【感想】W杯 イタリア優勝
イタリア優勝。
終了間際にPKをもらって、数的不利を跳ね返してヒディンクを沈めたあの一戦でイタリアが優勝する予感がしたのですが、伝統的に苦手とするPK戦で勝ってしまうシナリオまでは思い浮かびませんでした。しかもPK戦は完勝。
マテラッツィがPKを与え、マテラッツィがヘッドで取り返し、マテラッツィが頭突きを食らい、マテラッツィがPKを決める。終わって見れば決勝戦はマテラッツィ祭り。ガットゥーゾ祭りというのも想像しにくいですが、マテラッツィ祭りっちゅーのもなんだかなぁという気もします。
前半はイタリア、後半は途中までフランスがボールを支配するものの、強固な守備陣を崩すには至らず。どちらも下手に攻めに打って出てカウンターを食らうのが怖かったのでしょう。しかも時間が経つにつれて両者へろへろになって後半30分過ぎくらいから全く得点の気配が見られないまま案の定PK戦突入。決勝戦らしく勝ちに拘った試合といってしまえばそれまでですが、どちらのチームにも思い入れのない者にとってはお世辞にも面白いとは言いがたいゲームでした。
プレスを避けてやや後方での配球に専念していた感のあったジダンが突然エリア内へ飛び出して放ったヘッド。あれが決まっていれば、予定調和的というか水戸黄門的というか、ジダンがまさに有終の美を飾っていたはずなのでしたが・・・
しかも、ジダンが有終の美を飾るどころか、マテラッツィに頭突きを見舞って一発退場という形で現役を終えるとは、まるでギャグ漫画。つまらない試合ながらもネタだけは歴史に残る按配になりました。
但し残り時間も少なかったためジダン退場は勝敗の大勢には影響なし。早々と3人を代え、最後はデルピエロまで投入したイタリアですが、後半以降のシュートはわずかに1本。
「攻撃的に変貌した」との前評判でしたが、試合を重ねるにつれて先祖がえり。内容にはがっかりで、これで八百長問題がうやむやになってしまっては割に合わん気もします。しかし、それでも他のチームと比べてこれといった穴がないことは確かで、その意味では優勝に値するといっていいでしょう。
フランスは決勝へ出てくるだけで精一杯。しかも途中でビエラを負傷で欠きながらPK戦までもつれこませることに成功したのだから十分健闘したといっていいでしょう。ただこの日はセットプレーで再三マークの甘さが垣間見られるというフランスらしくない一面もありましたし、もともとアンリの1トップでイタリア相手に勝ちきるのは難しかったともいえます。
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