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2007.05.14

【観戦記】浦和 1-1 G大阪

 メロメロの立ち上がりでボコボコにされるかと思いましたが、ガンバが先制後なぜかペースダウン。それに助けられて次第に浦和ペースになり、ガンバの中盤のプレスが機能しなくなった後半はほぼ一方的に浦和が猛攻を仕掛けましたが、終始ラストパス&シュートの精度を欠いて同点に追いつくのがやっと。ワシントンのPK失敗もあれば凡ミスでカウンターを食らってはポストに助けられる場面も2度あり、引き分けは妥当な結果でしょう。

 ガンバは家長を温存して後半勝負の算段だったと思いますが、浦和以上に自軍が疲れてしまったのが最大の誤算。西野の作戦ミスにやや助けられた感もありますが、2度の海外遠征を含む連戦また連戦で疲労困憊の中、最も手強い相手との試合を引き分けで凌いだのはまずまずの結果。川崎・柏に抜かれて4位に後退してしまいましたが、今後戦術消化による上積みがあることを期待(妄想?)すれば、6月の中断期間まで首位に勝ち点3のビハインドくらいで付いて行けば十分。全く焦る必要はありません。

 闘莉王が負傷欠場でスタメン&フォーメーションはこんな感じ。完全な3バックでした。オジェックは完成度の低い4バックでガンバ戦に臨むのはリスク大と判断したのでしょうか?ペルシク戦に続き長谷部がスタメン落ちして伸二が先発。左WBには引き続き相馬が起用されました。永井が外れたのはペルシク戦の出来からすれば妥当。負傷・疲労でどうにもならなくなって、いよいよオジェックもスタメンをいじりはじめた模様。

-----ワシ-----
--伸二---ポンテ--
相馬--------暢久
---阿部--啓太---
--ネネ-ホリ-坪井--
-----都築-----

 試合開始早々マグノアウベスに簡単にDFラインの裏に抜け出されたのを皮切りに、浦和は立ち上がりからガンバの猛攻に晒されてしまいました。ガンバの細かいパス回しに翻弄され、DFラインは下がりまくって、とにかく後から飛び出してくる2列目、3列目の選手を全く捕まえられません。浦和は全くボールが繋げないためにガンバの波状攻撃を許し、至近弾を浴びまくって失点も時間の問題と思っていたら案の定、遠藤の飛び出しに付いて行けず、しかも中央でバレーがフリー。こりゃゼロックス杯に続いてボコボコにされるなと思いました。

 ただ天佑というべきか、ガンバはなぜかその後攻撃の手を緩めてしまいます。ガンバもナビスコ杯を含めて連戦続きで、ああいう狭いスペースにちょこちょこ顔を出すためのフリーランニング(=浦和に非常に少ないもの・・・)を数多く要求するサッカーを続けてゆくのはしんどいので、おそらく浦和が前に出てきたところをカウンターで仕留める狙いに切り替えたのでしょう。その作戦は悪くはないのですが、結果的にその消極的な采配がこの試合を勝ちきれなかった遠因になってしまったような気がします。前半で勝負を決めてしまうべく、一気に畳み掛けられたら浦和はひとたまりもなかったでしょう。

 前半の浦和の反撃は大抵相馬のドリブル突破から。しかしこれ自体は場内が沸く割にはほとんど有効打になりません。数的不利なのに相馬が一人で突っかけていってあさっての方向へクロスを上げるか(負傷の加地に代わって右SBに入った青木と1対1の場合でもクロスの精度は大差なし・・・)、行きどころがなくなって後ろへ戻すかといったところ。オジェックは絶えず複数の選択肢があることを相手に意識させるような攻撃を指向しているはずで、相馬のような「とりあえず縦にドリブル」というタイプは多分好みじゃないような・・・

 ただ相馬が左サイドで孤軍奮闘することでガンバの中央が薄くなったり、右サイドがぽっかり空いたりして、そこからチャンスが生まれたケースが多かったように思います。

 しかしチャンスは作りながらクロスの精度やシュートの精度があまりにも悪くて得点ならず。伸二がエリア前中央で2度ばかりとんでもない方向へシュートを蹴っていたのが印象的でしたが、その辺りがお疲れなのかもしれません。

 後半も立ち上がりは前半同様ガンバが攻勢を仕掛けてきましたが、それを凌いだ後はほぼ一方的に浦和が攻撃。あろうことかガンバは浦和より先に疲弊してしまって中盤のプレスが次第に効かなくなり、ガンバ戦では極めて珍しいことに浦和が中盤でボールを支配するようになって両サイドから猛攻を仕掛けます。しかしなおもクロス、シュートに精度を欠き、また撃てそうな局面で回してしまってチャンスをフイにするなどして得点ならず。

 先に動いたのはガンバ。青木に代えて家長を投入したのは予定通りでしょう。しかし、ガンバは中盤での優勢を失っているためか家長はほとんど印象に残らないままに試合を終えてしまいました。ドリブラーとして評価の高い家長ですが、浦和戦ではいつも不発。主戦場である左サイドの対面に暢久がいることは無関係ではないでしょう。

 なおも攻勢を仕掛ける浦和。ワシントンが数人がかりの浴びせ倒しを食らってようやくPKを得ましたが、大多数の予想通りやっぱりワシントンはPKを止められてしまいました。しかし、オジェックは相馬に代えて長谷部を投入して攻撃また攻撃。中盤スカスカ同士なら日頃から慣れている浦和に分あり(自虐)。長谷部のドリブルを契機に、相馬の代わりに左WBに入った阿部のクロスをファーに逃げたワシントンが目一杯足を延ばしてゴール。

 今季何かと批判の対象になりがちなワシントンですが、あのゴールを決められるのはワシントンしかいません。今日も無理やり中盤でドリブル突破しようとする場面では全部潰され、また判定に激昂してイエローをもらうなど目を覆いたくなる場面もありましたが、エリア内できっちりポストプレーを果たしてチャンスメークしている場面もありました。またお得意のエリア内で足技を使ってDFを翻弄しながら前を向くプレーも徐々に復活しつつある様子。永井の出来からするとしばらくはワシントンと心中するしかないかと。

 しかし浦和も同点に追いつくのが精一杯。同点に追いついた後は浦和も目に見えて足が止まりだし、啓太の致命的なミスパスを代表例としてガンバのカウンターを許す場面が増えだしました。ガンバは切札の播戸、前田を投入。浦和も足が止まっている選手を代えないとまずいと思いましたが例によって(攻撃はうまくいっているのでその流れを切りたくなかったのかも・・・)オジェックは我慢に我慢を重ね、ようやく永井の投入を決断したと思ったら代えたのはポンテ。うーん、今日の出来なら代えるのは伸二じゃないのかなぁ・・・ 

 満を持して投入された永井でしたが、やはり疲労が全く抜けていないのか、何ら見せ場を作るには至らず。これならオジェックが投入を躊躇ったのも頷けます。

 家長に比べると播戸の投入は効果的でいつ突き放されても仕方ない状況でしたが、左サイドでネネや阿部がよく踏ん張りました。そしてポストよ、今日もありがとう。

<終了時>

---ワシ--永井---
-----伸二-----
阿部--------暢久
---長谷部-啓太---
--内舘-ホリ-坪井--
-----都築-----

 またしても勝てませんでしたが、スタジアムは拍手また拍手。立ち上がりは褒められたものでありませんが、それ以外は拍手に相応する試合内容だったと思います。55,000人がまた見に来ようと思うであろう素晴らしい試合でした(もっともそのうちの3万人はどんなクソ試合の後でもやっぱり見に来るのですがw)。

P.S.

●西野朗監督(G大阪)

「両チーム万全な状態ではないなか、消耗戦となった。ウチとしては、レッズがまだ目を覚ます前の、前半に勝負を仕掛けようということだった。そして、非常にいいスタートを切れたが、後半までスタミナがもたなかった。前半のいい時間帯に追加点が欲しかった。後半は徐々に運動量が落ち、両サイドバックは完全に消耗し切ってしまい、苦しい状態だった。連戦のダメージもあったと思う。ただ、両チームともタフでいいゲームができたと思っている」

家長温存でてっきり後半勝負と思い込んでいたのですが、前半勝負だったのですか。確かにゲームの流れからすればそうですね。

 「(右SBの)青木については、序盤からフィットしていなかった。」という感想を漏らしているところからすると、昨年同様レギュラーメンバーが一人欠けるといきなり苦しくなる体質は変わっていないのかも。

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» 虐殺寸前 [うわの空で書いてみる]
そう思いました。(あ、ガンバ戦のお話です。) 一点目をきれぃに取られた時点で、 「あぁ、これは虐殺される、ゼロックスの二の舞になる・・・」 時間の問題だなぁって。 足が止まってる・・・仕方ないっすよ マークに付ききれない・・・無理もないっすよ シュー...... [続きを読む]

受信: 2007.05.15 13:07

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