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2006.07.30

【観戦記】甲府 1-1 浦和

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 大分戦後半の惨状を見れば、無策のまま試合に臨めば大分同様運動量が多いことで知られる甲府に苦戦することは十二分に予想されたこと。今節は負けなくて本当に良かったと心底祝賀を述べたくもなります。

 ここ2戦浦和を救ってくれた達也が4戦目にしてついに完全に消耗。甲府DFを振り切れるだけの切れもなく、ロングフィードに対する反応も今一つ。頼みの綱といって良い達也がビジュを始めとする甲府DF陣に封殺されてしまったため、三都主が同点弾を叩き込んだのが精一杯で勝ちきることはできませんでしたが、それで御の字でしょう。シュート数・決定機共に甲府のほうが上。またしても山岸に助けてもらったような試合でした。

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 夏のサッカーは(別に夏のサッカーに限ったことではないかもしれませんが)動けない者負け。今節も運動量の差が如実に出てしまいました。前半の甲府はやや様子見に徹していたようでしたが、それでも攻守の切り替えの速さは圧倒的で、浦和のセットプレーは甲府のカウンターのチャンスとなることもしばしばでした。

 さらに後半開始早々からは鬼プレスをかけ始めて中盤で浦和を圧倒。ついに浦和のミスを誘って甲府の左サイドからのクロスを逆サイドの藤田が合わせて先制します。甲府の攻撃はボールを奪った後の素早い好守の切り替えからサイドへ展開するという一パターンしかないのですが、それがものの見事に嵌ってしまいました。

 失点場面は堀之内のフィードが直接甲府に渡ってしまったのが契機になっていましたが、後半立ち上がりから失点に至るまで中盤でパスミスが続出し、出足の鋭さでも完敗していたので失点はいわば必然の産物。堀之内個人の責めに帰しても仕方ありません。

 但し後半も30分近くになるとさすがの甲府も運動量が落ち、右から長谷部を経由して左でフリーになっていた三都主がDFを一人前に置いて同点ゴール! 同じような形は前半から何度もあったのですが、三都主は甲府のプレス網の前になすすべなし。唯一のゴールを決めたので全てが帳消しになったような気もしますが、今日もあまり良い出来とは思えず、頭部負傷後も三都主を引っ張ったベンチワークには疑問を抱かずにはいられません。

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 どこをどう見ても甲府ペースの試合。動けない選手がピッチにゴロゴロしている様をギドはどう見ているのでしょう? 暢久の出場停止が明けた今節は川崎戦と同じメンバーがスタメン。大方の選手が疲労困憊なことは大分戦で明らかにも関わらず、お馴染みのメンバーに拘る理由は全く不可解。厳しいフィジカルトレーニングを積んだと言われるドイツ合宿の成果は全く表れず、個々の運動量で大分や甲府に完敗。浦和の選手は少々テクニックがあったところで厳しいプレスに晒されてしまうと何もできず、常に数的不利な中でボールをキープしながら立ち止まって考えている姿が目立ちました。

 合宿の失敗はもう終わったことなので今更責めないとしても、甲府に対して明らかに勝っているバックアップメンバーの力をどうして有効に使おうとしないのでしょうか? 相馬しかり、酒井しかり、内舘しかり、共に100%の状態でのスキルはレギュラーに劣っているかもしれませんが、疲労蓄積で満足に動けないレギュラーよりは格段にマシなパフォーマンスが期待できるのではないでしょうか?序盤に散見された凡ミスで明らかなように、甲府の選手達は上手くありません。でも動けるという一点をもってそのパフォーマンスは浦和を凌駕していました。浦和はなぜ動ける選手を起用しないのでしょうか?

 伸二→永井、平川→黒部の交代は動けない選手の交代という意味で理解できるのですが、結果はいたって不芳。暢久→内舘で長谷部を前に上げて、おおっと思わせましたが時既に遅く、ロスタイムはむしろ甲府に押される始末。

 永井は前節に続きダメダメでした。結果からすれば伸二→内舘で長谷部を早く前に上げたほうが良かったかもしれませんし、前半唯一気を吐きながらも後半はへろへろになった平川は岡野と代えたほうがよかったかも。

 さらにシュートゼロで何のインパクトもないまま試合を終えた黒部。スーパーサブ的な働きが苦手なのは明らかで残り15分での投入は気の毒ではありますが、今節の出来ではギドの信頼を得るのは難しいかと。黒部はポストプレーで周りを生かすチームの潤滑油としては期待できるけれども、独力で点を取りに行く能力はないから長い時間使わんとしんどいでしょう。達也のクロスをヘッドで黒部がヘッドで折り返し、闘莉王が突っ込んだ場面(残念ながらシミュレーションを取られてしまいましたが)なんかと見ていると、黒部を頭から使えよとつい思ってしまいます。

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 G大阪・川崎と揃って引き分けたためダメージは最小限で済みましたが、ギドの器量に大きな疑問を投げかける一戦でした。8月にも鹿島→新潟→C大阪→大分と平日2試合・アウェー3試合の厳しい4連戦がありますが、ギドは同じような過ちを犯してしまうのでしょうか?

P.S.

 最後に投入された堀井は鳴尾(元新潟)と並んで浦和に滅法強かったことを大木監督は知っていたのでしょうか???

 それはともかく、勝ちきれなかったとはいえ朝早くから小瀬に詰めかけた甲府サポには十二分に満足できたゲームだったでしょう。下位チームの中では圧倒的に娯楽性のある試合内容。J1残留を願わずにいられません。

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