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2006.10.30

【観戦記】磐田 3-2 浦和

181028iwata

 苦手の東海アウェーでまたしても勝てず。

 過去の相性はともかく、近時の対戦成績から見て悪くても引き分けで済ませるであろうと考えてヤマハへ出かけたわけですが、唯一かつ最大の懸念材料であった闘莉王不在の影響は殊の外大きく、立ち上がりに立て続けに2失点を喫して磐田に逃げ切りを許してしまいました。主審やメイン側の副審には言いたいことが山のようにありますが、そもそも早々と2失点も食らわなければああも判定にナーバスになる必要はないわけで、残念ながら審判団が敗戦の原因じゃありません。

 闘莉王に代えてCB中央には堀之内。ネネ・堀之内・坪井で構成した3バック。昨年の天皇杯は闘莉王なしで乗り切った例もあり、この一戦もなんとか凌げるかと思ったのですが、やはりそううまくは行きませんでした。1失点目はCKを後から飛び出してきた犬塚に決められたものですが、ここはマークがずれまくり(暢久・・・)。

 2点目は伸二からの緩いバックパスを奪われたことが発端。坪井がバックパスを難なく処理するように見えたのですが、相手(太田?)と接触して坪井が一瞬動けなくなってしまい、そのまま太田にエリア内で突破を許してしまいました。傷んだ坪井はいつものように背後からボールを奪うことはできず。太田のシュートは山岸がセーブしたものの、こぼれたところにカレン・ロバート。坪井は京都戦での負傷が癒えてなんとか磐田戦に復帰してきたのですが、残念ながら実線に耐えうるレベルにはなかったようで、肝心なところでふんばりが効きませんでした。DFに内舘という選択肢もあったはずですが、スピードのある磐田FW陣に対し内舘・堀之内・ネネでは不安だとギドは思ったのかもしれません。しかし、結果的に坪井スタメン起用は完全に裏目に出てしまいました。

 早い時間帯に2点を先取されたことで浦和は終始前掛りにならざるを得ず、絶えず磐田の鋭いカウンターの脅威にさらされながらの攻撃を余儀なくされてしまいました。2点先行されはしましたが、浦和も前半15分あたりからようやくリズムを掴み、両サイドからチャンスメーク。なぜかオフサイドとなった暢久のゴールを筆頭に枠内シュートを何本か放ちましたが得点はならず。ワシントンへのマークは厳しく、ワシントンへの縦パスが磐田DFに狙われていた感があったのと、久しぶりにスタメン復帰して1.5列目に入った伸二の運動量が物足りない印象は拭えず、中央にでかいスペースができてしまいました(同じく運動量がありませんが、1.5列目としてはポンテのほうが適任です)が、それでもまずまずの出来と思いました。

 ただやや前掛りになっているため中盤でボールを失った際のダメージもまた甚大。とりわけアレックス-ネネで守る左サイドは太田・犬塚のコンビに良いように蹂躙されて、何度も決定機を与えてしまいました。磐田の攻撃は中央で奪って素早くサイドへ展開。そして手数をかけずに再度中央へ。これの繰り返しですが、スピード・運動量が豊富な磐田のSBやSHには実に良く嵌ります。3点目を取られてもなんら不思議はなかったのですが、そこを決められないのが今の磐田の実力なんでしょう。

 川崎・千葉・大分・甲府と攻守の切り替えが速いチームは概して浦和は苦手ですが、すっかりスタイルが変わった磐田も苦手の部類になってしまうのかもしれません。もっとも全盛期の磐田を知るものにとっては、相手に圧倒的にボール支配を許しながらもその隙を虎視眈々と狙う磐田の姿って「もののあはれ」を思わざるをえないのですが、まぁそんな磐田に負けてしまっては感慨もへったくれもないですわな。

 相馬を早い時間帯で準備していたのが判ったので、後半頭からアレ→相馬となるのかなと思ったのですが、ギドの選択はなんと坪井→相馬で相馬・ネネ・堀之内・平川の4バック。今季の浦和は4バックを採用すること自体珍しく、しかもネネ・堀之内は一度も組んだことがないはずなので大博打もいいところなのですが、この博打は(結果には繋がりませんでしたが)吉と出たといっていいでしょう。サイドに蓋をしたことで磐田の両SBは沈黙。守備の負担がなくなったアレックス、そして一列下がってパスセンスが活きるようになった伸二、さらには相馬や平川の攻撃参加で浦和の攻撃に厚みが出るようになりました。左CKからの混戦でワシントンの主砲がついに炸裂。後半早い時間帯に一点返したことで逆転の目が出た!!!と思ったんですがねぇ・・・

 相馬のクリアを田中に拾われ、ファーにポツンと残っていた福西に送られて3点目を失ってしまいました。現場では福西のオフサイドに見えたのですが、どうもアレの戻りが遅れてオフサイドが取れなかった模様。反撃の狼煙をかき消されてしまったかのような痛恨の失点でした。

 またもや2点を追いかけざるを得なくなったギドは後半24分にアレックスと伸二に代えて達也と永井を同時投入。故障を抱えている伸二を90分使うわけにはいかないので伸二の交代は仕方ないのですが、アレックスまで代えてしまったのはかなり疑問。達也の状態はやはり芳しくなく、永井も立ち上がりに一つ良いクロスがあったくらい。正直ユース上がりの若者を一対一で永井が抜けないのにはめちゃめちゃ凹みました。永井が蓋になって平川が上がりにくくなったようにも見えましたし。

 またアレと伸二を共に代えてしまったことの弊害はセットプレーでより顕著になりました。奇跡的といっては失礼ですが、暢久のCKをワシントンがヘッドで決めて1点差に追いつきはしましたが、後の暢久のFKは味方の反撃意欲を削ぐようなあんまりな出来。

 磐田は後半完全にべた引きになってロングボールでカウンターを狙うしかなくなったわけですが、その堅陣をサイドから崩そうとしても両サイドで頑張る平川・相馬のクロスの精度も良好とは言いがたく、ここでもアレの不在が響きました。おまけに闘莉王がいないので、クロスを入れても中央のターゲットが少なくて得点の臭いは漂わず。ネネは最後の最後で上がってきただけ。闘莉王不在の悪影響は前半は守備に、後半は攻撃に表れたといって差し支えないでしょう。

 茶野・服部・金と守備のスペシャリストを入れ、暴力も反則も厭わず逃げ切りを図る磐田を最後は攻め倦んだ按配で試合終了。勝っていれば往時からすれば随分と退嬰的な磐田のサッカーを高笑いに笑うこともできたのですが、負ければただただ頭を垂れるのみ。

 決定機は数多く作っており、返す返すも立ち上がりの2失点さえなければ(勝てるかどうかはともかく)負ける気はしない試合内容でした。また立ち上がりの2失点は止むを得ないとしても引き分けには持ち込める試合でしたが、そこでなんとか磐田に勝ちを引き寄せたのは川口の奮闘にあったといっていいでしょう。さすがは代表正GK。恐れ入りました。

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 まだ6試合も残っているのに、"Sportiva"だの"Soccerz"だの、優勝ムードを煽るようなレッズ特集を読んでニヤニヤしているようじゃダメだということですな。一見何のモチベーションもないようなチームですら、やっぱり浦和には必死で立ち向かってくる。今日の試合は悪い試合じゃなかったけれど、ちょっと相手を舐めたところがあったかもしれない。特に立ち上がり。

 久しぶりの負けで落ち込んじゃうのは致し方ないけれどまだ首位なんだし、来る一戦一戦で相手をなぎ倒してゆけばいいんじゃないですか、選手もサポも。

 楽な道はないけど、ここを乗り越えないと今年は何もない。

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