遠い独立
著名ブログ「缶詰にしん」様のところで紹介されて遅まきながら気づいたのですが、浦和が三菱自からの独立に拘る理由の一端が犬飼元社長から語られています。なんでも
犬飼: そこが一番、頭の痛いところなんです。浦和が三菱自動車の子会社と位置づけられると、500万円以上のお金を使う場合に役員会の決定が必要になるんですよ。そうなれば、選手の獲得に1億、2億円を使用する場合に役員会の決定を待たなければいけなくなる。その間に、選手は他のクラブにとられてしまいますよ。その規則を守らないで選手を買ってしまえば、「レッズの社長は独走する」と非難を浴びる。買ってしまえば、こっちのモノなので、役員会の決定を待たずに選手を獲得する場合もあるんですけどね(笑)。
とのこと。
しかし、この制約が三菱自の子会社一般に広く及んでいるとはとても思えないんですね。三菱自は自動車販売子会社を国内外に多数抱えており、500万円程度の設備投資あるいは新規雇用といった案件をいちいち親会社の役員会で承認しているとは珍妙な話。おそらく浦和レッズの特殊事情 -例えば浦和レッズは資産をほとんど持っていないので銀行から借金ができず、それゆえその資金繰りに親会社が目を光らせる必要がある- がその背景にあり、三菱自子会社一般に関する話ではないという気がしてなりませんが、それはさておき。
もっとも浦和レッズが特殊例だとしても役員会の承認は経営の掣肘であることには違いありません。しかし浦和レッズの経営に自主性を持たせるために三菱自の出資比率を引き下げることに浦和は拘っていますが、本当にそうなのでしょうか? 増資完了後は三菱自の連結対象であっても浦和レッズの裁量を広げてもらう道はないのでしょうか?
三菱自の売上と浦和レッズの売上とはほとんど何の相関も因果関係もないでしょうから、優良子会社である浦和レッズの経営に三菱自が事細かに介入する必然性・メリットはそれほどなく(まさにポスト対策くらいか・・・)、やりようによっては連結子会社のまま経営自主権を確立できそうに思いますが。
「上場子会社の完全子会社化」に関する諸問題とも関連してきそうな話ですが、その辺はもうちょっと勉強してみます。
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