« 東京はもらった | トップページ | 新天地へ »

2007.01.03

【観戦記】浦和 1-0 G大阪

20070101emp1

 「全くといって良いほど見どころは無いけれど、しっかりと結果だけは残す」06年浦和の集大成といって差し支えない試合でした。ただそうであったとしてもなんら恥じるべきことではありません。浦和は怪我人等で大幅にレギュラー陣を欠き、方やG大阪はベストメンバーという圧倒的に不利な状況下で、しかもほぼ一方的にゲームを支配されながらも優勝杯を掴み取ったことはむしろ大いに称えられるべきことだと思います。圧倒的に相手を押し込みながら、ついに一つのタイトルも取れなかった04年の浦和。そんなチームが苦しみに苦しんだ05年を経て非常に勝負強いチームに生まれ変わりました。

20070101emp2

 ただ試合内容は悲惨極まりなかったこともしっかりを記憶しておくべきでしょう。天皇杯決勝の浦和は相手を完封できたのが「運が良かった」としか良いようがないほど一方的にやられ続けました。長谷部は出場停止明けにも関わらずベンチスタート。一方負傷で出場が危ぶまれた啓太と暢久は共にスタメン起用され、結果的にこの日のスタメンは鹿島戦と同様。立ち上がりこそ無難でしたが、前半15分あたりから一方的にG大阪に押し込まれ続けました。鹿島戦ではなんとかボロを出さずに済みましたが、やはり伸二&ポンテを2列目で併用すると前からのプレスが効かないためどうしてもDFラインの押上げが効かず、啓太が一人で走り回るだけではG大阪の攻撃陣を中盤で捕まえられません。

 播戸とマグノアウベスの2トップにサイドのスペースを突かれたり、DFラインの間に抜け出されたりするのは日常茶飯事。エリア前でパスは回されるわ、コンビネーションプレーでサイドを崩されるわ、こぼれ玉は拾われるわ、ミドルシュートを浴びるわとガンバ攻撃陣の多彩な攻めの前になすすべなし。セットプレーでもマークを簡単に外されてあわやという場面も続出。さらにネネが二川に絡まれてボールを失ったプレーに代表されるように浦和DF陣に致命的なミスも散見され、よくもまぁこれで無失点で済んだものです。都築の数々のファインセーブもさることながら、G大阪はリーグ終盤に見られた決定力のなさを依然引きずっていたのかもしれません。

 浦和の攻撃もこれまた全くいいところがありませんでした。そもそもボールを奪う位置が低いのと、G大阪の中盤の守備が素晴らしいために手数をかけずに前線へ放り込んでのカウンターに移ることがままならず、おまけに攻守の切り替えも遅いのでようやく浦和の攻撃の態勢が整ったころにはG大阪の守備網はすっかりできあがってしまって手も足も出ず。ポンテや伸二はダイレクトパス一発で局面打開を図ろうとしていましたが、簡単にG大阪守備網に引っかかってしまって効果なし。

20070101emp3

 両サイドが攻守とも機能していないので、準々決勝の磐田戦同様暢久を右WBに回すポジション変更があるものと見ていましたが(実際後半早々にベンチは長谷部を準備していました)、運の悪いことに後半の早い時間で伸二が足首を負傷してしまい、伸二の状態を見極めているうちにだらだらと時間が過ぎてさらにG大阪の猛攻を許す羽目に。後半も15分以上を過ぎてようやく平川に代えて長谷部を投入したものの、そう簡単には流れを変えることができませんでした。

 そして後半31分、ついにギドは岡野投入を決断。しかも今季ほとんど例のないFWでの起用。故障で動けない伸二を代えるのであれば、長谷部を2列目に上げてボランチに堀之内を入れる選択もあったかと思いますがギドは思い切った博打を打ってきました。一方的に攻勢を仕掛けているためやや前掛りになっているG大阪に対しスピードのある岡野投入は理にかなったものですが、今季やっていない作戦を大一番で繰り出すことはなかなかできるものでありません。

 岡野投入で前線が活性化されたためか、若干浦和守備陣にも余裕ができ(それでも播戸に裏を取られて際どいのを一発撃たれましたが)、二川からボールを奪った長谷部が最前線でサイドに開いた岡野へロングフィード。岡野のクロスは宮本の背中に当たってしまいましたが、運良く永井の前に転がって永井がシュート。永井のシュートは緩く、しかも永井らしくちょっとGKに当たってしまいましたが、ボールはコロコロとネットの中へ。これまで全くと言っていいほど何もできなかった永井がこの日唯一のシュートを決めてくれました。ロスタイムを含めて5分強しかない時間帯での先制点。あまり早い時間帯に浦和に先制点が入っていれば、却って攻めるしかなくなったG大阪の猛攻を防ぎきれなかったかもしれません。まさに「いい時間帯」での得点でした。

 遠藤のFKはわずかにクロスバーを越えて試合終了。浦和は06年2冠、そして天皇杯連覇。どんなに劣勢に置かれても諦めない。まさにギドの信念そのもの。ギドの最終戦を飾るに相応しい試合でした。

 組織性、エンターテイメント性でG大阪は浦和を軽く凌駕しながら無冠に終わり、しかも07年ACL出場権すら得ることなく06年を終えました。04年浦和を髣髴させるものがありますが、何が勝負強さを身に着ける切っ掛けになるのでしょうか?
 

|

« 東京はもらった | トップページ | 新天地へ »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17585/13320579

この記事へのトラックバック一覧です: 【観戦記】浦和 1-0 G大阪:

» 浦和 × G大阪 [みのる日記]
第86回 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 決勝: 浦和レッズ 1-0 ガンバ大阪 (2007/1/1) ■ リーグ最終節とは立場の違う両雄 改めまして、明けましておめでとうございます。今年最初の記事はもちろんこれです。国内サッカーファンにとって元日と言えば、天皇杯決勝戦の日に他なりませんよね。晴れ渡る青空の下、今シーズンラストの一戦が国立競技場で行われました。 ここまで勝ち上がってきたのは浦和とG大阪です。�... [続きを読む]

受信: 2007.01.03 21:15

« 東京はもらった | トップページ | 新天地へ »