姫路城を巡る
「龍野を歩く」よりつづく
旅の最後は世界文化遺産&国宝「姫路城」を中心に姫路の街を見て歩きました。
姫路城はかなり前に一度行ったことがあるのですが、あまり時間がなかったせいか、暑い中をやたら歩いたという薄ぼんやり記憶があるくらい。これじゃ見たうちに入らんなと思って今回再訪。
現存12城はもちろん、復原された城も含めて随分城は見たつもりですが、改めて姫路城を訪れてみるとそのスケールしかり、迫力しかり、もう他の城を寄せ付けません。圧巻、ただ圧巻。城は政治拠点である以前に軍事要塞。従って天守閣だけがいくら立派でもダメで、それに付随する小天守、またそれらを取り囲む郭や櫓、長屋といったものがしっかり備わっていてナンボであって、その点姫路城は完璧。
付随施設という点で姫路城を特徴づけているのは西の丸の「化粧櫓」かもしれません。
明治期になって一部の館が惜しくも破却されてしまったとはいえ、奇跡的にも空襲を免れて平成の御世に聳え立つ天下の名城。誠に恐れ入りました。
世界遺産登録の効果なんでしょうか、姫路城には外国人観光客の姿が非常に目立ちました。京都観光とセットで回りやすいロケーションも幸いしているのかもしれません。
姫路城に予想以上の時間を費やした後は、最近リニューアルオープンしたばかりの「兵庫県立歴史文化博物館」へ向かいました。入場料が200円と安いことから、リニューアルしたとはいえさほどの規模のものではないことは十分予想できましたが、やはりその予想通りで数多くの歴史上の貴重な品々を収集・展示するというよりは、子供の歴史学習に重きを置いたような博物館でした。
また兵庫県自体が播磨・摂津・但馬・丹波・淡路といった5カ国の寄せ集めで、各地域に目を配ろうとするあまり企画が散漫になりやすいあたりも県立の歴史博物館としてやや気の毒な気もします。歴史上のテーマを兵庫県にある国宝の寺院の紹介、一ノ谷の合戦、船による物流、そして姫路城と大胆に絞り込んだあたりに苦心の色が伺えますが、姫路城見物のついでに訪れる観光客はかなりがっかりすると思います。
国宝姫路城に観光客向けのパネルをゴテゴテと設置するわけにはいかないので、それを補完する施設として当博物館を生かしたほうが集客的には良かったでしょうが、「県立」ゆえそういうわけにも行かないということでしょう。
(つづく)
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