青函往来(4)
青函連絡船を一渡り見学した後は、津軽へと歩を進めます。
青森 9:57 (かもしか2号 モハ484-1023) 10:26 弘前
弘前 10:30 (弘南鉄道 7102) 10:59 黒石
この辺りではオンボロの特急電車がまだまだ第一線で活躍。傷みを隠すための厚化粧もさることながら、肘掛に収納されない小テーブルが哀れを誘います。
弘前駅は04年に改築されたばかり。ローカル私鉄(弘南鉄道)に乗って津軽平野の東外れにある黒石へ向かいます。
黒石は元々弘前藩の支藩という、城下町といっていいものかどうか微妙な成り立ちの街。しかもたかだか1万石の黒石には陣屋が置かれていただけで、その遺構もほとんど残っていません。明治になって黒石はりんごの産地として栄えたためか、城下町というよりは商業都市的な色彩が強くなったようにも思えます。黒石には弘前から弘南鉄道が伸びているほか、かつては国鉄黒石線が川部から伸びていたくらいなので、昔はそれなりの都市規模・商圏を誇っていたのでしょうが、今はご多分に漏れず市街地の空洞化が進んで寂しい限り。
周辺には田んぼが広がっている他りんご農園が多いようで、りんごの袋を販売している店を見かけました。
そんな(´・ω・`)ショボーン とした黒石ですが、観光の目玉として売り出し中なのが、「こみせ(小見世)」通り。「こみせ」とは黒石藩成立のきっかけとなった津軽信英が整備したといわれる木造アーケードで、その周辺には造り酒屋、味噌・醤油醸造業、米穀店、呉服店などが軒を連ねています。
伝統的家屋の代表格が高橋家住宅。
こちらは造り酒屋「玉垂」。巨大な杉玉が目を惹きます。
東北地方には伝統的家屋が立ち並ぶ商家町はあまり例がありませんから、城下町弘前とセットで通過型観光施設として成功する可能性は十分あるかと思います。ただ長時間滞在するほど「こみせ」の規模は大きくありませんから、これだけで黒石の街全体を活性化するのは少々力不足だと思います。
(つづく)
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