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2006.08.20

【観戦記】鹿島2-2浦和

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 試合内容で完敗しながらも、闘莉王を最前線に上げたパワープレー=闘莉王大作戦が奏功し、昨年に続き2点のビハインドを追いついての引き分け。またしてもアウェーで勝てなかったのは残念ですが、衰えたりとはいえ強敵鹿島にアウェーで引き分けたのはリーグ戦を闘う上で極めて貴重。勝利に等しい引き分けといって差し支えないでしょう。勝ったガンバに首位を明け渡してしまいましたが、最終節にホームガンバ戦を残しているため勝ち点差はあってないようなもの。今節の苦戦を十二分に反省して次節に繋げていければ何の問題もありません。繋げて行ければですがorz

 後半代表選手を多く抱える浦和の運動量が落ちるのは判りきっているので前半が勝負だったのですが、ここを鹿島に上手く凌がれました。早い時間に失点して大敗を喫した埼スタでの一戦を教訓にしたのか、鹿島はホームにも関わらずやや引き気味といっても差し支えない守備重視の構えでスタート。そのため浦和がボールを支配する時間こそ長かったのですが、チャンスはワシントンの前にこぼれ玉が転がった1回きり。

 ようやく復帰したワシントンの状態はやはり今一つ。しり上がりに良くなっては来ましたが前線でのポストプレーや反転してからのシュートも好調時にほど遠い出来。達也に至っては完全に疲弊していて、ドリブルに切れがない。おまけにドイツ合宿では良好と伝えられたワシントンと達也の関係もとても良好とはいいがたく、お互いが単独で仕事をしている感じ。2ヶ月近くも一緒にやってないとこんなもんですかね。

 しかし鹿島のチャンスも僅少で、ミネイロがサイドに流れて中央への折り返しをファビオサントスがポスト直撃弾を放つビッグチャンスがあったくらい。浦和の中盤を突破できず、パスミスも相次いで前半は双方手詰まり気味。スコアレスで折り返すかと思ったのですが、小笠原のCKをミネイロが難しい角度で決めて鹿島先制。この時浦和のマークは完全にずれ、慌ててミネイロに付いたのが平川ではやられてしまうのも道理。

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 前半に点を取っておかないと辛い浦和が逆に先制されたのは痛恨としかいいようがなく、後半は頭からリスクを犯して積極的に前に出てはみましたが、結局アレが単調にクロスを放り込むばかりで全く得点の気配は漂わず。この日のアレックスは代表効果がすっかり消えうせ、数的有利の鹿島守備陣に対し単騎勝負を挑みながら結局単純にクロスを上げるだけ。そして鹿島CBに簡単に跳ね返されるの繰り返し。

 前半攻守ともに良いところがないどころか、集中力を欠いているとしかいいようがない凡ミスを連発した長谷部を後半10分で暢久に代えたのは良策でした。しかし、その暢久も攻撃にはさして絡むことなく、これじゃ浦和が点を取る可能性よりも鹿島のカウンターを食らう可能性のほうが大きいなと思いながら見ていたのですが、やはり案の定。

 攻撃参加していた闘莉王が危険な位置でボールを失ったことを契機に(? 録画で振り返ったら闘莉王がボールを失ったのはだいぶ前の話で、直接の原因は暢久?のやる気なさげなクロスが相手に当たってカウンターを食らっている・・・)、よりによって柳沢にゴールを許してしまいます。まぁ後半はサイドを攪乱され、中央に折り返されを繰り返しやられていましたから、遅かれ早かれ失点は避けられなかったでしょう。柳沢はそこまでDFラインの裏でボールをもらう素晴らしい動きを何度も見せていたのですが、シュート意欲の乏しさも相変わらずだっただけに悔しい失点。

 試合の流れ、内容から見てこれで万事休すかと思ったのですが、すぐさま伸二が1点を返したのが効きました。達也が右からドリブルを仕掛け、ワシントンが中央でポスト。落としたところを小野がボレー。この日唯一といっていい2トップが機能した場面が得点に結びつく。このコンビが熟成してくれば恐るべき威力があることを予感させる素晴らしいゴールでした。

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 しかし、まだ1点ビハインド。浦和は闘莉王が積極的に攻撃参加し全体に前がかりになるのはいいのですが、選手の足は止まりがちで攻撃に厚みがなく、しかもいったんボールを失うともうメロメロ。おそらくここで鹿島が一気に攻勢をかければ浦和はひとたまりもなかったと思います。ところが驚くべきことに鹿島は執拗に時間稼ぎを繰り返し、ボールキープに走る等明らかに守りに入る姿勢。往年の鹿島ならそれでまんまと逃げ切ってしまうのでしょうが、それができないのが今日の鹿島。浦和が後半動けなくなるのは致し方ありませんが、鹿島の運動量もほめられたものではなく、それじゃオシムからお声が掛からないのは当然でしょう。

 そんな鹿島の退嬰策に助けられ、組織力はボロボロですが個人能力に勝る浦和がその個人頼みの最たるもの=闘莉王大作戦を炸裂させてなんとか同点に追いついて試合終了。内容はなきに等しいですが、アウェーで貴重な勝ち点1を奪うことができました。闘莉王&ワシントンの2トップを日本人CBが完封するのは至難の業でしょうなw

 ワシントンの同点ゴールは、右サイドにいたアレックスが懸命に本山を追いかけて自陣深いところでボールを奪ったことから始まったもの。この日あまりいいところのなかったアレックスですが、こんなところで地味に良い仕事をしています。右サイドにポツンと立つどフリー永井へ冷静にボールを送った暢久。新井場の寄せもあんまりですが、素晴らしいクロスを供給した永井。最後の最後で良い仕事が続きました。

 この試合の勝ち点1は貴重とはいえ、今後疲労の目立つ代表組を抱えたまま夏の連戦(しかもなぜか遠距離アウェーが多い)をどう闘うのか、誰もが心配に思う課題を改めて考えさせられる試合でした。後半30分から達也・平川に代えて永井・相馬を投入しワシントンの1トップに伸二・アレの2シャドー(しかも闘莉王の乱入付き)。永井が右、相馬が左の超攻撃的布陣。でも最後に大きな仕事をした永井はともかく、この日の相馬はやや空回り気味。ギドもさぞ頭が痛いことでしょう。

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