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2006.10.12

インド戦補遺

インド戦について後から由無し事でも書き綴ろうかと思ったのですが、試合内容があれだったのと「停電&犬」のインパクトがでかすぎてやや気力喪失。

バンガロールってインドのIT産業の中心地なんだけれど、そんなところでも試合中に停電。コルカタの停電はさもありなんと思ったけどね。テレビで見てもはっきりとわかるでこぼこのピッチ。おまけに芝のグラウンドでやっているはずなのに、なぜか啓太を始め各選手の背中には赤土がべっとり。極めつけはピッチに犬が乱入。

ホーム&アウェーのゲームならアウェーではいろんなことがあるわいなとまぁ半ば諦めもつく。とりわけ現在の代表は国際経験が少ない選手もいるから、こういう劣悪な環境下で試合をやるのもたまにはいいでしょう。でも悲しいかなバンガロールって今月末に開催されるアジアユースの会場でもあるんですな。なんでわざわざこんなところで開催すんねん!

とまぁ前置きはこれくらいにして試合寸評。前半は良かったと思いますよ。インドの両サイドがなぜかがら開きで、啓太が大活躍。中央で両サイドにボールを配球するだけでなく、時折サイドへ走りこんでクロスの機を窺う啓太。最前線に顔を出してヘディングシュートを試みる啓太。おいおい、今日はアシストを決めてしまうのではないかと思えるほど、いつになく積極的な啓太でした。

当然ながらアレックスも活躍。左サイドから素晴らしいクロスを何本か送り込み、そのうちの一つを播戸が決めてくれました(その前の巻の空振りが効いているwww)。CK崩れから啓太のパスをアレックスが右サイドで受け、そのクロスをまたも播戸!これはニアに頭から突っ込んでいった播戸を大いに褒め称えるべきでしょう。

で、当然ながら右サイドからもチャンスは作れたわけですが、そこは駒野。チャンスを一回作ったくらいですかね。加地が復帰するまでオシムも仕方なく使っているのでしょう。2点リードした後は田中隼にチャンスを与えるべきだと思いましたが、水本負傷退場で交代枠を一つ使わざるをえなくなり、田中隼投入ができなかった模様。

 後半は一転して見所皆無。水本に代えて長谷部を投入し、啓太がなんと3バックの中央に入る変則布陣。浦和では闘莉王の代わりにCBに入るというのをしょっちゅーやっているので、本人はそんなに違和感がないのかもしれませんが、阿部・啓太・今野と守備的MF本業の3人が最終ラインを構成するってやっぱり笑いを禁じ得ません。もっとも本番では闘莉王・坪井の起用は鉄板でしょうから、残りの一人のDF適性を見極めているというのが実情なのかも。

 まぁ3バックの破綻云々を語れるほど相手は強くないのでそれはどうでもいいのですが、問題は啓太のいなくなった中盤。終始バタバタ、ポロポロ。いったい何をやっとるんじゃぁ!!!ピッチがめちゃめちゃなのは不憫ですが、そういうところでこそボールコントロール能力が問われるというもの。残念ながら日本代表選手とは思えないほど玉扱いが下手な選手もいて、トラップを失敗したり、簡単にボールを失ったり、パスミスになったりで自らリズムを崩していたように思えました。オシムのサッカーはスピード感に溢れているのが特徴の一つだと思いますが、この日の後半は単に慌てているだけという印象が強く残りました。

 まぁ言っちゃなんですが、啓太は浦和ではテクニックでは後ろから数えたほうが早い選手なんですが、この代表の中ではそんなに下手に思えないというのが問題なんでしょうな。走れることは重要だが、それだけでいつも上手くゆくとは限らない。ボールを落ち着かせることができる選手も一人は必要。そんなことを考えさせられるゲームでした。個人名を挙げれば山岸智に代えて松井を入ればかなりゲームの様相は違っていたのではないかと思いました。

 長谷部は出場機会が少ないのが災いして駒野との相性が悪く、またタイプは異なるとはいえ同じように攻撃的な中村憲との併用も難しかろうという印象。長谷部は中央で啓太と並べてナンボなんでしょうな。

 一方初スタメンの中村憲は少ないチャンスの中で最大限のアピールができたのではないでしょうか。ああいうスルーパス一発狙いをオシムが評価するかどうかは別として、3点目となったミドルシュートはお見事でした。

 残念ながらまたも出場機会の無かったGK山岸を含め、浦和の選手たちが怪我することなく、ACLで経験するかもしれない過酷な環境を一足先に体感できたのがこの試合の最大の収穫。「廃墟からの復興未だならず」を痛感する凡戦でした。

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