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2007.06.24

【観戦記】清水 0-1 浦和

 今日もシュートは一桁。サイドから良い形は作りながら得点機まで持ってゆけず、しかも数少ない決定機を悉く外しながらもセットプレーで先制点。そして先制した後はしっかりボールを繋いで相手に容易に攻撃の機会を与えない。清水の決定機は前半に一度(児玉がするするっと攻め上がり、そのクロスをどフリーで岡崎ヘッド)あったくらいで、後半は尻すぼみ。FC東京戦、神戸戦よりも逃げ切り方にはるかに安定感があり、それがこの試合で最も良かった点だと思います。

 「堅守をベースにリスクを最小限に留めながら1点とって逃げ切る」という点では昨年と同じ。しかし、その点を取る過程では特定の選手に頼ることなく、コンパクトな陣形の中でボールポゼッションを高めながら多くの選手が絡み、至って組織的。守っても容易に相手にボールを渡さない。

 A3を経てオジェックのやりたいことが日に日に見えてきたような気がします。

20070623ashimizu1

<スタメン>

---達也--シトン--
-----ポンテ----
相馬--------暢久
---阿部--啓太---
-堀之内-闘莉王-坪井-
-----都築-----

 長谷部が警告累積で出場停止。ボランチには代わりに阿部が入って、CBに堀之内。伸二をスタメンで使わなかった辺りは守備重視のオジェックならでは。

 コイントスに勝った清水は風下を選択してサイドチェンジ。後半勝負の算段なのでしょうか。ちょっと意図を図りかねました。

 浦和は立ち上がりから攻勢。左右のWBを使って攻撃を仕掛け、市川を振り切った相馬のクロスがぴったりとワシントンに合う場面もありましたが、その決定機を決められず。その後は共に一進一退。浦和は長短のパス、そして機を見て大きなサイドチェンジを織り交ぜながら左サイドを中心に攻撃を組み立てるものの、清水は伊東1ボランチの4-4-2でサイドに人数をかけているためか、前2節ほど何度も良い形は作らせてもらえず。

 1ボランチの伊東はポンテを徹底マーク。とはいえ中央が薄い陣形で伊東といえども一人でポンテをマークし続けるのは相当にしんどく、封殺というところまでは行かず。

 また猛暑の中のデーゲームのためか、この試合を通じて共にパスミスからカウンターというトホホな場面もチラホラ。あんまりレベルの高い試合ではなかったかと思いますが、時節柄仕方ないか。

 浦和は前述の大ピンチがあった後、ポンテのCKを阿部がどフリーでヘッドで先制。清水のマーカーはニアに流れる闘莉王やファーに入ったワシントンについて行って中央の阿部はどフリー。まるで阿部に道を開けるかのようにDFがどんどん左右に散ってゆく。正しく「モーゼの奇跡」です。

 先制はしたものの、すぐには戦局は大きく変わらず。闘莉王が負傷退場というアクシデントがあって、オジェックはここでなんと細貝を投入。細貝はDFではなく阿部に代わってボランチに入り、阿部がCBの中央に。こういう起用を見るとオジェックはA3で誰が今後使い物になりそうか、しっかりと見ていたのがよく判ります。A3の結果は散々だったけれども無駄ではありませんでした。A3を単なる罰ゲームと捉えているようじゃまだまだということですな。

20070623ashimizu2

<前半42分:闘莉王負傷退場>

---達也--シトン--
-----ポンテ----
相馬--------暢久
---細貝--啓太---
-堀之内-阿部--坪井-
-----都築-----

 後半立ち上がりは共にチャンスがあり(ワシントンとのワン・ツーで達也がGKと1対1になった場面は決めて欲しかった・・・)、どちらかといえば守備陣が突然変わった浦和のほうがややバタついて相手に押し込まれ、DFラインが下がる場面もありました。しかし、サイド攻撃を得意とするはずの清水のクロスは精度を欠き(市川の劣化が凄まじいですな・・・)、またたまに可能性のあるクロスが入ってもFW陣が決めきれず。この辺りはチョジェジンを警告累積で欠いた影響がモロに出ているように思いました。

 後半10分過ぎまでの厳しい時間帯を凌いだあとはイーブンからやや浦和ペースに。細貝が良かったですね。このクソ暑い中、一人長袖の細貝は否応なしに目立ちます。どんどん前に出て攻撃参加。阿部・啓太のボランチだとどうしても共に守備に重きを置きがちですが、細貝が何か吹っ切れたように前線で躍動。攻撃に厚みが増したことはもちろんですが、達也とともに前目から積極的にプレスを掛けることでDFラインの押上げが容易になり、必然的に陣形がコンパクトに。そしてコンパクトな陣形の中で「ご安全に」ボールを回しながら、リスクを最小限に押さえて徐々に清水を追い詰める。最終ラインで必死にボールを跳ね返す06年型の守り方に比べれば非常に安定感があり、こういう時間帯が長くなれば浦和も安泰でしょう。

 絶好機を外した他、前線からの守備を怠らないプレースタイル上3連戦で酷く消耗したのか、今日はやや攻めに積極性を欠いた達也に代えて伸二を投入。今日の伸二は1点差しかないせいか、堅実かつ精力的なプレーを心がけていた感じ。

 健太は岡崎→西沢、藤本→枝村、フェルナンジーニョ→高木純と積極的にカードを切りましたが、3選手とも何の役にも立たず(西沢は清水に年金をもらいに来たんかいな?と思われるほどの酷い出来・・・)に次第に諦めモード。清水は運動量が多いチームのはずですが、後半半ば以降は浦和よりも動けない始末。運動量というストロングポイントなしで浦和に勝つのは至難の技でしょうな。また昨年のエコパで見せたような積極性が影を潜めていたのも気になりました。やっぱりこの日も「飲まれてしまった」のでしょうか?

 またフェルナンジーニョを代えたのは謎。持ちすぎの嫌いがあり、正直清水のサッカーに合っているとは思えないのですが、今日の清水攻撃陣の出来を見ると小さいおじさんを外しちゃ点が取れんでしょう。

 終盤のワシントン→永井の交代の意図は不明。点は取れませんでしたが組み立ての過程では良い働きをしていたワシントンを下げてしまうのは疑問(ワシントンも不満そうでしたが・・・)でしたが、ポンテがイエローをもらって次節出場停止になったため、シトンも何かの拍子にカードをもらって次節出場停止になるのを避けたのかも。岡田主審は不公平感こそなかったものの、接触プレーで簡単に笛を吹き、しかも安易にイエローを出してしまうレフリングでした。

<終了時>

-----永井-----
---ポンテ-伸二---
相馬--------暢久
---細貝--啓太---
-堀之内-阿部--坪井-
-----都築-----

 次節磐田戦はポンテが出場停止。闘莉王の怪我も心配。ポンテの代わりはおそらく長谷部が入るでしょうが、闘莉王がいないとセットプレーに迫力を欠くのは今日の後半を見ても明らかで、その辺をオジェックはどう考えるのでしょうか。

P.S.

 今日の坪井。

 後半右から一本クロスを上げただけではなく、なんとポンテにスルーパス。何があったんだ、坪井?

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