【観戦記】浦和 1-0 清水
最後はぐだぐだになりながらも辛うじて凌ぎきって勝ち点3を獲得。毎度お馴染みの展開。もうこの腐りきった試合内容から今季中は脱することはできないでしょう。こうなったら見る側も腹を括るしかありません。徹底して結果重視。リーグ優勝だけが免罪符。2位以下に終われば2006年は久しぶりに(01年以来かな?)「何も残らなかった年」として記憶されることになるでしょう。
伸二が負傷してポンテがトップ下に入るのかと思ったのですが、ギドの選択は暢久。そしてこの選択は大正解でした。後半半ばあたりまで暢久を中心に前線からの守備がよく効いて、1点先行してから暫くは全く負ける気がしないほどの素晴らしい出来でした。久々先発の暢久。やる気マンマンの暢久。ほっぺにぐるぐる巻模様のない暢久。本気の暢久。
しかし、後半24分に達也を永井に代えたあたりから雲行きが怪しくなります。この日の達也は大宮戦よりは格段にマシとはいえやはり体にキレがなく、いい形でエリア内に侵入してもDFを交わしきれない不甲斐ない出来でしたが、守備はよくやっていました。カウンター狙いを徹底する趣旨で達也を代えるのは一理ありますが、残念ながら永井は達也と比べると前線での守備は手抜き勝ち。
しかも悪いことに同じ時間帯に暢久が電池切れ。体力が持たなかったのか、あるいは集中力が切れたのか、パスミスやぼーっとしているようなプレーも散見されるに至り、このあたりから浦和はいつものぐだぐだ模様に回帰してしまいます。暢久は最後は両足を攣っていたので、おそらく久々先発で最初から飛ばしまくったゆえの体力切れでしょう。
暢久のミドルシュートを西部が弾き、こぼれたところをワシントンが信じられないことにシュートを高々と打ち上げ。悪いことは続くもので、その時に太もも裏を負傷。ギドはおそらく暢久を代えようとしてポンテ投入の準備をしていたのでしょうが、不意の故障でやむなくワシントンに代えてポンテを投入せざるを得なくなります(その結果永井本人も嫌がる1トップに)。そしてそのポンテが不調。動けないのは致し方ないのですが、ボールキープすらままならず。前線が3人とも使えないとなるとDFラインが下がって板子一枚での守りになってしまうのもやむを得ないでしょう。浦和はこぼれ玉を全く拾えなくなり、最後の15分はただただ耐え忍ぶだけになってしまいました。あんまりな試合内容に都築も思わず大あくび。
浦和にとって幸いしたのは、清水がどちらかというと単なる放り込みに堕してくれたこと。浦和が一番嫌なのは前線でタメを作られて枝村に突っ込まれるパターンで、この試合もそのパターンで一度決定的な場面を作られました(枝村のシュートは堀之内を直撃)が、あとは単に左右から放り込んでくるだけ。藤本・兵働と主力の両翼を欠いたためかもしれませんが、これはいくら清水が押しているように見えても闘莉王の壁に阻まれて点にはなりません。昨年浦和と5回闘って一度も勝てなかった試合内容とそっくり。このあたり案外健太には学習能力がないような・・・ 後半清水は頭から杉本に代えてアレシャンドレを投入しましたが決定的な打開策にはならず。層の薄さは清水の泣き所。
審判に多少恵まれた感は否めませんが、これはホームアドヴァンテージの範囲内。エコパでは浦和が随分悩まされました。ホームアドヴァンテージといえば
「残念だったのは、立ち上がりから失点するまでの時間帯のプレー。ここ埼玉スタジアム独特の雰囲気に少しのまれた感があり、落ち着きが無い選手が何人かいて試合開始から相手とがっぷり四つで戦うことが難しい状態だった(長谷川監督)」。
確かに前半の清水は致命的なミスが散見されました。若い選手が多いというのはメンタル面で案外ハンデになってしまいます。
とはいえ、やっているサッカーは清水のほうが上でしょう。やや引き気味に構えてのカウンター狙い。ボールを奪えばサイドに人数をかけて速攻。この日は徹底的に闘莉王に封じられてしまいましたが、サイドからチョをターゲットにして最後はマルキーニョス。あるいは後方から枝村と狙いははっきり。攻撃に失敗した時の守備への切り替えも早く、前線からも積極的にチェース。失点が浦和に次いで少ないというのも十分頷ける内容でした。
方や今日も今日とてワシントン頼みの浦和。セットプレーに工夫が見られたのは好材料でその一つが得点に繋がりましたが、あれはあの角度からGKの股間をぶちぬくワシントン抜きにはあり得ない得点でしょう。あとは長谷部や暢久のパスを受けて平川が右サイドを何度もぶち破る場面が目立ちましたが、あれだけチャンスを作りながら絶好機に繋がったのは一度切り。それでもチャンスすら作れなかったここ数試合よりは格段にマシでしょう。
長谷部もようやく復調。啓太含め守備陣は安泰と悪いことばかりではありませんが、おそらくワシントンを欠いて臨むことになる久々のアウェー京都戦はどうなることやら。
P.S.
試合開始前にはU-17優勝メンバーがご挨拶。お疲れ様でした。
P.S.2
試合内容があまりにもつまらないせいか、ピッチに君臨する2羽の鳩に気を取られる人が多数。
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