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2006.06.04

今日の「何か」=関塚監督

 派手な撃ち合いの結果、今季初の3失点。先制した時は楽勝かと思ったのですが、やはりリーグ戦首位の原動力となった川崎攻撃陣の破壊力は伊達ではなく、かつ浦和守備陣の不出来も相まって思わぬ苦戦となってしまいましたが、戦艦ワシントンの正確無比な砲撃-4本放ったシュートが全て命中-により川崎を撃滅。まさにワシントン様々の一日でした。

 撃ち合いは本来川崎ペース。先制した後は堅守をベースにカウンター気味に追加点を重ねてゆくのが最近の浦和らしいゲーム運びで、この試合のように先制しながらも逆転されてしまうのは異例事態です。川崎が最後までどつき合いに徹すれば勝負の行方はわからなかったと思いますが、3点目を取って再度浦和を突き放した関塚監督が取った手はなんとMFマルコスマルクス→DF佐原。マルクスは90分持たないのか、あるいは他に何か事情があるのかはわかりませんが、寺田をボランチに上げて守備固めとしか思えない采配を振るったのが川崎の命取りになりました。

 残念ながらその守備固め(?)は浦和の右サイド攻撃に対して全くの無力で、あっさりと浦和に逆転を許してしまいます。「我々を勝たせてくれない何か」。今日の「何か」は関塚監督自身でした。

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 立ち上がりは上出来だったと思います。川崎はさほど中盤で圧力をかけてこないこともあって完全に中盤を制し、かつサイドを使いながら川崎ゴールに迫ります。川崎の陣容を見るとどう見ても森のいる川崎右サイドが弱く、案の定浦和はそこを突いて先制。

 相馬は森との1対1に完勝し、鋭いハイクロスを送ってワシントンがヘッドでゴール。高さのある川崎DF陣ですが、マークについていたはずの寺田は何の役にも立ちませんでした。

 さらに浦和は攻勢をかけ、ワシントンのポストプレーを生かしながらポンテが、闘莉王が、そして啓太が敵陣に迫りますが追加点はならず。終わってみればこの立ち上がりの15分に川崎を突き放せなかったのがゲームをややこしくする一因となりました。

 川崎の攻撃はやはり圧巻。ジュニーニョ・我那覇・マルクスの前3人だけでも十分強力なのですが、良い形で中盤でボールを奪ったときの切り替えが速く、WBやボランチの中村あたりまで加勢にやってきて分厚い攻撃を見せてくれます。

 ジュニーニョに対し堀之内はスピードでは全く及ばず、なんとか決定的な場面を作らせないことで精一杯。しかもジュニーニョは周りを使うだけの余裕があり、特にマルクスが嫌なところに顔を出してきます。練習で足首を負傷した闘莉王は空中戦で活躍しましたが、やはりその出来は良いとは言いがたく、浦和守備陣は川崎の速いパス回しに翻弄されて立て続けてに2失点。2失点目はまさにあれよあれよという間の失点で、暢久が前半で交代させられたのはこれが原因でしょうか?

 逆転された後の前半の浦和のゲーム運びは全くいただけません。立ち上がりの良さはどこへやら。まだ前半なのに闘莉王が攻撃参加するなど、落ち着きのないプレーに終始しました。相馬を生かした左サイド攻撃は、川崎が箕輪あたりを加勢に付けて1対1を作らせないようにしたあたりから不発気味に。ポンテも本調子にはほど遠く、持ちすぎの弊害だけが目立つ感じ。

 しかし、ハーフタイムで暢久を見切ったギドの英断は見事。後半立ち上がりにCKをワシントンが押し込んで同点 & 闘莉王の攻撃参加時にカウンターを食らって再度失点と途中ドタバタしましたが、川崎左WBのマルコンにスピードがないことを見抜いて、平川や永井が再三再四の右サイド攻撃。

 川崎守備陣は「空中戦には強いが地上戦には弱い」という評価を耳にしたような気がしますが、確かにその通りでした。タッチを割りそうなボールを見てしまって、こともあろうにワシントンのマークを外してしまった3点目はその典型でしょう。

 ワシントンの4点目には恐れ入りました。DFを引きずる、フェイント、引きずる、フェイントの繰り返しで、最後は緩いながらもGKの意表を突くタイミングでシュート。ゴール前に川崎の選手がずいぶん沢山いたような気がしますが、あのシュートの瞬間その全員が地蔵と化していたような気がします。

 あとは双方中盤がスカスカになってしまいましたが、マルコスを下げた川崎に大した反撃力はなく、永井に代えてなんと2列目に起用された岡野がひとしきり駒場を沸かせて試合終了。ドタバタとした最近の浦和らしくないゲームでしたが、それでもホームできっちり勝利を収めることが出来るのが浦和の強さなんでしょう。

 ギドの鉄槌を食らった暢久は次節スタメン復帰できるのでしょうか(^^?

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 主審&副審の出来の悪さには閉口させられるばかり。奥谷主審のジャッジは不安定以外の何者でもなく、最初は川崎の後方からのタックルを流していたかと思うと、突然啓太にイエローを提示。さらに裏を取って抜け出そうとしたワシントンをファウルで止めた川崎DFにイエローを出さないどころか、異議でワシントンにイエローを出す始末。もちろん審判の酷さは浦和にのみ不利に働いたわけではなく、川崎も相当参っていた模様でした。
 ただ異議によるイエローは不用意としか言いようがありません。カードを減らすことも浦和の今季の目標の一つだったはずですが、残念ながら下手な審判への対応の拙さは次第に昨季と変わりないものになり下がっています。くだらないイエローをもらって決勝で出場停止者を出さないよう、くれぐれも注意してほしいものです。

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 なおナビスコのレギュレーションについては相当な誤解があるようです。酷い人になると、「実質4-6なので、負けていても川崎が有利」「アウェーゴールのおかげで(川崎は)セカンドレグがずいぶん楽になりました。」というわけの判らないことを言い出す人も出る始末で、全く持って嘆かわしいことです。

 Jリーグ公式サイトには

<試合方式および勝敗の決定>-準々決勝、準決勝(ホーム&アウェイ)

90分間(前後半各45分)の試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分けとする。各回戦の勝者は2試合の勝利数が多いチームとする。勝利数が同じ場合は、次の順によって決定する。

・2試合の得失点差
・2試合におけるアウェイゴール数
・第2戦終了時に30分間(前後半各15分)の延長戦
・PK方式

と明記してあり、アウェイゴール数は勝ち数が同じで、かつ得失点差も同じ場合にしか意味がありません。従って次節浦和は勝てば当然、引分けでも勝ちぬけが決まります。逆に負ければ浦和の勝ちぬけは極めて厳しくなります。

 また、この日ワシントンがイエローをもらい、次節出場停止ではとの心配を抱いた人も少なくなかったようですが、これもJリーグ公式サイトには

<警告の累積>

ヤマザキナビスコカップにおいて警告累積が2回に達した場合、同大会の直近の試合が出場停止 となる。
予選リーグの警告の累積は、決勝トーナメントには影響しない。
※ヤマザキナビスコカップの警告の累積は、リーグ戦には影響しない。

と明記されており、今日イエローをもらったワシントン・相馬・啓太の各選手とも1枚目の勘定になります。

 ナビスコ杯はしょっちゅうレギュレーションが代わり、それが代表選手が出ないことも相まって大会の権威を殺いでいるような気がしないでもありませんが、それだけにレギュレーションくらいは自分で確認しておきたいものです(自戒をこめて)

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