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2006.10.21

【観戦記】浦和 2-2 川崎

 先制しながら勝てなかった。

 終始やや優勢にゲームを進めたのに勝てなかった。

 近時驚異的な勝率を誇るホームゲームなのに勝てなかった。

 あれやこれやでちょっと負けに等しい引き分けのような気がしますが、逆転優勝を狙う川崎からすれば勝利が必須。この一戦を浦和は引き分けで凌ぎ、事実上川崎を優勝争いから蹴落とすことができたという意味では勝ちに等しい引き分けといっていいでしょう。ただ敵もさるもの、楽にリーグ制覇はさせてくれません。明日ガンバが勝てば勝ち点差が3に縮まってしまいますが浦和が不利になったわけでもなんでもありません。ガンバとは最終戦で雌雄を決するくらいの精神的余裕があっていいんじゃないでしょうか? 

 でも見所が乏しいにも関わらず勝ち点3を確保する試合が多い今年の浦和が、川崎戦では比較的面白い試合を演じながら勝ち点1に留まってしまう。それがフットボールの奥深さなんでしょうなぁ・・・

 長谷部の負傷欠場で代替要員・布陣が注目されましたが、ギドの選択は長谷部に代えて暢久。達也が調子を落としているのでてっきりワシントン1トップと思ったのですが、ギドはワシントン・達也の2トップを選択しました。結果からすればこの選択の評価は分かれるでしょう。ポンテはいかんせん本当にヤバイ時しか守備をしないので、前線に運動量が多い選手を置いておく必要があり、その意味では達也は随分守備に貢献していたのですが、肝心のFWとしての仕事は全然できませんでした。スピード・ドリブルの切れ共に全盛期にほど遠く、後半伸二に交代を命ぜられるのも已む無しでしょう。達也にDFラインサイドのスペースを突かせても全く突破できないのは非常に寂しいものがあります。

 一方長谷部の代わりにボランチやや前目の位置に入った暢久はまずまずの出来といっていいでしょう。過去あまりボランチで機能した覚えの無い暢久ですが、今日の出来なら文句はありません。時折消えがちでしたが、2点目に繋がったドリブルでの中央進出からポンテへのスルーパスには痺れました。ただ判定にいらついて露骨なファウルを犯し、イエローをもらったのはいただけません。

 判定といえば、片山主審。立ち上がりの伊藤のハンド見逃しに始まり、やや浦和に不利と思える判定が相次いだこともあって、久しぶりに浦和の選手達が判定にいらつく場面が目立ちました。しかし、こういう態度はだいたい碌な結果になった試しがなく、今回も案の定勝てず。録画を見るとマギヌンのPKゲットは妥当で、千葉戦の岡田なら山岸はレッドがでてもおかしくないプレーでした。またそれ以外に双方PKを与えてもおかしくないプレーがあり、それらは片山主審が全部流したので良くも悪くも不公平感なし。ただアレックス・暢久・闘莉王に対するイエローはそれぞれ妥当だと思えるのに対し、川崎のラフプレーには一切イエローがでなかったあたりに少々不満があります。

 立ち上がりの川崎は鋭いプレッシングで浦和の中盤を封じ込めにきました。互角の展開でしたが、細かいパス回しで浦和が徐々に川崎のプレス網の回避に成功。右サイドを崩してから闘莉王のシュートは惜しくもサイドネットを叩いたものの、さらに闘莉王のロングフィードをワシントンが川崎DFを巧みに交わして先制! この一点で今日は勝ったと思ったのですが、スピードのある選手が前線に揃った川崎相手に坪井不在はやはり厳しかった様。川崎は浦和DFラインの裏、特にネネやアレックスが上がった裏を執拗に狙っていましたが、2点ともその狙いが嵌りました。山岸がPKを与えた場面はネネがマギヌンに後方からぶち抜かれてあっさり追うのを諦めていますし、浦和の2失点目はアレックスが森にスコンと交わされて高精度のクロスを送られています。後方から飛び込んでくるのは中村の真骨頂。

 それ以外にも左サイドを崩されて2度ばかり決定機を与えたような気がしますが、そこはDCG(だめだこりゃ我那覇)が外しまくって大助かり。ジュニーニョも本調子ではないようで、同点に追いついた後は負ける気がしないまま後半攻めに攻めましたが一点が取れず。

 ギドは引き分けで満足することなく、勝つ気満々で相馬・伸二・永井と攻撃的な選手を相次いで投入。アレックスは前半に一枚イエローをもらい、森に対して厳しく行けなくなったこともあって相馬に代えたのでしょうが、この交代はまずまず。森の進出を抑えたという意味では相馬投入は成功なのですが、相馬の低くて速いクロスはスピードのないワシントンには合わず。そういうクロスは佐藤寿人じゃないと合わないと思うよ・・・ちゅーか、暗に寿人を採れと言っているのか??? ワシントンには緩くてもいいから正確なクロスを送らないと。この二人、とても昨年同じチームでやっていたとは思えない合わなさっぷりですね。

 一方達也→伸二の交代は絶妙でした。惜しくもオフサイドでゴールは取り消されましたが、ワシントン・ポンテ・伸二のダイレクトパスで川崎DFを翻弄した場面を始め、プレスのかからなくなった川崎の中盤・DF陣を尻目に随所でポンテ&伸二が妙技を披露。ただこの組み合わせは前線の守備が機能しないので、ゲーム頭からはやり難いでしょうね。

 さらに平川に代えて永井。今日の平川はマルコンに振り回されることはなく、攻守とも無難な出来でしたが、ギドは攻勢を強めるため永井を投入。ここで関塚監督はなぜか森を左に回して永井と対峙させましたが、その意図は不明。そもそも森が左もできるというのは意外でした。ただギドの願いも空しく永井投入はさしたる効果がなく、浦和の攻撃は左サイドに偏りがちになり、この辺りがこの試合を勝ちきれなかった要因なのかも。

 積極的に選手を代えた浦和に対し、勝たないといけないはずの川崎はマルコンに代えて井川を入れただけで前目の選手の交代はなし。これじゃ関塚監督は引き分け已む無しと判断したと見られても仕方ないでしょうし、適当な交代選手がいないならそれが川崎の限界でしょう

 厳しい試合でしたが、川崎の攻撃力はナビスコで対戦した時から比べれば相当陰りが出ており、浦和からすれば勝たないといけない試合だったように思います。ただこれまで強固な守備をベースに勝ち点を積み上げてきた浦和としては、ホームで2失点しながら勝つというのは少々虫が良すぎるといったほうがいいのかもしれません。今日は緊張感溢れる良いゲームを見せてもらった。それでいいんじゃないでしょうか?

 次節磐田戦は闘莉王がついに警告累積で出場停止。最前線に高さのない磐田相手だったのが不幸中の幸いかもしれません。また、この日の闘莉王は疲れのためか、あるいはコンディション不十分のためか、やや軽率なプレーも目立ちました。ここで休みをもらっておくのは残り試合を闘う上で悪くはないかと。

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