木曽路(5・了)
(前回からの続き)
妻籠からバスで南木曽駅へ。本数が限られているせいか、バスは立ち客多数。
乗り継ぎの電車まで時間があったので、近隣にある「桃介橋」へ行ってみました。
老朽化が進んで渡るのはちょっと怖いくらいですが、一見して判るように吊橋の主塔がずいぶん小じゃれています。下部石積み・上部コンクリートの主塔が3基。妻籠宿を見たばかりの眼には時代が一気に明治・大正期にまで進んだように映ります。
南木曾町のサイトによると桃介橋は1922年(大正11年)完成。大同電力(現在の関西電力)が読書発電所建設の資材運搬路として架けたものとのこと。「桃介」の名は当時の大同電力社長福澤桃介(=日本の電力王として有名)にちなんだもの。
その後地元住民の生活を支える橋として機能していましたが、修理ができないまま老朽化が進んで一旦通行止めに。しかし、その後近代化遺産としての価値が認められたことを機に橋の復元が実現し(復元に至るまでの紆余曲折はこちらが詳しい)、93年に復元完了。94年には近代化遺産「読書発電所施設」の一部として国の重要文化財に指定されました。
名古屋圏の木曽川に関西電力が数多くの水力発電所を有しているのは不思議な感じもしますが、これは関西電力の源流となった会社の一つである大同電力が木曽川の水力発電に注力したことの名残に他なりません。先の妻籠宿の近隣にも妻籠発電所があり、こちらももちろん関西電力の所有。
(了)
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