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2007.10.24

ごらんアウェー:アルウィン2007(3)

前回からの続き)

 松本駅から千歳橋→大名町通りと歩いて松本城へ来た場合、そのまま松本城公園内を直進して「黒門」から天守のある本丸へ入ってしまうのが一般的でしょうが、せっかくですから本丸の東側にある「太鼓門」を見学するのも一興かと。

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 太鼓門は1999年3月に復元されたもので、2つの門と石垣によって「枡形」を成しています。

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 こちらは城の外側にある二の門(高麗門)。残念なことに観光シーズンの最中にも関わらず、二の門周辺は工事でカバーが掛けられていたり、足場が組まれたりしていました。

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 二の門をくぐると否応なしに目に付くのが一の門(櫓門)の脇を固める巨石「玄蕃(げんば)石」。築城工事の際、あまりの巨石のため運搬人が不平を訴えたところ、玄蕃頭康長はその運搬人の首をはねて槍先に刺し、叱咤激励して運ばせたので、玄蕃石と名前がついたとのこと。

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 こちらが一の門(櫓門)。櫓門の右手の北石垣の上には太鼓楼があり、太鼓と半鐘が置かれ、様々な合図が打ち鳴らされていたので、全体が太鼓門と呼ばれるようになったとのこと。

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 太鼓門をくぐった右手が二の丸御殿跡。1978年までは松本地方裁判所があったそうで、すが、それが郊外に移転した後に全面発掘が行われ、現在の形になったとのこと。往時の間取りが地面に表示されていますが、こういうのは相当妄想を膨らまさないと見学はしんどいです。

 なお二の丸御殿は廃藩置県後筑摩県の県庁としても機能していましたが、1876年に不審火で焼失。それが後に長野県の県庁を長野へ持ってゆかれる遠因になったとか・・・

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 本丸への正門にあたる黒門。松本藩では本丸御殿が奥書院(黒書院)であり、その入口にあたるので黒門と称したとのこと。黒門も一の門(櫓門)とニの門(高麗門)で枡形を成しています。一の門は1960年に復興、二の門と袖塀は1989年に復元。

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 本丸御殿跡から見た国宝松本城天守。

 松本城は石川数正(徳川家康の家臣だったが、突如豊臣秀吉へ出奔ことで有名)が築城・城下整備に着手したものの、松本入りしてほどなく死亡したため嫡男康長によって1593~4頃に完成を見たものとされています。

 なお松本城でもらったパンフレットには「現存する最古の五重天守」と書かれていますが、やや誤解を生みやすい表現。天守として最古とされるのは犬山城ないし丸岡城ですから「五重天守の中では最古」という意味。

 五重の堂々たる天守を抱く松本ですが、意外にも松本藩は6~7万石の小藩に過ぎません。あまり知られていないことですが、松本城は明治になって売却・解体されそうになったところを市川量造らが買い戻しに成功して難を逃れています。

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 松本城の特徴は見る角度によって全く趣が異なるところにあります。西面は5層6階の大天守が二重の渡櫓によって3層の乾小天守と繋がっています。

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一方南面は大天守の東に2層の巽附櫓と月見櫓を伴った形。

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 月見櫓を下から見上げると、能舞台かなんかが天守から突き出しているようにも見えます。当然ながら防御力皆無。大小の天守が極めて実戦向きに作られているのとは対照的で、太平の世となった寛永年間(1630年頃)に松平直政によって増築されたとされています(天守普請については大小天守、櫓を問わず有力な資料がなく、何事もはっきりとは断言できないようです)。

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 南西角から見ると松本城の全景がわかります。観光ガイドで松本城を紹介する場合は、ほとんどこの構図でしょう。

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 加工度の低い大小の石を積み上げて石垣を組む「野面積み」は古い様式。

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 見学コースは小天守→渡櫓→大天守→巽附櫓→月見櫓の順。大天守の階段は上に行くに従って急かつ狭くなるため、階段で観光客が渋滞。

 天守最上階から四方を眺めると、開智学校がすぐ近くにあるのに気づきます。

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 埋門から退場。やや風がひんやりしてきましたが、絶好の観光シーズンとあって松本城には多くの外国人観光客の姿も。

 城の隣には市立博物館があり、城の入場券で見学できますが、今回は時間がなくて割愛。松本は各地に博物館が散在しており、機会あればゆっくり見て回りたいものです。

(了)

<参考>名城探訪(2) 松本城

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