茶苦茶眠い試合でした。

 ドメネク監督はどう見ても「うさじい」

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<ブラジル 1-0 クロアチア>

 クロアチアは高い守備意識でブラジルの誇る攻撃陣を自由にさせず。ロナウジーニョへのマークは非常に厳しく、ロナウド&アドリアーノの出来が酷いのにも助けられて、ブラジルにエリア内へ侵入を許す機会はほとんどありませんでした。それでも何度か際どいミドルシュートを撃たれ、そのうちの一つを前半終了間際カカに決められてしまいます。

 先制を許した後は1点差負けでよしという退嬰的な姿勢を取らず、人数をかけて攻勢に転じましたが同点には至らず。しかしスピード感のある攻撃はそれなりに見ごたえがありました。

 クロアチアは負けはしましたがブラジル相手に最小失点ということで、満足ではないにせよ悪い結果でもないというところでしょうか。

 ブラジルは先制してとりあえず目標達成感が出たためでしょうか、無理してまで攻める姿勢は見せずじまい。ロナウドに代えてロビーニョを投入して前線に変化はつけてみましたが、やはりクロアチア守備陣を崩すには至らず。ブラジルはグループリーグから全力を入れてこないですから、こんなもんなんでしょうな。皮肉なことに相対的に非力といわれる守備に見所があったように思いました。

 ブラジルには鉄人衣笠がいるし、クロアチアは監督の横にセルジオ越後が座っていましたが、気のせいでしょうか。

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クロアチア戦への秘策

 もう少々のことで、沈みきったチームを立て直すことはできないでしょう。

 こうなれば劇薬ですよ。劇薬。

 たまたま現地に

・岡田
・反町
・関塚

とJリーグでは比較的評価の高い監督がいることを利用しない手はないでしょう。

 現地での監督交代。

 あのアルマトイの夜の再来ですよ、奥さん(・∀・)ニヤニヤ

 しかし、そこでもう一人いる元Jリーグ監督を採用してしまうのが川淵。

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2006.06.13

【感想】6/12 W杯第4日目

<アメリカ 0-3 チェコ>

・1トップにボールが入った後のフォローの早さ
・思い切りの良い2列目からの飛び出し
・小気味良いパスワークでの崩し
・機を見てSBも攻撃参加
・ボールを奪われた後の切り替えも早い。前線でプレスを掛けると同時に守備陣は素早く帰陣して不用意に相手にスペースを与えず
・そしてどこにでもいるネドベド

 非常に良いものを見せてもらいました。正しい1トップの使い方と攻守の切り替えの早さは浦和が是非とも見習わなければならないところであります。

 ロングパスを受けて右サイドでフリーになったグリゲラのクロスを受けてコレルがヘッド!

 エリア前中央でどフリーになったロシツキのミドルシュート!

 ネドベドのスルーパスを受けてDF4人を置き去りにしながら冷静に決めたロシツキの3点目。

 3つとも違う得点パターンで、しかもそれぞれに美しさがありました。

 アメリカは前線でボールが収まらず、中で良い形でボールを捌けず、結局サイドからの放り込みに頼るばかり。決定機らしい決定機は前半にレイナのミドルシュートがポストを直撃したのと、後半半ばに左サイドを崩してクロスを送った場面だけでしょうか。チェコ守備陣の前に手も足も出ずといった印象。先取点を取っていればまた別の展開があったかもしれませんが、結果からすれば早々とチェコに先制を許したのが致命傷になってしまいました。

 コレルの負傷退場は非常に残念。

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<イタリア 2-0 ガーナ>

 ガーナは前半に先制できなかったのが痛かったな。

 前半のイタリアはトッティがほとんど守備をしないのと、ダイヤモンド型中盤の底がピルロということで中盤の守備がやや甘いように思いました。そこでガーナは細かくパスを繋ぎながら分厚い攻めを見せたのですが、ラストパス&クロスの精度・シュートの精度を欠いて得点ならず。良い形まではいってもイタリアの誇る両CB-カンナバーロ&ネスタの壁を崩せません。

 方やイタリアは縦パス主体の手数をかけない攻めで何度も敵陣に迫り、CKの山を得ます。そして前半終了間際に目先を代えてショートコーナーからピルロのミドルシュートが炸裂!前の試合のロシツキといい、あの距離でプレスがないととんでもないシュートを撃たれるな、今大会は。

 往時と違ってやや攻撃的になったとはいえ、先制した後のイタリアはやっぱりイタリアらしさを前面に出した仕様に。そしてこれが実に強い。負傷したトッティを鴨葱に代えて布陣もボックス型に代えたリッピ采配。運動量の多い鴨葱の投入が実によく効いてイタリアの中盤が締まり、ガーナは前半ほど良い形ができなくなってしまいます。

 そしてイタリアはカウンター気味の速い攻撃を繰り出して何回かビッグチャンスを掴み、最後の最後でクフォーのバックパスのミスを突いてイヤキンタが追加点。先制した後のゲーム運びの巧さはどこかのクソボケ爺に見習わせたいところです。

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名将と梵鐘:日本 1-3 豪州

 世界的名将と監督経験の浅い一介の凡将。

 いや「将」の字をつけるのもおこがましい、ぐぁーんと鈍い音を立てるのが精一杯の、前代未聞の梵鐘というべきでしょう。

 戦前に危惧された通り、監督の差が如実に出てしまいました。

 まずはスタメン&布陣。日本のスタメン&布陣がゲストの岡田監督に「日本中の人が知ってますよ」と苦笑される御馴染みの面々だったのに対し、豪州は驚いたことに負傷が伝えられたキューウェルを先発起用。キューウェル自身の出来はさほどでもなく、ヒディングの奇襲はひとまず不発に終わりましたが、情報戦で後手に回ったのは明らかでした。

 中村のクロスが幸運といえば幸運、豪GKのミスといえばミスともいえる微妙な形でゴールマウスに吸い込まれ、思いがけずも日本が先制。しかし日本の得点機はその後結局前半の高原、後半の福西の2回だけ。あとはFW陣が好機に消極的になったり、右サイドを破っても駒野のクロスが精度を欠いたりして得点機を掴めません。

 豪州がここぞというところではファウルで日本の中盤でのパス回しを止めてくるのにも苦しめられたでしょうか。中村は何度も削られました。豪州のDFは足元不如意でしかもスピードがないのは明らかでしたが、日本は高い位置でのボール奪取&スピードのある攻撃といったお得意のパターンをなかなか披露できず。豪州クラス相手に中盤で優位を保てないようでは苦戦は免れません。

 前半の豪州は安易にロングボールを蹴りこまず、中盤で組み立てながら1トップのビドゥカにクサビを入れて後方からフォローさせるか、サイドを崩しにかかるパターンの繰り返し。前半15分あたりに左右からクロスを入れられたり、ブレッシアーノに突っ込まれたりと日本は何度か危機を迎えましたが川口の好セーブもあって、やや豪州ペースながら前半は無失点で切り抜けます。

 後半立ち上がり早々、猛暑による疲労に苦しめられたのか坪井が足の痙攣(?)でピッチを退くトラブルが発生し、ジーコは慌てて茂庭を投入。さしあたっては大過なくゲームを進めてはいましたが、双方足が止まり始めてからの両監督の采配の差が明暗を分けてしまいました。

 ジーコの選択はなんと柳沢→小野。

 攻めるのか守るのか全く意図がわからない歴史的迷采配で日本は勝ち点を失ってしまいました。

 豪州DF陣の足がすっかり止まり、日本がカウンターで何度かチャンスを掴み始めった時点で対しスピードのある玉田を入れて追加点を取りに行くのは十分理解できますし、ばてた中盤の選手(特に中村)を遠藤や稲本に代えて守りきるというのもわからなくはありません。しかし、守備がそれほど得意ではない伸二をボランチに入れ、中田を前に上げるというのは攻めるにしても守るにしても実に中途半端。

 方やヒディングは後半の時間にブレッシアーノをケイヒルに代えたのを皮切りに、ムーア→ケネディ、ウィルクシャー→アイロージと長身FWを相次いで投入。戦前の予想通りロングボールをがんがん放り込んで、そのこぼれ玉を狙ってきます。

 ただこの攻撃は後方から縦に放り込むだけでそれ自体はさほど効果的とは言えず(この辺がアジア・オセアニアのレベルの低さなんでしょうなぁ・・・)、なんとか日本が押さえきるかと思ったのですが、この放り込みによって日本のDFラインがズルズル下がってしまったのが逆転負けの遠因になってしまいました。中盤は完全に疲弊してしまって後半半ば以降はプレスなしになってしまいましたし。

 最初の失点はロングスローに飛び出して触れなかった川口の凡ミス。それまで好セーブを連発していた川口でしたが、これで全てがパー。

 同点に追いつかれた時点でなおジーコは中盤をテコ入れしてさらなる失点を防ぐか、積極的に突き放しに行くのかという選択があったはずですが、ここでジーコはなぜか事態を静観。

 そして案の定というべきか、ヒディングの狙いが見事に的中。ロングボール攻撃でラインが下がり、かつ疲労で中盤のプレスが掛からなくなってしまったところでケイビルにミドルシュートを食らってしまいます。

 そして慌ててジーコは茂庭→大黒で攻勢に転じようとしましたが、これが裏目に出てやらずもがなの3失点目を与えてしまいます。

 この失点は痛恨の極み。ブラジルが図抜けているため、1勝1敗1分けの勝ち点4でもグループリーグ2位抜けが可能と予想されるF組ですが、そのためには得失点差が極めて重要。クロアチアに勝つのは必須、さらにブラジルに負けは許されないというただでさえ厳しい条件の下、最後の失点で2位抜けがさらに厳しい状況に追い込まれてしまいました。

 ジーコの4年間を総括するのはグループリーグの帰趨が決まってからにして、とりあえずクロアチア戦でジーコがこの惨状をどう立て直してくるかを生暖かく見守ることにします。

P.S.

 この試合のために登場した「日本アバイア」の看板が妙に印象的でした。

 そして怒りを顕にしすぎて、FIFAのジャージ親爺に取り押さえられるヒディング。

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サッカー標語

譲り合う心が通う2トップ

                   (日本代表)

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2006.06.12

【感想】6/11 W杯 第3日目

オランダ 1-0 セルビア・モンテネグロ

 ロッベンがDFラインの裏に飛び出て冷静にゴール!! いつもは左に張っているロッベンはなぜかこの時中央に。

 ロッベンが左を抉って中央で待っている馬に合わせる展開は「まるで浦和のようだ!!」と妄想を膨らませることしきり。ロッベンってああ見えても実は若いんですな。全然海外のことは知らんのでW杯は勉強になりますわ(^^;;;;;; 三都主の後釜はこいつに決定やなwww

 オランダは中盤でのプレスの凄まじさが目立った気がしました。ボールを失うや否や素早く守備モードに切り替え。前線の面々も含めてセルビアのボールホルダーを数人がかりで囲い込み、たちまち高い位置でボールを奪い返します。オランダはCBに不安があるとのことですが、中盤の出来が良いのでセルビアの攻勢の前にCBが慌てる場面は少なかったかと。

 ボールを奪うとボールをワイドに展開。セルビアが少々プレスをかけてもオランダの大きなボール回しの前になかなかボールが奪えません。

|-`)o0 こういうあたりは「まるで浦和とは対極的・・・」

 オランダの攻撃は馬が不発。おまけに馬に代えてカイトを投入してから前でのタメもなくなって、一層ロッベンばかりが目立つ按配になってしまいましたが、やはりかなり手強い印象を受けました。

 セルビア・モンテネグロは、これといった印象が残りませんでした。前半の終わりにロッベン対策で右SBを代え、後半は相次いでFWを代えましたが、さしたる決定機を掴めないまま試合終了。

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メキシコvsイラン
アンゴラvsポルトガル

は観戦できず。

 アンゴラはNHKで事前に特集番組を見たので気になっていたのですが。エースストライカーのアクワ。なんで未だに無所属なんでしょうか???

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法師党活動記録@ベレーザ戦

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 党首、無事ベンチ入り! 前節TASAKI戦ではベンチ入りも叶わなかったのですが、この日はなぜかサブのメンバーが大幅に入れ替わりました。

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 試合開始前の練習が終わって、恐れ多くも用具を片付ける党首。そういう党首の使い方は間違っていると思うなヽ(`Д´)ノウワァァン!! 

 ちなみに23番の百武は今年の新人。社会人としてのあり方をしっかり教育してもらいたいものです。

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 戦況を見つめる党首。特に腰が痛いとは聞いていないが・・・

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 党首キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!

 この直前に同点に追いつかれたわけなんだが、党首がピッチ脇に登場したため、興奮のあまり澤へどうやってパスが出たのかわからなかったというのは内緒だ。

 しかし、肝心の党首のパフォーマンスは・・・(´・ω・`)ショボーン

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 試合終了後、強敵に引き分けて嬉しさを隠せない面々の中、明らかに元気のない党首。

 若林が負傷した時点で即党首投入と思ったのですが、ここで今季初めてベンチ入りした中池が先に投入されたあたり、党首の置かれた厳しい状況を物語っているような気がしました。

 リードしている状況なので守備が苦手な党首の投入がためらわれたのでしょうか。フィジカルの弱さはいかんともしがたく、1対1では勝負にならないのは仕方ないのですが、運動量でそれをカバーしないといけないところ、この日の党首は動きに切れがありませんでした。

 中盤での激しいプレスをベースとした今の浦和では動きの質・量を上げないとなかなか出番が来ないかもしれません。小手先のテクニックだけではちょっと苦しいかも。

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2006.06.11

【感想】6/10 W杯2日目 

<イングランド 1-0 パラグアイ>

 立ち上がりにベッカムのFKがガマーラのオウンゴールを誘ってイングランド先制。その後ランバード、ジェラードのミドルシュートがゴールマウスを強襲するも追加点はならず。

 イングランドは後半徐々に守備を固める現実的な戦い方を指向したため見せ場は少なくなってしまったが、パラグアイの反撃をしのいで勝ち点3獲得。

 主審はJリーグ並み?

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<トリニダード・トバコ 0-0 スウェーデン>

 試合開始時間を間違えて後半のみ観戦。

 トリニダード・トバコ、初出場&初試合で強豪スウェーデンから歴史的勝ち点1を奪取。

 後半開始早々トリニダード・トバコのDFが一人退場になったにも関わらず、スウェーデンは数的有利を全く感じさせない拙攻につぐ拙攻で得点を奪えず。

 ベタ引きのトリニダード・トバコに対し、ダイレクトパス等できれいにDF網中央を崩して点を取ろうとして、ついに得点ならずというところでしょうか。ミドルシュートはほとんどなく、たまに見せるサイド攻撃もクロスの精度が悪くてシュートには至らず。

 それでも何度かトリニダード・トバコ守備陣を崩して決定機を掴むものの、そこをFW陣が決めきれず。GKヒズロップ、誠に乙でした。 トリニダード・トバコ∩( ・ω・)∩ ばんじゃーい

 ドルトムント会場に飛び交う綿ボコリと、へこむ表情を何度も抜かれるスウェーデンサポがやたら印象的。

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<アルゼンチン 2-1 コートジボアール>

 敗れはしましたがコートジボアールはなかなかに手強く、大エースドログバを中心に再三攻撃をしかけましたが前半は得点ならず。逆にリケルメFK→こぼれたところをクレスポに蹴りこまれて失点。さらに中央でフリーになったリケルメのスルーパスからサビオラに追加点を取られて前半終了。

 その後は守備を固める老獪なアルゼンチン守備陣を前にやや手詰まり感が漂いましたが、クレスポを下げたあたりからアルゼンチンは前線でボールが収まらなくなり、自分で自分の首を絞めた按配に。

 後半半ば以降攻めるしかなくなったコートジボアールは人数をかけた攻勢をかけ、ついに左からのパスをドログバが蹴りこんで1点差。ハンブルグの観客の大声援を受けて(っちゅーか、アルゼンチン嫌われすぎ・・・)なおも攻勢を仕掛けたものの、そこはさすがにアルゼンチンで何とか凌ぎきりました。

 解説は人間力。終了間際、リケルメのシュートの跳ね返りを押し込んだロドリゲスの幻のゴール。すぐにオフサイドと気づかないのはやむを得ないかもしれないけど、ゴールキックで始まった時点で得点を認められなかったことには気づけよ!!!
 
 コートジボアールに「ケイタ」がいるのにはワロタ。しかも金属タワシみたいなヘアスタイルw

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【観戦記】浦和 1-1 日テレ

 北本のゴールで先制するも澤のゴールで追いつかれ、強敵ベレーザを倒すところまではゆきませんでしたが、ベレーザとの実力差が縮まったことがはっきりとわかる好ゲームでした。

180611urawal3

 ポジションはこんな感じ。

   北本  安藤
松田        若林
   高橋  柳田
岩倉 森本  田代 木原
     山郷

 ボランチは柳田がやや前、高橋がやや後ろでしょうか。これまで北本の1トップを採用してきましたが、ベレーザ対策として安藤を前に上げた代わりに柳田の位置を下げたようです。

 この日は中盤のプレスが非常に良く効いていました。センターラインあたりからベレーザに対して猛然とプレスを仕掛け、柳田・高橋の両ボランチを中心にベレーザのパス回しを封じるとともに前線へ良い形での配球を許しません。

 また中盤でボールを奪うと空いたサイドへ展開、そして縦へ。前線では安藤が常にベレーザDFラインの裏を狙い、手数をかけずに敵ゴールに迫ります。松田も何度か縦へ良い突破を見せていました。この日の得点はスローインからサイドに開いていた安藤のクロスをモーやん北本が中央にモー然と飛び込んで合わせたもの。その後DFと激突しながらも無事90分出場。これ以外ほとんど見せ場のなかったモーやんですが、モーやんらしい体を張った良いプレーでした。

180611urawal1

 浦和は中盤のプレスが効いているうちはベレーザと互角に闘えるのですが、残念ながら体力が持たず、前後半とも最後のほうはベレーザに押しこまれてしまいます。ただ昨年はいったん押し込まれだすとそのままズルズルいってしまうのですが、この試合は先制しながらも同点に追いつかれるという嫌な展開ながらも、集中を切らさずに90分間戦いぬけたあたりに大きな進歩が窺えました。

 またプレスを掻い潜られたり、安易なミスを契機にベレーザの攻撃陣にエリア内に侵入されるとどうしても個人技で崩される場面が増えてしまうのですが、安易に飛び込まず粘り強く対応したDF陣とGK山郷の好守で失点を1に抑えることができたのは収穫でした。

 ベレーザは細かくパスを繋いでくるので浦和のプレス網が効きやすいのですが、単純にロングボールを放り込んでくる相手への対処法が課題となります。澤にやられたのはその典型。川上のロングパスが一発で澤に通り、澤にループ気味のシュートを決められます。山郷の位置取りが前過ぎたとはいえ、そこはさすが澤でした。

 若林が後半10分あたりに負傷したのは大誤算。いったんアーセナル(中池)をFWに入れ、安藤を右SHに下げて対処していましたが、同点に追いつかれると松田に代えて党首を投入し、安藤とアーセナルを入れ替え(党首が右SH、アーセナルが左SH)。安藤にめちゃくちゃ負担をかけています(つД`)

 ただ残念ながら後半投入された両選手ともさほどの働きは出来ず。アーセナルはスピードはあるのですがテクニックに難がある様子。党首に至っては攻守ともさっぱり。浦和は怪我人が相次いでいるようですが、やはり選手層の薄さは否めません。今後守備陣は怪我人の回復を待てばなんとかなると思いますが、スーパーサブ的な使い方が出来る攻撃的な選手の補強が望まれるところです。

 またベレーザとの個人能力の差は一朝一夕には埋めようがないので、ベレーザに追いつくには体力アップが最も手っ取り早い手段になりましょうか。

180611urawal2

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2006.06.10

【録画】ドイツ 4-2 コスタリカ

 コスタリカ、お話になりませんでした。

 とりあえず引いて守って、ボールを奪ってからドイツのDFラインの裏を狙うという意図はわかりますが、攻守とも組織性がほとんど感じられません。それでもドイツから2点を奪ったのですからバカにしてはいかんのですが、ドイツとの力の差は歴然でした。

 コスタリカは引いて守るのはいいのですが、いかんせんプレスがないに等しく、寄せも甘い。ただエリア周辺にベタベタ人がいるだけ。ドイツはそんなコスタリカ相手にボールを回しながら徹底したサイド攻撃。そして隙を見て中央からミドルシュート。ベタ引きのチームを崩す教科書的な攻撃手法を繰り出して堂々4得点。4点目のフリンクスのロングシュートは良いものを見せてもらいました。

 またコスタリカはやっとこさボールを奪っても、そこからの攻めが実に遅い。各自がボールを持ちすぎるのか、あるいはボールを奪ってからのボールの受け手の動き出しが遅いのか、はたまた奪ってからの組み立てに決まりごとらしきものがないのか、原因は複数あると思いますが、トロトロしている間にドイツ中盤のプレス網に掛かって攻撃終了という場面が非常に目立ちました。コスタリカ等概して中米のチームは日本クラスとやるとプレスをテクニックで交わせるためなかなかボールを取られないというイメージがあったのですが、ドイツ相手では全く歯が立ちません。

 ただなんとかドイツのプレス網を掻い潜って、中盤の選手がフリーでドイツDFラインに対峙した極々少ないチャンスを2回も決めたのですからやはり侮ってはいかんのでしょう。

 2点目はオフサイド臭いのですが、ドイツDF陣はオフサイド奪取に失敗して2失点。裏を取られた時のスピード不足という致命的な欠陥は今後ともドイツを悩ませ続けることでしょう。もっとも今日の2失点は、その前にボランチが相手を潰せなかった時点でアウトという気もしますが。

 日本と引き分けたことで、開催国ドイツのリーグ戦敗退という前代未聞の大失態をちょっと期待したのですが、さすがにそれは希望的観測(?)に過ぎたようです。

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馬車道

 もう随分昔の話になりますけど、「埼玉人チェック」というのが流行っていて、そこの一項目に掲げられている

>ファミレスといえば「馬車道」だ。

っちゅーのが気になって仕方なかったのですが、先日ようやく「馬車道」に行って来ました。

 県内在住の方は先刻ご承知かと思いますが、馬車道は埼玉県を中心に展開しているファミレスで、古くは中村雅俊が「恋人も濡れる街角」で「馬車道あたりで待っているぅ・・・」と歌ったくらい有名です。

 明治期の女学生風のコスチュームでその筋の方にはウケが良いとも聞いております。

参考:http://www.linkclub.or.jp/~soreha/wr_basya.htm

 郊外型ファミレスの通例で「馬車道」のほとんどの店舗は駅前にはなく、それがワシの「馬車道デビュー」を阻害した主因なんですが、主要客層がトラックの運ちゃんではないので、バイパス沿い立地主体というわけでもなく、郊外の住宅地近辺に建っている例が多いようです。

 ワシの出かけた某店もその典型でしょうか。

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 11時半頃の入店だったのですが、開店してそれほど時間が経っていないのにパラパラと客がいました。中年の小グループ客が中心。

 まだ早い時間なのでウェイトレスは一人だけ。しかも女学生というよりは先生のほうに近いような方がヽ(`Д´)ノ ウワァァン!!

 馬車道は一応イタリア風料理が売り物なのでしょうか。メニューはパスタ類の紹介から始まっていましたが、定食類もあることはあります。

 シチリアスパゲティ(大:1006円)を注文。

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結論 |-`)o0 ワシは「サイゼリヤ」で十分やな・・・

 時間が経つにつれ、アルバイトのウェイトレスが増え、中には「正真正銘の女学生」風も出てきます。「サイゼリヤ」より少々高いのはコスプレ代だと割り切って楽しむのが正しい「馬車道」道なのかもしれませんw

P.S.

 次は同じく埼玉の誇る外食チェーン「山田うどん」に挑戦して見ますwww

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2006.06.09

川口にも浦和が!!!

 川口及びその近在のレッズサポへのイベント情報です。ナビスコ杯敗退であと1ヶ月間も悶々とした日々を送る羽目になりましたが、気晴らしにいかかでしょうか?

 川口は浦和の近隣で、しかも旧浦和市より人口が多いにも関わらず、浦和フロントサイドがさして営業に力を入れているようには見えないのが誠に残念ですが、こんな地道なところから活動を広げていって欲しいものです。

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<アリオ川口>

6月11日(日) タウンワークワイド版プレゼンツ 「浦和レッズトークショー」   

「リーグ初制覇に向けて突き進む浦和レッズ!そして、女子サッカー・なでしこリーグも開幕!各チームのゴールマウスを守る守護神が熱いトークを繰り広げます。選手のプライベートも直撃!レッズサポは全員集合!!」

■時間:①午後1時~ ②午後3時30分~ 
      (各回約40分)
■進行:田島葉子(テレ玉 「REDS TV GGR」 司会)
■場所:1Fセンターコート

|-`)o0 「レッズサポは全員集合!!」って全員集合したら万単位になるがな・・・

ちなみにこんなのも。

<川口グリーンシティ>

日本代表を応援しよう!

サッカー好きは集合!
元レッズ選手(管理人注:西野努さん・福永泰さん)によるトークショーや、球舞によるリフティングパフォーマンスショー!

開催日 6月11日(日)
時 間 午前11:30~/午後2時~
場 所 専門店1階セントラルコート

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|-`)o0 「ダイヤモンドシティ・キャラ」は何にもやらんのか・・・

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北陸2006(6・了)-ハントンライス

 北陸遠征二日目は金沢へ行ってまいりました。

 といっても

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とか

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とか

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とか

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とかの紹介を弊ブログに期待する人はほとんどいないでしょうから、そんなもんは全部割愛します。

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 郷土色がほとんどないにも関わらず、その土地にしかない料理というものが全国に散在していますが、金沢の「ハントンライス」もその一つです。金沢の洋食屋ならどこにでもあるというわけではなさそうですが、金沢以外ではまず見かけることのない謎の洋食です。

 今回試食したのは「グリルオーツカ」。香林坊109の裏の路地に建っていますが、店の構えは洋食屋というよりは民家を改造した大衆食堂といったほうが近いかと。

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 従ってテーブルもこんな感じです。

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 客は男女とも学生風の方がほとんどでした。ガイドブック片手の観光客も多いようです。

 ハントンライス(大)を注文。680+120=800円也。別にハントンライス専門店というわけではなく、カレーだとかピラフだとか他のメニューもあるのですが、ほとんどの客がハントンライスを注文していました。海老ハントンも人気のようです。

 で、出てきたのがこれ。

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 ケチャップライスを薄焼き卵が包んで、さらに上にケチャップとタルタルソースがかかり、限りなくオムライスですね。オムライスと違うのは具(?)として白身魚とか海老のフライが4切れほど乗っかっていることくらい。

 量ははっきりいって多いです。野菜類が全くないこともあって、どうしても最後は単調な味わいに飽きてしまいます。店の方の話では、お客さんを見て大盛りは勧めないこともあるそうです(ワシはかなり心配されたとのこと(^^;)。見た目通りの学生向きの食べ物ですが、似たような系統の長崎「トルコライス」と比べると脂分が相対的に少ない分、オッサンにも優しいかと。ネタとして食べておく分には「大」を頼む必要は全くないというのが今回の教訓でした。

 観光ガイドブックにも紹介されているようですが、初めて金沢を訪れるような人が食べるものではないことは確かですね。

 「ハントン」の語源ははっきりしません。そういえば昔は土曜が休みだったな(それは「半ドン」)とか、上海とか四川とか北京とかもあるな(それは「広東」)とか、そういうボケはさておき、「ハン」はハンガリー料理の「ハン」、「トン」はフランス語で「マグロ」という意味だとの説もありますが、これでは唐突にハンガリーが登場する理由がわからないので説明としてはやや不十分。

 「ハントンライス」の内容は店によって多様とのことなので、次は別の店で試食してみたいと思います。

(参考)

金沢名物ハントンライスを食す!

Hanton Rice Guide

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2006.06.08

対策と無策:川崎 2-1 浦和

 代表組をごっそり欠いていたとか、ナビスコのレギュレーションがどーのとか、審判がどーのとか、みっともない言い訳は止めてくれ!!!

 どこをどう見ても浦和の完敗じゃないですか。

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 結果として「アウェーゴール」ルールが適用される初のケースとして浦和のナビスコ杯準々決勝敗退が決まったわけですが、2戦を通じてのゲーム内容からみれば川崎の勝ち抜けは妥当といって差し支えないでしょう。敗因は明快で、川崎が曲がりなりにもワシントン対策を立ててきたのに対し、浦和は川崎の誇る前線の3人(ジュニーニョ、マルクス、我那覇)に対してさしたる策もないまま試合に臨んだためと言い切ってもいいかと思います。

 川崎はワシントンに対しベタベタにマークをつけて来ました。ワシントンにボールが渡ると3人くらいが囲みに来るような按配です。

 浦和は前半川崎の攻勢に気圧されてほとんど攻撃の形が作れず(PK含め、シュートはわずか3本・・・)、後半こそサイド主体に攻め立てましたが、フィニッシャーたるワシントンはベタベタにマークされてボールを出すに出せず。当然ながらワシントンは後半シュートゼロ。

 後半1点リードした川崎はベタ引き布陣&カウンター狙い。中盤でもたいしたプレスをかけてこないので、サイドへ展開するところまでは容易なのですが、フィニッシャーを押さえられて浦和は手も足も出ません。

 こうなると当たり前ながら2列目、3列目のフォローが大切なのですが、この試合はこれが全然だめ。後半の立ち上がりこそ永井や長谷部がエリア内に入ってシュートを放つ場面がありましたが、後は右からのパスを受けた暢久がバー直撃のシュートを放ったくらいで見せ場すら作れず。

 結果的に攻撃面では負傷でポンテを欠いたのが大きく響きました。ポンテがいれば、川崎もワシントンばかりにマークを集中させるわけにもいかなかったと思います。またポンテがいないことで玉の落ち着かせどころがなく、終始バタバタしてしまった感もありました。

 逆にいえば暢久・永井の2列目は川崎から見れば捨て置いても差し支えない程度の存在だったのでしょう。事実そうでしたし。

 ここ数試合の永井は2列目やや後方でパス出し役に回り、サイド攻撃の組み立てに一役買って「新境地開拓か?」と思わせるものがありました。しかし、この試合のようにワシントンが徹底的に押さえられている時に永井が後方でぷらぷらしていてはいかんでしょう。暢久は後半やや自分で点を取りに行こうという気構えを見せましたが、永井にはそれがあまり見受けられなかったのが非常に残念でした。途中セルに交代を命じられたのはやむを得ないと思います。

 しかし、交代出場のセルもこの状況を打開するにはまだまだ力不足。川崎のDF陣に潰されつづけ、簡単にボールを失う場面が目に付きました。RPによればどうも具体的な指示がなかったようで、それじゃ経験のないセルが不発に終わったのはセルだけを責めるわけには行きません。

 また平川に代えて投入された岡野は完全に不発だったどころか、簡単にボールを失ってカウンターのピンチを招いてすらいました。平川は前半こそマルコンに良いようにやられていましたが、後半持ち味を発揮していただけにあえて代える必要は無かったかもしれません。これは全くの結果論ですが。

 結局これらの交代は何の効果もなく、後半30分以降のシュートはわずか1本のみ。最後は黒部を投入してパワープレーに一縷の望みを託しましたが、川崎DFは高さはあるので、その攻撃は気休めみたいなもの。

 「攻守の切り替えの遅さ・単調な攻撃の繰り返し・ワシントンへのフォローの少なさ」と浦和の悪癖がこれだけ勢ぞろいしたのは、雨の瓦斯戦@味スタ以来でしょうか。得点が幸運なPK1点のみに留まったのも当然かと。

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 攻撃の不甲斐なさを先に論いましたが、むしろ2試合で5失点を食らった守備陣というか、川崎の攻撃に対する無為無策ぶりのほうがナビスコ杯敗退の主因というべきでしょう。

 立ち上がりから左WBのマルコンが盛んに浦和の右サイドに仕掛けてきます。平川の守備力ではやはりやや心もとなく、1対1で苦戦した挙句に自陣深いところまで侵入され、ゴールライン際から送られた低いクロスを我那覇に決められます。この日流れの中から取られた得点はこれだけでしたが、ゲーム開始早々中央でやや下がったジュニーニョにDFが釣られたあげく、浦和サイド(というより本来内舘の位置)で川崎の選手(マルクス?我那覇?)をどフリーにするという場面もありました。

 川崎の前3人は流動的なポジションを取りながら中央突破を図り、それが封じられた場合はフォローに来たWBやボランチの選手を使ってサイド攻撃を試みる(サイド攻撃はほとんど川崎の左サイドに偏るきらいはありますが・・・)といった、中から外、外から中というバランスが取れた、しかも分厚い攻撃を仕掛けてきます。また攻守の切り替えの早さはエメルソン在籍時の浦和を髣髴させるものがあります。

 これだけの攻撃力を持ったチームを無失点で押さえるというのは難しいと思いますし、特に坪井不在のDF陣はスピードに難があったというのも確かでしょうが、それにしても川崎の前3人に対して自然体で臨むというのはあまりにも無策でした。怪我をおして出場している闘莉王の不出来や、川崎のFW陣と対峙したときの堀之内や内舘の能力不足に原因を求めてしまうのは少々短絡的に過ぎるのではないでしょうか。

 立ち上がりの浦和の消極的な動きっぷりは「引き分けで可」という心理の表れかと思いますが、自然体で臨めばよくても殴り合いにしかならないというのは駒場の一戦でわかったはず。重要な試合を落としたことを代償に、中断明け後の等々力での再戦で川崎対策らしきものが出来上がっていることを切に望みます。

 また結果的に決勝点となった川崎の2点目-スローインを谷口がヘッドで反らして中央でどフリーのジュニーニョが決める-は集中力の欠如といわれても仕方ないものですが、その予兆は前半にもありました。川崎のCK時にショートコーナーをやろうとして川崎の選手がキッカーへ近づいていた時に、誰もそのマークに行かなかったのでニアで壁になっていたワシントンが慌ててマークに行って、結果として事なきを得るという場面。当然ながらその後ワシントンは激怒。

 どうしてここ一番で集中力が切れてしまうのか。またそれ以上に、どうして勝ちたいという気持ちで相手に負けてしまうのか。

 敗戦後の選手の弁にも集中力の欠如、気迫負けを認めるものが散見されますが、「もうナビスコ杯ごときではモチベーションにならない」と思い上がっているのではないのかと、訝しさすら覚える残念な試合でした。戦術的敗北はいくらでも立て直しが効くと思いますが、メンタル面で負けているというのは浦和にあってはならないことでしょうに・・・

 早々とナビスコが終了し、今季最大の目標であるリーグ制覇に集中できることを奇禍として精進していただきたいものです。

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2006.06.07

(メモ)川崎2 ‐1浦和

(スタメン)
ポンテは怪我でアウト。平川イン。前節ギドの逆鱗にふれた(?)暢久も無事スタメン入り。

川崎はマルクス健在。

主審西村

(前半)
やや消極的な立ち上がり。マルコンに右サイドを再三やられて、我那覇に先制許す。
しかし、その後何とか耐えているうちにワシントンがPKゲット。
ポンテを欠いて攻撃の形ができず苦戦。

(後半)
立ち上がりに攻勢をかけたが得点ならず。逆にスローインをヘッドでそらされ、どフリーでジュニーニョに決められる。集中切らしたか。

平川→岡野、永井→セルの交替は全くの不発。

サイド攻撃の意図はわかるがワシントンのマーク厳しい。

切り替えが遅く、フォローもなく、最後はワシントン頼みじゃ勝てないよ。

典型的な浦和負けパターンだが、ポンテ不在も響いた。

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北陸2006(5)-氷見線

 氷見線といえば雨晴海岸から「富山湾越しに眺める立山連峰」があまりにも有名。全国でも屈指の名車窓かと思いますが、残念ながらこの日は

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というわけで、車窓もこんな按配。

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 この前後は高岡郊外の工場地帯と砂っぽい一帯を駆け抜けるだけで面白くともなんともないのですが、幸いなことにこの日は「忍者ハットリくん列車」に当たりました。氷見線に「ハットリくん列車」が走っているのは氷見が藤子不二雄Aの出身地にちなんだものらしいです。

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 富山を代表する寒ブリでしょうか・・・

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 立山連峰をバックに富山湾上空を飛跳するハットリくん一行・・・

 ところで「ハットリくん列車」は氷見線だけではなく、山側の城端線にも入線するのですが、ペインティングから完全に無視された城端線の立場は・・・ チューリップ畑はありだと思うんですがね。

 そもそもワシ的には「忍者ハットリくん」がアニメ化された頃はアニメはほとんど見なくなっているし、おまけに「ハットリくん」と「忍たま乱太郎」が記憶の中でごちゃごちゃになってしまって、登場人物だとか筋立てだとかがわけが分からないというのは内緒だ。

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 終点氷見駅は素寒貧とした駅舎。

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漁業の街で冬なら寒ブリが賞味できそうなものですが、今の季節だと何がお勧めなんでしょうかね?

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 特段面白そうなものはないところですが、街のほぼ中心部の橋にこんなものが。

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 おやおや、水煙が出てきました!

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あらら・・・

|-`).。oO まさかこれに税金投入してないでしょうな・・・

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2006.06.05

スタジアムの風景

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 普段の観客動員数は下から数えたほうが早い川崎ですが、この日の出島は予想外に混雑しておりました。JTBがツアーバスを出していた模様です。

 でも、せっかくこんなに大勢出島に来たのに、国内屈指の入手難で知られる駒場のチケを買ったのに、ああそれなのにそれなのに、ゴールしたの選手が真っ先に向う先は浦和のクルヴァ・・・ どうもわーわー五月蝿いウィアーへの煽りに余念がなかったご様子。のサポは特にどうでもいいのでしょうか。

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 どう見てもウッチーが挨拶を仕切っているように見えません。岡野&平川は下ろすの早すぎwww バック中央に向けて挨拶に来たのに、なんで闘莉王は西クルヴァを向いているんだ(^^?

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 ワシントン、ワシントン、ワシントン、ワシントン、ワーシントン、ワーシントン!

 でもインタビューは何を言っているのかさっぱりわからず。普段は録画で再確認するので気にしないのですが・・・

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 律儀にぐるっと一周挨拶。こんな良い人なのに、相手の仕掛けたファウルは取ってもらえず、ワシントンのチャージはすぐにファウルになる。

 これじゃ神に救いを求めるのも無理はありません。 っちゅーか、試合開始前のお祈りがいつも以上に長かったぞ・・・

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2006.06.04

今日の「何か」=関塚監督

 派手な撃ち合いの結果、今季初の3失点。先制した時は楽勝かと思ったのですが、やはりリーグ戦首位の原動力となった川崎攻撃陣の破壊力は伊達ではなく、かつ浦和守備陣の不出来も相まって思わぬ苦戦となってしまいましたが、戦艦ワシントンの正確無比な砲撃-4本放ったシュートが全て命中-により川崎を撃滅。まさにワシントン様々の一日でした。

 撃ち合いは本来川崎ペース。先制した後は堅守をベースにカウンター気味に追加点を重ねてゆくのが最近の浦和らしいゲーム運びで、この試合のように先制しながらも逆転されてしまうのは異例事態です。川崎が最後までどつき合いに徹すれば勝負の行方はわからなかったと思いますが、3点目を取って再度浦和を突き放した関塚監督が取った手はなんとMFマルコスマルクス→DF佐原。マルクスは90分持たないのか、あるいは他に何か事情があるのかはわかりませんが、寺田をボランチに上げて守備固めとしか思えない采配を振るったのが川崎の命取りになりました。

 残念ながらその守備固め(?)は浦和の右サイド攻撃に対して全くの無力で、あっさりと浦和に逆転を許してしまいます。「我々を勝たせてくれない何か」。今日の「何か」は関塚監督自身でした。

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 立ち上がりは上出来だったと思います。川崎はさほど中盤で圧力をかけてこないこともあって完全に中盤を制し、かつサイドを使いながら川崎ゴールに迫ります。川崎の陣容を見るとどう見ても森のいる川崎右サイドが弱く、案の定浦和はそこを突いて先制。

 相馬は森との1対1に完勝し、鋭いハイクロスを送ってワシントンがヘッドでゴール。高さのある川崎DF陣ですが、マークについていたはずの寺田は何の役にも立ちませんでした。

 さらに浦和は攻勢をかけ、ワシントンのポストプレーを生かしながらポンテが、闘莉王が、そして啓太が敵陣に迫りますが追加点はならず。終わってみればこの立ち上がりの15分に川崎を突き放せなかったのがゲームをややこしくする一因となりました。

 川崎の攻撃はやはり圧巻。ジュニーニョ・我那覇・マルクスの前3人だけでも十分強力なのですが、良い形で中盤でボールを奪ったときの切り替えが速く、WBやボランチの中村あたりまで加勢にやってきて分厚い攻撃を見せてくれます。

 ジュニーニョに対し堀之内はスピードでは全く及ばず、なんとか決定的な場面を作らせないことで精一杯。しかもジュニーニョは周りを使うだけの余裕があり、特にマルクスが嫌なところに顔を出してきます。練習で足首を負傷した闘莉王は空中戦で活躍しましたが、やはりその出来は良いとは言いがたく、浦和守備陣は川崎の速いパス回しに翻弄されて立て続けてに2失点。2失点目はまさにあれよあれよという間の失点で、暢久が前半で交代させられたのはこれが原因でしょうか?

 逆転された後の前半の浦和のゲーム運びは全くいただけません。立ち上がりの良さはどこへやら。まだ前半なのに闘莉王が攻撃参加するなど、落ち着きのないプレーに終始しました。相馬を生かした左サイド攻撃は、川崎が箕輪あたりを加勢に付けて1対1を作らせないようにしたあたりから不発気味に。ポンテも本調子にはほど遠く、持ちすぎの弊害だけが目立つ感じ。

 しかし、ハーフタイムで暢久を見切ったギドの英断は見事。後半立ち上がりにCKをワシントンが押し込んで同点 & 闘莉王の攻撃参加時にカウンターを食らって再度失点と途中ドタバタしましたが、川崎左WBのマルコンにスピードがないことを見抜いて、平川や永井が再三再四の右サイド攻撃。

 川崎守備陣は「空中戦には強いが地上戦には弱い」という評価を耳にしたような気がしますが、確かにその通りでした。タッチを割りそうなボールを見てしまって、こともあろうにワシントンのマークを外してしまった3点目はその典型でしょう。

 ワシントンの4点目には恐れ入りました。DFを引きずる、フェイント、引きずる、フェイントの繰り返しで、最後は緩いながらもGKの意表を突くタイミングでシュート。ゴール前に川崎の選手がずいぶん沢山いたような気がしますが、あのシュートの瞬間その全員が地蔵と化していたような気がします。

 あとは双方中盤がスカスカになってしまいましたが、マルコスを下げた川崎に大した反撃力はなく、永井に代えてなんと2列目に起用された岡野がひとしきり駒場を沸かせて試合終了。ドタバタとした最近の浦和らしくないゲームでしたが、それでもホームできっちり勝利を収めることが出来るのが浦和の強さなんでしょう。

 ギドの鉄槌を食らった暢久は次節スタメン復帰できるのでしょうか(^^?

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 主審&副審の出来の悪さには閉口させられるばかり。奥谷主審のジャッジは不安定以外の何者でもなく、最初は川崎の後方からのタックルを流していたかと思うと、突然啓太にイエローを提示。さらに裏を取って抜け出そうとしたワシントンをファウルで止めた川崎DFにイエローを出さないどころか、異議でワシントンにイエローを出す始末。もちろん審判の酷さは浦和にのみ不利に働いたわけではなく、川崎も相当参っていた模様でした。
 ただ異議によるイエローは不用意としか言いようがありません。カードを減らすことも浦和の今季の目標の一つだったはずですが、残念ながら下手な審判への対応の拙さは次第に昨季と変わりないものになり下がっています。くだらないイエローをもらって決勝で出場停止者を出さないよう、くれぐれも注意してほしいものです。

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 なおナビスコのレギュレーションについては相当な誤解があるようです。酷い人になると、「実質4-6なので、負けていても川崎が有利」「アウェーゴールのおかげで(川崎は)セカンドレグがずいぶん楽になりました。」というわけの判らないことを言い出す人も出る始末で、全く持って嘆かわしいことです。

 Jリーグ公式サイトには

<試合方式および勝敗の決定>-準々決勝、準決勝(ホーム&アウェイ)

90分間(前後半各45分)の試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分けとする。各回戦の勝者は2試合の勝利数が多いチームとする。勝利数が同じ場合は、次の順によって決定する。

・2試合の得失点差
・2試合におけるアウェイゴール数
・第2戦終了時に30分間(前後半各15分)の延長戦
・PK方式

と明記してあり、アウェイゴール数は勝ち数が同じで、かつ得失点差も同じ場合にしか意味がありません。従って次節浦和は勝てば当然、引分けでも勝ちぬけが決まります。逆に負ければ浦和の勝ちぬけは極めて厳しくなります。

 また、この日ワシントンがイエローをもらい、次節出場停止ではとの心配を抱いた人も少なくなかったようですが、これもJリーグ公式サイトには

<警告の累積>

ヤマザキナビスコカップにおいて警告累積が2回に達した場合、同大会の直近の試合が出場停止 となる。
予選リーグの警告の累積は、決勝トーナメントには影響しない。
※ヤマザキナビスコカップの警告の累積は、リーグ戦には影響しない。

と明記されており、今日イエローをもらったワシントン・相馬・啓太の各選手とも1枚目の勘定になります。

 ナビスコ杯はしょっちゅうレギュレーションが代わり、それが代表選手が出ないことも相まって大会の権威を殺いでいるような気がしないでもありませんが、それだけにレギュレーションくらいは自分で確認しておきたいものです(自戒をこめて)

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2006.06.03

(メモ)浦和‐川崎

(スタメン)ポンテが怪我から復帰。故障が伝えられた闘莉王も出場。後はお馴染みの面々。近藤ベンチ入り。

主審奧谷。

(前半)相馬のクロスをワシントンがヘッドで決めて先制するも、立て続けに2点取られる。速いパス回しに翻弄され、後方から飛び出てきた選手を捕まえられないか。

主審の判定が安定せず、双方イライラ。

(後半)頭から暢久→平川。
立ち上がりにCKからワシントンが押し込んだが、カウンターを食らって再び失点。

しかし再三の右サイド攻撃が奏功し、ワシントンが2点追加して逆転。

出入りの多いゲームを辛うじて制した。

川崎戦は審判に恵まれないなぁ。

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2006.06.02

北陸2006(4)-高岡大仏

 残念なことに富山といい、高岡といい、富山県の都市には観光名所らしいところがほとんどありません。両市とも古くから城下町として発展したわけではなく、明治以降工業都市として発展したという歴史がその主因なんでしょう。

 というわけで鉄旅のついでに観光するといっても行くべきところに困ります。

 高岡の「万葉線」沿線の観光名所といえば海王丸と高岡大仏。なかでも「高岡大仏」は日本三大大仏との触れ込みで猛烈にプッシュしています。

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 経験的には三大○○といっても3つ目は諸説紛糾していたり、またトップ2と比べて異様にしょぼかったりするものです。高岡大仏もその様なものだろうとタカをくくっておりましたが・・・

 申し訳ありません。ワタクシめが悪うございました。

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 万葉線の旧型電車を坂下町で下車。

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 大仏寺への参道は御多聞に漏れずシャッター通りと化していましたが・・・

(゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚)

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 はるか彼方に大仏が見える!!!

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 でかい! 思ったよりずっとでかい! 少なくとも鎌ヶ谷大仏では話にならない!

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 でも大仏前のあ・うん像は鍛え方が足りないような気がする・・・

 また建造は比較的新しく、何度か焼失・再建を繰り返してはいるものの、現在の大仏は1933年製とのこと。すると「下妻物語」に登場した牛久大仏の立場はどうなるのだ?という気がしないでもありませんが、高岡大仏を侮っては罰が当たるということだけは忘れないでしょう。

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2006.06.01

たまには休もうや

 バイエルンMとの親善試合に加え、セビリアとの親善試合も開催との報も飛び出てきました。

 セビリアといえば「理髪師」しか思いつかないオッサンですいません。ほんでセビリアのチームカラーが赤・白・青のトリコロールだったりするとめちゃオモロイのですが。

 それはともかくバイエルンMとの親善試合は業務提携を結んだ初年ゆえ致し方ないかなと思いますが、何もただでさえこの夏は過密スケジュールなのに、もう一つPSMを組み込む必要は全くないように思いますが。

 ただ今日は吉報も。

 Jリーグ・オールスターのサポーター投票・第7回途中結果が発表されましたが、浦和の選手各位の順位が着実に下がっています∩( ・ω・)∩ ばんじゃーい

 GK,DF,FWでファン投票選出される可能性はほぼなくなりました。残念ながら唯一MFで伸二が選ばれる可能性があります。

 別枠で「リーグ推薦選手5名」というのがあるので、もう2名くらいオールスターに供出を余儀なくされるかもしれませんが、浦和のプレーヤーが暑い盛りに一人でも多く貴重な週末の休暇を取れるよう願ってやみません。

P.S.

 レッズサポが何ゆえかくもオールスターに冷淡であるかは、最近サポになった方も知っておくべきかと思います(それに賛同するかどうかはともかく)。

P.S.2

 休ませるべきなのは選手であって、浦和のニート2頭は数少ない働き場なのでしかと勤めるように。

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北陸2006(3)-万葉線

 浦和系ブログであることを日に日に忘れつつあるような気もしますがw、もうしばらくご辛抱願います。

 富山ブラック試食後は高岡へ移動。

 万葉線には、前身の加越能鉄道時代を含め3~4度来ていると思いますが、今回再訪した動機はほかならぬ新型車両(愛称:アイトラム)の導入に他なりません。

 見よ、この雄姿!!!

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 一見してわかるように富山ライトレールと同じメーカー(新潟トランシス)の手によるものなのですが、注目すべきはこの車両のカラー。

 そう、この車両は真紅なんです。

 この色を一目見ただけで、真っ赤なライトレールが浦和の街を疾走する姿が目に浮かび、妄想が妄想を呼んで止みません。

 中浦和-県庁-浦和駅-駒場-埼玉スタジアムと浦和の東西を駆け抜ける紅いライトレール。三菱自動車提供の"We Lovw REDS"だとか、ナイキのコピーだとか、永井のドリブルシーンだとか、ゴールが視野に入った時の達也の形相だとかが、横っ飛びで間一髪難を逃れる都築だとかが、車体横一杯に描いてあるのだ!

 こんなのが緑の国際興業のバスに代わって浦和の街を駆け巡る日が絶対に来る。その時までワシは死ねんなぁ・・・

 と妄想はさておき、一応これにも試乗。

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 車内は富山ライトレールに似ているというか、こちらが先輩なのですが、椅子の形状が全く違います。

 不思議なことに「点検」ということで車庫のある米島口で運転を打ち切り。乗客を前で待っていた旧型車両に乗せ換えて運転は続行されましたが、このまま乗り続ける意味は全くないのでワシはここで下車。冷房がほとんど効いていないのは判りましたが、何の故障なのかは全く不明。後で判ったことですが、どうもアイトラムは導入時から故障・脱線が頻発しているようです。

 おかげでアイトラム入庫という珍しい場面に立ち会うことができました。

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P.S.

 浦和ライトレールの妄想を画像で実現させたい職人の方は、原寸大の写真を提供しますので一声かけてください。

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