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2006.08.08

【TV観戦】U-21中国 0-2 日本

 中国のほうは全然わからないのですが、日本は千葉・G大阪勢+平山抜きの1.5軍な陣容。そしてもちろん反町監督は初采配。それらを考えればアウェーで2-0の勝利という結果は高く評価していいと思いますが、内容は可もなく不可もなくといったところでしょうか。もちろん若いチームなので勝って自信をつけるのがチーム力向上の早道かもしれません。

 前半は中国にペースを握られたもののなんとか無失点で凌ぎ、中国の運動量が落ちた後半に盛り返して2得点。全体的な印象としてはずいぶんサイドをやられ、中国に決定力があれば負けていても全然不思議はなかったと思います。ただ中国相手なら走り負けることはないようで、それを確認できたのがこの試合の一番の収穫だったように思いました。

 システムは浦和と同じ3-6-1。中核的なメンバーを何人か欠いているせいか、傍目には不可解な布陣が散見されましたが、その最たるものが苔口の1トップ。タイプ的には豊田が最も1トップ向きで、次いで磐田で一応1トップをやっていたカレン。ウィンガータイプで最も1トップに不向きなのが苔口。でも反町の目からすれば3人とも1トップには不向きなんでしょう。よりによって苔口を1トップに入れた意図はよくわかりません。案の定苔口は前線でタメを作るような仕事は全くできませんでしたが、反町はそんなことはハナから期待してもいないのでしょう。

 サイドからGKとDFの間に早いボールを入れて俊足の苔口に拾わせるような狙いが前半散見されましたが、これもほとんど機能せず。結局前半の攻撃は全くいいところなし。まぁこのシステムの1トップはいずれ平山頼みでしょうから、今は機能しようがしまいがどうでもいいのかも。

 先制点となった「梶山が高い位置でタメを作る→サイドに枝村が飛び出してクロス→ファーに本田が飛び込んでヘディングシュート」という一連の流れをホントはもうちょっと数多くやりたかったんでしょうなぁ・・・

 もっともいくら前半押され気味だったとはいえ後半の早い時間帯に日本が数少ないチャンスを決めたのがこの試合のポイント。後は運動量が落ちた中国に対しカウンターで追加点を狙いながら中国の攻撃をいなして危なげなく試合終了。この辺りはちょっと頼もしげ。

 増田の追加点は中国DFの飛び込みが早すぎて増田に簡単に交わされたところで勝負あり。増田は中央に飛び込んでくる選手を探すも加勢なく、やむなく(?)シュートを放ったのがものの見事に決まりました。

 3バックは増嶋-伊野波-青山直。本職は青山直だけで、伊野波は元々ボランチだし、増嶋は4バックが得意で3バックの左ストッパーをやっている記憶なんてほとんどありません。この日は決定的に破綻することはありませんでしたが、印象というか安定感としてはやっぱり青山直が図抜けているような・・・(と思っていたら、翌日いきなりA代表に召集)。たぶん増嶋は後々水本にスタメンを譲ることになるかと。伊野波も致命的なぶっこ抜かれを犯しているのでポジションは全然安泰じゃないし。

 この日よろしくなかったのは両WB。前半は両サイドをズコズコにやられました。本田圭はおそらく家長の代わりに入っているだけなので仕方ないですし、後半は得点に絡んだのでまだいいのですが、本職に近い中村はいただけません。共に寄せが甘くてクロスを簡単に上げさせたり、中村のほうはスコンと突破を許したりと散々。幸い中国に決定力がなく、また西川の好セーブに助けられて無失点で切り抜けることができましたが、あまり誉められた出来ではありません。逆にGK西川はA代表で経験を積ませても良いレベルでしょう。

 あと目についたのは青山敏の負傷で前半半ばに投入された本田拓。法大の学生ですが、突然やってきたチャンスを生かすべく積極果敢にガツガツやってました。負傷した青山敏には気の毒ですが、本田拓が個人レベルではこの日最大の収穫ではないかと。本田拓と飛び出しに秀でた枝村のコンビは結構ハマる気がします。

 面子的に試運転を域を出ない一戦でしたが、このチームが今後どう成長してゆくのか楽しみと思わせてくれる試合内容ではありました。ただ赤サポ的には浦和からの選出ゼロというのは寂しいですね。FWとDFの人材不足は明らかなので、細貝はもちろん、場合によってはセルの帰化でいきなり五輪代表入りというのがあってもなんらおかしくないような気がします。

P.S.

この日のMOMは担架係だったことはいうまでもありません。今回は中国の担架係が自国の選手を落としてしまったわけですが、新手の「アウェーの洗礼」として注意が必要ですw

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