両毛紀行(3)
(前回から続く)
佐野からJR両毛線に乗って隣の足利へ。足利も空洞化が進んだ街とはいえ、駅周辺は佐野よりは活気がありました。
足利といえば足利学校。足利学校は中世の高等教育機関で室町時代から戦国時代にかけて関東における事実上の最高学府でした。
足利学校の創建については諸説紛糾のようで、公式サイトによれば
・奈良時代の国学の遺制説
・平安時代の小野篁説
・鎌倉時代の足利義兼説
などがあるとのこと。室町時代の前期には一時衰退していましたが、1432年(永享4年)上杉憲実が足利の領主になって自ら再興に尽力し,鎌倉円覚寺の僧快元を庠主(しょうしゅと読み、校長のこと)に招いたり、蔵書を寄贈したりして学校を盛り上げ、関東における事実上の最高学府として有名になりました。
天文年間(1550年頃)に最盛期を迎え、フランシスコ・ザビエルに「日本国中最も大にして最も有名な坂東のアカデミー」として海外に紹介されるに至りましたが、後北条氏と足利長尾氏が滅んで足利学校は庇護者を失ってから足利学校は次第に衰退し、明治5年に廃校。
1980年代以降史跡の保存整備事業が始められ、1990年に建物と庭園の復元が完了し、江戸時代中期の時分の様子が再現されて今日に至っています。
当日は足利学校祭りで入場料無料。学校では特別公演や筝の演奏会等各種イベントが開催されていました。羽織袴姿の鈴木健一(元NHKアナ)にそっくりな人を見かけましたが、たぶん本人なのかも。
学校門:1668年(寛文8年)の創建で現存。
孔子廟。1668年(寛文8年)の造営で日本最古の孔子廟。
方丈:学生への講義、学校行事、お客さまのための座敷として利用されました
庫裡:台所、食堂など日常生活をするところ
書院
衆寮:学生が書物を書き写したり、生活したところ。
衆寮の前では野点も。方丈・庫裡・書院はいずれも90年に復元されたもので、ロケセットのような趣があります。
最も広い方丈ではイベントが開催されていたせいか、この日入場できたのは庫裡に相当する部分のみ。孔子を祭る「釋奠(せきてん)」に関連する特別展示が開催されていました。
(続く)
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