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2007.06.21

【観戦記】浦和 2-0 神戸

 前半は長短のパス回しで神戸を翻弄。紆余曲折はあったものの、セットプレートとPKで2点先行。後半は一転して省エネモード。しかし自らのミスによるピンチが2度ほどあったくらいで神戸に全くサッカーをさせない文字通りの完勝。神戸にしてみれば絶望的ともいえる力の差を感じながらプレーしていたに相違ありません。

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<スタメン>

---達也--シトン--
-----ポンテ----
相馬--------暢久
--長谷部--啓太---
-阿部--闘莉王-坪井-
-----都築-----

 サブも含めて前節FC東京戦と全く同じメンバー。フォーメーションは判りやすい3-5-2でしたが、暢久は守備もやるのに対し、相馬はほとんど守備をやらないことからFC東京戦と基本的に同じといっていいでしょう。もっとも前半暢久が守備に回る場面はほんの少ししかありませんでしたが。

 試合を終えてみれば楽勝そのものでしたが、立ち上がりの浦和はぴりっとしませんでした。神戸に中盤で激しくプレスを掛けられてボールを繋げず、致し方なく闘莉王が立て続けに前線にロングフィードを繰り返していたのが印象的でした。また闘莉王のパスミスから神戸に強襲され、パクにきわどいシュートを浴びる場面も。

 しかし互角の試合をしていたのは立ち上がりの10分くらいまで。後は浦和がボールを圧倒的に支配。前節同様陣形をコンパクトに維持。選手同士の距離が近いため、ポンポンとパスが回る。神戸もポンテ辺りには厳しいマークをつけてくるのですが、ポンテはそのマークを掻い潜ってチャンスメーク。神戸は中盤でボールが奪えずに次第に押し込まれて結果的にベタ引き状態に。

 シトン・達也・ポンテの連携は前節よりもさらに良くなり、お互いを信用してより体勢のいい選手へパスを回そうとしている意図ははっきり伺えました。ただ「より確実に」という意図が強すぎて、撃てそうな場面でも撃たずに繋いで、そのパスが結果的にミスになってチャンスを潰した場面が散見されました。この辺りの精度が上がるとボコボコ点が入るようになるのでしょう。

 神戸は4バックで守っているのですが、シトン・達也・ポンテの連携で中央をぶち破られるのが怖くなったのか、両SBが極端に中に絞るようになってしまい、必然的に両サイドががら空きに。そこに浦和のWBが走りこんで長谷部やポンテがどフリーのWBに配球。サイド攻撃は結果的に実りませんでしたが、形はできていますからOKでしょう。

 セットプレーで闘莉王が再三フリーになっていましたからセットプレーによる得点は時間の問題と思っていましたが、案の定先制点はセットプレーから。

 達也は今日も前線からチェージングを仕掛け、何度もDFラインの裏を狙い、サイドに流れてクロスを配球と大活躍。何といっても達也が入ったことで相手が安易にDFラインを上げられなくなったのが大きい。達也の飛び出しに付いて行けずに、神戸は2度もPKを献上。最初のPKはワシントンがまたしても同じようなコースに蹴って止められてしまいましたが、2回目はポンテがきっちり決めてくれました。ポンテに対し阿部が執拗に蹴らせろと主張していたあたりに阿部の「赤化」が物凄いスピードで進行している感も。

 この2点目で浦和は勝利を確信したのか、後半は徹頭徹尾省エネモード。前半でリードした時の浦和のハーフタイムの合言葉は絶対「ご安全に」だと思いますね。それじゃ緑十字のマークと「安全第一」のスローガンを掲げたどこかの工事現場か工場じゃねぇかと思いますが、どう贔屓目に見てもそういうサッカーをしています。攻撃は前の3人、せいぜいボランチやWBが一人絡むだけ。あとは全員で守備。前節同様DFラインがずるずる下がって神戸の攻勢を許す場面もありましたが、神戸はFC東京よりも一段と攻撃力が劣るので大過なし。もっともリスクを負わないこととラインを下げることは同義じゃないはずで、この辺りをオジェックがどう考えているのか。

 カウンターを仕掛けようとした時に相手と接触して痛んだ相馬に代えて堀之内を投入(阿部が左WBへ)。予定外の交代でしたが相馬は交代後ベンチ脇で体育座りしていましたから大事を取ってということなのでしょう。その後基本フォーメーションは3-5-2のままなのですが、阿部はかなり守備的で相手に応じてどんどん下がるので、実質5-3-2になってしまう場面も。

 ポンテの交代もらしくないミスが連続したため、疲労による替え時との判断かと。代わって投入された伸二。致命的なミスにはなりませんでしたが、「サーカスプレー」は「ご安全に」の趣旨からすれば少々疑問。もっとも終盤にエリア内右でどフリーになった伸二が撃たずに中央のシトンにパスしようとして繋がらなかったあたりは「ご安全に」だったのかもしれませんが。

 最後は次節を考慮して達也に代えて永井を投入。オジェックも交代枠が3つあることに気づいたといっては失礼か。永井は終盤に投入されても疲れきったようなプレーをすることがありますが、さすがに達也の活躍で刺激を受けたのか、この日は永井なりに頑張っていたような・・・

 終わってみれば神戸のシュートはわずかに6本。数字通りの楽勝でした。

<終了時>

後半8分:相馬→堀之内
後半27分:ポンテ→伸二
後半32分:達也→永井

---シトン-永井---
-----伸二-----
阿部--------暢久
--長谷部--啓太---
-堀之内-闘莉王-坪井-
-----都築-----

 あとは雑感風に。

・前半半ば坪井から暢久に高精度のロングパスが通った時、スタジアムがどよめいた気がしましたが、それはいくらなんでも代表のレギュラーに失礼w 相手を交わそうとして「おっとっと」になってどよめくのも止めれw

・暢久が夏場でも正常稼動している。液冷式エンジンでも装着したのか、あるいは強制冷却ファンを導入したのか、メカに詳しい方、解説願います。

・長谷部がイエローを貰って次節出場停止。プレーは悪くなかったと思いますが、やや一人で主審の判定にイライラしていた様子。試合内容的にはイライラする材料なんてほとんどないはずですが、やっぱり移籍問題が尾を引いているんでしょうか・・・

・今日はワシントンのシュートがPKを含めてことごとく入らなかった。PKキッカーは予め決まっているでしょうから、最初のPKを外したことを責めても仕方ないし、それ以上に達也を生かすプレーを繰り返してくれたことで上出来かと。

・今季初の駒場。芝が随分荒れていましたが、早めにJ2レベルのピッチに慣れておこうというクラブの策略なのでしょうか?

・神戸サポのコールはいつの間にかガンバのパクリになっていた。

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