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2007.09.23

【観戦記】横浜M 0-1 浦和

Mari1

 マリノス戦らしいロースコアのゲームをかろうじて制して勝ち点3を奪取。

 「”さいたまの弱いほう"は”横浜の強いほう”よりも強かった」とか「世界を相手に闘っている浦和と横縞相手にムキになっている横鞠との差が出た」とかそういう与太話はさておき、概してマリノスのほうが押していながら得点が取れず、数少ない決定機を浦和が決めてそのまま逃げ切りというのはここ数年続いている典型的な対鞠戦の浦和の勝ちパターン。マリノスが勝てた試合のようにも見えますがそれはおそらく大いなる錯覚で、勝てそうに見えるが勝ちきるのは非常に難しいのが浦和というチーム。

 浦和っていうチームは相手からすれば腹立たしいでしょうね。圧倒的にゲームを支配されるどころか、むしろ中盤はぬるくてそこそこボールを持たせてくれる。チャンスもそこそこ作れる。しかしラストパスは浦和のDFに悉く引っかかり、かろうじてDFを交わしてもGKに防がれてなかなか点が取れない。そうこうしているうちにワンチャンスを決められて失点。一方的にやられた気は全くしないが、終わってみればきっちり負けている。毎度毎度そんな試合の繰り返し。

 だから「勝てた試合だった」と思っているうちは浦和に勝つのは難しいでしょう。「勝てる」のと「勝つ」のとは全く違う。04年CSで悔しい思いをした浦和は多大な授業料を払ってその違いを熟知し、そして04年CSを落としたことに始まった「勝つことへの拘り」は今日の試合にも綿々と生きていました。

 もっともそれは半ば精神論というべきものであって、この試合に限って言えば山瀬功欠場でマリノスが戦い方を変えざるを得なくなった時点で怖さが半減。しかも運動量で圧倒的に優勢だった前半に得点できず、後半15分くらいから双方足が止まってぐだぐだ模様に巻き込まれ、ついには決定力の差がでてお約束どおり浦和の勝利。マリノスのゲーム内容は決して悪くなく浦和以外なら十分通用したでしょうが、残念ながら今日の相手は浦和でした。

 永井の1発での勝利。うぃあーなら誰でも雷鳴轟く05年の横浜での勝利を思い起こしたことでしょう。

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<スタメン>

--シトン-永井--
----ポンテ---
平川------暢久
-長谷部--啓太--
-阿部-闘莉王坪井-
----都築----

74分:永井→達也
84分:啓太→内舘
87分:ポンテ→伸二

 浦和は達也がベンチスタート。おそらく次節全北現代戦を見据えて達也を極力休ませようとしたものでしょう。勝負どころで達也を投入。コンディションでマリノスに圧倒的に分がある一戦で、達也投入まで浦和がいかに凌ぎきるかがポイント。

Mari2

---大島--坂田---
-マルケス------清水-
---那須--河合---
小宮山栗原--中澤-田中
-----榎本-----

 一方山瀬功が出場停止のマリノスは中盤のフォーメーションを1ボランチから2ボランチに変更。しかも山瀬功とは全く持ち味が違うマルケスを中盤に投入してきました。今年のマリノスといえば前線からの激しいプレッシングが代名詞のようですが、この試合に関して言えば守備面でこそそのプレスは機能していたものの、攻撃に関しては高い位置でボールを奪ってハーフカウンターといった形はほとんどなく、マルケスがボールをキープしながら一発のパスで相手の嫌なところを突くとか、サイドの上がりを待ってクロスとか、あるいは細かいパス交換で中央突破といったやや時間や手間をかけた攻撃がほとんど。

 コンディションでマリノスが優位に立っている関係か、前半は早々とマリノスが浦和を押し込む展開に。思った以上にマルケスがあちこち動き回るためか浦和の守備陣はマルケスを捕まえきれず、しばしば危ない形を作られてしまいましたが、最終ラインの奮闘で決定的な形は作らせず。最も危なかったのは浦和右サイドからクロスを上げられてファーで坂田に撃たれた場面でしょう。あれを決められていたらそのままマリノスに押し切られた可能性が高かったかと。

 浦和は立ち上がりにセットプレーのチャンスがあった後、ほとんどチャンスらっしチャンスを掴めず。ボールを奪う位置が低く、しかもせっかくボールを奪ってもそれに反応する選手が少ない。おまけに肝心なところでパスミスを犯してカウンターを食らうなどボロボロ、メロメロ。浦和の動き出しが悪いおかげでマリノスはポンテやワシントンにびっしりマークを付けておけばOK! どこからどう見ても浦和は達也投入まで時間を潰しまくる算段というか、それしか手がないように見えました。

 後半は立ち上がりに永井や坂田がチャンスを掴みながら決められずとやや慌しい時間帯があった後はマリノスが急速に消耗して中盤がスカスカに。マリノスが優位だったはずのコンディションの差がなくなって双方チャンスが生まれ始めると後は決定力勝負。これは典型的な浦和の勝ちパターンで、しかもその得点は都築→暢久→ポンテ→永井という手数をかけないものだったというのがいかにも浦和。この一連の流れでポンテや永井に対するマークはゆるゆるでした。

 先制された後も攻め倦みの様相を呈していたマリノスは、愚かしいことに清水がイエロー2枚で退場。その後は終盤にパワープレーに活路を見出すまで有効な反撃もできずにそのままタイムアップ。

 オジェックは永井が先制点を取ったことで達也を酷使せずに済み、しかも啓太やポンテも少し休ませながらも勝ち点3獲得とゲームプランとしては100点満点。もっとも啓太を外して内舘を入れた直後に中盤がゆるゆるになって簡単にマリノスのパワープレーを許してしまった辺りはちょっと肝を冷やしたかも。

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