フェルヴォローザ石川、再び経営危機
全選手の契約解除 北信越フットボールリーグ フェルヴォローザ石川 再び経営危機(北國新聞)
記事の最後に出てくる「小林宏之主将」とは元浦和の選手。今年2月に横浜FCからフェルヴォローザ石川に移籍したばかりで、またもや辛い境地に立つことになりました。
新潟の成功に気を良くしたのか、地方都市でJリーグ参入を目指してクラブを立ち上げ、あるいは既存のクラブをテコ入れする動きが相次いでいますが、Jリーグ参入以前に経営面で行き詰まってしまう例が少なくないようです。フェルヴォローザ石川の場合は「主要収入のスポンサー料の伸びを前提にプロ選手を増やし、人件費が大幅にかさんだが、見込みが外れた」という、かつてJリーグでもよくあった破綻パターンだった模様。
大スポンサーが付いていないクラブの場合、フットボールの実力をつけるよりもクラブ経営を安定させるほうが遥かに難しいのかもしれません。
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先月、給料遅配問題が発覚し、経営改善を目指していた北信越フットボールリーグ1部のフェルヴォローザ石川・白山FCが再び経営危機に陥り、八日までにチームスタッフ、全選手との契約を解除していたことが分かった。同日、白山市松任総合運動公園陸上競技場で行われた同リーグ第13節の上田ジェンシャン戦は監督、コーチ不在のまま、選手は「無給」で出場、ホーム最終戦で4―1の逆転勝ちを収めた。
試合後、マスコミ向けに選手側が用意した文書によると給料遅配が表面化した後、先月十四日にクラブ側から新社長を迎えて新たな体制でチームを存続すると文面で説明があり、同十七日には新スポンサーがスタッフ、選手にあいさつしたとされている。
しかし、今月三日に突然、濵吉正則監督が解任され、翌四日には監督以外のスタッフと全選手に契約解除通知書が渡され、六月分の給料を払う見込みがないことが伝えられた。五、六日にはプロ契約している二十二選手に対し、一人二万円が支給されたという。
小林宏之主将は「これからどうなるか分からないが、応援してくれる人たちがいる限り、最後まで戦い抜きたい」と言い、八日の試合で監督代行を務めた西川周吾選手は「不安も動揺もあるけどリーグ戦の残り1試合と天皇杯県予選を頑張るだけ」と話した。
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サッカー北信越一部リーグのフェルヴォローザ石川・白山FC(本拠地・石川県白山市)の経営難や二度の給料遅配を浜吉正則監督が明らかにした問題で、運営会社の吉田貴宏社長(34)と重久誠副社長(30)が十二日、同市の松任総合運動公園体育館で記者会見。関係者への謝罪を表し、チーム存続に向け全力を尽くす決意を明らかにした。 (報道部・青木真)
「私たちを信じ、人生をかけて石川に来た選手、スタッフの信頼を裏切り、スポンサー、サポーター、下部組織、県サッカー協会に迷惑を掛け、子どもたちの夢も裏切った。本当に申し訳ない」。吉田社長が目を潤ませて力ない声で述べ、二人は深々と頭を下げた。
給料の支給対象は選手二十六人のうち二十二人とスタッフ四人、社員三人(一人は選手兼任)で、総額約六百万円。五月十日に出すべき給料を十一、十八両日に半額ずつ支給し、今月八日に出すべき給料が十一日に遅れた。吉田社長は「経営の見通しが甘かった」と理由を説明した。
主要収入のスポンサー料の伸びを前提にプロ選手を増やし、人件費が大幅にかさんだが、見込みが外れたという。五月十一日には吉田社長が一時立て替えて支払ったことも明かした。
今後の給料の支払いも「従業員の給料カットがあるかもしれない」と厳しい状況を説明。チーム存続のための方策については「いくつかの選択肢がある」としたが、具体策の公表は避けた。
現在は、運営会社がチームを、NPO法人が下部組織やサッカースクールを運営しており、当面はこの体制を維持できるよう、遠征の宿泊費の削減やスポンサー拡大などの経営努力を続ける。
また選手について吉田社長は「チームに残ると言ってくれている」としたが、選手から移籍希望があった場合、県サッカー協会を通して全国社会人サッカー協会に特別措置の嘆願書を出す考えも明らかにした。
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