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2007.05.15

オジェック考

ガンバ戦はまたしても引分け。そのせいかオジェック監督への批判は止みそうにありません。

昨年リーグチャンピオンが今年は一転ドロー沼に引きずり込まれるという状況。勝ち慣れた人からすれば今の状況は耐えがたいのかもしれません。でも、私のような「焼け跡世代」からすれば完全に許容範囲内。

もう昔話をする人は嫌われる時勢なのかもしれませんが、あえて繰り返します。

オフトが就任した時も当初は勝てませんでした。ただその間オフトは無為に時を過ごしたわけではなく、選手の見極めを敢行。長谷部を筆頭に若手選手をも引き上げ、今後戦力となりうる選手にいわゆる「基礎」(それが何なのかはよう説明できませんが・・・)を叩き込みました。そして「追い越し禁止」に象徴されるエメ・達也・永井頼みの単純な戦術でやっと勝てるようになったかと思ったのもつかの間、単純な戦術は簡単に対策を講じられて最後は連敗また連敗。そんな1年目でした。

残念ながらオフトのサッカーは当時の犬飼社長に「つまらない」と評価されて2年で監督の座を退くことになりましたが、ギドはその成果を継承。途中主力選手の大怪我&突如退団等のアクシデントがあったのは不運でしたが、徹底して勝負に拘った3年目に見事リーグ制覇。

リーグ制覇1回、天皇杯制覇2回、ステージ制覇1回。この成果にはなんら文句のつけようがありませんが、残念ながら「基本的にリスク回避指向。戦術が単純なため相手に対策を立てられやすい。でも個人能力差でなんとかしちゃう。」という側面はオフト時代と全く変わりありません(オフト時代と違ってセットプレーでぼこぼこ点が取れるようになりましたが)。

要するにオフト路線の延長線上で昨年までなんとかやってきたわけですが、このやり方では個人能力で優位に立てない相手には通用しないのは明らか。浦和が世界で勝負するにはもうワンランク上のサッカー=組織性のあるサッカーをやらないとどうしようもないわけで、オジェックは今それをやろうとしています。

もっとも狙いは判るにせよオジェックの今のアプローチが正しいのかどうか、それは残念ながらわかりません。チャンピオンチームゆえ試行錯誤は許されず、勝ち点を取ってゆかないといけない現実との狭間で悩んでいるようにも伺え、結果的にダメかもしれません。

ただオフトの一年目がそうだったように、チームの立直しにはある程度時間もかかり、目に見えた成果も出にくいのは致し方ないところ。戦力の入れ替えを余儀なくされることもあるでしょう。

しかもオジェックは素人監督ではなく、異国で指揮を取るのが初めてでもなく、ましてや無能ではないことも証明済み。辛抱できないもんでしょうかね?

何かと監督に批判的な言動が目立つ昨今ですが、何の脈絡もなく監督をとっかえひっかえした暗黒時代から全く進歩していない人、あるいはその歴史を顧みない人の何と多いことか・・・

P.S.

オジェックに対する不満の多くは、オジェックが多くを語らないことから来ているに過ぎず、さらにネタをもらえないマスゴミがその不満を煽っているだけじゃないのかという気が。

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