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2007.11.29

【観戦記】浦和 0-2 愛媛

人間歳を取ると誰でも過ぎ去った日々の事(たとえそれが少々辛い出来事であったとしても)が妙に懐かしくなって、懐メロ番組を見て涙ぐんだり、思い出したかのように母校の同窓会にいそいそと出かけたりするものです。

浦和もオールドファンの心理を汲み取ったのでしょうか。リーグ最終戦を前に、鹿島に負けてただでさえ傷ついている心にさらに塩を塗るような「浦和暗黒時代」をそのまんま再現してみせる粋な計らい。

昨夜は強い浦和しか知らない半人前どもに「昔の浦和はこうだった」と説教をかましまくって、惨敗したのをすっかり忘れて悦にいるオヤジ、オバハンがいたるところで続出したことでしょう。

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しかし昨夜の試合は酷かった。

個人能力で優っているはずの相手に組織力で遠く及ばず完敗。もっとも昨日の浦和に組織なんてものはありませんでしたが、図式としては2000年浦和と全く同じ。ただ酷かった2000年浦和でもこれほどの完敗はそうそうありません(そうじゃなかったら1年でJ1に戻れねーよ)。00年にあって昨夜の試合になかったのは勝ちたい気持ち。それに尽きます。

オジェックは事前のマスコミ向けトークを翻して(というかオジェックの言葉を額面通り受取るほうが間違い)主力の半数を温存。それは一向に差支えないのですが、出場した選手はスタメン、ベンチ入りメンバーを見て「捨てゲーム」と解釈してしまったのでしょうか?

今年の天皇杯はACL出場権と無関係。来年はW杯予選の絡みもあって始動が早い。既にビッグタイトルを一つ取ってそれなりに達成感もあることだし、今年は早めに店仕舞いしたいと考える首脳陣や選手がいてもなんら不思議はありません。

しかしだからといって、こんな無様な負けはないわなぁ・・・

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久しぶりに出場した控え選手にさしたる見せ場はなく、選手によっては残念ながら戦力として見切りをつけられる結果となったかもしれません。

この惨敗の7割くらいは覇気がない、やる気がないといった精神論に帰せられると思いますが、残りの3割は構造的な問題でしょう。

昨日の愛媛、そして大宮が典型ですが、DFと中盤の8人できっちりスペースを潰してくるチームが浦和は苦手。前線で動いて相手の陣形をかき乱し、スペースを作ろうとする選手が少ないから。前線にボールが入ってもそのフォローが遅くて終始孤立気味。仕方なく独力でなんとかしようとしては潰されるの繰り返し。

昨日に関して言えば立ち上がり大山の位置が低くて5バック気味になっていた時に相馬が大山と1対1になっていた時にチャンスがありました。しかし大山の位置が修正されて相馬を大山とSBで挟むようになってからは手も足も出ず。

右サイドは90分間全く機能しませんでしたし(3バックが各々思い思いに上がってゆくので細貝はポジション取りに困ったという言い訳はあるでしょうが・・・)、トップ下に入った長谷部にいたっては「これでセリエA行きとは笑わせてくれるわ(´∀`)アハハハハハハ」という、どう贔屓目に見ても力を出し惜しみしているとしか思えない出来。主力組は概してこんなところで怪我したくないわなぁという感じでした。後から出てきた阿部も含めて。

また浦和の構造的な問題の二つ目としては、前々から言われていることですが、組織性、平たく言えば得意パターンというものがない。終始個人技頼み。人が代わると全然違うサッカーをやりはじめる。昨日はポンテ不在がモロに響きました。おまけに闘莉王が見境なく攻撃参加するもんですから攻守のバランスが崩れまくってカウンターを浴び放題。両サイドを崩されて2点取られるのは当然でした。

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セットプレーを蹴れる人材がいなくてFK、CKはほとんど永井が担当。案の定セットプレーから得点の臭いはせず、相手のカウンターのチャンスになるばかり。大将がCKを蹴っていたあの頃を思い出させる浦和の小技に感心しきり。

愛媛を血祭りに上げてリーグ最終戦に向けて気勢を上げるどころか、1点も取れずに惨敗。主力を温存したプラス面もあるでしょうが、選手やサポに与えた精神的ダメージはいかばかりか。この1週間で「勝者のメンタリティー」が「悪魔のスパイラル」に一変。「負けないよ」以降全く勝てなかった02年の暮れにそっくりな急激な失速感。

このどよーんとした、何ともいえない切羽詰った雰囲気。選手を信じたい、いや信じなくちゃいけないんだけれども、ともすればダークサイドに転げ落ちそうな微妙な心理状況。

いやぁ、懐かしいですなぁ(怒)

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どうすんだよ、これ(´・ω・`)ショボーン

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<浦和>

---永井---岡野--
-----長谷部----
相馬--------細貝
---内舘--啓太---
-ネネ--闘莉王-坪井-
-----山岸-----

66分;長谷部→小池
72分:啓太→阿部

<愛媛>

---ジョジマール-田中--
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江後-宮原--青野-大山
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星野-近藤--金守-森脇
-----川北-----

75分:ジョジマール→笹垣
86分:大山→赤井
87分:江後→神丸

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