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2007.07.01

【観戦記】磐田 0-2 浦和

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 前半伸二の2得点で早々と先制。おまけに田中誠が一発退場。

 数的不利かつ2点ビハインドの状態で堅守の浦和に勝てるチームなんてJレベルではまずないと思いますが、2点目と引き換えに達也が負傷退場。その後投入された永井の動きが芳しくなく、後半の立ち上がりは数的優位にも関わらず完全に押し込まれ、また山ほどあったカウンターのチャンスをワシントンがことごとく外しまくり、結果は楽勝だったものの後半やや釈然としない内容に終わりました。後半だけを取ってみれば、「面白くないけれども、やたら勝負強い浦和」と言われても仕方のない出来です。

 ただ磐田の攻勢が後半15分くらいで息切れして勝敗の帰趨は早々と決したのは確かで、ロスタイムを待たずに水色の方々が大勢席を立ってゆきました。

 達也の有無でチームががらっと変わってしまうことが明らかになった現在、達也の状態がかなり心配です。

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<スタメン>

---達也--ワシ---
-----伸二-----
相馬--------暢久
--長谷部---啓太--
-阿部ー-堀之内-坪井-
-----都築-----

 ポンテがイエロー累積で出場停止。その代わりに伸二を投入。負傷欠場の闘莉王の代わりに堀之内を3バックの中央に起用。何でも屋の阿部はこの日は左ストッパー。

 立ち上がり早々、達也が倒されて得たFK。シトン、阿部、伸二とボールに集まり、「シトンには絶対蹴らせるな!!!」と念じていたところ、シトンは駆け寄ってスルー。川口は阿部が蹴るものと思っていたのかもしれませんが、伸二のFKは見事ゴール左上隅に決まって早々と先制。

 先制して気が楽になったのか、その後の浦和のパフォーマンスは圧巻でした。磐田の激しいプレスをボールを奪われる寸前でパスを回して交わす心憎いばかりのテクニック。複数人のプレスを交わして、必然的にどフリーとなっている味方、特に高く張った両WBへボールを展開してサイド攻撃。サイドをケアされれば伸二が、長谷部が中央を切り裂く。磐田がラインを上げようとすると達也がDFラインの裏に走る。ドリブルでの個人技勝負とパス回しによる組織的打開が程よくミックスされた、目を見張らんばかりの浦和の攻撃がピッチに展開されていました。

 ただ磐田がボールを奪った場合は遮二無二に中盤でボールを取りに行こうとせず、パスを回させて時間を稼ぎながら徐々にリトリート。相手にスペースを与えないようにして守る。そんな感じだったと思います。もちろん高い位置でボールを奪う局面も時々あり、その時は達也を走らせてのカウンターが極めて有効。

 で、スルーパスを受けてDFライン裏に飛び出した達也がGK川口?と交錯。そのこぼれ玉を伸二がミドルレンジからループ気味に決めて2点目。その後なぜか田中誠が一発退場しましたが、その経緯は現地では全くわからず。達也は一度ピッチに戻ったものの、再度接触プレーで負傷退場。致し方なく、オジェックは永井を投入。

 浦和のどん引き傾向は2点先取以後ますます顕著に。2トップが孤立する間延び傾向といってもいいでしょう。

 若い選手が多い磐田は2点ビハインドの上に一人少なくなったことで戦意を喪失したのか、パスミスどころか、スローインの折り返しに失敗するという初歩的なミスすら頻発し、浦和今季初のボーナスステージになると思ったのですが、それはとんでもなく甘い考えでした。

 選手はともかくアジウソン監督は全く勝負を捨てておらず、後半頭から加賀に代えて茶野を投入。なんと浦和の2トップにそれぞれ1枚DFを付けるだけの2バック状態で勝負に出てきました。従って浦和はたまにカウンターで反撃に出た時には圧倒的な数的優位に立つものの、守っている時には全く数的優位を感じられないトホホな状態に陥ってしまいました。

 前半はあまり奏功しなかったとはいえ、サイドに人数をかけてクロスを放り込んでくる磐田の狙いは明白。前田が好調とはいえ、絶対的に高さのあるFWがいない磐田ですから、闘莉王不在でもサイドからの放り込み攻撃にはなんとか耐えることができましたが、やはり磐石とは言い難く、前田に一発至近弾を浴びてしまいました。都築のファインセーブで事なきを得ましたが。

 磐田のバス回しと後方からの飛び出しに徐々に付いてゆけなくなる浦和。守りきろうとしても守り切れそうにないので、逆に攻めに出て1点取ったほうが早道と思いましたが、この日はその1点が遠かった。磐田が極端に前掛りなので、カウンターのチャンスが山のように生まれるのですが、両FWはオフサイドに引っかかりまくり、またGKを交わしながらもシュートはバー直撃といった場面もあり、結局最後まで一点も取れず。

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<後半:伸二→長谷部>

---永井--ワシ---
-----長谷部----
相馬--------暢久
---細貝--啓太---
-阿部ー-堀之内-坪井-
-----都築-----

 オジェックはこの惨状に対し、とりあえず清水戦で良い働きを見せた細貝を投入。伸二は代えられるほど運動量が落ちたわけではありませんが、守備のテコ入れとしては妥当でしょう(試合後の情報によれば伸二はゲーム中に負傷した模様)。実際細貝投入以降、磐田の攻撃は連動性を失い、散発的にクロスを入れたり、ミドルシュートを放ったりするだけになりました。西二等兵の投入もさしたる効果はなし。

 ただせっかくゲームが落ち着いたのに、浦和は数的優位を生かしてボールを回して時間を使いつつ、相手を真綿で絞め殺すような攻撃が出来ませんでした。前半あれほど組織だった良い攻撃が出来ていたのに、後半は各自がそれぞれ勝手に個人技で攻めている感じ。とりわけシトンと永井の2トップは全くバラバラに動いているように見えて仕方ありません。

 夕方は曇ってやや涼しくなったせいか、今日もまずまずの働きだった暢久。しかし、交代出場の船谷にあっさりぶっちぎられた辺りでオジェックはもはや限界と判断したのか、終盤で岡野を投入。岡野はそのまま右WBに入ると思ったのですが、なんとFW起用。永井が右WBに下がりましたが、この采配が意味するところが気になります。

<終了時>

---岡野--ワシ---
-----長谷部----
相馬--------永井
---細貝--啓太---
-阿部ー-堀之内-坪井-
-----都築-----

 夏季の連戦。しかも代表と掛け持ちで全く休みがもらえない啓太。最近パスミスが目立っています(基本仕様通りといえばそれまでですが)が、やはり疲れは隠せないのでしょう。しかし、やばそうなところで常に顔を出すのは啓太であり、さらにこのスペースに走ってもらいたいというところで顔を出すのもやっぱり啓太。その運動量には恐れ入ります。

 ただ後者の場合は啓太にパスを出してもその後の展開に限度があるのは明白なんで、長谷部がもうちょっと手伝ってやらんとチームとしてしんどいでしょう。長谷部はボールを持った時には輝いていますが、ボールを呼び込む動きにもう一工夫必要かと思います。

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