【観戦記】日テレ 1-1 浦和
リーグ戦では過去2戦大敗を喫したベレーザに対して最大級の善戦を演じましたが、なんとか引分けに持ち込むのが精一杯。
実力差からすれば万々歳といってもいい結果ですが、試合終了後の選手達は派手に喜ぶでもなく、勝てなかったことに落胆するでもなく、なんだか微妙な表情を浮かべているように思いました。
リーグ最終戦。永井監督はこの日もベレーザ相手に真っ向勝負。一歩間違えればまたしても大敗を喫しかねないところでしたが、この日は10月の一戦とは違って運動量でベレーザに負けなかったことと致命的なミスが少なかったこと、さらに運良く先制点が取れたことでなんとか引分けに持ち込むことができました。
風上に立った前半、浦和は立ち上がりからガンガン飛ばして前から積極的にプレス。いつもならこのプレスを簡単に交わすベレーザも浦和の勢いにやや気圧されたのか、普段ならめったに見られないイージーミスを連発します。浦和は高い位置でボールを奪って人数をかけてサイド攻撃。岩倉がキープしたボールを柳田が左斜めやや距離のある位置から叩き込んで先制! その後も安藤がドリブルで中央突破、放ったシュートが右ポストを直撃するビッグチャンスがあり、浦和優位でゲームが進むかに見えました。
しかし残念ながら圧倒的なプレッシングは長続きせず、浦和は次第に中盤でボールが奪えなくなって、前半30分辺りからベレーザが浦和を押し込む展開に。左サイドを何度か抉られる場面が目立ちはじめ、またエリア周辺でボールを回されるようになってしまいました。
それでもCB矢野、森本が最後尾で奮戦。田代の長期離脱で本職ではないCBに起用されている森本は幾度かスピードのある大野に振り切られそうになりながらも必死に食らいつき、人に強い矢野共々MOM級の働きを見せていました。さらにGK山郷の果敢な飛び出しで大ピンチを防ぐ場面もあってなんとか無失点で折り返し。
後半開始早々柳田に代えて百武を投入。柳田が前半途中で負傷したのを受けての交代と思われますが、浦和の中盤で唯一大きなボール展開ができる柳田の負傷退場は誠に痛恨。百武は守備では大いに奮戦していましたが攻撃能力は柳田に遠く及ばず、残念ながらこの交代で浦和の勝機は遠ざかってしまいました。浦和は木原→窪田の定番の交代を見せるも戦局を大きく変えるには至らず。
ベレーザはあまり機能していない右WG荒川(なんであんな低い位置で使っているのかが謎でした)を下げて伊藤を投入し、4-3-3から4-4-2にシフト。その直後に小林弥生のミドルシュートが決まって浦和は同点に追いつかれてしまいました。
ただ浦和はここで気落ちせずになおも奮戦を続けたところがこの日の見所でした。残念ながら浦和は土橋が疲れて右サイドも危機に晒されるようになり、また高橋も疲労の色は隠せませんでしたが、前線の選手がなんとかフォロー。後半も40分を過ぎるとさすがにベレーザも疲弊して、浦和はよれよれになりながらも引分けに持ち込むことができました。
真っ向勝負でベレーザと闘っての引分けはもちろん高く評価していいでしょう。ただ勝負になるところまで持ち込むのと、勝てるレベルになるのとではこれまたとんでもない差があります。端的に言ってしまえば浦和の攻撃は手数がかかりすぎ。いったんFWに当ててサイドに展開するところまではいいのですが、その間に相手の守備陣形が整ってしまいますからそこを崩すのは非常に難しい。クロスの精度がそんなに高いわけではありませんし、そもそも簡単にクロスを上げさせてもらえない。従ってプレッシングでFWが高い位置でボールを奪ってそのまま攻め込むという単純きわまりない方法じゃないとなかなか決定機にならない。そんな感じです。
この日は最後まで松田を投入せずに交代枠を一つ余らせてしまいましたが、松田や堀田、エリといったスピードのある選手を生かすのが永井監督はあまり上手くなさそう。この試合ではっきりと守備に手ごたえを得たでしょうが、勝つにはその辺の選手の活用が必須だと考えます。
-------------------------------------
---北本--安藤---
-----庭田-----
-柳田------木原-
-----高橋-----
岩倉-矢野--森本-土橋
-----山郷-----
49分:柳田→百武
56分:木原→窪田
SUB:池田、笠嶋、松田
| 固定リンク