行き詰まるJリーグ
ドイツW杯で日本代表が惨敗を喫し、国内サッカー人気への悪影響が懸念されましたが、翌07年の入場者数はなんと史上最高を記録。過去と比べて試合数が増えているだけで1試合あたりの観客数は大して増えていないというツッコミはさておき、これで
「Jリーグ人気に死角なし(笑)」
のように見えますが、銭金にシビアな世界から見たJリーグの姿はいささか違うようです。Jリーグのスポンサーになっても広告効果がないので撤退。実に厳しい判断。
昨オフにはNHKに放映権料を値切られ、それがスカパーに優先放映権が移る主因になりましたが、そのスカパーも契約者が思ったほど伸びず苦戦している模様(結果としてJリーグファンの固定化を加速させるだけに・・・)。
11日付けの日経によると、Jリーグのスポンサー契約を独占的に扱っている博報堂とその関連会社が最低保証額を設けているので、スポンサー撤退でJリーグが直ちに大きな減収になるわけではない、とのこと。しかしそれはあくまでも目先のことであってこのまま有力なスポンサーが現れないとスポンサー料減は免れません。Jリーグのスポンサー料や放映権料の減少はJクラブへの分配金減に直結しますから収入の少なからぬ部分を分配金に依拠しているクラブはたちまち行き詰まってしまいます。
Jへ新規参入するクラブの明るい話題で盛り上がりな時季ですが、裾野ばかりを広げてきたJリーグ戦略はどう見ても大きな曲がり角に来ています。もはや裾野だけじゃなくて山を高くする=トップリーグの魅力度を高める努力が必要かと。裾野を広げないと山は高くならないのは道理ですが、足元の状況は山を高くしないと裾野を広げようがないところに来ていると思います。
犬飼専務あたりからすれば「トップリーグの牽引役として浦和にもっと頑張ってくれ!」ということなのかもしれませんが・・・ 残念ながら今年の浦和は力及ばず、出版・放送業界はいうまでもなく、長崎県観光協会には多大なご迷惑をお掛けした次第。ACミランと対戦することで十二分に今年のお努めは果たしたかと思いますが、Jリーグの人気振興はいつも浦和頼みじゃ困りますなぁ・・・
----------------------------------
Jリーグ創設時のステージスポンサーだったサントリーとニコス(三菱UFJニコス)が今季限りで、リーグオフィシャルスポンサーから降りることが9日、分かった。17日の理事会後に正式発表される。推定スポンサー料は1社年間3億円。Jリーグでは穴埋めするため、同業の他社と交渉を進めている。
“老舗”がそろってJリーグから離れる。Jリーグ初年度の93年から3年間、第1ステージはサントリー・ステージ、第2ステージはニコス・ステージと呼ばれていた。その両社が07年末までの契約満了に伴い、リーグオフィシャルスポンサー契約を更新しないことが決定。Jリーグ幹部は「時代の流れです。しようがありません」と話した。
関係者の話によると、サッカー界の飲料メーカーと言えば、日本サッカー協会とスポンサー契約を結んでいるキリンの印象が強く、サントリーは広告効果が薄いと判断したという。ニコスに関しては、前身の日本信販が05年10月以降、合併を繰り返し、現在は三菱UFJニコスとなったため、新たな経営陣が契約更新をしないことを判断。すでに9月にニコスブランドの「Jリーグオフィシャルカード」は新規募集を停止した。
現在、9社がリーグオフィシャルスポンサーに名を連ねているが、サントリー、ニコスのほかにも撤退の姿勢を見せている企業があり、Jリーグは新規のスポンサー探しに奔走している。
(2007年12月10日06時00分 スポーツ報知)
| 固定リンク