播州を後に
「姫路城を巡る」よりつづく
姫路 17:38 (のぞみ72号 726-29) 20:46 東京
姫路にはこれといった名物料理がないので、例によって駅弁が頼り。新幹線乗換え口付近はいち早くリニューアルされていて、駅弁売り場も随分と小奇麗に。駅弁売り場の横は軽食屋になっていますが、売られている蕎麦はホームの立ち食い蕎麦と同じ。
姫路の定番「あなごめし」を購入。950円也。
パッケージに添えてある「日本初の『幕の内駅弁』発売」の添え書きが奮っています。先日「NHKスペシャル」で日本は100年を越える長寿企業が世界でも類を見ないほど多いとの放映がありましたが、まねき食品も明治21年創業で立派な長寿企業。
「まねき食品・駅弁」のサイトには幕の内駅弁販売のいきさつについて十分には紹介されていないので、パッケージに書いてあった能書きを全文引用しておきます。
日本で初めて「幕の内駅弁」を考案し販売した竹田木八。
竹田木八は現在の「まねき食品」の初代・基礎を築いたアイデアマンです。
駅弁の誕生には諸説ありますが、おむすびとタクアンを竹の皮に包んだと云う駅弁が、駅弁誕生の定説になっています。しかし当時、これからは折詰に詰めた幕の内駅弁の時代になると逸早く気づいた人物、それが竹田木八でした。
料亭を営んでいた木八は、明治初年、茶店「ひさご」を開業。山陽鉄道(現JR山陽線)が姫路まで開通した明治21年・37才の時、「ひさご」を仕出し店「まねき」に再編、翌年に姫路駅で「幕の内駅弁」の発売を始めました。それは、それまでの竹皮で包んだ駅弁と違い、経木の折り箱に入れた幕の内弁当・全国初の「幕の内駅弁」だったのです。その元祖「幕の内駅弁」は鯛の塩焼き・伊達巻き等13種類のおかずを上折に、白飯を下折という二重の折詰、当時米一升が6銭の時代に12銭という贅沢なものでした。
殺菌効果があるという松材の折箱に詰めた木八の駅弁は、全国津々浦々に幕の内駅弁が広がってゆく元祖となりました。
お客様をお招きするようにと名付けた「まねき」の名、様々な人に喜ばれる物をと、アイデアを時流に乗せた竹田木八。時代のニーズを読む木八の先見性のDNAは4代目考案の和風ダシに中華麺と云う大ヒット商品「駅そば」を生み、今も脈々と受け継がれています。
つい最近広島で「夫婦あなごめし」を食べたばかりですが、こちらは濃厚なタレをかけていないので随分あっさりとした味わい。パッケージには「自慢のだしで炊いたご飯の上に」とありますが、ちょっとご飯が固くなったためか、あんまりだしの味はしません。また値段を抑えるためだと思いますが、あなごの他に鶏そぼろや錦糸卵をふんだんに添えてあるので、いわゆる三色どんぶり風。
値段の差はしっかりあって、質的には広島に軍配が上がりますが、ふっくら柔らかであっさり風味のあなごの素材の味を廉価に楽しむなら、これでもいいかなと思います。
(このシリーズ終了)
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