【観戦記】広島 2-4 浦和
広島の無為無策&あまりの出来の悪さに助けられて前半だけで3得点。後半浦和の運動量が激減して猛反撃を食らい、最後はやや肝を冷やす展開になりましたが、浦和の守備力&広島の控え選手の薄さを考えればゲームの帰趨そのものは前半で決まったといっていいでしょう。
代表を多く抱える両チーム。にも関わらず残暑厳しい中でのデーゲームを強いられ、90分を通じて充実したゲームは凡そ期待できないとは思いましたが、それにしても広島の前半の出来は久しぶりに大入りとなったホームゲームとは思えないほど甚だみすぼらしいものでした。広島は普段どおりのフォーメーションで臨んできましたが、守備が堅い浦和相手に尻が軽いフォーメーションで臨む限り広島の先制点は必須で、浦和に先制点を取られた時点で広島のゲームプランは崩壊したも同然。
浦和はシュート数こそ多いとはいえないものの、着々と点を重ねて前半だけで3得点。1-3で折り返したハーフタイムで客席から大ブーイングが起こってもなんら不思議はないはずですが、そこを黙ってやり過ごしてしまうのが戸田の指摘するところの広島のぬるさなんでしょうね。
まぁ早々とゲームが決したため闘莉王が無理に攻撃参加する回数も少なく、闘莉王のゴールを見ずに済んだことが一部の広島サポにとってせめてもの慰みでしょうw
<スタメン>
(浦和)
--達也--永井--
----ポンテ---
平川------暢久
-長谷部--啓太--
堀之内-闘莉王-坪井
----都築----
59分:ポンテ→伸二
72分:永井→ワシントン
85分:闘莉王→ネネ
阿部を出場停止で欠く浦和は大方の予想通り堀之内が左ストッパーで出場。前節大宮戦で謎のスタメン落ちを命ぜられた平川は何事もなかったかのようにスタメン復帰。ワシントンがブラジルでの治療を終えて帰国しましたが、まだコンディションが十分でないのか、この試合はベンチスタート。
(広島)
--ピチブー--佐藤-
-森崎浩---柏木-
服部------駒野
----青山----
ストヤノフ--戸田-森崎幸
----下田----
72分:柏木→高柳
広島はベストメンバー。今季ここまでリーグ最悪の失点数を記録しているので、戸田をボランチに上げて2ボランチにするとの話もありましたが、蓋を開けてみると従前どおり青山の1ボランチの3-5-2という基本布陣。どういう相手に対しても自分のやり方を貫くというのも一つの考え方と思います。
ただそれは選手が通常通り動いていればこそであって、この日の前半の広島の動かなさぶりは酷いものでした。全員が代表選手なんですかね、広島は。
序盤から浦和に押され気味。DFが達也との間を空けすぎて豪快なミドルを食らったのはいかにも不用意(というか1ボランチだと往々にして起こりうる事態ですが・・・)でしたが、その後はWBの裏を浦和に徹底的に突かれる始末。広島が失点に失点を重ねているのは判るような気がします。
駒野vs平川は駒野が積極的に前に出て平川の縦を切ってきました(おまけに平川が仕方なく横パスを出したところは広島にm狙われていたように伺えました)が、駒野の裏をパスを回しながら長谷部や達也が執拗に攻略。時には大きくサイドを変えて暢久が右から攻略と、まさに浦和のゲームプラン通り。仕方なく両WBがサイドをケアすべく下がって5バック気味になれば、浦和はエリア近辺で好き放題にパス回し。
広島は先制されただけも苦しいのに反撃の糸口を掴むどころか、浦和に一方的にボールを回されてアップアップ。たまに前線へボールが繋がって、壁パスやスクリーンプレー等細かい技を絡めてFWが前を向いたときこそチャンスになるものの、それも極々単発。
広島が反撃の態勢を整えられないでいるうちに、浦和はFKから長谷部が加点。そして広島が前掛りになったところをカウンターでポンテ→永井と繋いで3点目。これで広島がどうあがいてもジ・エンドと思いましたが・・・
ウェズレイの反撃の一矢は敵ながらお見事。浦和はウェズレイにボールが入ったところには厳しく当って前を向かせないように努めていましたが、この場面は坪井がちょっと付き切れず、その隙をズバッとウェズレイが突いてきました。
さはさりながら組織的に崩されたわけではなく、大勢に影響のない一撃と流してみていましたが後半の浦和はどうもいけません。後半開始から15分くらいまでは浦和が前半同様パスを回しながら広島を押し込んでサイド攻撃を仕掛けていましたが良かったのはそこまで。オジェックもこの試合は終わったものと考えたのは、イエロー累積3枚のポンテを早々と伸二に代えてきましたが、この辺りから浦和のリズムが狂ってしまいました。
この試合の勝ちが見えて次の試合が気になったのでしょうか、良い形でボールを奪っても遮二無二攻めることなく、ゆっくりとボールキープ。安全第一にボールを回しながら体力温存を図ったのでしょうが、さすがに広島も下位に低迷しているとはいえJ1チーム。そんなに楽に勝たせてもらえませんでした。次第に浦和の運動量が落ちて前線でボールがキープできなくなり、中盤でのプレスもはっきりしなくなって次第に浦和が押し込まれ始め、ついにはサイドで簡単に数的優位を作られて広島得意のクロス攻撃を浴びる羽目に。
もっとも広島の2トップは高さがないので闘莉王が聳える浦和に対しハイクロスは無意味で、広島はアーリー気味にGKとDFラインの間に速いボールを入れるのが主。おまけに浦和が前線にボールが入らなくなったのを見てとったのかストヤノフが盛んに攻撃参加し始め、それに対する浦和のマークが極めて曖昧で危険な形に。しかし広島のクロス攻撃を浦和のDFが必死に跳ね返し&オフサイドも取ってなんとかかんとか凌ぎに凌ぐという御馴染みの展開。
そしてオジェックは前線でへろへろになっている永井に代えてワシントンを投入。ワシントンは前線でのチェーシングはあまり期待できませんが、永井も既にお疲れでチェーシングの役目は果たしていないので、キープ力がある分ワシントンのほうがマシ。あわよくば達也とのコンビで追加点という意図だったのでしょう。
そしてワシントン投入後その意図は半ば成功していたのですが、中途半端な攻勢が災いしてカウンターを食らって思わぬ失点。残り約10分で1点差とややこしい展開になりましたが、その直後にオジェックの狙い通り達也・ワシントンのコンビでダメ押し点を取れたので結果オーライでしょう。
ロスタイムには暢久がPKを取られるというハプニングがありましたが、ウェズレイのシュートはポストを直撃。一番安堵したのは得点王を捨てていないワシントンかも。
逃げ切り方は実に不細工。連戦の緒戦でこれでいいのかという気もしますが、ある意味浦和らしい展開。ワシントンの調子が思ったより良さそうなので、休養明けの阿部共々フレッシュな選手が額面どおり働けばなんとか厳しい連戦も乗り切って行けるかも。
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