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2007.01.12

すさまじきもの

オフシーズン中はとにかくやることがないので人事異動ばかりが話題になりがちで、スポーツ新聞の観測記事をもとにあちこちで祭りになったり、逆にお通夜になったりします。

そこでいつも思い出されるのがこれ。

枕草子・23段「すさまじきもの」(抜粋)

 除目に司得ぬ人の家。今年はかならず、と聞きて、はやうありし者どものほかほかなりつる、田舎だちたる所に住む者どもなど、皆集り来て、出で入る車の轅(ながえ)もひまなく見え、もの詣でする供に我も我もとまゐりつかうまつり、物食ひ酒飲み、ののしりあへるに、果つる暁まで門たたく音もせず、「あやしう」など、耳立てて聞けば、前駆追ふ声々などして上達部など皆出でたまひぬ。もの聞きに宵より寒がりわななきをりける下衆男、いともの憂げに歩み来るを、をる者どもは、え問ひにだに問はず、外より来たる者などぞ、「殿は、なににかならせたまひたる」など問ふに、答へには「なにの前司にこそは」などぞ、かならず答ふる。まことに頼みける者は、いと嘆かしと思へり。つとめてになりて、ひまなくをりつる者ども、一人、二人すべり出でて去ぬ。古き者どもの、さもえ行き離るまじきは、来年の国々、手を折りてうち数へなどして、ゆるぎありきたるも、いとほしう、すさまじげなり。

 要するに「今回は主人がどこそこに任官するらしいとの噂を聞きつけて人がわらわらやって、どんちゃん騒ぎ。でも待てど暮らせど結局任命の報せはなく、翌朝になって一人去り二人去りして、古参だけがその場に残って来年に希望を繋いでいる」という、まぁ千年以上前からレッズ本スレ状態(まぁ別に赤に限ったことではありませんが、もっとも派手なので)。人間そんなもんです。

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