【観戦記】オーストリア 0-0 日本
ゲームは支配しているのだが、決定機が作れない。アジアカップで嫌ほど見た光景をまた見る羽目になってしまいました。前半の遠藤FK→達也シュートもポスト直撃!はぜひとも決めておかないといけないわけで、決定機もさほど作れなければ決定力もないという毎度お馴染みの展開がまたぞろ現出。
アウェー、かつ相手のレベルが上がっても同内容だったというのであればまだ救いもあるのでしょうが、残念ながらこの日のオーストリアは実に不甲斐ない出来。立ち上がりこそ果敢に攻勢をかけ、また前半は日本の両ボランチに対して激しくプレスをかける等(啓太は依然お疲れで少々危なっかしい・・・)見所もありました。しかし、時間の経過とともに単に引いて守ってカウンターを狙うだけに堕してしまいました。シュート数で日本に劣るのはもちろん決定機皆無。この内容では、おそらく日本を格下と思っているに違いない地元サポがオーストリア代表に大ブーイングを浴びせるのは当然でしょう。試合そのものはPK戦でオーストリアが勝ったとはいえ、何の慰めにもなりません。
また日本は日本でアジアカップから内容に進歩が見られなかった上に、新戦力にさしたる収穫もなく、これまたお寒い結果に。FWは高原がいないともはやどうにもならないのでしょうか。
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<スタメン>
---達也--矢野---
-遠藤------俊輔-
---稲本--啓太---
駒野-闘莉王-中澤-加地
-----川口-----
アジアカップと基本線はほとんど変えていませんが、FWにはなんと矢野。高原がいないため、オシム翁は思い切って矢野を使ってきましたが、残念ながら達也との2トップは機能したとは言い難い出来に。前半はそもそもFWにボールが入る場面がほとんどなかったというのもありますが、FW間の距離が開きすぎて相互にボールを回せる状況になかったように思いました。結局2トップの絡みで印象に残ったのは後半の矢野がハイボール競り勝つ→達也ドリブルで持ち込んでシュート!の一回きりでしょうか。
穿った見方をすれば矢野をスタメンで出したのは、「これなら巻のほうがマシだろう」ということを万人に知らしめるためだったのかもしれません。実際巻のほうがマシと思わざるを得ないがっかりするパフォーマンスでした。
もっとも矢野ばかりを叩くのは酷というのもので、オーストリアの守備陣は強固そのもの。ちょっと日本の攻めが遅れるとオーストリアはさっさと帰陣してゴール前に8~9人で2ラインの人垣を作ってしまいます。おまけに大きな選手が多いのでハイクロスは効果なし。日本は再三大きなサイドチェンジを交えて相手の薄いところをサイドから攻めようとするのですが、SBが良い形でボールをもらってもそこからの崩しのアイデアがなく、迷っているうちに2人に囲まれてジ・エンドという場面が目立ちました。
狭い局面では日本のテクニックがオーストリアを圧倒。オーストリアも前半は中盤で厳しくプレスをかけに来ますが、日本は難なくそのプレスを個人技でかいくぐってパスを繋ぎます。そこまではいいのですが、そこからゴールに迫れない。結局日本はパスを回しながら相手DFラインの狭いスペースを突くか、あるいはミドルシュートを撃つぐらいしか手立てがなくなってしまい、惜しい場面は2、3あったものの、最後まで得点を上げることはできませんでした。
<後半、3選手投入>
達也→松井
稲本→中村憲
矢野→巻
-------巻----
--松井--------
-遠藤------俊輔-
---憲剛--啓太---
駒野-闘莉王-中澤-加地
-----川口-----
戦前スポーツ紙上で「スピード不足」とオシムに酷評(?)されていた松井を勝負どころで投入。松井はしょっちゅうボールに絡んではいるのですが、オシムになって初選出の悲しさか松井個人ばかりが目立ってしまい、他の選手が松井を使い、使われる「組織化」にはほど遠い印象。
日本は巻の1トップになってサイドでチャンスを作っても最前線が薄い。すっかり足が止まってオーストリアは防戦一方になってしまったせいか、後半半ばから闘莉王が盛んに攻撃参加してきますがその甲斐もなくスコアレスドロー。
オシムは松井の変態テクニックで相手をかき回すことを期待したのでしょうが残念ながら不発。それなら遠藤・中村俊の2枚パサーなんてとっと止めてしまって、どちらか(おそらくより運動量の少ない中村俊)を羽生なり山瀬なり、動き回る選手に代えたほうがまだ可能性があるように思うのですが。高原不在時のFWの力量不足と、両SBのアイデア不足はもはやW杯予選まで解消されないでしょうから、せめてMFの布陣だけは早めに目処を立てて欲しいものです。
P.S.
|-`).。oO 後半途中でモルツ選手が退いたのはキリンの圧力じゃあるまいのぅ・・・
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