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2007.05.24

【観戦記】浦和 0-0 シドニー

 終始腰の引けた闘いぶり。リスクを負った攻撃は極力避け、どう贔屓目に見ても引き分けを狙いにいって狙い通り引き分けに持ち込んだ試合でした。結果が何より最優先のグループステージ最終戦。ホームで久しぶりにスカッと勝つ場面を見に来た観客には少々不満の残る試合だったかもしれませんが、まぁこういう大人の試合もたまには良いでしょう。

 ただ結果は狙い通りとはいえ、プロセスも予定通りだったかどうか。前半2度あったビッグチャンス(相馬のクロス→伸二飛び込む! & シトンのポスト→フリーのポンテがシュート!)のどちらかを決めていれば楽勝だったでしょうし、ラインが下がりまくって何度もシドニーの放り込み攻撃を許したのもいかがなものか。決定機を外しまくったあげく、相手の破れかぶれの一発を食らって負けるというのもよくある話で、その意味でも今日は引き分けで本当に良かったと思います。

 スタメン&フォーメーションは前節名古屋戦と全く同じ。

-----ワシ-----
--伸二---ポンテ--
相馬--------暢久
---阿部--啓太---
--ネネ-ホリ-坪井--
-----都築-----

 シドニーはサイド攻撃に長所があるのが判り切っているので4バックを敷いて来るかと思いましたが、事前の練習から想定された通り3バックを採用。オジェックの意図は図りかねますが、案の定シドニーのサイド攻撃に苦しめられました。シドニーはさほど手数をかげずに左右に開いたWGにボールを出し、そこからクロスを放り込んでくるか、あるいは右WGの14番(ブロスケ)がドリブルで中へ切り込んで、空いたサイドに他の選手を入りこませるというパターンが基本。

 浦和とすれば中盤でしっかりプレスをかけ、良い形で左右にボールを出させない守り方が必須なわけですが、勝つしかないシドニーの出足が予想以上に鋭くて浦和は中盤でも優勢に立てず。従ってDFラインはずるずる下がり、左右のWBも下がって5バックになってしまう最悪の状態に追い込まれてしまいました。こういう状態になるとDFラインの前でシドニーに細かくパスを繋がれてしまいます。

 しかし、ブロスケと対峙した相馬が不慣れな守備でそこそこ頑張っていたのと、シドニーのクロスの精度がイマイチなこと。しかもターゲットになる中央の選手をしっかり捕まえていたため大過には至らず(一度シュートミスに助けられたのがあったなぁ・・・)。DFラインの前でボールを繋がれても安易に飛び込まずにじっと我慢。

 押し込まれ気味の浦和の攻撃はカウンター中心。時折高い位置でボールがキープできた時は、おっとり刀で上がってくるWBがフリーになってチャンスが生まれます。しかし浦和は3列目を突っ込ませてまで攻めきる意欲に乏しく、帰陣が早いシドニーの前に苦戦。前の3人+1人でなんとかしろというのが今日の浦和の基本ですから攻めが薄いのは致し方なし。しかもビルドアップの過程で凡ミスを犯してしまってチャンスをフイにする場面もしばしば。気温が上がるとともに暢久にミスが増えてきたような・・・

 数少ないチャンスを活かせず、0-0で折り返し。

 後半はブロスケに対して相馬ではなく阿部が下がって対応する場面が増え、事実上4バックのような形に。立ち上がりに最前線でワシントンが粘ったのを機に伸二が右やや角度のないところからゴールを狙いましたがわずかに逸れ、その後は防戦一方。相馬に代えて長谷部を投入し本格的に4バックに変えて浦和は守りに入りました。

-----ワシ-----
--伸二---ポンテ--
-長谷部-啓太--暢久-
阿部-ネネ- ホリ-坪井
-----都築-----

 浦和の4バックはSBがほとんど攻撃参加しないので非常に守備的(この攻守のバランスの悪さを嫌って、オジェックは頭から4バックにしなかったのかも)。これでシドニーのサイド攻撃を封殺するのには成功しましたが、DFラインが下がりっぱなしなのは相変わらず。そのためDFライン前でのボール回しを許し、さらに中央から際どいミドルシュートを浴びる場面もあって、偶発的な一発を食らいやすい状況には変わりありませんでした。

 今日の浦和は全体がコンパクトになってはいるのですが、ワシントンを含めて前の3人も下がって一塊のブロックを作っているという感じで、引き篭もりと評されても仕方ありません。前の3人がそれなりに最前線からチェースを掛けていて守備陣は大助かりだったでしょうが、この状態で攻撃を仕掛けるのは至難の業。両SBが滅多に上がらないのは仕様通りですが、新たに投入された長谷部もそれほど積極的に前に出ることはなく、浦和の意識はどう見ても引分け狙い。

 後半も30分を過ぎるとシドニーは疲れてサイドを抉ったり、細かく繋ぐことができなくなり、単に後方から放り込むだけになってしまいましたが、それでも何かの拍子でゴールが決まってしまうことがあるので非常に嫌な展開(ピッチ上の選手はそれほどでもないのかもしれませんが・・・)。

 その後オジェックは運動量の落ちた伸二に代えて永井、さらに最後は時間稼ぎを兼ねてポンテに代えて岡野を投入。永井-ワシ-岡野の3トップのように見えましたが、カウンターは不発(永井や岡野には前線でのチェーシングを期待しただけで、そもそもカウンターなんて考えても見なかったのかもしれません)。

 最後の最後でボール回しでのキープと見せかけて長谷部が突如スピードアップ→どフリーのワシントンがシュートフェイントでDFを交わしてシュートという絶好機がありましたが、またしてもこれが決まらずに試合終了。

 不細工な形であれ次のステージに進んだ浦和。テレビ局の都合でか、そのままファン・サポーターへ挨拶へ向かうことは許されず、ピッチ中央でへたりこむ選手達は素直に喜んでいいのかどうか、やや戸惑い気味の表情。必達課題を一つクリアしたオジェックが一番喜んでいるかもしれません。

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