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2006.09.29

Jクラブ個別経営情報で遊ぶ(5・了)

 「Jクラブ個別経営情報で遊ぶ」シリーズの最終節として「広告料収入」にスポットを当てて見ましょう。

 最も目立つユニフォームの広告を始め、スタジアム内の看板、練習着、会見場の背景ボード、はては担架に至るまでありとあらゆるところにクラブスポンサーの広告が見受けられます。また特定のクラブをスポンサードしていること自体がスポンサーに有形無形のメリットをもたらす例もあるようです。

 地元の小口スポンサーであれば純粋にクラブを支援する趣旨、半ば寄付金感覚で資金を提供することもあるでしょうが、大口スポンサーともなるとなんらかの経済的な見返りを期待して広告料を出していると考えるのがフツーでしょう。そこでここではその広告料の割高・割安感について考えて見たいと思います。

 「広告をどれだけの人に見てもらったか」という観点から考えれば、広告料収入を入場者数で割った「広告料単価」が広告料の割高・割安感の一つの目安になります。

 もっとも広告類はスタジアムに来た人だけが目にするわけではなく、テレビや雑誌等を通じて人の目に触れる機会のほうがむしろ多いといってもいいでしょう。強いチーム、あるいは日本代表を多く輩出しているチームは雑誌、テレビ等各種メディアに露出する機会が増えるので入場者数の多寡とは無関係に広告の効果が大きいといっていいかもしれません。

 ただ非常に残念なことにJリーグ中継の視聴率が全く奮わないことが示唆するように、Jリーグの人気はスタジアムに足を運ぶ人の中で閉じているといって過言はない、逆にいえばスタジアムには行かないけれどテレビ等で見ている人は非常に少ない状況下にあります。従ってJクラブに関して言えば上記の「広告料単価」が広告料の割高・割安感の目安としてさほど違和感なく使えるのではないでしょうか?

<広告料単価>

名古屋 9,088
柏 7,579
千葉 6,422
大宮 6,330
広島 5,633
磐田 5,612
横浜M 5,562
G大阪 5,474
川崎 4,972
清水 4,444
C大阪 3,339
鹿島 3,029
神戸 2,461
F東京 2,363
浦和 2,120
大分 1,297
新潟 1,057

 「広告料単価」の高いクラブは大した効果も見込めないのに大金を投じてくれるスポンサーが付いている、いわば「リアル金満クラブ」。名古屋を筆頭になんとなくそれらしいクラブがぞろぞろ並んでいます。

 なお、「広告料単価」の分母である「入場者数」は当該クラブ主催試合の入場者数を利用しました。しかし、これでは同じような入場者数であってもその人気が特定地域に偏っているクラブ(いわゆるアウェー動員が弱いチーム)と比較的全国的に人気があるクラブを同列に扱っていることになり、広告効果を評価する観点からは疑義があります。

 また入場者数に大きな変化はなくとも、クラブの弱体化に伴ってスポンサーが離れるという現象は現に見受けられるところなので、「クラブ成績」を広告料の費用対効果として無視してしまうのも少々乱暴かもしれません。

P.S.

 クラブ経営を広告料収入に頼るのは余り健全ではないのは(3)で述べたとおりですが、ちなみに広告料収入と入場料収入の比率(仮称「ドーピング指数」)を計算すると以下のようになります。

川崎 4.56
大宮 4.37
広島 3.69
名古屋 3.61
柏 3.37
G大阪 3.33
千葉 2.91
C大阪 2.83
横浜M 2.73
磐田 2.61
清水 2.45
神戸 1.58
鹿島 1.51
大分 1.51
F東京 1.49
浦和 0.85
新潟 0.71

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